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PL21:ARSENAL vs Crystal Palace [Arsenal マッチリポート]

ARSENAL 5−0 Crystal Palace
2024年1月20日(土)Premier League, Emirates Stadium

Goal
 (11)6Gabriel(←41Rice)
 (37)6Gabriel(←7Saka)
 (59)19Trossard(←9Jesus)
 (90+4)11Martinelli(←14Nketiah)
 (90+6)11Martinelli(←20Jorginho)


22Raya

4White  2Saliba  6Gabriel  35Zinchenko

41Rice

8Ødegaard   29Havertz

 7Saka             19Trossard

9Jesus



(69)29Havertz>>>10Smith Rowe
(69)19Trossard>>>11Martinelli
(73)41Rice>>>20Jorginho
(81)6Gabriel>>>15Kiwior
(81)9Jesus>>>14Nketiah


Substitutes
 1Ramsdale
 17Cedric
 76Walters
 24Nelson


Arsenal 1.jpgウィンターブレイク明けの
ホームでのクリスタル・パレス戦は
これまでの鬱憤を晴らす様に
5ゴール奪い完勝しました。

試合は怪我で離脱していた
35ジンチェンコと9ジェズスが復帰し、
そして左サイドを11マルティネッリカら
19トロサールに変更した
通常の4−3−3の布陣が組まれました。

試合はハイテンポで
攻守の入れ替えが激しい
落ち着きがない展開で始まりましたが
最初は噛み合わなかったアーセナルの攻撃陣も
徐々に噛み合い始めてパレスのゴールに迫り始めました。

6分過ぎ、29ハヴァーツからのパスを受けた
8ウーデゴールが囲まれた状況から
ダブルタッチでかわして
そのままゴールに向かって走り込んで来ていた
29ハヴァーツへ浮き球のラストパスが送られました。
残念ながら29ハヴァーツの進路を塞いだ
クラインにそのパスはクリアーされてしまいましたが
そのクリアーボールを素早く収めた9ジェズスが
左脚を振り抜きましたが
それも残念ながら枠を捉える事は出来ず。

その後、セットプレーから先制点を奪う事に成功しました。

11分、35ジンチェンコが送ったロングスルーパスで
裏に抜け出した19トロサールが送ってクロスが
ブロックされて得た左CKをこの試合では41ライスが蹴りました。
そしてその41ライスが蹴ったCKに対して
下がった所からファーサイドに走り込んで行った6ガブリエウが
打点の高いヘッドで叩き込み先制ゴール!!

アンデルセンの動きを
19トロサールが抑えて作ったスペースに
6ガブリエウがマークに付いていた
リチャーズを振り切って走り込んできて合わせると言う
狙い通りのセットプレーだったと思います。

ここ最近ゴールを奪う事に苦労していただけに
早い時間帯でゴールを奪えたのは良かったと思います。

その後もパレスゴールに迫りました。

13分過ぎ、再びファーサイドに走り込んで来た
6ガブリエウを狙って蹴った7サカの右CKは
6ガブリエウの手前で
シュラップにクリアーされてしまいましたが
そのクリアーしたボールがレルマに当たって
パレスゴールに向かいました。
残念ながらそのボールはバーを叩き
オウンゴールにはなりませんでしたが
先制点と同じパターンのセットプレーで
再びパレスゴールに迫りました。

20分過ぎ、4ホワイトが送ったスルーパスで抜け出した
7サカが持ち込んだ所から
ファーサイドに走り込んで来ていた
9ジェズスに向けて折り返しが送られました。
残念ながらそのクロスは
並走していたリチャーズにクリアーされてしまい
通りませんでしたし
9ジェズスの位置がオフサイドポジションでしたので
仮に通っていたとしても
ゴールは認められなかったと思います。

一方でそもそも7サカの折り返しを出すタイミングは
明らかに遅かったと思います。
この場面では7サカが1タッチした後に
折り返した為にその折り返しは
ほぼ横方向のクロスになってしまいましたが
最初のタッチのタイミングで
ヘンダーソンが前に飛び出して来れないコースに
クロスを送っていたら
もっと鋭角なクロスになっていたと思いますので
並走していたリチャーズが触る事が出来ずに
9ジェズスの所に届いていた可能性が
増えていたと思います。
まぁ、それでも9ジェズスの位置は
オフサイドポジションでしたが、、、。

