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2022/23シーズン〜〜攻撃的MF総括〜〜 [Arsenal F.C.]

2022/23シーズンを振り返って〜〜攻撃的MF〜〜

Arsenal 1.jpg


今回は攻撃的MFについて
2022/23シーズンを振り返ってみたいと思います。

今シーズンのアーセナルは
4−3−3システムを使っていた為に
攻撃的MFは右インサイドハーフのポジションで
主に起用されており
その1stチョイスが8ウーデゴールでした。

そしてその8ウーデゴールをバックアップしたのが
新加入の21ヴィエイラでしたが
一方でソケイ部の問題に対して手術を行った
10スミス・ロウはシーズン前半を棒に振っただけではなく
復帰後もフィジカルコンディションが改善しなかった為に
期待したレベルのプレーを観せる事は
最後まで出来なかったと思います。


〜〜8マルティン・ウーデゴール(24歳)〜〜


PL 37試合先発:15ゴール7アシスト
EL 2試合先発+5試合途中出場
FA杯 1試合途中出場


今シーズンからキャプテンに就任した8ウーデゴールは
そのキャプテンの重責に応える様に
PL15ゴール7アシストと大活躍しました。

8ウーデゴールは針の穴を通す様なパスを送って
決定機を作る様なスペシャルなプレーも
印象に残っていますが
個人的には右サイドの7サカや右SBの4ホワイトとの
コンビネーションで崩すプレーの方が
真骨頂の様に感じます。

頻回にポジションを入れ替えながら
ボールを出し入れする様に細かなパスを繋ぎ
そこに出来た相手に隙に決定的なパスを送るも良し、
7サカが切り込んで行くも良し、
4ホワイトが裏に走り込むも良しと
8ウーデゴールを中心に右サイドからの多彩な攻撃を
創造していたと思います。

同時に今シーズンはゴール数が伸びた所も
大きく変化した所だと思います。
以前にも何度か指摘しましたが
左サイドからのグラウンダーの折り返しに対して
ただ合わせれば良い場面でも
左脚を振ってしまう癖があり
しかも力んでしまう為に枠を外してしまうと言う問題が
これまではありましたが
今シーズン途中からは
大振りをせずにインパクトを意識して
きっちり合わせる様になった所も
ゴール数が伸びた一つの要因だと思います。

この様な攻撃面だけではなく
守備の面での貢献度が高い所も
特筆出来る所だと思います。

今シーズンに限らず8ウーデゴールは
ハイプレスを仕掛ける時は
常に全力で仕掛ける所に特徴があり
そこに今シーズンは前線の3人との
連動性が上がった事で
そのハイプレスはより効果的となったのは
言うまでもなく
この献身的なハイプレスは
大いに守備陣を助けていたと思います。

一方でチームの主軸として
今シーズンの快進撃を支えた8ウーデゴールにも
心配な所がない訳ではありません。

まず一つ目は、今シーズンPLで先発した37試合のうち
試合終了までプレーしたのは
僅か20試合しかなかった様に
試合終盤にベンチに下がる試合が多い所は気になります。

勿論、戦術的な交代もあったと思いますが
その日の調子に関わらず75〜80分過ぎになると
ベンチに下がる試合が多い事を考えますと
攻撃時も守備時も
常に全力でプレーしている弊害なのか
この辺りの時間帯からフィジカル的に低下する
何かしらのデーターがあるのかもしれません。

来シーズンはPLとCLの試合が並行して行われますので
この辺りのフィジカル的なコンデイションの問題は
もしかしたら来シーズンのポイントになるかもしれません。

そして本当の意味でのビッグゲームで
存在感を示せない場面が多い所も気になります。

勿論、ホームでのリバプール戦やユナイテッド戦では
ゴールをアシストし
チェルシー戦では2ゴール奪う等
結果は出していたビッグゲームもありましたが
例えば、今シーズンの天王山だったシティ戦で
ホーム&アウェイ合わせて3ゴール2アシスト挙げて
シティを勝利に導いたデ・ブライネの様な
本当の意味でのビッグゲームでの勝負強さに関しては
まだ物足りなさを感じます。

来シーズンのPL制覇に向けて
3連覇中のシティを越える為には
今シーズン以上の活躍が必要なのは言うまでもなく
それには今シーズン以上のプレー時間に耐えられる
フィジカル的な強化と
本当のビッグゲームでチームを勝利に導く
勝負強さを身に付け、
真のワールドクラスの領域に踏み込む事が出来るかどうかに
かかっていると思います。


〜〜21ファビオ・ヴィエイラ(23歳)〜〜


PL 3試合先発+19試合途中出場:1ゴール2アシスト
EL 8試合先発:1ゴール2アシスト
FA杯 2試合先発:2アシスト
カラバオ杯 1試合先発


昨夏加入した21ヴィエイラは
カップ戦を中心に出場機会を与えられましたが
肝心のPLの試合に関しては
多くの出場機会を得られませんでした。

実際少ない出場時間の中で
公式戦2ゴール6アシスト挙げた様に
足元の技術レベルが高く
そこから繰り出される精度の高いラストパスは
今後の可能性を感じさせてくれるものだったと思いますが
その一方で小柄で軽量級の21ヴィエイラは
PL特有の激しいフィジカルコンタクトへの対応に
非常に苦労していたのは言うまでもなく
この辺りの問題が出場機会が増えなかった
要因の様に感じます。

その様な状況に対して本人も
フィジカル強化に取り組んでいる様ですが
根本的に線が細く小柄な事を考えますと
フィジカル強化にも限界があると思われますので
どちらかと言うと相手をいなす様な
フィジカルコンタクトを受けない術を
習得出来るかどうかがポイントかもしれません。

来シーズンはPLと並行してCLの試合も行われますので
今シーズンの様に固定されたメンバーで
挑み続ける事はないと思われますが
それを可能にする為には
レギュラー組とサブ組との間にある
少なくない実力差を埋めなければならないと思います。

そう言う意味でも21ヴィエイラが
PLのスタイルに順応する事が出来るかどうかは
大きなポイントになると思われ
21ヴィエイラの出場試合数が増えているかどうかが
来シーズンのサブ組の底上げが出来ているかどうかの
一つの指標になる様に感じます。


〜〜10エミール・スミス・ロウ(22歳)〜〜


PL 12試合途中出場:2アシスト
EL 1試合途中出場
FA杯 1試合途中出場


今シーズンはソケイ部の問題に対して手術した事もあり
非常に不本意なシーズンだったと思います。

最近10スミス・ロウが語っていた様に
ソケイ部の問題は以前からあり
これまではソケイ部に注射をしながらプレーしていた様ですが
遂に限界を迎えてしまった為に
9月の終わりに手術に踏み切りました。

手術後の10スミス・ロウは1月に復帰を果たし
シーズン終盤に何試合か起用されましたが
それらの試合では、スピードや俊敏性がなく運動量も少ない等、
ベストな状態からは程遠い印象で
結局最後までコンディションレベルは上がってきませんでした。

単純にコンディションが戻ってきていないだけなのか?
手術後の状態が思わしくないのか?
再発を恐れてまだメンタル的に全力でプレー出来ないのか?
その理由は分かりませんが
今シーズンは全く戦力になっていませんでした。

とは言え、現在イングランドU-21代表の一員として参加している
U-21ユーロの第2戦イスラエル戦で挙げたゴールは
シーズン終盤の状態とは異なり
しっかりと右脚を強振出来ていましたので
これで痛みが再発しなければ
完全復活も近い様に観えました。

復活が待たれる10スミス・ロウですが
来シーズンに向けてどのポジションで起用するかも注目されます。

以前までならば結果を出した左サイドで起用する形が
自然だったかもしれませんが
その左サイドには今シーズン大きく成長した
11マルティネッリがいて
冬の移籍期間で獲得した19トロサールも
その11マルティネッリと遜色ない活躍を観せています。
その上この夏に契約が切れる24ネルソンが残留すれば
24ネルソンの主戦場も左サイドになるかもしれませんので
もう10スミス・ロウが入る隙はない様に感じます。

一方で元々は攻撃的MFですので
インサイドハーフで起用するプランもあると思います。
しかし今シーズンの終盤の様な運動量では
インサイドハーフで起用する事は難しいと思われますので
もしインサイドハーフにコンバートするならば
来シーズン開幕までにフィジカル的な部分を
しっかりと仕上げてくる必要があると思います。

どちらにせよ、ベストな状態の10スミス・ロウが
スカッドに戻ってくれば
攻撃陣の質的な部分は
大きく向上するのは間違いないと思いますので
完全復活が待たれます。


C'mon Arsenal !!


(年齢は2023年6/30時点)


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カイ・ハヴァーツをチェルシーから獲得!! [移籍情報]

カイ・ハヴァーツ(24歳)をチェルシーから獲得!!

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この夏の最初の補強はチェルシーから獲得したハヴァーツでした。


Kai Havertz
1999年6月11日生
190cm 77kg
ドイツ代表

移籍金:総額£6500万(£6000万+500万)(推定)
契約期間:非公表
週給:£21万(推定)
背番号:29


チェルシー通算

PL 70試合先発+21試合途中出場:19ゴール7アシスト
CL 22試合先発+9試合途中出場:6ゴール2アシスト
UEFAスーパー杯 1試合先発:1アシスト
FIFA クラブW杯 2試合先発:1ゴール
FA杯 3試合先発+6試合途中出場:1ゴール2アシスト
リーグ杯 4試合先発+1試合途中出場:5ゴール

公式戦通算 102試合先発+37試合途中出場:32ゴール12アシスト


2020年夏にレヴァークーゼンから移籍した29ハヴァーツは
チェルシーの主力としてすぐに活躍していましたが
起用されたポジションは多岐に渡りました。

そもそも29ハヴァーツは攻撃的MFが本職で
古巣のレヴァークーゼンでは
トップ下で起用された試合が最も多く
その次に多かったのがCFではなく右WGだった様です。

一方でそのレヴァークーゼン時代の19/20シーズン終盤に
チームの事情もあって5試合連続CFで起用された試合で
6ゴール1アシスト挙げた事が評価されたのか
チェルシーに移籍してきてから最も多く起用されたのは
トップ下や2シャドーの一角ではなくCFでした。

この様に前線の多くのポジションに対応可能な29ハヴァーツを
アルテタ監督はどの様な形で起用するのかが注目されます。

最もシンプルな起用法は
チェルシーと同様に1トップでの起用だと思います。

現在のスカッドには前線に長身の選手がいませんので
190cmのハヴァーツがトップの位置に入れば
高さを活かした攻撃を増やす事が出来ると思います。
同時に現在のアーセナルには得点力のある
7サカと11マルティネッリが両翼にいますので
この2人を活かす偽9番的な働きも
大いに期待出来ると思います。

もしかしたら右サイドアタッカーで
起用される可能性もあるかもしれません。

右サイドアタッカーには左利きの選手を起用すると言うのが
アルテタ監督の基本方針だと思いますが
現在のスカッドには左利きのサイドアタッカーは
基本的には7サカしかいませんので
左利きのハヴァーツを右サイドで起用する可能性はあると思います。

一方で29ハヴァーツを右サイドで起用したとしても
ウイング的なプレーよりも
2シャドー的に中に絞った位置でのプレーが
多くなる可能性があると思います。
しかしそうなりますと8ウーデゴールと
プレーエリアが重なってしまう可能性がありますので
右インサイドハーフにはバランサータイプのCMFを配置し
同時に右サイドのワイドな位置からの攻撃は
右SBが担う必要性が出てきますので
戦術的なマイナーチェンジが必要になるかもしれません。

とは言え、獲得後のアルテタ監督のコメントを見ますと
「中盤に大きな力をもたらしてくれる」とコメントしていますので
アルテタ監督は中盤での起用を考えているのかもしれません。

実際、創造性あふれる攻撃的MFとしての能力を
最大限に引き出すのならば
本当ならばトップ下やセカンドトップが良いのかもしれませんが
4−3−3を基本システムとし、
昨シーズンはそのシステムで成功したアーセナルが
29ハヴァーツの為にシステムを変えるとは思えませんので
中盤で起用するのならば
インサイドハーフの位置での起用になると思われます。

一方でレヴァークーゼン時代には
CMFの位置で起用された経験もある様ですが
チェルシーに移籍してからは
基本的には前線でしか起用されていませんので
運動量が求められるインサイドハーフに対応出来るのかどうか?
不透明な部分もあると思います。

そして仮にインサイドハーフで起用した場合には
これまでバランサータイプの34ジャカを配置していた
左インサイドハーフで起用して
攻撃的MFを並べるのか、
それとも右インサイドハーフで
8ウーデゴールと併用するのか、
その辺りも注目されます。

最終的にアルテタ監督が
どの様な形で起用するかはまだ分かりませんが
複数のポジションで高いレベルで対応可能な29ハヴァーツは
バックアッパーの底上げという意味でも
非常に有用だと思います。

£6500万と言う移籍金は
ちょっと割高だと思いますが
総合的に考えれば非常に効果的な補強になると思います。


C'mon Arsenal !!


