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ジョゼ・モウリーニョ解任 [プレミア・リーグ]

ジョゼ・モウリーニョ解任。


PremierLeague.jpg


遂にMr.スペシャル・ワンことジョゼ・モウリーニョが
クビになりましたね。

正直、どう考えても遅すぎですよね。
昨シーズンの覇者が、
今シーズン16節が終わった時点で
4勝3分け9敗:勝ち点15で
降格圏まで勝ち点差1の16位。
この成績は余りにも酷すぎましたのでね(苦笑)。

これまで「忍耐」と言う言葉と対極にいる事が多かった
アブラモヴィッチ氏が今回だけは珍しく
我慢強くMr.スペシャル・ワンが
チームを復活させてくれると信じていた様ですが
今回ばかりはその判断は失敗だったと思います。

外から見ていても
少なくとも1ヶ月、いや2ヶ月程前の時点で
Mr.スペシャル・ワンをクビにするべきだったと思います。
そうしていたら今の様な順位にいる事はなかったでしょうね。

それにしても今シーズンのMr.スペシャル・ワンは
完全に常軌を逸していたと思います。
まぁ、常軌を逸しているのは今に始まった事ではないかもしれませんが(苦笑)、
正直、この人大丈夫かな?っと感じたのは
やはりエヴァ・カルネイロ医師の件ですね。

ご存知の様に負傷したアザールを救護しにピッチに入った
カルネイロ医師の行動に対して
「カルネイロ医師がピッチに入った為に
アザールは一度ピッチの外に出なければならなくなった。
その為に退場者を出して数的不利だった上に
その間9対11になってしまい更に不利な状況になってしまった」と
カルネイロ医師を公の場で批判しまくっていました。
全くもって常識人では完全に理解不能です。

このMr.スペシャル・ワンの言動と態度は
選手を救護する為にベンチにいる
チームドクターの職務自体を否定しただけでも問題ですが
この時にチェルシーと言うチームを
完全に壊してしまった様に感じます。

特に昨シーズン優勝の立役者であるアザールにしてみたら
自分が負傷していよういまいが、
Mr.スペシャル・ワンにしてみたらそんな事は全く眼中になく
そんな事よりも自分のチームの勝利、それだけが大事だと
言っている様なものです。
この時は幸い軽症でしたから良かったと思いますが
Mr.スペシャル・ワンの論法で言うならば
仮にアザールが重症だったとしても
数的不利にならない為にピッチに残れと言っている様なものですので
その様な指揮官に付いていこうと誰が思うのでしょうか?
この時点でアザールはMr.スペシャル・ワンと共に戦う気持ちがなくなっても
不思議ではない様に感じます。
勿論、それはアザールに限らず他の選手達も
Mr.スペシャル・ワンの根底にある物が
自分のチームの勝利の為なら選手なんてどうだって良い、
と言う事を肌で感じてしまったでしょうから
モチベーションを失ってしまう選手がいても不思議ではないと思います。

さらにチェルシーを壊していったのは
選手に対する度重なる批判だと思います。
理由はどうあれ調子が上がらない選手は確かにいたと思います。
コンディションに問題があるのかもしれませんし、
本当に怠けているのかもしれません。
先ほど指摘しました様にMr.スペシャル・ワンと共に
戦うモチベーションを失っていたのかもしれません。
しかしその様な選手を公の場で名指しで批判しても
その選手は調子が上がるのでしょうか?
ただ単に怠けている選手は変わるかもしれませんが
特にMr.スペシャル・ワンと共に戦うモチベーションをなくしている選手は
さらにモチベーションを落としていくだけだと思います。

Mr.スペシャル・ワンはこれまでも自分が正義で、
自分の周りに悪である敵を作り、
その敵を攻撃する事でしか自分の存在感を出せない
幼稚なキャラクターでしたが
その方法は悪である敵が他のクラブ等だから成立していましたが
今回のように自分のクラブの中に敵を定めてしまったら
もはや行き着く先には崩壊しかないのは明らかだったと思います。

それにしてもMr.スペシャル・ワンは
本当に何が問題だったのか気付いていなかったのでしょうか?
それとも、事の重大さに気が付いたけれども
プライドだけは高いMr.スペシャル・ワンは
引っ込みが付かなくなってしまったのでしょうか?