21分過ぎ、ここで得た7サカ蹴った右CKを
今度はニアに走り込んで来た6ガブリエウが
ヘッドで合わせましたが
残念ながらこのヘッドは枠を捉えられず。

この場面でも2サリバが壁になって出来たスペースに
マークに付いていたリチャーズを振り切ってきた
6ガブリエウが飛び込むと言う
予め作られた形のセットプレーだったと思います。

一方で前半の間で本当の意味でゴールに迫られたのは
この場面くらいだったと思います。

32分過ぎ、前線から仕掛けてきたパレスの激しいプレスに対して
2サリバからのパスを受けた22ラヤが
慌ててしまったのか?中途半端に送ったパスが
レルマにカットされてしまい
そのレルマにミドルシュートを撃たれてしまいました。

幸いそのシュートは
22ラヤのファインセーブで防ぎましたが
プレッシャーを掛けられた時に
不安定になってしまう22ラヤの状態は心配です。

そして良い時間帯に追加点を奪う事に成功しました。

35分過ぎ、7サカが蹴った右CKを
ファーサイドに走り込んで来た6ガブリエウが
ヘッドで合わせてゴール!!

この場面も先制点と同じ形で決まりました。
PKスポット辺りを出発点とする6ガブリエウが
マークに付いていたリチャーズを振り切って
ファーサイドに走り込んでヘッドで合わせる。
そしてこの場面でも19トロサールは
ボールには目もくれずに
一目散でアンデルセンに向かって行って
アンデルセンが下がって来ない様に壁を作り
6ガブリエウが走り込んでくるスペースを作っていた所も
全く同じでした。

公式では6ガブリエウのヘッドが
ヘンダーソンの頭にに当たった後に
ゴールの中に吸い込まれましたので
ヘンダーソンのオウンゴールになってしまいましたが
そこは多めに見て6ガブリエウのゴールでも
良かった様に感じます。
(後日PLの公式も6ガブリエウのゴールに訂正)


前半の終了間際にも惜しい場面がありました。

46分過ぎ、19トロサールから送られた楔のパスを
29ハヴァーツが左サイドに開いていた9ジェズスに叩き
その9ジェズスから
ゴールに向かって走り込んで来た19トロサールに向けて
浮き球のラストパスが送られました。
そのパスを受けた19トロサールが
豪快に左脚を振り抜いたそのシュートは
残念ながら枠を捉えられませんでしたが
プレービジョンが共有出来ていた
良い仕掛けだったと思います。

立ち上がりこそは噛み合いませんでしたが
早い時間帯に先制点を奪えた事で落ち着きを取り戻し、
連敗中に失っていた本来のアーセナルの姿を
かなり取り戻した様な印象の前半だったと思います。

後半も開始早々にパレスゴールに迫る場面がありましたが
本当の意味でゴールに迫ったのは
パレスの方が先でした。

48分過ぎ、ヒューズからのパスを受けたエゼに
ロングシュートを撃たれてしまいましたが
そのシュートは22ラヤのファインセーブでゴールを死守。

一方でアーセナルもカウンターから
決定機を作る事に成功しました。

49分過ぎ、パレスのCKをキャッチした
22ラヤが送ったロングキックを
右サイドを駆け上がっていた29ハヴァーツが収め
その29ハヴァーツからのパスで抜け出した
9ジェズスからクロスが送られました。
残念ながらゴール前に入ってきた19トロサールのシュートは
ヒットしなかった為にゴールを奪う事は出来ませんでしたが
完全にフリーの状態だっただけに
しっかりと合わせて欲しい場面だったと思います。

そして再びカウンターから追加点が生まれました。

59分、パレスのCKからの折り返しをキャッチした
22ラヤが9ジェズスに向けて
素早くスローイングを送った所から
カウンターが発動しました。
そしてその9ジェズスからのラストパスを受けた
19トロサールが対峙したクラインの逆を突いた所から
右脚を振り抜きゴール!!

22ラヤの矢の様なスローイングが
このカウンターが成功した全てだったと思いますが
同時にこのゴールは49分過ぎの形とほぼ同じ形でしたので
このカウンターもドバイキャンプで仕上げてきた
新たな必殺パターンの一つなのかもしれません。

その後もアーセナルペースで進みました。

60分過ぎ、6ガブリエウの縦パスを受けた
9ジェズスが素早い反転で
アンデルセンをかわした所から送ったパスで
19トロサールが左サイドを抜け出し
そこから送ったクロスはグエイのヘッドで
クリアーされてしまいましたが
そのクリアーボールを収めた
8ウーデゴールが送ったラストパスを受けた
9ジェズスが右脚を振り抜きましたが
このシュートもグエイにブロックされてしまい
ゴールを奪う事が出来ず。