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IN

チェルシーから完全移籍
 攻撃的MF カイ・ハヴァーツ(24歳)ドイツ代表 総額£6500万(推定)


OUT

未定
 CMF エインズリー・メイトランド=ナイルズ(26歳)イングランド フリー

未定
 CB ザック・アヴェ(19歳)イングランド フリー

未定
 LW ジョエル・イデホ(20歳)オランダ フリー

未定
 LW ジョージ・ルイス(23歳)ノルウェー フリー

未定
 CMF マット・スミス(22歳)イングランド フリー

未定
 GK トム・スミス(21歳)イングランド フリー

St.ガレンへ完全移籍
 ストライカー ニコライ・モーラー(21歳)スウェーデン 移籍金非公表

FCラピド・ブカレストへシーズンローン
 CMF カタリン・シルジャン(20歳)ルーマニア 手数料非公表

バローAFCへ完全移籍
 CB メイズド・オグンボ(20歳)アイルランド 移籍金非公表


(年齢は2023年9月1日現在)


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2022/23シーズン〜〜CMF・DMF総括〜〜 [Arsenal F.C.]

2022/23シーズンを振り返って〜〜CMF・DMF〜〜

Arsenal 1.jpg


今回はCMF・DMFについて2022/23シーズンを振り返ってみたいと思います。

今シーズンのこのポジションは
5トーマスがアンカーを務め
34ジャカが左インサイドハーフを務める形を軸に
5トーマスを25エルネニーが
34ジャカを23ロコンガが
バックアップする形になるはずでしたが
25エルネニーは度重なる怪我で殆ど稼働出来ず、
23ロコンガは一向に成長しない為に
実質的にシーズン前半は5トーマスと34ジャカの
2人で回していました。

その様な状況もあり冬の移籍期間では
ブライトンのカイセドの獲得に動いていましたが
ブライトンがカイセドの放出を
拒否する姿勢を崩さなかった為に
代わりにチェルシーから
20ジョルジーニョを獲得し、
シーズン後半は5トーマス、
34ジャカ、20ジョルジーニョの3人体制になり
出場機会が限られていた23ロコンガは
クリスタル・パレスへのローン移籍に出ました。

これによりアンカーは5トーマスと20ジョルジーニョの
2人体制になりました。
よりフィジカル的な強度を中盤の底にもたらす事の出来る
5トーマスに対して
より司令塔タイプで
状況によってゴールに直結するラストパスの供給源にもなれる
20ジョルジーニョと言う
二人の異なるタイプの選手を
アンカーに配する事が出来る様になり
質の面でも量の面でも改善されたと思います。

一方で左インサイドハーフは攻撃的MFタイプの
21ヴィエイラを起用する様な試合もありましたが
フィジカル的に問題がある21ヴィエイラでは
34ジャカと同レベルの役割を担う事が難しかった為に
実質的に34ジャカが一人で担わなければならない状況は
シーズン最後まで続きました。

同時に今シーズンは偽SBシステムを採用した事で
中盤の役割も若干マイナーチェンジされました。

アンカーに入る5トーマスや20ジョルジーニョは
ボール保持時に上がってくる35ジンチェンコと
ダブルボランチの様な形になり
その35ジンチェンコとゲームメイクの役割を
分担しする様になった事で
中盤の安定性は向上したと思います。

一方の左インサイドハーフの34ジャカは
35ジンチェンコが中に絞って入ってくる事で
プレーエリアがより高い位置に移った事もあり
攻撃面での役割が増える事になりました。

結果として25エルネニーの長期離脱や
23ロコンガの停滞が予想外だったとしても
このポジションもシーズン通して
人員不足のままだったのは言うまでもなく
幸いシーズン前半に5トーマスや34ジャカが
長期離脱する様な状況に陥らなかったお陰で
チームは勢いを失わずに済みましたが
仮にどちらかの選手を早い段階で欠く事になっていたら
今シーズンの躍進はなかったのかもしれませんでした。


〜〜5トーマス・パーティ(30歳)〜〜


PL 28試合先発+5試合途中出場:3ゴール
EL 6試合途中出場
FA杯 1試合先発


今シーズンもアンカーのポジションの
1stチョイスは5トーマスで
しかも今シーズンは長期離脱する事がなかった事もあり
全体的には充実したシーズンを過ごしていたと思います。

その5トーマスはこれまでと同様に
中盤にフィジカル的な強度をもたらす存在でしたが
今シーズンは新しく加入した9ジェズスを中心に
組織だったハイプレスが機能した事もあり
そのハイプレスの網から漏れてくるボールの回収役としても
非常に機能していたと思います。

同時にゲームを作る司令塔としても
偽SBとして5トーマスと並ぶ様な位置に
35ジンチェンコが入ってきた事でその役割は分担され
それにより相手のプレスを回避する事が容易になった事もあり
安定していたと思います。

そしてシーズン終盤の2試合では
怪我で離脱した35ジンチェンコに代わって
偽SBとして右SBに入ってプレーしました。

この時の5トーマスはボールを保持している時には
アンカーの20ジョルジーニョと並ぶ形で
プレーしていましたが
典型的な司令塔タイプの20ジョルジーニョと
フィジカル的な強度をもたらす5トーマスが並ぶ形は
非常にバランスが良かったと思いますので
35ジンチェンコや12サリバの離脱に伴う
苦肉の策だったのかもしれませんが
オプションとしては十分に有効だった様に感じます。

シーズン終盤こそはコンディションを落として
パフォーマンスレベルが落ちた様に観えましたが
コンディション的にも充実していた様に観えた
シーズン前半は一分の隙もない様な
無双状態だったと思います。

しかし元々怪我が多く、30代に入った5トーマスが
今後も今シーズンの様に大きな怪我なく
シーズン通して稼働し続ける事が出来るかどうかは
かなり不透明だと思います。

そう言う意味でもシーズン後半の様に
20ジョルジーニョと併用しながら
ベストな状態を維持する使い方を
今後も模索する必要があると思います。


〜〜34グラニト・ジャカ(30歳)〜〜


PL 36試合先発+1試合途中出場:7ゴール7アシスト
EL 6試合先発+1試合途中出場:2ゴール
FA杯 1試合先発+1試合途中出場
カラバオ杯 1試合途中出場


今シーズンのチームの躍進のポイントの一つが
新たな役割を与えられた34ジャカの存在だったと思います。

以前も書きました様に昨シーズンまでは
攻め上がっていく3ティアニーが空けた
左サイドのスペースを意識しながらプレーする
バランサーとして
基本的にはボールラインよりも後ろで
プレーする事が多かったと思いますが
今シーズンは偽SBシステムにより
5トーマスと並ぶ様な位置に
35ジンチェンコが入ってくる事で
34ジャカのプレーエリアは必然的に前に移動し
ボールラインよりも前でプレーする機会が増えました。

これにより2ラインの間やアタッキングエリアで
シュートに繋がるパスやコンビネーションに関わる機会が増え
状況によってフィニッシュの局面にも
積極的に顔を出す様になり
PL7ゴール7アシストと
アーセナル移籍後最高の結果を残しました。

唯一いただけなかったのが
アウエイでのリバプール戦での
不必要なファールだと思います。

個人的にはあのファールは
そのリバプール戦から始まる最重要な局面に
水を差してしまったと感じていますので
今でもなぜあの様な愚行を犯したのかと思ってしまいます。

その34ジャカは家族の希望もあり
この夏でアーセナルを離れ
レヴァークーゼンへ移籍する事が
内定していると言われていますので
来シーズンに向けてその34ジャカの穴を
どの様な形で埋める事が出来るかが
大きなポイントになると思われます。


〜〜20ジョルジーニョ(31歳)〜〜


PL 9試合先発+5試合途中出場:1アシスト
EL 2試合先発


冬の移籍期間で獲得した20ジョルジーニョは
現在のアーセナルのスタイルとの相性は
非常に良かったと思います。

元々20ジョルジーニョは
アルテタ監督がシティのコーチ時代からの
お気に入りだったと言われており
冬の移籍期間でブライトンのカイセドを取り逃すや否や
速やかに20ジョルジーニョの獲得を決めた意味が
シーズン後半のプレーを観ると理解出来ます。

20ジョルジーニョは5トーマスとは異なり
典型的な司令塔タイプの選手で
中盤の底から的確にボールを捌いてゲームを作り、
DFラインの裏に向けた走り出している選手に
ピンポイントでタッチダウンパスを送る
ロングレンジのパスの精度も素晴らしかったと思います。

そしてチャンスがあればアタッキングエリア近くまで上がってきて
シュートに繋がるラストパスの供給役としても振る舞える所も
5トーマスとは異なるキャラクターだと思います。

唯一チェルシー時代から指摘されていた
フィジカル的な強度とスピード不足が懸念されていましたが
今シーズンのアーセナルは組織的に成熟していた事もあり
パワーやスピードに頼らざる得ない状況に陥る場面は少なく
また経験に裏打ちされた的確なポジショニングセンスで
フィジカル的な強度とスピード不足の問題は
それほど多く感じる事はありませんでした。

その20ジョルジーニョは冬に加入したばかりとは思えない程
速やかにフィットしましたが
それはプレー面だけに留まらず
他の選手とのコミュニケーション面でも
速やかにフィットしていた様に観えました。

例えばピッチ内では修正を加え続ける様に
常に周囲の選手に声を掛けている姿も印象的でしたが
最も印象的だったのは
試合後に若い選手によく声をかけていた所です。
特に敗れた試合ではあたかも選手達をケアする様に
声を掛けている姿は印象的であり
言うなれば選手以上の存在感を
20ジョルジーニョからは感じます。

今後は常時スタメンでフル稼働と言うのは
年齢的に難しくなってくると思いますが
ピッチの中でゲームを作る司令塔としてだけではなく
若いチームをPL制覇に導く道標として
来シーズンも大きな存在になってくれると思います。


〜〜25モハメド・エルネニー(30歳)〜〜


PL 1試合先発+4試合途中出場
EL 1試合先発
FA杯 1試合先発:1ゴール
カラバオ杯 1試合先発


昨シーズン終盤に怪我で離脱した
5トーマスの穴を埋める活躍をした25エルネニーは
今シーズンも怪我が多い5トーマスをバックアップする
貴重なバックアッパーとして期待されましたが
度重なる怪我でその役割は全う出来ませんでした。

それでもクラブは
シーズン後半を棒に振った
右膝の怪我での離脱中に
この夏に切れる契約を1年延長した様に
25エルネニーは色々な意味で
チームにとって必要な存在という事は
間違いないと思いますので
来シーズンの怪我からの復帰が待たれます。


〜〜23アルベール・サンビ・ロコンガ(23歳)〜〜


PL 2試合先発+4試合途中出場
EL 6試合先発
FA杯 1試合先発+1試合途中出場
カラバオ杯 1試合先発


残念ながら2シーズン目の今シーズンも
期待したレベルにまでは成長しなかったと思います。

一言で言ってしまえば「戦術的な理解度の欠如」
と言えると思いますが
実際はそこまで難しい問題ではなく
次にどの様に動けば良いのか?
次に何をすれば良いのか?
と言うような単純な物から
人やボールの動きから
次に起こる事象を予測する様な
基本的な能力に問題がある事で
適応出来ていない様に観えます。

勿論、PLの中でも今シーズンのアーセナルは
プレースピードが速く
同時に瞬時に状況判断する事が求められますので
適応するのは難しいと思いますが
一方で冬の移籍期間でローン移籍した
クリスタル・パレスでも
その様な状況は変わりませんでしたので
残念ながらそもそもPLのスピードに対応出来るレベルでは
なかったと言えると思います。

この夏にアーセナルに戻ってきますが
現状を考えますと
このまま構想外になると思われます。


C'mon Arsenal !!