ラストインタビューでも
「私と仕事をすることを望む必要がある」
「私が一緒に仕事ができる最高の監督だということを理解する必要がある」
とコメントしているようです。
最後の最後まで自分の問題を棚に上げ、
「正義は自分」で「悪は選手」と言う立場を貫き通し
保身に走っていましたので
結局何も気が付いていなかったのでしょうかね(苦笑)。

これまでもMr.スペシャル・ワンの言動は
常識人の範疇を逸脱する物が多かったのは言うまでもありません。

批判する事や色々な個人的な評価を口にする事は
決して間違いではないと思いますが
問題はそこに相手に対するリスペクトがあるかないかが問題です。
もしそこに相手に対するリスペクトがなければ
その時点で低俗な悪口となり侮辱する言葉に変わってしまいます。
その様な言動はメディア受けするとは思いますが
その愚かな言動は必ず自らに戻ってくると言う事は
誰もが知っている事です。
案の定、今回もこれまでのMr.スペシャル・ワンの言動が
自身に返ってきたのは必然とはいえなんとも皮肉な物ですね(苦笑)。

我らがボスに対しても
「失敗のスペシャリスト」
「PLの中で成績が悪くても首にならない唯一の存在」
「あれだけの布陣で優勝できないのは、、、」
など批判ではなく侮辱するコメントを何度も公の場で発してきました。

その言葉を発した結果どうだったでしょうか?

今シーズン、考えられない様な醜い成績で降格圏争いをしていても
長い間守られ続けて首を切られなかったのは
一体誰だったのでしょうか(苦笑)。

昨シーズン優勝したチームを指揮して
上位争いどころか降格圏争いを演じていたのは
一体誰だったのでしょうか(苦笑)。

そして失敗した時に全てを他人のせいにして
何も出来なかったのは一体誰だ他のでしょうか(苦笑)。

以前にMr.スペシャル・ワンは
これまでのキャリアでこの様な不調に陥った事が初めてだと
コメントしていた事がありましたが
このコメントこそがMr.スペシャル・ワンの
メッキが剥がれた瞬間だったと思います。

ポルト、チェルシー、インテル、レアルで奪ったタイトルの数をみたら
確かに素晴らしい実績だと思います。
クラブを移ってもその先々で結果を残した事実は
評価しなければならない所で
特に勝負師としては超一流の監督だと思います。

しかし、これらの実績が全てMr.スペシャル・ワンの力で
もたらしたのかと言えばどうやらそうではない様にも感じます。
今回の低迷ぶりを考えますと
これまではたまたま良いタレントに
恵まれていただけだったのではないでしょうか?

これまでの成功したキャリアの中でポルトが
最もタレント力に乏しいクラブだったと思いますが
それでもポルトがCL制覇した後には
ポルトの主力選手の多くはメガクラブに旅立ち
それぞれのクラブで主力として働いた事を考えますと
94/95シーズンのアヤックスの時と同じ様に
光り輝く原石の宝庫の様な状況だったのかもしれません。
チェルシーの第1次政権ではアブラモビッチ氏から
数年の間に欲しいタレントを好きなだけ与えられていました。
インテル時代はすでに前任監督であるマンチーニが
セリエA三連覇したチームを引き継いだ形であり
すでに優秀なチームの土台は出来上がっていました。
レアルは今更言うまでもなくワールドクラスのタレントの宝庫です。

それら有能なタレントが属するクラブに
監督として招かれる事自体は素晴らしい才能であり
それら有能なタレントを巧みに使い
勝利に導く勝負師としての才覚は素晴らしいと思いますが
その一方でチェルシーでの第2次政権の初年度や
今シーズンの様に十分なタレントがチームに存在していないと
そこから何かを生み出す事が出来ないと言う
監督しての能力の足りない部分を露呈してしまったと思います。

スポーツの世界に限らない事ですが
誰もが知っている真理があります。
失敗はする事は仕方がありません。
しかし問題はその失敗から何を学び
それを次への教訓にする事が出来るかどうか、
それが人を成長させる為には最も重要な事だという事を、、、。

これまでのキャリアで失敗した経験がないと
Mr.スペシャル・ワンは自慢げに話していましたが
別の見方をすればMr.スペシャル・ワンは
成長するチャンスを逸してきた
不幸な道を歩んできたとも言えます。
その結果壁にぶつかった時に立ち直る術を知らない
幼稚さを示す結果になってしまったのは必然だったのかもしれません。