結果的に9ジェズスからのパスを受けた
19トロサールの位置がオフサイドでしたが
流れる様な良い仕掛けだったと思います。
とは言え、理想を言えば
9ジェズスからの19トロサールへのパスが
前のスペースへのパスではなく
19トロサールの足元へのパスだったら
そのままゴールに向かう事が
出来ていたかもしれませんでしたので
完璧を目指してより一層連携を磨いて欲しいと思います。

この後再びエゼにゴールに迫られてしまいました。

63分過ぎ、右サイドのペナルティのすぐ外側からのFKを
エゼが直接狙ってきましたが
そのシュートも22ラヤのファインセーブでゴールを死守。

3−0になっていた事もあり
69分にアルテタ監督は
29ハヴァーツと19トロサールを下げて
10スミス・ロウと11マルティネッリを
投入してきました。

通常のアルテタ監督のパターンならば
選手交代は早くても75分過ぎで
80分を過ぎてから投入される事も多々ありますが
それではアディショナルタイムを含めても
15分程度しかプレー時間が与えられませんので
中々結果を出す事は難しいと思いますが
この試合の様に70分頃に投入されれば
アディショナルタイムを含めれば
長ければ30分弱プレー出来ますので
交代して入った選手も結果を出しやすいのは
言うまでもなく
この試合でも終盤に連続ゴールを奪った
11マルティネッリは勿論の事
10スミス・ロウも積極的にアピール出来ていたと思います。

11マルティネッリからのパスを受けた9ジェズスが
ヒールパスで繋いだボールを
10スミス・ロウがダイレクトで9ジェズスに戻した
73分過ぎの場面、
そこからゴールに向かって走り出した10スミス・ロウに向けて
送られた9ジェズスの折り返しのパスはカットされてしまいましたが
プレービジョンが共有された良い仕掛けだったと思います。

20ジョルジーニョからの縦パスを受けた9ジェズスが
追い越してきた10スミス・ロウに向けて
ラストパスが送られた74分過ぎの場面、
そのパスは僅かに合いませんでしたが
しっかりと10スミス・ロウの足元に入っていたら
そのままDFラインを割って行き
ゴールを狙えていたと思います。

8ウーデゴールからのパスを受けた10スミス・ロウから
左サイドの11マルティネッリに展開され
その11マルティネッリから送られたスルーパスで
裏に抜け出した35ジンチェンコが
中に折り返した85分過ぎの場面、
その折り返しはゴールに向かって走り込んで来た
10スミス・ロウの前でクリアーされてしまいましたが
8ウーデゴールからのパスを受けた10スミス・ロウが
素早く前を向いた所からギアを一段上げて
攻撃陣のテンポを上げた所や
スペースを消されていたゴール前に出来ていた
僅かなスペースにタイミング良く走り込んで行った姿を観ますと
今回のドバイキャンプで
かなり調子を上げてきた印象を受けます。

そしてアディショナルタイムに
11マルティネッリのゴールが生まれました。

94分、エゼからボールを奪い返した
7サカからのパスを受けた
14エンケティアが送ったスルーパスで
裏に抜け出した11マルティネッリが
ファーサイドに流し込む様に決めゴール!!

96分、20ジョルジーニョが送った
右サイドへのスペースへのパスで抜け出した
11マルティネッリが
再びファーサイドに流し込む様に決めゴール!!

今シーズン前半はPLでは僅か2ゴールしか奪えなかった
11マルティネッリの鬱憤を晴らす様な
爽快な2ゴールだったと思います。

サイドから独力で突破してチャンスを広げるのも
11マルティネッリの魅力の一つだと思いますが
やはりゴールに向かう11マルティネッリの方が
個人的には好きです。

実際昨シーズンはサイドから仕掛けるプレーと
ゴールに向かうプレーのバランスが
非常に良かった様に感じていましたが
今シーズンはそのゴールに向かうプレーが減り
サイドから仕掛けるプレーに偏重し過ぎていた為に
ワンパターン化し始めていた様に感じていました。

それは要所要所でポジションを入れ替えていた
9ジェズスがシーズン前半は
欠場する試合が多かった為に
サイドの位置から離れて中に入ってくる場面が
減ってしまっていただけかもしれませんが
どちらにせよ11マルティネッリのベストなプレースタイルは
ウイングストライカーだと思いますので
シーズン後半はペナルティの中で勝負する場面が
増える事を期待したいと思います。