(年齢は2023年6/30時点)


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2022/23シーズン〜〜SB総括〜〜 [Arsenal F.C.]

2022/23シーズンを振り返って〜〜SB〜〜

Arsenal 1.jpg


今回はSBについて2022/23シーズンを振り返ってみたいと思います。

今シーズンのこのポジションは
偽SBシステムを採用した事で
根本的に変わりました。

昨シーズンは左SBの3ティアニーと
右SBの18冨安を軸とし
左SBに入った3ティアニーは
積極的に高い位置にまで攻め上がり
前線のライン側のレーンは
左サイドアタッカーではなく
3ティアニーが担当する場面も多かったと思います。

それに対して右SBに入った18冨安は
高い位置にまで攻め上がる場面もありましたが
3ティアニーが高い位置に上がった時は
バックラインに残ったり
5トーマスの横に絞った立ち位置に入るなど
基本的にはバランサー的な役割を担っていました。

一方で今シーズンは左SBに配置した35ジンチェンコが
ボールを保持している時には5トーマスと並ぶ位置に立ち
その5トーマスと共に攻撃の組み立ての役割を担う
偽SBとして振る舞い、
右SBにはCBからコンバートした4ホワイトを配置し
ボールが右サイドにある時には本来の右SBとして振る舞いますが
ボールが左サイドにある時には
2人のCBと連携しながら変則的な3バックの様な形を形成して
守備面でのバランスを取る役割を担う形を
基本としていたと思います。

そしてこの2人をバックアップしていたのが
左SBの3ティアニーと右SBの18冨安でしたが
3ティアニーには偽SBとしての適応がない為に
35ジンチェンコが欠場すると偽SBシステム自体が
機能不全に陥る問題があり、
一方の18冨安は今シーズンも怪我に泣かされてしまい
バックアッパーとしての役割も全う出来ませんでした。

この様に偽SBシステムを採用した事で
今シーズンのアーセナルは大きく躍進しましたが
その一方でバックアッパーには
このポジションも問題がありました。


〜〜35オレクサンドル・ジンチェンコ(26歳)〜〜


PL 26試合先発+1試合途中出場:1ゴール2アシスト
EL 2試合先発+1試合途中出場
FA杯 2試合途中出場
カラバオ杯 1試合途中出場


昨夏に35ジンチェンコを獲得した事で
チームは偽SBシステムを採用する様になり
それによりチームは大きく躍進したと思います。

元々CMFで、ウクライナ代表では今も中盤でプレーしている
35ジンチェンコは5トーマスと共に
中盤の底からテンポ良くボールを捌く事で
ビルドアップの段階はよりスムーズになり
時には攻撃的な縦パスを前線に送って
攻撃のスイッチを入れる様な役割も担っていました。

この様にビルドアップの段階が安定した事で
チームのポゼッション率は上がり
守から攻への移行もより速くなった事で
アーセナルが主導権を握る試合が増えたと思います。

そしてピッチの内外で闘志を全面に出し
チームを鼓舞する場面も多く
その様な勝利のメンタリティーを
若いチームにもたらした点も
チームに変化をもたらしたポイントだと思います。

一方で時々不用意なミスを犯してしまう場面もあり
集中力を切らしてしまうのか?
それとも自分のプレーを過信してしまうのか?
単純なショートパスを簡単にカットされたり
相手のチャージに簡単にボールをロストしてしまったり
大きなピンチを招く場面もありました。

そして最大の問題は守備面です。

ボール保持時はCMFとして振る舞う35ジンチェンコも
守備時には左SBの位置に戻って
守備者としてゴールを守る必要性がありますが
そこでの守備は非常に軽く
今シーズンの大きな穴になっていたと思います。

言うなれば中盤の選手のまま守っているという印象は否めません。

確かに元々CMFとしてプレーしていましたので
守備者としての技術レベルがそれほど高くないのも
仕方がない部分はあるかもしれませんが
その一方で偽SBとしてプレーし始めて
大分経っている事を考えれば
今も尚、中盤の選手の様な守り方をしているのは
怠慢でしかないと思います。

この様にチーム戦術を根底から変えた
35ジンチェンコはチームのストロングポイントである一方で
守備の面に大きな穴を空けてしまう
最大の弱点でもあると思います。

よってチームの最大の弱点になり得る
守備面が改善する事が出来なければ
近い将来その座を誰かに奪われる可能性は高いと思います。


〜〜3キーラン・ティアニー(26歳)〜〜


PL 6試合先発+21試合途中出場:1アシスト
EL 6試合先発:1ゴール1アシスト
FA杯 2試合先発
カラバオ杯 1試合先発


今シーズンのチーム戦術が偽SBシステムに変わった事で
一番影響を受けてしまったのが3ティアニーだと思います。

今シーズンの偽SBシステム上、左SBの選手には
昨シーズンまでの高い位置にまで攻め上がり
ライン側のレーンから攻撃陣に
幅と厚みをもたらす様な役割から
偽SBとして5トーマスと並ぶ様な立ち位置から
ゲームメイクを行う役割に移行しましたが
その役割を35ジンチェンコだけではなく
3ティアニーにも求めてしまったのは
大きな間違いだったと思います。

勿論、3ティアニーも偽SBシステムに適応しようと、
起用された試合では5トーマスと並ぶ様な位置に入り
そこでボールを捌こうとしていましたが
古典的なSBタイプの3ティアニーが
CMFとしてその役割を完璧にこなすのは
難しかったと言うのは言うまでもなく
現実的に3ティアニーが起用された試合では
偽SBシステムは機能しなくなっていたと思います。

その様な事もありシーズン終盤の
35ジンチェンコが欠場した試合では
偽SBとして5トーマスを右SBの位置に配置していた様に
少なくともその時点ではアルテタ監督も
3ティアニーを偽SBとして起用する事に
限界を感じていたと思われます。

とはいえ、生粋のSBの3ティアニーは
守備者として信頼がおけるのは言うまでもなく
守備強度が必要な時には
守備面に問題がある35ジンチェンコに代わって
起用される試合も多く
チームにとっては守備面に信頼がおける3ティアニーは
必要な戦力だと思いますので
出来れば来シーズンもチームに残って欲しいと
個人的には思っています。

一方で来シーズンも偽SBシステムを続けるならば
今シーズンと同様に3ティアニーの出場機会は
限られたものになってしまうと思いますので
その様な役割を3ティアニーが受容できなければ
この夏にチームを離れる可能性は高いと思われます。


〜〜4ベン・ホワイト(25歳)〜〜


PL 36試合先発+2試合途中出場:2ゴール5アシスト
EL 3試合先発+4試合途中出場
FA杯 1試合途中出場


今シーズンはマルセイユから復帰した12サリバが
速やかに適応した事と
新たに偽SBシステムを採用した為に
右SBの役割が変わった事で
昨シーズンは右CBを務めていた4ホワイトは
右SBにコンバートされました。

ブライトン時代には右SBで起用された事もあった様ですが
基本的にはCBを主戦場にしていた関係で
当初は攻め上がるタイミングやコースが定まらず
不安定だったと思います。

しかしその様な所は試合を重ねる毎に改善されて行き
7サカを追い越して深い位置にまで侵入する様な
前線に奥行きをもたらすフリーランニングや
左サイドからの仕掛けに対して
ゴール前に飛び込んで行く
ダイナミックなフリーランニングなど
周囲の選手との間に絶妙な連携も築いて行き、
最終的にPL2ゴール5アシスト挙げたのは
右SBとしての初めてのシーズンとしては
十分過ぎる結果を残したと思います。

一方で守備面に関しては
ボールを持ったアタッカーと並走しながらの対応や
下がりながらの対応などの
CBとは異なるSB的な対応に不安定な部分があり
実際、一線級のアタッカーに対峙した時には
簡単に突破を許す場面もあったと思いますので
その辺りは改善が必要な部分だと思います。

とは言え、今シーズンの偽SBシステム上
右SBの選手には3バックの右CB的な役割も
求められていたと思いますので
本職がCBである4ホワイトの右SBへのコンバートは
必然だったと思います。

もしかしたら18冨安が怪我で出遅れていなかったら
4ホワイトのコンバートはなかった可能性も
あったかもしれませんので
来シーズンもこのまま右SBでプレーするのか?
それとも層の薄いCBに戻るのか?
注目されます。


〜〜18冨安 健洋(24歳)〜〜


PL 6試合先発+15試合途中出場:1アシスト
EL 5試合先発+3試合途中出場:1アシスト
FA杯 2試合先発


今シーズンも怪我に泣かされたシーズンになってしまったのは
非常に残念でした。

昨シーズンの怪我の影響で?
開幕に間に合わす事が出来なかった影響もあり
右SBのポジションは4ホワイトに奪われてしまい、
その後徐々にコンディションを上げ
35ジンチェンコが欠場した期間に
左SBで出場機会を掴みましたが
今度は筋肉系のトラブルが発生してしまい
そのままW杯に突入する事になってしまいました。

そしてそのW杯でコンディションが整わないまま
出場した影響もあったのか
チームに戻ってきた後も
コンディションは一向に上がらず
最後はスポルティングCPとの
ELラウンド16の第2戦で
右膝の靱帯を損傷してしまい
その後全休する事になってしまいました。

この様に怪我を繰り返した18冨安の
今シーズンの唯一のハイライトは
35ジンチェンコが欠場した時期に
左SBとして起用された数試合だったと思います。

特にリバプール戦では対峙したサラーを
完全に押さえ込んだ活躍は
完全復活を期待するものだったと思いますが
一方でW杯から戻ってきた後の18冨安は
フィジカルコンディション的に
100%の状態ではなかったのか、
それともメンタル的に
100%のプレーをする事が出来なかったのか、
俗に言うサイドブレーキを引いたまま
プレーしている様な状態でしたので
仮に右膝を怪我しなくても
多くの出場機会は掴む事は出来なかった様に感じます。

最終的に負ってしまった右膝の怪我は
足を滑らしてしまった為の
アクシデントによる怪我でしたので
仕方がなかったと思いますますが
この怪我が癒えて復帰した時に
フィジカルコンディション的にも
メンタル的にも不安が払拭された状態に
戻っているかどうかが大きなポイントになると思います。

結局、シーズン終盤の苦しい時に
対人守備に強い18冨安がいれば
状況が変わっていた可能性もありましたので
来シーズンこそはベストな状態の18冨安の復活が待たれます。


〜〜17セドリック・ソアレス(31歳)〜〜


PL 2試合途中出場
EL 1試合途中出場
カラバオ杯 1試合先発


17セドリックは今シーズン開幕時には
実質的に構想外の状況だったと思われましたが
夏の移籍期間では移籍先が決まらずに残留しました。

その様な状況で残留した事もあり
シーズン前半の出場機会は限られたものでしたので
冬の移籍期間でフラムへローン移籍する事になりましたが
そのフラムでも十分な出場機会を得る事が出来ず
この夏に一度アーセナルに戻ってきます。

状況的には昨夏と大きな変化はないと思いますので
この夏でチームを去る事になると思われます。


C'mon Arsenal !!



(年齢は2023年6/30時点)


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2021/22シーズン〜〜CB総括〜〜 [Arsenal F.C.]