それは監督という職業でも同じ事で
全てが上手くいっていないチームを
どの様に修正して導いて行けば良いのか
Mr.スペシャル・ワンは知らないかもしれません。
これまでは自身の力で壁を乗り越える事が出来る
有能なタレントに囲まれていましたので
チームが壁にぶつかっても
強い言葉で気合を入れ続けるだけで
その壁を乗り越える事が出来たのかもしれませんが
チームの選手が壁を乗り越えられない、
もしくは乗り越えようとしない時に
監督としてその壁を乗り越えさせる術を知らない
Mr.スペシャル・ワンにとっては
最高の監督がいるのになぜ選手が動かないのか
本気で理解できなかったのかもしれませんね。

そういう意味ではファーガソン監督は敵ながら
まさに別格と言うべき監督だったのかもしれません。
ファーガソン監督もキャリアの中で失敗のシーズンが何度かありましたが
その様なシーズンでも必ず次のシーズンに繋げ
そして次のシーズンでは必ず結果を出していました。

そしてMr.スペシャル・ワンが「失敗のスペシャリスト」と揶揄する
我らがボスもこれまでの上手くいかなかった事は多々あると思います。
しかし我らがボスもその失敗に屈する事なく
何度でも立ち直って来ていると言う事の重みを
Mr.スペシャル・ワンには全く理解する事が出来なかったのは
非常に可哀想に感じます。
失敗をする事から成長し
それが最終的に人としてそして監督としての
懐の深さになる事を知るべきだと思います。

残念ながらMr.スペシャル・ワンのメッキは
大分剥がれてしまったようですね(苦笑)。
Mr.スペシャル・ワンはどの様な状況でも
チームに成功をもたらす天才的な監督ではなく
その率いるチームに多くの有能なタレントがいる
「強いチーム」が必要な極普通の監督だと言う事が
バレてしまったようです。。
その一方で有能なタレントが揃っていないチームや
問題がある状態のチームを
一から勝つチームに作り上げる事は
残念ながら出来ない監督と言えますので
今後Mr.スペシャル・ワンを雇おうと思っているクラブは
気を付けた方が良いと思います。

どちらにせよこれでPLに下品な輩がいなくなって清々しています。

イングランドらしく紳士達が集う正々堂々とした
純粋に楽しめるフットボールショーが戻ってくるでしょう。

そしてMr.スペシャル・ワンが去った事で
チェルシーは本来の調子に戻るのは間違いないでしょう。
噂では後任にはヒディングが戻ってくるようです。
首位争いをしているクラブにとっては
非常に厄介なチームが目を覚ましてしまうかもしれませんね。


C'mon Arsenal !!


「ホームグロウン制度」の改革について、、、。 [プレミア・リーグ]

「ホームグロウン制度」の改革について。


今回は少し前にちょっと気になるニュースがありましたので
その事について私見を書いてみたいと思います。

それは「ホームグロウン制度」の改革案です。

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これまでの「ホームグロウン制度」は、
・プレミアリーグのファーストチームの22歳以上のシニアの登録数は25名まで
・そのうち21歳の誕生日を迎えるシーズンまでに
 3年以上イングランド&ウェールズ内のクラブに所属していた選手を
 国籍を問わず「ホームグロウン」選手とする。
 その「ホームグロウン」選手は最低8名の登録が必要
 (反対に言うと「非ホームグロウン」選手は17名まで)
・その他21歳以下の選手の登録は随時追加出来る。
 と言う制度です。

そして今回FAが発表した改革案は
・「ホームグロウン」として登録する選手は国籍を問わず
 18歳の誕生日を迎えるシーズンまでに
 3年以上イングランド&ウェールズ内のクラブに所属していた選手に引き下げ
・その「ホームグロウン」選手は最低12名の登録に増加
 (反対に言うと「非ホームグロウン」選手は13名まで)
・「ホームグロウン」選手の内最低2名は、国籍を問わず
 18歳の誕生日までの3年間そのクラブに所属した者が必要

先日発表された労働許可証の発券の改革案と共に
今後のチーム強化に大きな影響を及ぼしそうに感じます。


この「ホームグロウン制度」の改革案は
その国のトップリーグのクラブとヨーロッパの試合において
イングランド籍の選手が試合に出場した比率が
他国に比べて非常に低い事が
近年国際舞台でのイングランド代表の弱体化の原因と捉え
この「ホームグロウン制度」の改革で
イングランド籍の選手の出場機会を増やす事で
代表チームの強化に繋げる事を目的にしているようです。

