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2018/19シーズン〜〜攻撃的MF、サイドアタッカー総括〜〜 [Arsenal F.C.]

〜〜攻撃的MF、サイドアタッカー〜〜

10メスト・エジル(30歳)
7ヘンリク・ムヒタリアン(30歳)
17アレックス・イウォビ(23歳)
55エミール・スミス・ロウ(18歳)
59ジョー・ウィロック(19歳)


Arsenal 1.jpg今シーズンの2列目のポジションの構成は
1トップ下+2サイドアタッカー、
2シャドー、
2サイドハーフ、
1トップ下等が組まれましたが
1トップ下+2サイドアタッカーと
2シャドーは1トップと共に組まれ
2サイドハーフと1トップ下は
2トップと共に組まれた様に
トップの構成に合わせて
組み合わせを変えてきた所もあると思われます。

シーズン序盤は
1トップに1トップ下+2サイドアタッカーと言う形が
多く組まれました。
この形はトップに1人しか起用出来ない変わりに
サイドアタッカーを置ける事で
サイドに起点を置きサイドから崩す
エメリ監督のスタイルにも対応出来、
10エジルが最も得意とするトップ下で起用出来ると言う
利点がある組み合わせだったと思います。
その一方でこの形では9ラカゼットと14オーバエヤンの内、
どちらか1人しかトップで起用する事が出来ず
残りの1人をサイドで起用すると言う使い方はありますが
この2人のストライカーとしての能力を
フルに活用出来る形とは言い切れない形でした。

ストライカーを1人しか起用出来ないと言う意味では
3−4−2ー1の時の2シャドー+1トップにも言える事ですが
一方でこの形ですと
2シャドーの一角に入る10エジルには
自由に使えるスペースが増える一方で
献身的にカバーしなければならないエリアも広大になり
10エジルの献身性とカバー能力の関係上
問題が出る事もあったと思います。

一方で9ラカゼットと14オーバメヤンの
2人のストライカーとしての能力を
最大限に活用する為には
この2人を2トップで起用する必要性が出てきてしまい
それに伴い2列目も4−4−2の2サイドハーフの形か
3−4−1ー2の2トップ+1トップ下、
と言う組み合わせも組まれました。
2サイドハーフの形では
サイドに起点を置きやすい形ですので
エメリ監督のスタイルに対応出来る形である一方で
この形では10エジルの居場所がなくなります。
一方で10エジルの起用を優先しますと
トップ下で起用出来る2トップ+1トップ下の形ならば
9ラカゼットと14オーバメヤンの2トップと共演出来ますが
この形ですとサイドに起点を作りづらくなり
結果的にエメリ監督のスタイルには合いづらい様に感じました。

今シーズンの総シュート数の減少と言う
問題点を改善する為には
チャンスメイク力を上げる必要があり、
その為には2列目の充実が求められます。
その一方でその少ないチャンス数の中で
しっかりとゴールに結びつける為には
9ラカゼットと14オーバメヤンの
ストライカーとしての能力に頼る必要もあり
そう言う意味ではこの2人を
2トップで起用するのも理にかなっていると思います。

シュートチャンス数を増やす事を重視するか、
限られたシュートチャンスを
一つでも多くゴールに結び付ける事を重視するかと言う
禅問答的な問題ではありますが
個人的には9ラカゼットにしても
14オーバメヤンにしても
独力でゴールをこじ開けるタイプのストライカーではなく、
反対に自らのチャンスメイク力にも
限りがあるタイプだと思いますので
この2人の力に頼りすぎるのは反対で
トップを1人削ったとしても2列目の充実を計り
一つでも多くのシュートチャンスを増やす方向性で
この2列目を構成した方が良い様に感じます。

その一方で今シーズン2列目を担った個々の選手たちは
明暗が分かれてしまったと思います。

まず本来ならばこの2列目で
攻撃の中心的な役割を担わなければならなかった
10エジルの出来は良くなかったと思います。

勿論、全てが全て良くなかった訳ではなく
10エジルの能力が発揮された試合もありましたが
全体的に見れば10エジルの能力が
発揮されていない試合の方が多かったと思います。