2022/23シーズンを振り返って〜〜CB〜〜

Arsenal 1.jpg


今回はCBについて2022/23シーズンを振り返ってみたいと思います。

今シーズンのCBはガブリエウと12サリバを
16ホールディングがバックアップする形で始まり
シーズン後半は冬の移籍期間で獲得した
15キヴィオルを加えた4人体制となり
シーズン終盤では怪我で離脱した12サリバに代わって
4ホワイトもこのポジションでプレーしました。

同時に今シーズンのCBは偽SBシステムを採用した関係で
振る舞い方がこれまでとは若干変わったと思います。

左CBに入った6ガブリエウは
チームがボールを保持した時には
左SBの35ジンチェンコが
アンカーの横まで上がっていく関係で
ハーフスペースのレーンよりもワイドな位置まで開いて行き
それに合わせて右CBの12サリバは
ピッチの中央辺りにポジションを移していました。
そして残った右サイドのスペースを
右SBの4ホワイトがケアする様な
変形の3バックの様な形を形成するのが
今シーズンのCBの特徴だったと思います。

これにより元々右SBに入っている4ホワイトは勿論ですが
6ガブリエウもボールと共に
相手陣内にまで積極的に入っていき
攻撃陣を後ろからプッシュする役割を担う一方で
中央寄りに移ってくる12サリバは
中央の広大なスペースをカバーする役割を担う事となりました。

今シーズンのこの様な形は
スピードとパワーを兼ね備え
1対1の状況でも一人で対処出来る
12サリバの存在が肝になっていたのは言うまでもなく
実際、怪我で12サリバが離脱した後に
16ホールディングや15キヴィオルが
同じ役割を与えられていましたが
十分に対処する事が出来ずに
DFラインは一気に弱体化してしまった事からも
バックアッパーの問題が
浮き彫りになってしまったシーズンだったと思います。


〜〜6ガブリエウ・マガリャンイス(25歳)〜〜


PL 38試合先発:3ゴール
EL 5試合先発+2試合途中出場
FA杯 2試合先発
カラバオ杯 1試合途中出場


今シーズンのPL全試合で先発した様に
6ガブリエウはDFラインの軸として
チームの躍進に大きく貢献したと思います。

フィジカル的に強くスピードも兼ね備えた
アグレッシブなデイフェンスは健在で
左サイドの広い範囲をしっかりとカバーしていたと思います。

一方で昨シーズンも書きましたが
アグレッシブなプレーは良いと思いますが
掴む、引っ張ると言う様な姑息な手段や
ファールギリギリのチャージで相手を止める場面も実際にあり
昨シーズンよりはカードを受ける場面は減ったとは言え
一歩間違えれば昨シーズン以上に
カードを出されていた可能性もあったと思いますので
この辺りはまだまだ改善が必要だと思います。

とは言え、集中している時の6ガブリエウの対人守備は
非常に強固であり
12サリバとの連携も非常に良かったと思います。
そして昨年10月に2027年夏まで契約延長した様に
これからもDFリーダーとして
アーセナルのDFラインのまとめていく事が期待されます。


〜〜12ウィリアム・サリバ(22歳)〜〜


PL 27試合先発:2ゴール1アシスト
EL 4試合先発:1ゴール
FA杯 1試合途中出場
カラバオ杯 1試合先発


マルセイユへのローン移籍から復帰してきた
12サリバはPLとアルテタ監督のスタイルに
速やかに適応し
シーズン前半の躍進に大きく貢献したと思います。

特に今シーズンの偽SBシステム上、
右CBに入る12サリバは
中央の広大のスペースをカバーする必要があり
その様な状況下で相手のアタッカーに対して
一人で対処しなければならない状況に陥る事もありましたが
フィジカル的に強くスピードも優れている12サリバは
その役割をしっかりと完遂していたと思います。

その様な12サリバにもまだ改善が必要な部分が
ない訳ではないと思います。

その一つがブレントフォード戦で露呈した
空中戦の問題です。

ゴール前での空中戦に関しては
それほど問題がなかった様に感じていましたが
相手のバックラインからのロングフィードに対して
落下地点を予測し、最適なタイミングで飛んで競り合うと言う
最もシンプルな競り合いで
そのブレントフォード戦では
殆ど競り勝つ事が出来ませんでした。

勿論、この試合で何度となく競り合った
ブレントフォードのトニーは
フィジカル能力に優れていて厄介な相手だったと思いますが
それを差し引いても全く歯が立っておらず、
その様な12サリバをブレントフォードが狙い撃ちしていた様に
空中戦に問題があると言うデーターがあったのだと思いますので
来シーズンい向けて改善が必要だと思います。

そしてマルセイユ時代に比べてだいぶ減りましたが
それでも時々ボールウォッチャーになって
瞬時に反応が出来ない場面がまだありましたので
これも来シーズンに向けての改善点だと思います。

この様に改善点はまだありますが
シーズン終盤に背部の怪我で離脱してから
DFラインが弱体化してしまった様に
今シーズンの守備システムの肝は
12サリバだったのは言うまでもなく
実質的にPL初参戦のその12サリバが
他のPL初参戦の選手達と同様に
速く激しいスタイルに身体が蝕まれ
最も重要だったシーズン終盤を
怪我で欠場する事になってしまったのは残念でした。

思いのほか、その背部の怪我は長引いていますが
このシーズンオフの間にしっかりと治療し
来シーズン開幕から6ガブリエウと共に
再び強固なDFラインを構築して欲しいと思います。


〜〜16ロブ・ホールディング(27歳)〜〜


PL 6試合先発+8試合途中出場:1ゴール
EL 6試合先発+1試合途中出場:1ゴール
FA杯 2試合先発
カラバオ杯 1試合先発


昨シーズンは試合終盤に3バックの中央に投入され
ゴール前に強さと高さをもたらして
試合を終わらせるクローザーとして
少ないプレー時間でしたが
大きな存在感を発揮していましたが
今シーズンはチームの状態が良かった事もあり
本当の意味でクローザーとして投入される場面自体が減り
カップ戦を中心に限られた出場機会しか得られませんでした。

その様な状況の中で
シーズン後半には12サリバの負傷離脱に伴い
16ホールディングもにチャンスが巡ってきましたが
残念ながらその期待に応える事が出来ませんでした。

前記の様に今シーズンの12サリバは
DFラインの裏の大きなスペースを
カバーする事が求められていましたので
その12サリバに代わって起用された16ホールディングも
同様の役割が求められました。

しかしフィジカル的な強さや高さに優れる
16ホールディングは
ゴール前を固める様な守り方をする時には頼りになりますが
スピードに問題がある為に
広いスペースをカバーする様な役割には適していません。
そしてその広大なスペースに入ってきたアタッカーに対して
一人で対応しなければならない状況になる事もありますが
これも俊敏性に難がある16ホールディングは
対応に苦慮する場面が多く
特にパワーとスピードが桁外れのハーランドに対しては
残念ながら全く歯が立っていなかった様に
12サリバと同様な役割を担う事は
出来ていなかったと思います。

同時に、バックラインからのビルドアップに関しても
12サリバに比べて質が落ちていたのは間違いなく
それはバックラインからビルドアップする時に
アンカーの5トーマスが
DFラインの所まで下がっくる場面が
試合を追うごとに増えていた事からも
ビルドアップの段階に関しても
十分に対応出来ていなかったと言えると思います。

これらの事からも
残念ながら現在の16ホールディングは
アルテタ監督が求めるレベルのプレーが
出来ていないの間違いなく
実際、アウェイでのシティ戦を境に
右CBには右利きのCBを起用すると言う
アルテタ監督の基本方針を曲げて
左利きの15キヴィオルを
右CBで起用したという事は
16ホールディングはアルテタ監督の信頼を
失った事を意味している様に感じます。

仮に来シーズンも偽SBシステムを基本システムにするのならば
現在の16ホールディングでは対応に苦しむと思われますので
何かしら対策が必要だと思われます。


〜〜15ヤクブ・キヴィオル(23歳)〜〜


PL 5試合先発+2試合途中出場:1ゴール
EL 1試合先発


冬の移籍期間で加入した15キヴィオルは
スカッドに欠けていた左利きのCBとして期待されましたが
今シーズンはPLとアルテタ監督のスタイルへの適応に苦しみ
シーズンの最終盤になるまで
出場機会を得る事が出来ませんでした。

その15キヴィオルは加入後の
フィジカルテストのいくつかの項目で
歴代最高記録を樹立したと言うのは
有名な話だと思いますが
この様にフィジカル的な能力は非常に高く
フィードの精度の高さなどの能力の一端は
限られた出場機会の中でも観せていたと思います。

その一方で守備時には相手を掴む、引っ張る
抱きかかえる等の
ファールに取られてもおかしくない様な対応が
多い所は気になります。

本来しっかりとした守備技術が備わっていたら
その様なファール紛いの対応をする必要はないはずで、
同時に一般的にはセリエAは
守備戦術や守備時のアプローチの仕方などの
守備面に関して伝統的に秀でていると言われていますので
そのセリエAのスペツィアで2シーズン過ごした割に
守備技術に関しては
やや疑問を感じる部分もありました。

そして現時点で最も問題に感じるのが
戦術的な理解度の面で
特に5トーマスを偽SBで起用した
シーズン最終戦のウルヴス戦では
左SBで起用されましたが
ポジショニングが悪かったのか
それとも単純に信頼度が低かったのか
1ラムズデールよりもボールタッチ数が少なく
ピッチの中で完全に浮いた存在だった様に
戦術的な理解度に関しては
まだまだ浅い印象を受けます。

とは言え、シーズン途中からの加入は
適応に苦しむのが常であり
特に今シーズンは首位争いをしている
真っ只中での加入でしたので
既にチーム戦術が完成しているチームを
さらにグレードアップしようとしている環境に入って行き
チーム戦術を一から理解しようとしても
他の選手との差を埋める事は難しいのは
当然かもしれません。

よって今シーズンの15キヴィオルの状況だけで
15キヴィオルを評価するのはフェアではなく
来シーズンに向けてのプレシーズンで
チーム戦術にしっかりと適応して
元々持っている能力をアーセナルでも発揮する事が
望まれます。


C'mon Arsenal !!


(年齢は2023年6/30時点)


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2022/23シーズン〜〜GK総括〜〜 [Arsenal F.C.]

2022/23シーズンを振り返って〜〜GK〜〜

Arsenal 1.jpg


今回はGKについて2022/23シーズンを振り返ってみたいと思います。

今シーズンは正GKの1ラムズデールを
新加入のアメリカ代表の30ターナーが
第2Gとしてバックアップする布陣に
第3GKとしてリザーブから昇格した
31ハインが加わる3人体制でした。

基本的にPLの試合を1ラムズデールが担当し
ELとFA杯を30ターナーが担当する形を基本とし
カラバオ杯の初戦では31ハインが
ファーストチームデビューを飾るなど
全体的には大きなトラブルもなく
盤石な布陣だったと思います。


〜〜1アーロン・ラムズデール(25歳)〜〜


PL 38試合先発:43失点14クリーンシート
EL 3試合先発:3失点1クリーンシート


今シーズンはチームのポゼッション率が上がった事もあり
攻め込まれる場面が減り
同時にDFラインが安定した事で
危険な状況でシュートを撃たれる場面が減った事もあり
試合によってはほとんど仕事がない試合もありましたが
それでも素晴らしいセーブを観せて
チームを救う場面は何度かあり
非常に頼れる存在だったと思います。

その一方で時々不用意なパスミスを犯して
自らピンチを招く場面が何度かあり
言うなればワールドクラスと呼ばれるレベルに到達する為には
この辺りの不用意なミスをなくす必要があると思います。

先日2028年夏まで契約延長した事で
今後もこのポジションは盤石だと思いますが
現在の状況に慢心する事なく
次はイングランド代表の正GKの座を
掴み取って欲しいと思います。


〜〜30マット・ターナー(29歳)〜〜


EL 5試合先発:3失点3クリーンシート
FA杯 2試合先発:1失点1クリーンシート


昨夏にアーセナルに加わった30ターナーは
長い腕を活かしたシュートストップ能力には定評があり
アメリカ代表の正GKとして参戦したカタールW杯でも
チームを救う素晴らしいセービングを観せていた様に
第2GKとしては十分な実力を要していると思います。

一方でプレシーズンの段階では
足元の技術レベルに少なからず問題がありましたので
バックラインに加わり足元でボールを扱う機会が多い
アルテタ監督のスタイルへの適応に不安がありましたが
それも徐々に改善傾向にありますので
全体的にも及第点を与えて良いと思います。