確かに昨今のイングランド代表の弱体化は
明らかに進んでいる様に感じます。
攻撃的な選手に関してはリバプールのスターリッジとスターリング、
スパーズのケイン、エヴァートンのバークリー、
そしてアーセナルの10ジャック、14ウォルコット、15チェンバレンと
ワールドクラスとはいかなくても可能性を感じるタレントはいると思います。

一方の守備陣はどうなのか?
特にCBはかなり厳しい状態だと私も思います。
ファーディナント、テリーの後に続くべきCBが
ケイヒルとジャギエルカではやはり寂しく感じます。
本来ならばスモーリングやフィル・ジョーンズが
とっくの昔に代表のレギュラーで定着している事が期待されていましたが
完全に伸び悩みその期待に全く応えられていません。

それではそれらの選手が自分のクラブで出場機会を与えられれば
今まで以上に伸びるのでしょうか?
確かに底辺からの全体的な底上げにはなると思います。
それにより新たな可能性のあるタレントが見つかるかもしれませんが
あくまでも新たなタレントが生まれる訳ではなく
今まで見逃されてきたタレントが発見されるに留まるだけの様に
個人的には感じます。

W杯やユーロに出場、グループリーグ突破、
ベスト16やベスト8辺りを目標にするのならば
このホームグロウン制度の改革だけで
効果は出るのかもしれませんが
優勝を目指すのならばホームグロウン制度の改革だけでは
殆ど意味がない様に感じます。

W杯やユーロで優勝を狙えるチームを作るのならば
過去のフランスや最近のドイツの様に
もっと低い年齢層の時から各クラブ単位ではなく
FAとしての一貫した指導と育成するシステムが
絶対に必要だと感じます。

その低年齢層からの英才教育が
色々な意味で本当に良い物かどうかは分かりませんが
本当の意味での優れたタレントとして育つ事が出来れば
自国のクラブに留まらず国外のクラブにも多くの選手が
主力選手として活躍しているスペインの選手の様に
外国人枠やホームグロウン云々等は関係なくても
自らの力で出場機会を掴む様になると思います。

それと共にこのイングランド代表の弱体化の問題は
金銭的・環境的に恵まれている選手が多いと思われる
イングランドの選手の現状にも問題があるのかもしれません。
ドイツやフランスやスペイン、最近ではベルギーもそうかもしれませんが
それらの国の若い選手は所属クラブの状況よりも良い状況があれば
仮に国外のクラブであってもそのチャンスを掴もうとする積極さがありますが
イングランドの若い選手がより良い状況を掴む為に
若くして国外に活躍の場を求める事例は最近では殆ど無いと思われます。
それは下部組織でも金銭的・環境的に
恵まれた状況にいる為なのかもしれませんし、
本土から離れている島国のイングランド人の気質的に
国外に積極的に出て行こうとする気質がないのかもしれませんが
どちらにせよより高いレベルで挑戦する様な志が
今のイングランドの選手には少ない様に感じます。
この事も将来を期待されていた才能豊かな若い選手が
軒並み伸び悩んでいるの事にも多かれ少なかれ関係している様に感じます。

どちらんせよイングランド代表を強化する為には
もっと根っこの所から抜本的な改革をしなければ難しいと思います。


と、前置きはこれ位にしましてここからが本題です。

この「ホームグロウン制度」の改革案はイングランド代表には
多少は良いとしても各クラブにはマイナス面の方が大きい様に感じます。

まず懸念される事は現行のホームグロウン選手の取り扱いです。
まだこの件に関しては明記されていない様に思いますが
現在のホームグロウン選手の中には
18歳頃に各クラブの下部組織に入団し
その後ファーストチームに昇格した
他国籍のホームグロウン選手が何人もいます。
それと共に更に若い他国籍の選手には現行ならばシニアになる年齢の時に
ホームグロウン選手になれるはずだった選手もいます。

現在のアーセナルでは前者に該当する
1990年4月生まれの1シュチェスニーがアーセナルのアカデミー加わったのは
2006年7月ですので残念ながら新しいホームグロウンでは該当せず
18歳でアーセナルに加入した34コクランも該当しなくなります。
ローンに出ている18歳で加入した26マルティネスと31宮市も
同様に該当しなくなります。
後者に該当する
2011年7月に加入した1995年3月生まれの39ベジェリン、
2013年1月に加入した1997年1月生まれの35ザラレム、
2015年1月に加入した1998年1月生まれの36ビエリクは
ホームグロウン選手に該当しなくなりますが
2011年7月に加入しても1995年7月生まれの27グナブリーは
ホームグロウン選手に該当すると思われます。
(さっと調べましたので間違いがありましたらすみません)