それは今まで以上に献身的なプレスを要求する
エメリ監督のスタイルへの適応に苦しんだと言う
シンプルな理由もあると思いますし
年齢的に今更そのスタイルに適応するのが
難しくなっているのかもしれませんが
反対に気持ち良くプレー出来てこそ
その能力が発揮されるタイプの10エジルにとって
自由度が失われると言う事は
足枷を嵌められている状況と同じであり
持てる能力の一部しか発揮出来なくなってしまった為かもしれません。

よってエメリ監督が目指すスタイルを追求するならば
10エジルのプレースタイルは噛み合わせが悪く
反対に10エジルの能力をチームの基礎として活用する為には
エメリ監督はスタイルの変更が必要になると思います。

どちらにせよ今シーズンの
シュートチャンス数が少ないと言う問題は
この2列目が機能していないと言う所に
多かれ少なかれ原因があると思われますので
来シーズンに向けて大きな決断が必要になると思われます。

一方で7ムヒタリアンも
期待された結果を出せなかったシーズンだったかもしれません。
今シーズンも主に右サイドで起用される事が多かった7ムヒタリアンは
その右サイドで攻撃の起点となり
攻め上がってくる右SBを上手に使って
エメリ監督が目指すサイド攻撃を
具現化した選手だったと思います。
その一方で元々感覚でプレーする部分が多い為か
周囲の動きと全く噛み合わない試合もあり
その辺りの好不調の浪が大きいシーズンだったと思います。

しかし前線から献身的にプレスを掛ける要求に対しては
ドルトムント時代にゲーゲンプレスを
体験しているだけあって
その要求にはしっかりと応えられていたと思いますので
エメリ監督のスタイルを具現化すると言う意味では
10エジルよりも7ムヒタリアンの方が
噛み合わせは良かったのかもしれません。

この2人とは異なりこの1年の間に大きく成長したのが
17イウォビだったと思います。

今シーズンも完全にポジションを掴んだ訳ではありませんが
それでも左サイドに入った時の
31コラシナツとのコンビネーションは非常に強力であり
一時期は分かっていても止める事が出来ない程の
息の合ったプレーを観せて
アーセナルの仕掛けの中心を担っていた時期もありました。

この3人以外ではシーズン前半に
大きなインパクトを観せた55スミス・ロウと
エメリ監督によりCMFから2列目に
コンバートされようとしている
59ウィロックの2人の若手も
来シーズンは向けて期待を抱かせてくれる
シーズンになったと思います。

とは言え、主力の3人だけではなく
若手の2人にしても
以前からエメリ監督が求めている
独力で仕掛ける事が出来る
ウイングタイプの選手ではない所には
スカッド上の問題があるかもしれません。

今シーズンはサイドの選手とSBの選手の連携で
サイドから何度となくチャンスメイクを行ってきましたが
その殆どが裏のスペースに走り込んできた選手に対して
スルーパスを送って崩す形だった為に
シーズンが進むにつれて走り込んでくる選手にマークが付き
しっかりと対策が練られてしまうと
綺麗にサイドから崩す事が出来なくなったのも事実だと思います。
その様な時に独力で状況を打開出来る
ウイングタイプの選手がいれば
単純にパスを出すか、自ら切り込んでいくかの選択肢が生まれ
それだけでも相手の対応を難しくし
サイドからの仕掛けのバリエーションを
増やす事が出来る様になると思います。

シーズン終盤の頃には17イウォビが
独力で仕掛けるプレーを増やしている事からも
ウイングタイプの選手の様なプレーが
求められている可能性があり、
またホッフェンハイムから戻ってくる48ネルソンは
現在のスカッドの中では
最もウイングタイプに近い選手と言えると思いますので
来シーズンは今シーズンよりも
より多くのバリエーションを持った2列目を
構成出来るかもしれません。

そしてそれを確実に実行する為に
もう1ランク上のウイングタイプの選手を
この夏に補強する事が出来るのかどうかは
非常に気になる所です。


C'mon Arsenal !!


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