その30ターナーは今シーズンは
ELとFA杯を担当していましたが
来シーズンはどの様な形で起用される事になるのかは
非常に注目されます。

と言うのも1ラムズデールが起用された
ELグループステージの2試合は
30ターナーのコンディションに問題があった為ですので
仕方がありませんが
スポルティングCPとのラウンド16の2ndレグで
1ラムズデールが起用されたのは
負ける事が許されなかった為の処置なのは明白ですので
アルテタ監督は30ターナーの事を
それほど評価していない可能性があります。

そうなりますとCLグループステージの試合でも
ELよりも手強い相手と対戦する可能性がありますので
CLでも1ラムズデールを起用する可能性が十分に考えられ
それにより30ターナーの出場機会は
更に減る可能性があると思います。

その様な状況を打開する為にも
プレシーズンでしっかりとアピールして
アルテタ監督の信頼を勝ち取ってほしいと思います。


〜〜31カール・ハイン(21歳)〜〜


カラバオ杯 1試合先発:3失点


第3GKとしてスカッド入りした31ハインは
カラバオ杯ブライトン戦で
ファーストチームデビューを飾りました。

しかしそのブライトン戦では
足を滑らしてしまった事で
同点ゴールを許してしまった様に
残念ながら若さ、甘さが出てしまい
アピールする事は出来ませんでした。

とは言え31ハインは
エストニア代表として既に20キャップ飾っている様に
経験値はそこまで少ない訳ではありませんので
若いと言う事は言い訳にはならないと思います。

これまでも恵まれた体格とそのポテンシャルは
高く評価されてきましたが
現状としてはそのポテンシャルは
まだ発揮出来ていない印象を受けます。

U-21枠で登録出来る31ハインは
登録枠の関係で
来シーズンも第3GKとしてチームに残るかもしれませんが
この様な凡ミスを減らし
持っているポテンシャルを開花させる為にも
常にプレー出来る様な環境に
身を置く必要もあると思いますので
個人的にはもう一度ローン移籍に出た方が
良い様に感じます。


C'mon Arsenal !!


(年齢は2023年6/30時点)


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2023/24プレミアリーグの日程が発表!! [Arsenal F.C.]

2023/24プレミアリーグの日程が発表されました。

Premier-League16-17-2.jpg


AUGUST
12  Sat  H Nottingham Forest
19  Sat  A Crystal Palace
26  Sat  H Fulham

SEPTEMBER
02  Sat  H Manchester United
16  Sat  A Everton
23  Sat  H Tottenham Hotspur
30  Sat  A Bournemouth

OCTOBER
07  Sat  H Manchester City
21  Sat  A Chelsea
28  Sat  H Sheffield United

NOVEMBER
04  Sat  A Newcastle United
11  Sat  H Burnley
25  Sat  A Brentford FC 

DECEMBER
02  Sat  H Wolves
05  Tue  A Luton Town
09  Sat  A Aston Villa
16  Sat  H Brighton
23  Sat  A Liverpool
26  Tue  H West Ham United
30  Sat  A Fulham

JANUARY
13  Sat  H Fulham
30  Tue  A Nottingham Forest

FEBRUARY
03  Sat  H Liverpool
10  Sat  A West Ham United
17  Sat  A Burnley
24  Sat  H Newcastle United

MARCH
02  Tue  A Sheffield United
09  Sat  H Brentford FC
16  Sat  H Chelsea
30  Sat  A Manchester City

APRIL
02  Tue  H Luton Town
06  Sat  A Brighton
13  Sat  H Aston Villa
20  Sat  A Wolves
27  Sat  A Tottenham Hotspur

MAY
04  Sat  H Bournemouth
11  Sat  A Manchester United
19  Sun H Everton

(土曜日開催の試合はCL、FA杯のスケジュールや
TV放映時間の都合により金〜月の間で調整される可能性があります)


昨シーズンはシーズン中にW杯を挟むと言う
イレギュラーのシーズンでしたが
今シーズンは年末年始以外は
基本的には週末開催の
従来のスケジュールに戻りました。

その中でビッグ6にニューカッスルが加わる
6+1との対戦は
まずホームでユナイテッド、スパーズ、シティとの対戦で始まり
その後はアウェイでチェルシー、ニューカッスル、リバプールとの対戦が
組まれています。

一方でシーズン後半の対戦は
ホームでのリバプール、チェルシー、ニューカッスルとの対戦が続き
その後アウェイでのシティ、スパーズ、ユナイテッドの対戦で終わります。

出鼻を挫かれずにスタートダッシュに成功すると言う意味では
シーズン序盤でホームでの対戦が続いているのは
良い組み合わせだと思いますが
その一方でここ2シーズン連続
シーズン終盤に失速してしまった状況を考えますと
シーズン終盤にアウェイでの対戦が続くのは
少なからず気になります。

とは言え、PL制覇する為には
シーズン終盤での失速は許されませんので
対戦相手がどのチームであっても
しっかりと勝利し続けて
悲願のPL制覇を達成してほしいと思います。


C'mon Arsenal !!


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2022/23シーズン〜〜総括〜〜 [Arsenal F.C.]

2022/23シーズン〜〜総括〜〜

Arsenal 1.jpg


今回からは2022/23シーズンを
私見的に振り返ってみたいと思います。

昨シーズン終了した時に
世代交代と刷新を中心とした
チーム改革の第一段階目が終了したと書きましたが
今シーズンはそのチームを更に1ランクレベルをアップさせ
CL出場権の獲得を目標とした
第二段階に入ったと言えると思います。

実際、昨シーズンのチームに比べて
大きく変わった点は

1、基本システムの変更

2、守備の安定性

3、ゴール数の増加

の3点だと思います。


1、基本システムの変更については

偽SBシステムを導入する為に
35ジンチェンコを獲得したのか
35ジンチェンコを獲得した事で
偽SBシステムを導入したのかは分かりませんが
昨シーズンまでの従来型の4−3−3システムから
偽SBシステムへの変更は
今シーズンの躍進の大きなポイントと言えると思います。

その偽SBシステムに於いて35ジンチェンコは
守備時には左SBとして振る舞いますが
ボールを保持している時は
5トーマスと並ぶ様に中に絞った位置にポジションを移し
ダブルボランチの様な立ち位置になります。
言うなれば守備時の従来の4−3ー3の形から
ボール保持時には3−2−2ー3の形に変化する
可変システムを基本のシステムとして
今シーズンは戦いました。

この偽SBシステムの導入により
まず中盤でのボール保持の安定性が向上したと思います。

ポゼッション率で言えば
昨シーズンの平均ポゼッション率は 52.6%
でしたが
今シーズンの平均ポゼッション率は 59.7%
と大き向上しており
ボールを持っている時間は
確実に増えたと言えます。

そしてボールを持っている時間が増えただけではなく
中盤の底からのパスの出所が
5トーマスと35ジンチェンコの2つに増えた事で
相手のハイプレスに捕まる場面も
非常に減った印象であり
その相手のプレスによって流れを切られる場面が減った事で
守備から攻撃への転換も速やかになった印象を受けます。

勿論、ポゼッション率にしても
ハイプレスの回避にしても
35ジンチェンコが加わった効果だけではなく
それ以外の選手のポジショニングや
フリーランニングの質の向上も
大きく関与しているのは言うまでもありませんが
昨シーズンは5トーマスの所や
バックラインのボール保持者に対して
激しいハイプレスを仕掛けられると
ボールを前に進められなくなり
外に逃げるか、後ろに戻す様な場面が
非常に多かった事を考えますと
どの様な状況に陥っても流れを切られる事がなくなったのは
非常に大きな変化だと思います。

同時にトップの位置に
献身的で効果的なプレスを仕掛ける事の出来る
9ジェズスが入った事で
チームとして連動的で効果的に
ハイプレスを仕掛けられる様になり
そのハイプレスの網から溢れてきたボールを
回収すると言う意味でも
中盤の底で5トーマスと35ジンチェンコが並ぶ事で
その回収率は上がった様に感じます。

そして何よりもこの偽SBシステムにより
34ジャカの役割が大きく変わった所も
今シーズンの大きなポイントになったと思います。

昨シーズンの4−3−3における中盤の布陣も
今シーズンの偽SBシステムでの中盤の布陣も
アンカーに5トーマスが入り
右インサイドハーフに8ウーデゴール、
左インサイドハーフに34ジャカが入ると言う形は
変わっていませんが
昨シーズンまでの34ジャカは
左サイドを高い位置にまで攻め上がる
3ティアニーが空けた左サイドのスペースを
カバーする事も意識しながらプレーしていた事もあり
基本的にはボールラインよりも後ろでプレーする事が
多かったと思います。

一方で今シーズンは左SBの位置に入っている
35ジンチェンコが攻撃時には
5トーマスと並ぶ様に中に絞った位置に入って
ダブルボランチの様な形になる為、
その前にいる34ジャカのプレーエリアは前に移動して
ボールラインよりも前でプレーする場面が多くなりました。

それにより、2ラインの間でボールを受ける場面が多くなり
シュートに繋がる崩しの局面でプレーする機会が多くなったと共に
状況によってはゴール前に顔を出す場面も多くなり
昨シーズンはPLで1ゴール2アシストしか
挙げられなかった34ジャカが
今シーズンは7ゴール7アシストを挙げた様に
数字の上でも34ジャカの役割は
大きく変わった事を示していると思います。

この様に偽SBシステムに移行した事で
攻守において中盤を支配すると共に
34ジャカがより前目でプレーできる様になった事で
攻撃面での厚みももたらしたと思います。


2、守備の安定性については
2つポイントがあると思います。

1つ目は前線の守備の向上だと思います。

前記の様にトップの位置に入る9ジェズスを中心に
前線の3人+8ウーデゴールが
連動的にハイプレスを仕掛ける事が徹底され
そのハイプレスでボールホルダーにアタックして
ボールを奪還する事が出来なくても
そこから送られる不用意なパスを
その後ろで待ち構えている5トーマスや35ジンチェンコが
速やかに回収する事で
ボールが自陣に入ってくる回数を減らし
同時に守備から攻撃に速やかに移行する事が
出来る様になったと思います。

2つ目はローンから復帰した
12サリバの活躍が挙げられると思います。

昨シーズン右CBを務めていた4ホワイトは
スピードや俊敏性は優れていましたが
高さと強度が不足していた為に
ゴール前の強度に問題がありました。
一方でバックアッパーの16ホールディングは
高さと強度は優れていましたが
スピードや俊敏性が不足していた為に
引いて守る様な状況では良いのですが
極端に高く設定しているDFラインの裏のスペースを
カバーしきれないと言う問題がありました。

それに対して12サリバは
スピードと強度と高さを兼ね備えている事で
DFラインの裏の広大なスペースをカバーする問題に対しても
ゴール前での激しい攻防戦に対しても
しっかりと対応して
DFラインの安定性を高めたと思います。

数字的にも12サリバが出場していた試合と
シーズン終盤に12サリバが欠場した試合の
失点数を比べますと
12サリバが出場した27試合では 25失点し
1試合平均の失点数は 0.93点でしたが 
12サリバが欠場した11試合では 18失点し
1試合平均の失点数は 1.64点と
約1.8倍に増えてしまいました。

また、被シュート数、被枠内シュート数も
12サリバが出場していた27試合では
被シュートが 224本、1試合平均 8.3本
被枠内シュートが 86本 1試合平均 3.2本で
被枠内シュート率は 38%でしたが
12サリバが欠場した11試合では
被シュートが 118本 1試合平均 10.7本
被枠内シュートが 51本 1試合平均 4.6本で
被枠内シュート率は 43%と
30〜40%増えてしまっていました。

勿論、どちらも12サリバだけの影響を表している訳ではなく
他の要素も関与しているはずですが
それでも感覚的には最も大きく関与した要素は
12サリバの欠場だと感じています。

これらの様に2サリバは今シーズンの守備の安定性に
大きく関与していたと言えると思いますが
一方でシーズン終盤に怪我で欠場してしまった事が
シーズン終盤の失速を招き
シティに逆転を許す結果になってしまったのも事実であり
来シーズンに向けて12サリバをバックアップする選手の
整備が必要だと思われます。