新しい「ホームグロウン制度」が施行された時に
これらの選手達の去就がどうなるのか非常に気になります。
少なくともファーストチームのシニア枠は13名しかありませんので
その時点でレギュラークラスの立場でなければ
チームに残れない可能性が高くなると思います。
同様に若い選手達も現行のままならば
チームの中での立場を確立すための時間的猶予が
長ければ20代半ばまで与えられる事もあると思いますが
新しい制度になりますと22歳になるまでに
ファーストチームに定着しレギュラークラスの立場を確立出来ていなければ
将来性があったとしてもチームに残れない可能性が出てくると思われます。

よって現実的に他国籍の若い選手がホームグロウンの権利を獲得するのは
非常に難しく今後ホームグロウン選手になるのは
その殆どがイングランド&ウェールズ籍の選手になると思われます。
他国籍の若い選手を獲得してホームグロウンの権利を獲得する為には
16歳の誕生日を迎えるシーズンには加入しなければなりません。
FIFAの規定では18歳以下の選手の獲得は原則禁止されていますが
EU内等の選手は16〜18歳でも獲得は可能ですので
不可能ではありませんが
現実的にはかなり難しくなると思います。

結果、今後国外からの選手の獲得は大きく2つに分かれると思います。
年齢に問わず完成した即戦力の選手か
16歳以下の選手です。

反対に今後は17歳以上の他国籍の選手は
将来性があってもホームグロウンになれない為に
獲得に消極的になる可能性があるかもしれません。
勿論、22歳になった時点で
レギュラークラスの選手に成長する事が分かっていたら
17歳以上の選手でも獲得する事もあると思いますが
若い選手が大成するかどうかはある意味ギャンブルですので
17歳以上の年代で獲得する選手は大分減る様に感じます。
それは選手側にとっても同様で
22歳までに大成出来なければクラブから放出される可能性が高いクラブに
リスクを負って加入を希望する選手自体も同様に減ると思われます。

極論を言えばイングランドのクラブは他国籍の若い選手の将来性を
16歳の段階で判断しなければならないと言う問題に直面し
17歳以上になった後に才能が見出された他国籍の若い選手は
他リーグのクラブに持っていかれるケースが多くなるかもしれません。
そして他リーグに行った選手の中から大成した選手を
高額な移籍金を払ってイングランドのクラブは
獲得しなければならない時代が来る様に感じます。
しかしそれはイングランドのクラブにとっては
経営上の大きな負担となり今後苦しめられると思います。

一方、イングランド&ウェールズ籍の選手達の需要は
確かに高くなると思います。
しかしここで問題になるのが
イングランド&ウェールズ籍の選手の質と
移籍金の高騰化だと思います。

昨夏ユナイテッドがルーク・ショーの獲得に要した移籍金は£3000万、
アーセナルが21チェンバースの獲得に要した移籍金は£1600万、
現時点でも他国籍の選手に比べると明らかに高い移籍金だと思いますが
今後は更に拍車がかかると考えられます。
しかも即戦力として十分に期待できるレベルのタレントならば良いのですが
多くのクラブが新しい「ホームグロウン制度」を満たしていない現状を考えますと
2016年から段階的に実施されるとは言え
今後数シーズンの間はホームグロウンの数合わせの為に
イングランド&ウェールズ籍の選手の獲得が必要となり
タレント力が十分ではないタレントの獲得も
非常に多くなってくると思います。

しかもそこで動く金額は他国籍のタレントと比べて
タレント力に見合った金額より上回る金額となり
ベンチに座らせる選手の為に
£2000万クラスの移籍金を投資する様な事態が
日常化するかもしれません。
その上FFPの問題もありますので
投資できる金額にも限界があります。
本来補強が必要なポジションに十分に投資が出来なくなれば
タレント力を落とした補強をするしかなくなります。
それによりチーム力を落としたPLのクラブは
結果的にヨーロッパの舞台において結果が出なくなり
ヨーロッパの舞台で活躍出来ないクラブは
クラブとしての魅力を落としてしまい
そしてワールドクラスのタレントにとっての
魅力的な移籍先ではなくなるかもしれません。
優れたタレントが減ったPLは
リーグとしての魅力も落としてしまい
現在のPLの各クラブを支えている莫大な放映権料はなくなり
リーグ全体としても衰退していく可能性もあると思います。