3、ゴール数の増加に関しては
シーズン20ゴールを挙げる様な
絶対的なエースストライカーは現れなかった一方で
9ジェズス 11点、
7サカ 14点、
11マルティネッリ 15点、
8ウーデゴール 15点、
と4人が二桁ゴールを挙げ、
今シーズン挙げた88点の62.5%に当たる
55点をこの4人で挙げた事となりました。

この事から固有の選手の絶対的な個の力に頼らずに
どこからでもゴールを奪う事が出来る
柔軟な攻撃が今シーズンの特徴だったと言えると思います。

実際、それを可能にしたのは言うまでもなく
9ジェズスが加入したからであり
ペナルティ内でのストライカーとしての仕事以外に、
効果的なフリーランニングとスペースメイク、
下がった位置からのチャンスメイク、
サイドに開く事もあれば
自らドリブルで切り込む様な仕掛けまで
多くの状況に9ジェズスが対応していた事で
7サカ、8ウーデゴール、11マルティネッリに
より多くのゴールチャンスを作る事が出来たと
言えると思います。

数字的には 88点と言う総得点数は
PLが始まってからのアーセナルの最多得点数でした。

それ以外のシュート数等に関しては

〜〜PLシュート数〜〜
シティ    総数600本  1試合平均数15.8本  1ゴール平均6.38本
アーセナル  総数593本  1試合平均数15.6本  1ゴール平均6.74本
ユナイテッド 総数593本  1試合平均数15.6本  1ゴール平均10.22本
ニューカッスル総数571本  1試合平均数15.0本  1ゴール平均8.40本
リバプール  総数605本  1試合平均数15.9本  1ゴール平均8.07本
スパーズ   総数518本  1試合平均数13.6本  1ゴール平均7.40本
チェルシー  総数484本  1試合平均数12.7本  1ゴール平均12.74本

〜〜PL枠内シュート数〜〜
シティ    総数219本  1試合平均数5.76本  枠内率37%
アーセナル  総数204本  1試合平均数5.37本  枠内率34%
ユナイテッド 総数215本  1試合平均数5.66本  枠内率36%
ニューカッスル総数197本  1試合平均数5.18本  枠内率35%
リバプール  総数212本  1試合平均数5.58本  枠内率35%
スパーズ   総数199本  1試合平均数5.24本  枠内率38%
チェルシー  総数159本  1試合平均数4.18本  枠内率33%

〜〜Big Chances Created〜〜
シティ    103回
アーセナル   73回 
ユナイテッド  84回
ニューカッスル 84回
リバプール  103回
スパーズ    64回
チェルシー   57回

と、シュート総数に関しては
シティの 600本、リバプールの 605本に迫る
593本のシュートを放っていました。

一方で枠内シュート数に関しては
枠内シュート率が 34%と
他のチームに比べて若干悪かったと思いますが
反対に1ゴール平均のシュート数は
6.74本に1ゴール挙げており
シティの 6.38本に迫る数字を残しています。

昨シーズンと比較しても
シュート総数的には 589本だった昨シーズンと
大きな差はなく
枠内シュート率も 34%だった昨シーズンと
大きな差はありませんでしたが
1ゴール平均のシュート数に関しては
1ゴールを挙げるのに 9.66本要した昨シーズンからは
大きく改善されました。

この要因としては単純に決定力が向上したと観るのか
それとも効率的になったと観るのかは
意見が分かれると思いますが
PLが出しているBig Chances Created数を観ますと
昨シーズンは 39回だったBig Chances Created数が
今シーズンは 73回と大きく増やしていますので
多くの決定機を作って効率的にゴールを奪ったと考えるのが
普通かもしれません。

一方でこの様に連携面が磨かれ
連動的で流動的な動きをする前線のユニットに
足りない部分がない訳ではなく
特にゴール前を固められて
スペースを消された時に苦戦してしまう所は
来シーズンに向けての改善点だと思います。

この辺りは個の力に秀でる
絶対的なエースストライカーがいない事が
影響している可能性があり
今シーズン以上に攻撃力をアップする為には
どの様な状況でも強引にゴールをこじ開ける事が出来る
シティのハーランドの様な存在が
本当は必要なのかもしれません。


次は他のチームと比較してみたいと思います。

〜2022/23順位表〜
シティ    28勝 5分け 5敗 勝ち点89 得点94 失点33 +61  1位
アーセナル  26勝 6分け 6敗 勝ち点84 得点88 失点43 +45  2位
ユナイテッド 23勝 6分け 9敗 勝ち点75 得点58 失点43 +15  3位
ニューカッスル19勝14分け 5敗 勝ち点71 得点68 失点33 +35  4位
リバプール  19勝10分け 9敗 勝ち点67 得点75 失点47 +28  5位
スパーズ   18勝 6分け14敗 勝ち点60 得点70 失点63  +7  8位
チェルシー  11勝11分け16敗 勝ち点44 得点38 失点47  −9 12位

 
〜ホーム〜
シティ    17勝 1分け 1敗 勝ち点52 得点60 失点17 +43  1位
ユナイテッド 15勝 3分け 1敗 勝ち点48 得点36 失点10 +26  2位
アーセナル  14勝 3分け 2敗 勝ち点45 得点53 失点25 +28  3位
リバプール  13勝 5分け 1敗 勝ち点44 得点46 失点17 +29  4位
ニューカッスル11勝 6分け 2敗 勝ち点39 得点36 失点14 +22  5位
スパーズ   12勝 1分け 6敗 勝ち点37 得点37 失点25 +12  8位
チェルシー   6勝 7分け 6敗 勝ち点25 得点20 失点19  +1 15位


〜アウェイ〜
アーセナル  12勝 3分け 4敗 勝ち点39 得点35 失点18 +17  1位
シティ    11勝 4分け 4敗 勝ち点37 得点34 失点16 +18  2位
ニューカッスル 8勝 8分け 3敗 勝ち点32 得点32 失点19 +13  3位
ユナイテッド  8勝 3分け 8敗 勝ち点27 得点22 失点33 ー11  5位
リバプール   6勝 5分け 8敗 勝ち点23 得点29 失点30  ー1  7位
スパーズ    6勝 5分け 8敗 勝ち点23 得点33 失点38  ー5  8位
チェルシー   5勝 4分け10敗 勝ち点19 得点18 失点28 −10 11位


〜シーズン前半〜
アーセナル  16勝 2分け 1敗 勝ち点50 得点45 失点16 +29  1位
シティ    13勝 3分け 3敗 勝ち点42 得点42 失点14 +28  2位
ユナイテッド 12勝 3分け 4敗 勝ち点39 得点30 失点22  +8  3位
ニューカッスル10勝 8分け 1敗 勝ち点38 得点33 失点11 +22  4位
スパーズ   10勝 3分け 6敗 勝ち点33 得点37 失点27 +10  5位
リバプール   8勝 5分け 6敗 勝ち点29 得点34 失点25  +9  8位
チェルシー   8勝 4分け 7敗 勝ち点28 得点22 失点21  +1 10位


〜シーズン後半〜
シティ    15勝 2分け 2敗 勝ち点47 得点44 失点13 +31  1位
リバプール  11勝 5分け 3敗 勝ち点38 得点41 失点22 +19  2位
ユナイテッド 11勝 3分け 5敗 勝ち点36 得点28 失点21  +7  4位
アーセナル  10勝 4分け 5敗 勝ち点34 得点43 失点27 +16  5位
ニューカッスル 9勝 6分け 4敗 勝ち点33 得点35 失点22 +13  6位
スパーズ    8勝 3分け 8敗 勝ち点27 得点33 失点36  ー3  9位
チェルシー   3勝 7分け 9敗 勝ち点16 得点16 失点26 ー10 18位


今シーズン優勝したシティの
最終勝ち点は 89点だったのに対して
アーセナルは 84点と
優勝には5点足りませんでした。

最初に書きました様に
勿論、優勝を目指して今シーズンも入っていたと思いますが
それでも現実的な目標はトップ4に入り
来シーズンのCL出場権を獲得する事だったと思いますので
2位という順位は十分に評価に値すると思います。

その一方で第3節に首位に立つと
そのままの勢いで突っ走り
シーズン終盤に失速してシティに首位の座を明け渡すまで
首位に立ち続けた事を考えれば
もう少し上手く出来ていたら
優勝出来た可能性もありましたので
残念でもありました。

この様にシーズン前半は勝ち点50を挙げ
独走状態だったにも関わらず
シーズン終盤に失速したシーズン後半では
勝ち点34しか奪えなかった原因を
考えなければならないと思います。

その失速の最大の原因は
主力選手の怪我による離脱等も含めた
コンディションの問題と
それをカバーするべきバックアッパーの問題という事は
言うまでもないと思います。

ここまでにも何度も書いてきましたが
シーズン前半の様にレギュラー組の選手が揃って万全だったら
今シーズンのアーセナルは最強だったと言っても
決して嘘ではないと思いますが
その一方でどうしてもレギュラー組とサブ組の間には
少なくない実力差があったのも周知の事実だったと思います。

その問題に対して冬の移籍期間で
19トロサールや20ジョルジーニョ等獲得して
サブ組の底上げを図り、
実際、W杯中に負った怪我で長期離脱した9ジェズスの穴や
パフォーマンスレベルを落とした5トーマスに対して
19トロサールや20ジョルジーニョがしっかりと対応して
そのダメージは最小限に留めたと思います。

しかし3月中旬に怪我を負った12サリバの穴は
16ホールディングや15キヴィオルが埋める事が出来ずに
それに伴い守備面が不安定になってしまった事で
終盤の失速の最大の原因になってしまったのは
誰もが認める所だと思います。

本来ならばコンディションを保つ為に
もっと早い時期からしっかりとローテーションを行い
レギュラー組に休息を与えるべきだったというのは
正論だと思います。

しかし前記の様にレギュラー組とサブ組の間に
少なくない実力差がある為に
メンバーを固定し続けたアルテタ監督の気持ちは
分からなくもないと思います。

仮に早い段階からローテーションを行っていたら
もしかしたら長期離脱者は減っていたかもしれません。
その一方でローテーションをした事で
戦力値を落としたチームで
戦わなければならない試合が出てきてしまい
その結果、取りこぼす試合が増えていたら
シーズン前半の独走状態はなかったかもしれません。

これはたらればの話になりますので
どちらが良かったのは分かりませんが
レギュラー組を万全な状態で起用し続ける事が出来たから
シーズン前半は独走状態を築く事が出来た事は事実ですので
期せずして首位に立っている状況で守りに入らずに
そのままシーズン終わりまで突っ走ろうとした判断は
結果としては失敗に終わりましたが
今シーズンはあくまでもチャレンジャーでしたので
そのチャレンジャーという立ち位置を考えれば
その判断は決して間違ってはいなかった様に
個人的には思います。

とは言え、来シーズンはもうチャレンジャーではなく
優勝を狙う本命にならなければなりませんので
シーズン開幕からシーズンの最終日まで
完璧に計算されたマネージメントと
そのマネージメントに対応出来るだけの
充実したスカッドを築く事を
アルテタ監督には求めたいと思います。

とは言え、個人的にはPL第30節のリバプール戦が
優勝出来なかった大きな分岐点だった様に感じています。

もっと言えばこの試合の39分までは
優勝に向かう流れにアーセナルは完全に乗っていた様に感じます。

実際、39分まではPL7連勝中の勢いのまま
早々に2つのゴールを奪った事で
その時のアーセナルを止める事は不可能だという雰囲気が
敵地アンフィールド中に漂っていましたが
その39分過ぎの全く必要のない34ジャカの愚行により
アンフィールドの雰囲気が変わっただけではなく
その時のアーセナルを包み込んでいた雰囲気が変わったと
感じた人も少なからずいたと思います。

言うなればこの時に『潮目』が変わったと言っても
過言ではなかったと思います。

仮に34ジャカの愚行がなければ
あの試合はそのまま勝利していたかもしれませんし
その後のウエストハム戦もサウサンプトン戦も
引き分ける事はなく
勝ち点差8のままシティとの直接対決に
挑めたかもしれません。

勿論、プレッシャーのかかるシーズン終盤に
そのプレッシャーに押しつぶされてしまった
メンタル的な未熟さが
優勝するに値しなかったと言われればそれまでですが
優勝と言う経験値が乏しい分
必要のない愚行で潮目を変えてしまったのは
非常に悔やまれます。