勿論、ここまで言ってしまうのは飛躍しすぎているかもしれませんが
上手く立ち回らなければ
この様な最悪のケースもあり得ない話ではないと思います。
特に遂にブンデスリーガに抜かれてしまった
UEFAランキングの面に於いては
この新しい「ホームグロウン制度」により
PLのクラブが競争力を落としてしまう状況が起こってしまえば
あのセリエAに追いつかれてしまう日が来るかもしれません。

今後2016年の施行を前にして
ホームグロウン選手の頭数を合わせる為に各クラブは揃って
イングランド&ウェールズ籍の選手の獲得に動くと思われます。
勿論、自クラブの下部組織からの新たな選手でホームグロウン枠を
賄う事が出来れば理想的だと思いますが
そう簡単にファーストチームで活躍出来るタレントが
生まれるものではありませんので
現実的にはPL内の他のクラブから引き抜く事が必要になると思います。
そうなると経済的に優位なビッグクラブがその経済力で
中堅クラブ以下のクラブから獲得するのは確実であり
その中でもそれらのクラブの中心選手が
こぞって引き抜かれる事態が起こると思います。
ここで問題になってくるのは
ビッグクラブが中堅以下のクラブから
中心選手を引き抜いたとしても
戦力的な補強ではなくホームグロウンの枠を埋める為の獲得ならば
基本的にそれらの選手はバックアッパーとしてベンチを暖める事になります。
一方、中堅以下のクラブでは引き抜かれた中心選手の穴を埋める為に
新たな選手を獲得しなければなりませんが
同様にホームグロウン制度の縛りがありますので
イングランド&ウェールズ籍の選手を獲得する必要があった場合は
今度は下のカテゴリーのクラブから獲得する事になると思います。
よって上位クラブは現在と同様な戦力を維持する事は可能だったとしても
それ以外のクラブは下のカテゴリーの選手を補填して
戦わなければならなくなりますので
上位クラブとそれ以外のクラブとの戦力差は
大きくなる可能性があると思います。
これまで上位クラブと下位クラブとの間の戦力差が少ない事で
番狂わせが頻繁に起こるスリリングな展開が魅力の
PLの醍醐味も今後は無くなってしまうかもしれません。
スペインやドイツの様に「上位の数クラブとその他」と言う
全く別のカテゴリーで戦っている様なリーグに
成り下がってしまうかもしれません。

どちらんせよ中堅以下のクラブならば
中心選手として常時試合で活躍できた選手達にとっては
一時的にせよ確実に出場機会は失う事になる可能性がありますので
それがイングランド代表の強化に繋がるのかどうか疑問です。


最後にこの新しい「ホームグロウン制度」によって
良いか悪いかは別として国内外問わず
これまで若い将来性の高いタレントを獲得し
それを丹念に育てる戦略をとってきたアーセナルが
方針を変換するのかどうか気になります。

今後ホームグロウンに適用させる為に
国外からの若いタレントを獲得する時は
これまで以上に更に若いタレントにターゲットを絞りるのか?
それとも現在と同じスタンスで獲得し
22歳の段階でふるいにかけるのか?
確実にホームグロウン選手になる事ができる
イングランド&ウェールズ籍の選手だけの下部組織に移行するのか?
下部組織の在り方も変わってくると思います。

そしてファーストチームも他国籍の選手を
13名に減らさなければなりませんので
早ければこの夏から人員整理が始まるかもしれません。

現在のスカッドの他国籍の選手は
GK
13オスピナ
1シュチェスニー
26マルティネス(ローン中)

右SB
2ドゥビュシー
39ベジェリン

CB
4メルテザッカー
6コシールニー
5ガブリエウ

左SB
18モンレアル

CMF・DMF
34コクラン
8アルテタ
20フラミニ
24ディアビ

サイドアタカー・攻撃的MF・トップ下
19カソルラ
11エジル
17アレクシス
7ロシツキ
9ポドルスキ(ローン中)
28キャンベル(ローン中)

CF
12ジルー
22サノゴ(ローン中)

ローン中の選手を合わせて21名。

この中から他国籍枠の13名に絞る為に
最終的に最低8選手は退団する事になり、
その上新たな選手を獲得する為には
更にその枠を空ける必要が出てくる事になります。

結局怪我から復帰する事が出来なかった
24ディアビの退団は既定路線として
1月の時点で移籍する可能性もあったと言う7ロシツキ、
怪我が頻発し今シーズンは殆ど棒に振った8アルテタ、
この夏に契約が切れる20フラミニ辺りの退団は
残念ですが十分に考えられます。
また、ローンに出ている9ポドルスキ、28キャンベル、22サノゴも
退団候補に入ると思われますし
1シュチェスニーと 26マルティネスが
今後ホームグロウン選手から外れるのなら
13オスピナを含めてGKで他国籍枠を3つも使う事は
考えられませんのでクラブを去る可能性もあると思います。
また、2016年から段階的に施行されるという事ですので
30前後の4メルテザッカー、19カソルラ、18モンレアル、2ドゥビュシー辺りも
数シーズン後にはその候補に入ってくるかもしれません。