一方でビッグ6+ニューカッスルとの
直接対決の戦績は悪くはありませんでした。

シティ     0勝0分け2敗
ユナイテッド  1勝0分け1敗
ニューカッスル 1勝1分け0敗
リバプール   1勝1分け0敗
スパーズ    2勝0分け0敗
チェルシー   2勝0分け0敗

優勝したシティとはFA杯も含めた3戦で
0−1、1−3、1−4と完敗だった事からも
残念ながらシティとの間には
まだまだ差が存在しており
来シーズンに向けて
そのシティとの差を埋めなければ
PL制覇を達成する事は不可能という事は
言うまでもないと思います。

同時にシーズン後半の戦績を考えますと
リバプールは現在進行中の世代交代がひと段落して
再び上位に進出してくる可能性があり
ユナイテッドもテン・ハフ監督が目指している
フットボールを体現出来るスカッドへの刷新が終わり
言うなれば昨シーズンのアーセナルから
今シーズンのアーセナルへ飛躍した様な状況が
ユナイテッドにも起こる可能性がありますので
油断出来ません。

今シーズン大失敗したチェルシーも
タレントは揃っていますので
新たに就任するポチェッティーノ監督が
そのタレントを使いこなす事が出来れば
大化けする可能性はあると思います。
まぁ、スパーズで評価を高めましたが
それ以降は全くパッとしていませんので
ポチェッティーノの手腕は
既に時代遅れになっている可能性はありますが、、、。

そして個人的には最も注意が必要だと思っているのが
ニューカッスルです。

そのニューカッスルは
他のビッグ6に比べて1ランク落ちる陣容で
4位に入ったのは勿論立派ですが
何よりもリーグトップの33点しか失点しなかった所は
非常に脅威を感じます。

この数字が表している様に就任2シーズン目にして既に
エディ・ハウ監督の戦術がしっかりとチームに浸透し
組織としての基盤が完成していると言えると思います。

その一方でシーズン通して14分けした様に
勝ちきれない試合が多かったのも
今シーズンのニューカッスルの特徴だと思います。

この原因は組織と戦術がしっかりと築かれていても
他のビッグ6に比べてタレント力が落ちる為に
相手を圧倒する様な攻撃力がまだ備わっていないからと
考えるのが普通だと思いますが
仮にこの夏にそのビッグ6と同レベルの攻撃的な選手を
チームに加えてきたら
勝ちきれなかった試合が一気に減るのは間違いなく
それに伴い今シーズン以上の勝ち点を稼ぐ可能性が
十分に出てくると思います。

実際、ニューカッスルは
ここまでの2シーズンではチームの骨幹を構築する様な
堅実な補強をしてきましたが
サウジアラビア系ファンドのオーナーが本気を出せば
ワールドクラスの選手を獲得する事など
簡単な事だと思いますので
ここまでの2シーズンとは異なる
本気でPL制覇を狙う様な補強をしてくるかどうか
非常に気になります。


チームの世代交代・刷新を行った昨シーズンから
トップ4の返り咲きを目指した今シーズンは
その目標通り2位でフィニッシュして
来シーズンのCL出場権を獲得しました。

その一方で今シーズン優勝したシティとの間には
その勝ち点差以上の差があるのも事実であり
その差を埋める事が出来なければ
PL制覇を達成する事は不可能だと思います。

来シーズンは今シーズン以上に
トップ4争いが激化する事は間違いなく
同時にCLでも戦わなければなりませんので
その2つの大会に耐えられる様な
強固なスカッドを来シーズンこそは築かないとなりません。

来シーズンはCL出場権を目指した今シーズンから
さらに前に進み本気でPL制覇を目指す
第三段階に入らなければならないと思います。

そして今シーズンは歯が立たなかった王者シティを破り
無敗優勝から丁度20周年になる来シーズンを
20シーズンぶりの優勝で祝える事を期待したいと思います。


C'mon Arsenal !!


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2023/24シーズンに向けて補強ポイント〜〜まとめ〜〜 [Arsenal F.C.]

2023/24シーズンに向けて補強ポイント〜〜まとめ〜〜

Arsenal 1.jpg


〜〜〜まとめ〜〜〜


この夏の補強ポイントは

1、インサイドハーフ・CMF

2、左利きの右サイドアタッカー

3、左SB

4、右SB

5、CB

の5つのポジションを挙げましたが
現在アーセナルが最優先に取り組んでいるのが
ウエストハムのライスであり
ブライトンのカイセドだと思います。

ライスに関してはバイエルンも
積極的に獲得に動いていると言われていますが
健全経営のバイエルンが一人の選手に対して
£1億クラスのオファーを出す可能性があるのか?
仮に一人の選手に対して£1億クラスの予算を使うのならば
レヴァンドフスキの穴を埋めきれなかった
ストライカーの方が優先順位が高いのではないか?
更に言えばCEOのオリバー・カーンと
スポーツディレクターのサリハミヂッチの
バイエルンのトップ2が揃って退任した状況で
誰が主導してこの様な高額投資の許可を下すのか?

と幾つもの疑問が浮かびます。

そしてライス本人もPLに残る事を希望していると言われており
特にロンドンに残る事を希望していると言われていますので
そう言う意味でもアーセナルの方が
有利なポジションに立っていると思います。

そのアーセナルは来週開催される
ヨーロッパ・カンファレンスリーグ決勝戦が終わるのを
待っている状態で
それが終わったら正式にオファーを出すと言われており
最初の提示額は£9000万辺りだと言われています。

しかしウエストハムの希望額が
£1億2000万と言われている事を考えれば
£9000万程度で獲得に成功する可能性は低く
実際は£1億前後の攻防になると思われます。
勿論、アーセナルも£9000万で獲得出来るとは
思っていないと思いますが
その選手の評価額を大きく上回る投資を行わない
アーセナルがどこまで投資する計画なのかは
非常に気になります。

一方のカイセドはこれまでの流れを考えますと
ライスに対するプランBではなく
両方の選手共に獲得を目指している様に感じます。

そのカイセドはブライトンのデゼルビ監督も
この夏にブライトンを離れる可能性を認めており
ここ最近聴こえてくる噂では
ブライトンはカイセドの移籍金を
£7500万に設定したと言われています。

現状としては冬の移籍期間の時点で
アーセナルと個人合意したも同然の状況にまで行きましたので
あとはアーセナルが£7500万を
払うかどうかの状況だと思われます。

右SBに関してはガラタサライのサシャ・ブイか
バジャドリードのフレスネダの2択の様に感じます。

サシャ・ブイに関しては
既に£1470万の最初のオファーを
出したと言われていますが
そのオファーはガラタサライに却下されており
現在のサシャ・ブイに対して
それ以上の投資を行うかどうかが
ポイントだと思います。

一方でガラタサライが希望する£2100万レベルのオファーは
フレスネダのバイアウト条項の設定されている£2650万と
それほど大きな差がなくなってしまいますので
個人的にはフレスネダの獲得に動いて欲しいと思います。

左SBとCBに関しては誰を狙っているのかよく分かりません。

勿論、ライスやカイセドの高額案件が決着しなければ
この2つのポジションに投資出来る予算が決まりませんので
動くに動けないのも分かります。

現状としてライスとカイセドの獲得に成功すれば
残っている予算はかなり限られると思われますので
場合によってはこの夏での補強が
見送られる可能性もゼロではないと思われます。

しかしこれらのポジションの補強を見送る為には
3ティアニーの残留が条件であり
12サリバの契約延長と
右SBの補強が終わり
4ホワイトをCBに再コンバート出来る状況になる事が
条件になりますが、、、。

同じ様に右サイドアタッカーに関しても
まだ現実的な動きが見えてきていません。

最近ではPSVのシャヴィ・シモンズの名前が挙がっていますが
シャヴィ・シモンズの本職は攻撃的MFであり
サイドでもプレー可能で両脚遜色なく使えるとは言え
右利きの選手ですので
右サイドアタッカーに対する補強と言うよりも
8ウーデゴールに対してパリSGが興味を示している
と言う噂に対してその穴埋め候補として
名前が挙がってきたのかもしれません。

個人的には右サイドアタッカーに対しては
ムサ・ディアビを獲得して欲しいと思っていますが
£5000万と言われる予算が
残っているかどうかが
ポイントになると思われます。


反対にこの夏の放出候補としては
まず今シーズンローンに出ていた選手が挙げられます。

ルナル・アレックス・ルナルソン(28歳)
セドリック・スアレス(32歳)
アルベール・サンビ・ロコンガ(23歳)
パブロ・マリ(30歳) 
エインズリー・メイトランド=ナイルズ(26歳)
ニコラ・ぺぺ(28歳)
ヌーノ・タヴァレス(23歳)
チャーリー・パティーノ(19歳)

(年齢は2023年9/1時点)

この中でモンツァにローン移籍していたマリは
その契約に付帯していた
£600万(推定)と言われる買取条項が発動され
この夏に移籍する事がほぼ決定していると言われており
アーセナルとの契約がこの夏までの
メイトランド=ナイルズもそのまま契約満了で
退団する事がほぼ決定しています。

一方で契約が2024年夏までと言われる
ルナルソン、セドリック、ペペも
契約延長が結ばれない限り
アーセナルに復帰する可能性が低いと言うのは
言うまでもありませんので
今夏の放出が既定路線だと思いますが

とは言え、ルナルソンとセドリックは
多くの移籍金を得る事は期待出来ず、
獲得に高額投資を要したペペも
その移籍金を回収する見込みは難しい状況ですので
噂によれば契約解除で放出する可能性もあると言われています。

タヴァレスに関してはマルセイユで
結果を出した事もあり
十分に買い手は現れると思いますので
獲得に要した£680万を上回る
£1000万台の移籍金で
売却する事は可能だと思いますが
ローン先のクリスタルパレスでも
結果を出せなかったロコンガに関しては
完全移籍での買い手が現れる可能性は低いと思いますので
ベルギー時代にロコンガを指導し高く評価していた
コンパニ監督が率いるバーンリーが
獲得に動いてくれる事を期待するしかないかもしれません。

一方でリザーブ所属の逸材パティーノも
出場機会を求めて移籍を志願していると言われています。

しかし今シーズンローン移籍に出ていた
ブラックプールでも結果を残せていない状況を考えますと
現時点のパティーノが常時先発で出場出来るクラブは
チャンピオンシップのクラブか
レベルの落ちる他国のリーグのクラブに移籍するしかなく
その才能は高く評価されていても
実際結果を出せていない19歳の選手を獲得に動くクラブは
そこまで多くない様に感じますので
仮に移籍が成立したとしても
移籍金は£500万も得られないかもしれません。

一方でファーストチームの選手の中にも
この夏に退団する可能性がある選手がいます。

34グラニト・ジャカ(30歳)
3キーラン・ティアニー(26歳)
24リース・ネルソン(23歳)
16ロブ・ホールディング(27歳)
26フォラリン・バロガン(22歳)

(年齢は2023年9/1時点)


34ジャカに関してはレヴァークーゼンへの移籍が
ほぼ決定しており
その移籍金は£1300万前後になると言われていますが
ここにきてバイエルンが興味を示した事で
移籍金はもう少し上がるかもしれません。

3ティアニーに関してはニューカッスルが
£3000万で獲得に動いていたと言われていますが
来シーズンのシャツのモデルになっている事、
そして左SBの補強候補の噂が挙がっていない状況を考えますと
移籍の噂が一人歩きしていただけで
このまま残留する可能性もあると思います。

この夏で契約が切れる24ネルソンは
契約延長間近と言われていますので
順調に行けば放出候補から外れると思われますが
残りの契約が1年になった16ホールディングに関しては
契約延長の動きがなければ
この夏の放出候補になる可能性があります。

しかし実際放出候補になるのは
CBの補強とセットになりますので
CBの補強が不透明の現状を考えますと
まだどうなるかわかりませんが
仮に放出されるとなりますと
ホームグロウン選手ですので
£1000万レベルの移籍金になると思います。

一方で難しいのは26バロガンです。
今シーズンローン移籍で加わったスタッド・ランスで
リーグ戦21ゴール挙げた26バロガンは
来シーズンも先発でプレー出来るクラブでの
プレーを希望している関係で
放出候補になっています。

実際、ACミラン、ライプツィヒを筆頭に
オシムヘンが引き抜かれた時の代役として
ナポリも興味を示していると言う噂まで出てきている様に
CL出場権を持ったイタリアやドイツのクラブが
獲得に動いていると言われており
アーセナルは£3〜4000万の値札をつけていると言われています。

一方で今シーズンブレイクした26バロガンを
一度も本格的にファーストチームでプレーさせないまま
放出するのが良い事なのかどうか?
と言う問題があります。

個人的には伸び代がそれ程なさそうな14エンケティアを
まだ伸び代がある26バロガンと入れ替えて欲しいとと言う
強い欲求があります。

実際、PLで4ゴールを挙げた14エンケティアと
リーグ1で21ゴール挙げた26バロガンの
どちらの選手が実力的に上なのか?
と言う問題はあります。

それを計る一つの指標を挙げるとすれば
仮に今26バロガンを獲得する為には
£3〜4000万の移籍金が必要になりますが
14エンケティアを獲得す為に必要な移籍金は
£1500万レベルだと思います。

勿論、市場価値的な評価が
実際の選手の実力の全てを表す訳ではありませんが
選手をクラブの資産と考えるのならば
どちらの選手の方が価値が高いかは
自ずと答えが出ると思いますので
補強資金の捻出が必要だとしても
売却するのは26バロガンではなく
14エンケティアの方だと思います。

とは言え、26バロガンに9ジェズスと
ポジション争いをする意思があるんのか?
9ジェズスのポジションを奪う自信があるのか?
にもよりますが、、、。


一方で来シーズンの補強において
もう一つ問題になるのが
選手登録枠の問題です。

最終的な今シーズンのスカッドは
ホームグロウン 6名
非ホームグロウン 14名
U-21 4名
と言う構成でした。

しかし今シーズンU-21枠で登録していた
7サカ、11マルティネッリ、12サリバが22歳になる為に
来シーズンはシニア枠で登録しなければならなくなりますので
ホームグロウン 8名 
非ホームグロウン 15名
U-21 1名
と言う構成になり
残っている登録枠は2つになります。

そして予定通り34ジャカが退団して
登録枠が1つ空いたとしても
現時点で新たに登録出来る枠は3つだけになります。

よって仮にライス、カイセド、サシャ・ブイを獲得した場合には
全ての登録枠が埋まる事になり
その後は既存の選手を放出しない限り
新たな選手を獲得出来なくなります。

一方でサシャ・ブイではなく
今年19歳になるフレスネダを右SBに獲得した場合には
フレスネダはU-21枠での登録になりますので
登録枠は1つ残る事になります。
そう言う意味でも右SBにはサシャ・ブイではなく
フレスネダを獲得した方が良いと個人的には思ってます。

同時に26バロガンをチームに復帰させた場合も
来シーズンからシニア枠になる為に
登録枠を1つ用意しなければなりません。
そう言う意味でも26バロガンを復帰させる為には
14エンケティアの放出とセットで
考えなければならないと思います。

よって登録枠的には
この夏の補強可能人数は
3人もしくは4人程度になると思われ
それ以上獲得する為には
既存の選手の放出とセットになると思われます。


最後に補強予算的に考えてみたいと思います。

この夏の元々の補強資金は
£1億8000万と言う噂があり
この予算に選手の売却益を加えた額が
実際のこの夏の補強資金になると言われています。

例えば、

支出
ライス   £1億
カイセド  £7500万
フレスネダ £2650万

合計    £2億150万


収入
元々の補強資金 £1億8000万
ジャカ     £1300万
マリ      £600万
ルナルソン   £100万
セドリック   £200万

合計     £2億200万

これで収支のバランスが取れます。

この3名に加えて
ムサ・ディアビ又はグエイを獲得する場合は

支出
ライス       £1億
カイセド      £7500万
フレスネダ     £2650万
ディアビ又はグエイ £5000万

合計    £2億5150万
となります。

それに対して放出候補の選手の売却に伴う
予想される収入を加えてみますと

収入
元々の補強資金 £1億8000万
ジャカ     £1300万
マリ      £600万
ルナルソン   £100万
セドリック   £200万
タヴァレス  £1300万
パティーノ  £500万
ペペ     £700万(年俸分)

合計     £2億2700万
となり、
これでは£2450万足りませんので
更なる選手の放出が必要になります。

3ティアニー又は26バロガンを£3000万
で売却して £2億5700万

又は
14エンケティアを£1500万
16ホールディングを£1000万
で売却して £2億5200万

となり収支的にも登録枠的にも
問題がなくなります。

まぁ、元々の補強予算が本当に
£1億8000万もあるかどうかもわかりませんし、
CL出場権を獲得した事で
もっと補強予算が増えている可能性もありますし、
3ティアニーや26バロガンを
売却するかどうかによっても
状況は大きく変わりますので
本当のところどの様な動きになるかは
まだ予測できない部分が大きいと思いますが
現状としては先行して獲得の噂が挙がっている
ライス、カイセド、サシャ・ブイ又はフレスネダの右SBの3人は
確実に獲得して欲しいと思います。


C'mon Arsenal !!


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2023/24シーズンに向けて補強ポイント〜〜CB〜〜 [Arsenal F.C.]

2023/24シーズンに向けて補強ポイント〜〜CB〜〜

Arsenal 1.jpg


〜〜〜CB〜〜〜


マーク・グエイ(23歳):CB
Marc Guéhi
クリスタル・パレス
2000年年7月13日生
182cm 82kg
イングランド代表
移籍金 £5000万


フィカヨ・トモリ(25歳):CB
Fikayo Tomori
ACミラン
1997年12月19日生
185cm 79kg
イングランド代表
移籍金 £


マタイス・デ・リフト(24歳):CB
Matthijs de Ligt
1999年8月12日生
バイエルン・ミュンヘン
187cm 89kg
オランダ代表
移籍金 £


(年齢は2023年9/1現在)


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

今シーズンの12サリバと6ガブリエウのコンビは
非常に強固だったと思いますが
12サリバが怪我で離脱したと同時に
チームも失速してしまった様に
バックアップを務める16ホールディングでは
その穴を完全に埋める事は出来ませんでした。

その為に残りの契約が1年になると言われる
この夏のタイミングで16ホールディングを
放出する可能性が出てきており
それに伴い新たなCBを獲得する可能性が囁かれていますが
実際、獲得候補として挙がる名前は
クリスタル・パレスのグエイくらいで殆ど挙がっていません。

しかし来シーズンはCLにも参戦する関係上
今シーズンの様にメンバーを固定し過ぎると
故障者が続出する可能性がありますので
信頼のおけるCBを4名揃えて
ある程度ローテーションをする必要性があると思います。

そこで注目されるのがシーズン終盤に
CBとして起用された
4ホワイトの再コンバートです。

このシーズン終盤に4ホワイトがCBで起用されたのは
35ジンチェンコが離脱した為に
5トーマスを右SBに配置して
偽SBシステムを機能させようとした
煽りを受けただけとも言えます。

しかし4ホワイトと18冨安がいる右SBに対しては
多くの補強候補の名前が挙がる一方で
CBの獲得候補の噂が増えてこない事を考えますと
右Sに新たな選手を獲得して
4ホワイトをCBに再コンバートする事で
補うプランの可能性は十分にあると思います。

とは言え、4ホワイト&6ガブリエウのコンビだった
昨シーズンに比べて
12サリバ&6ガブリエウのコンビにした
今シーズンの充実ぶりを考えれば
4ホワイトをCBに戻しても
今シーズンの様な十分な強度を維持できるとは
言い切れないのも事実であり
言うなればフィジカル的なサイズに問題がある4ホワイトで
ハーランドを抑える事が出来るのかどうか?
と言う問題に直面してしまうかもしれません。

そしてここに来て
12サリバの契約問題も騒がしくなってきたのも心配です。

来夏に切れる契約を延長する為に
話し合いが続いている様ですが
アーセナル側は現在£4万(推定)の週給を
£12万(推定)にする契約を提示している様ですが
サリバ側はこの提示を
大きく上回る週給を希望していると言われており
噂によれば昨夏にレスターからチェルシーに移籍した
フォファナの£20万(推定)クラスの週給を
要求していると言う噂もあります。

その週給£20万が高いかどうかに関しては
賛否が分かれると思います。

週給£20万と言うと
7サカの£30万(推定)、9ジェズス£26.5万(推定)に次ぐ
5トーマスと同額のチーム3位の週給ですので
他の選手との給与バランスは
明らかに崩れてしまいます。
一方で週給£12万(推定)と言う提示額は
4ホワイト、1ラムズデール、34ジャカと同額ですので
個人的には妥当のオファーの様に感じます。

実際問題として獲得に動いていると言われているパリSGから
アーセナルの条件を大きく上回るオファーを
非公式に受け取っていてもおかしくないと思いますので
アーセナル側が12サリバ側の要求に対して
どこまで歩み寄る事が出来るかどうかが
今後のポイントになると思われます。

仮に12サリバとの契約延長交渉が決裂した場合には
残りの契約が1年となっていても
£5000万クラスの取引きになると思われますが
£5000万クラスの移籍金で
12サリバの穴を完璧に埋めるCBを獲得するのは
かなり難しいミッションになると思われます。

前記の様に、今の所獲得候補に名前が挙がっているのは
クリスタル・パレスのグエイくらいですが
そのグエイは今シーズン目覚ましい活躍を観せた事もあり
この夏はビッグクラブのターゲットになると言われており
クリスタル・パレスは£5000万の移籍金を
要求していると言われています。

グエイはスピードがあり、
当たり負けしないフィジカル的強度と
上背はありませんが空中戦も苦にしていない
フィジカル能力に長けたCBで
同時にフィードの精度が高い所は
アーセナルの求めるCBのキャラクターに
合致していると思います。

それ以外では獲得の噂に挙がっている訳ではありませんが
イングランド人CBと言う事もあり
ACミランのトモリも良いかもしれません。

そのトモリは2021年冬に
チェルシーからのローン移籍で
ACミランへ加入した後
そのまま2021年夏には完全移籍し
ACミランの主力として活躍しています。

DFラインの背後に出来るスペースをカバー出来る
圧倒的なスピードと対人強度を誇る
フィジカル能力に長けたCBで
右利きですが左脚からもパスを出す事が出来る所が
一つのポイントだと思います。

そのトモリの契約は2027年夏まであると言われている為
チェルシーから獲得した時にACミランが支払った
£2500万を大きく上回る移籍金が
必要になると思われます。

仮に誰でも獲得して良いと言われれば
個人的にはバイエルンのデ・リフトが好みです。

圧倒的な対人強度と空中戦の強さ、
スピードは特別優れている訳ではない様に見えますが
それを補う状況判断能力と危機察知能力、
的確にボールをカットする守備技術、
絶対に負ける事を許さない強い闘争心とリーダーシップ、
そして最も高く評価されているフィードの精度の高さは
最後列の司令塔として呼ぶに相応しい精度があると思います。
もう少しスピードがあれば完璧だと思いますが
それでもアーセナルが求めている多くの能力を持った
CBだと思います。

とは言え仮にデ・リフトの獲得に成功したとしても
ユベントスからバイエルンに移籍した時の
€7〜8000万の移籍金以上の移籍金が
必要だと思われますので
現時点で獲得できる可能性は
殆どないと思われます。


この夏は12サリバのバックアッパーの再編が必要ですが
現状としてCBの獲得候補の噂が殆ど聞こえてこない事から
新たなCBを獲得せずに右SBを補強して
4ホワイトをCBに再コンバートする事で
賄う可能性があるのかもしれません。

一方で12サリバとの契約延長交渉が破談した場合には
新たなCBの補強が必要になりますが
現状としてそれなりの移籍金で
12サリバの抜けた穴を
埋める事が出来るCBを探すのはかなり難しく
反対に完全に穴を埋める実力者を獲得する為には
かなり高額な移籍金が必要になりますので
難しい交渉になると思われますが
12サリバとの契約延長をまとめ上げて欲しいと思います。


・・・つづく。


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