そう考えますとこの夏から
24ディアビ
7ロシツキ
8アルテタ
20フラミニ
9ポドルスキ
28キャンベル
22サノゴ
1シュチェスニー
26マルティネス
の9名の中から
数名ずつクラブを去る選手が出てくると思われます。

7ロシツキや8アルテタは年齢的に晩年に入ってきましたので
2016年から段階的に施行されるタイミングを見計らって
そのまま引退と言う最後を迎える事が出来れば
個人的には理想的だと思いますが
それ以外の選手、特にローンに出ている選手と
他国籍だけの編成のGKは
確実に人員整理の対象になる様に考えます。

しかし、我々の愛するクラブの選手が急激に入れ替わるような事態は
きっと寂しさを感じずにはいられないと思います。

私は日本人なのでイングランド代表よりも
アーセナルの今後の方が断然興味がある身ですので
国籍に関わらずクラブの選手が活躍する事が一番の希望です。
その為自国の代表の弱体化を懸念している
現地の人達との感覚の差が非常に大きい事は十分承知していますが
それでもこの「ホームグロウン制度」の改革案が
代表チームの強化に直結する様には感じませんし
それどころか一時的ではあるかもしれませんが
PLのクラブはヨーロッパの舞台で
他国のクラブに差を付けられてしまう
危機感を感じています。

一方で最近の移籍関係のゴシップを見ましても
この新しい「ホームグロウン制度」を見越して
イングランド&ウェールズ籍の選手を
積極的に獲得する様な記事は
それ程見る事はありませんので
ここまで心配する様な問題ではないのかもしれません。
また、2016年から段階的に施行され
完全施行されるにはまだまだ時間がありますので
新しい「ホームグロウン制度」の問題は
現在のスカッドの世代が一度入れ代わる位の
先の時期の問題なのかもしれませんし
その間に下部組織の選手を大成させる事で
十分賄える可能性があるのかもしれません。

しかし、どちらにせよ豪華な選手を揃え、
上位クラブと下位クラブとの戦力差が少なく
スリリングな試合を提供してくれてる
PLの面白さを半減させてしまう可能性がある
この「ホームグロウン制度」の改革案は個人的には反対です。


C'mon Arsenal !!



セスク・ファブレガス バルセロナからチェルシーへ移籍 [プレミア・リーグ]

セスク・ファブレガス(27歳)がバルセロナからチェルシーへ移籍しました。


非常に残念であり憤りを感じます。

それはアーセナルとプレミアを争うチェルシーへ移籍したセスクに対してでは無く
買い戻し優先権があるにも関わらずそれを行使しなかったアーセナルに対してです。

なぜ行使しなかったのか?

全く同意出来ません。

それを行使しなかった事で
プレミアを争うチェルシーの
戦力アップに大きな手助けになってしまうのが
分かっていたにも関わらずに、、、
なぜチェルシーが大きな力を得る事を
防ぐ事が出来る術を持っていたにもかかわらずに
それを使わなかったのか?

これで獲得が噂されるジエゴ・コスタと共にセスクを獲得したチェルシーは
あとCBの補強が成功したら全く隙のない陣容になってしまいます。
はっきり言って現在のアーセナルの布陣では
太刀打ち出来ないレベルに行ってしまうかも知れません。
この状況を打開する為にはジエゴ・コスタ以上のストライカーと
チェルシーの2列目を抑えられる強力な守備的MFが最低必要になります。
果たしてそれだけの選手を連れて来れる算段でセスク復帰を見送ったのか
正直疑わしく思っています。

一方のモウリーニョは流石と言わざる得ないでしょう。
マタとダビド・ルイスを高額で売却して
豊富な資金を手に入れて適材適所の補強を敢行する。
得点力があったランパードの後釜として
トップ下でもインサイドハーフでもどちらでも機能して
得点力のあるセスクを獲得するのも利に叶っていますが
この冬にマタを放出した様に本来はこのポジションの選手は
絶対的に必要な選手では無かったのでないかと感じます。
当初はマンチェスターの2クラブの方が積極的に獲得に動いていた印象ですが
その2クラブにセスクが加入する事への懸念が
獲得に動かした様にも感じます。
他のクラブに加入してチーム力がアップされてしまうくらいならば
獲得して戦力として活用する。
プレミア制覇する為には自チームの戦力を上げただけで
制覇出来る程甘い物では無く
他のチームとの戦力バランスも非常に重要なポイントになる事を
モウリーニョは重々承知しているのだと思います。
そのバランス面で優位に立つ為に動いたチェルシーと
そのバランスを軽視している様に見えるアーセナルとでは
この夏の移籍市場での勝敗はチェルシーに軍配が上がるでしょう。
選手1人の移籍で大きく戦力図が変わる事への
危機感を持って移籍市場を立ち回っているチェルシーに比べ
明らかにアーセナルは危機感が無く
その立ち回りは大人と子供程の差を感じます。
選手を売却しつつ的確な補強を行っているチェルシーは
FFPの面を考えても完璧な対応で
これで来シーズンの優勝候補の筆頭に躍り出た事は間違いないと思います。
このままでは開幕を待たずして大きな差を付けられてしまいます。
セスクを復帰させなかった程のビッグディールを
これから見せてもらうしかないでしょう。


一方のセスクに対しては個人的には仕方が無いと言う気持ちの方が大きいです。
勿論私はこれまでもセスクを擁護する立場を取っていましたので
余計にそう感じるのかもしれませんが
バルサに移籍した時と同じく今回も仕方が無いと言う気持ちが大きいです。
勿論バルサを離れる時が来るならば
必ずアーセナルに戻ってきてくれると信じていましたが
自分の年棒を削ってでも復帰したバルサに
スケープゴートにされて追い出され
第2の故郷であるアーセナにも復帰を断られたのならば
後はプロとして自分を必要としてくれるクラブでプレーする事を
誰も攻められないと思います。

しかし、出来る事ならばプレミアの他のクラブには
加入して欲しく無かったと思いますが
現実的にはプレミア復帰しか道は無かったのかもしれません。
当然ですがスペイン国内、特にレアルに移籍する事はなかったでしょうし
セスク獲得に必要な£3000万近い金額を払えるクラブは
イタリアにはありません。
アーセナルに帰ってこなかった場合は
バイエルンに行って欲しかったのですが
バイエルンはこれ以上このポジションの選手は必要ありませんでしたし
PSGはFFPに引っかかっていますのでダビド・ルイス以外で
これ以上の高額投資は難しいはずです。
残るのはモナコですが何故かモナコでプレーするセスクの姿は
あまり想像出来ません。
そうなるとプレミアのクラブしかセスクの移籍先は
選択肢が無かったのだと思います。

と言うわけでチェルシーに行ったから裏切り者だとか
この状況を引き起こした加害者と言う話ではなく
プロとして当たり前の対応をしたにすぎないと私は思います。
しかし、これで今後アーセナルでプレーする可能性が無くなったかも知れません。
バルサに行っても事あるごとにアーセナルへの愛を示してきたセスクは
もうアーセナル愛を示す事は出来なくなるでしょう。
今回もう一度アーセナルに復帰していたのなら
自他ともに認めるレジェンドになれたかも知れませんが
これでその道も難しくなったかも知れません。
ベンゲル政権の中の苦しい時期を支え続けたセスクが
これでアーセナルとの関係が切れてしまうかも知れないのは、、、

とにかく残念です。

アーセナルがセスクを復帰させなかった事はこの夏最大の失敗であり
今後愚かな判断だったと猛省させられる時がくる様に感じます。

とにかく残念です。


サー・アレックス・ファーガソン監督引退 [プレミア・リーグ]

マンチェスター・ユナイテッドのサー・アレックス・ファーガソン監督が
今シーズン限りで引退する事を発表しました。

1986年にマンチェスター・ユナイテッドに就任して以来
プレミアリーグ優勝13回、FAカップ優勝5回、リーグカップ優勝4回、
チャンピオンズリーグ優勝2回。

アーセナルにとって常に前に立ちはだかる憎気敵将であり
プレミアを代表する名将でした。

ファーガソンがプレミアから居なくなると思うと寂しい限りです。
もう一度ファーガソンを叩きのめすまで引退は待って欲しかったですが、、、。

一時代を築いたサー・アレックス・ファーガソン監督、
お疲れ様でした。




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