試合はこのまま5−0で勝利。

エゼ頼みしか攻め手がなかった
クリスタル・パレスが相手だったとは言え
しっかりとゴールを奪い勝利を挙げる事に成功しました。

この勝利は今回のドバイキャンプの成果が出たといって
差し支えないと思われます。

試合後アルテタ監督は今回のドバイキャンプでは
そこまでセットプレーの練習はしていなかったと
コメントしていましたが
この試合でのセットプレーは
2つのゴールの場面以外でも一貫して
例えばCKのボールのコースと
6ガブリエウの動きをリンクさせ
同時に6ガブリエウが走り込んでくるコースを
周囲の選手が壁になってしっかりと作り
そしてそこに走り込んできた6ガブリエウが
確実にヘッドで合わしていましたので
チームとして完全に意思統一された
セットプレーが構築されていたと思います。

しかも同じ様なパターンのセットプレーだったにも関わらず
最終的に6ガブリエウがヘッドで合わす事が出来ていた様に
相手は分かっていても抑える事が出来ていなかった所には
大きな価値があると思います。

それはこの形のセットプレーを完璧に遂行する事が出来れば
相手のマークのズレなどがなくても
ゴールを奪う事が出来る可能性があるという事になりますので
今後も非常に大きな武器になるのは間違いないと思います。

同時にこの試合の攻撃陣は
相手のDFラインの裏のスペースを
これまで以上に意識した仕掛けを観せていたと思います。

その最たるものが19分過ぎの場面だったと思います。

19分過ぎ、ポケットに向けて走り込もうとしている
29ハヴァーツの動きに合わせて
35ジンチェンコからスルーパスが送られましたが
アンデルセンが付いてきていた為に
中を向く事が出来なかった29ハヴァーツは
一度サイドに開いていた9ジェズスに戻しました。
そこから今度は間髪入れずにポケットに向かって走り込んできた
19トロサールの動きに合わせて
その9ジェズスからパスが送られると言う場面がありました。

相手陣内に攻め込んだ状況で
DFラインの裏を狙うと言う動き自体
今シーズンの前半は少なかったと思いますが
この場面では1度目がダメならば
2度目を狙う様な動きを観せてくれたのは
大きな変化だったと思います。

現在のチームは7サカと11マルティネッリと言う
独力で仕掛けられる選手を
両サイドに擁している関係で
今シーズンの前半はサイドに展開し
この2人の個の力で状況を打開しようとする場面が
極端に多くなっていたと思います。
その結果、どうしても攻撃が
ワンパターンになってしまっていた為に
昨シーズンの様な爆発力を欠いてしまっていましたが
そもそもその爆発力があった昨シーズンの攻撃陣の強みは
「流動的で連動的な動き」であり
11マルティネッリ、8ウーデゴール、
7サカ、9ジェズスの4人が二桁ゴールを奪う
どこからでもゴールを狙える攻撃ユニットのベースが
この「流動的で連動的な動き」だったと思います。

その「流動的で連動的な動き」を
再び取り戻す事が出来るかどうかが
シーズン後半に向けて大きな課題だったと思いますが
少なくともこの試合を観る限りでは
今回のドバイキャンプで
その辺りの修正がしっかりと行われてきたのは
間違いないと思います。

あとはこの試合でもインパクトを残せなかった
7サカが完全復活を遂げれば
昨シーズンに負けない破壊力のある攻撃ユニットが
再び構築されると思いますので
7サカの完全復活が待たれます。

今回のウインターブレイク前の悪い流れを
この勝利で完全に断ち切れた事を
期待したいと思います。


C'mon Arsenal !!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

2サリバ       PL:1G1A
4ホワイト      PL:1G1A
6ガブリエウ     PL:3G0A
7サカ        PL:6G7A CL:3G4A CS:0G1A
8ウーデゴール    PL:4G3A CL:2G0A CC:1G0A
9ジェズス      PL:3G2A CL:4G2A
10スミス・ロウ    PL:0G1A
11マルティネッリ   PL:4G2A CL:2G1A
14エンケティア    PL:5G2A CL:1G0A CC:0G1A
18冨安        PL:1G1A CL:0G2A
19トロサール     PL:4G1A CL:2G1A CS:1G0A
20ジョルジーニョ   PL:0G1A CL:1G0A
21ヴィエイラ     PL:1G2A CL:0G0A CC:0G1A
24ネルソン      PL:0G0A CL:0G2A CC:1G0A
29ハヴァーツ     PL:4G1A CL:1G0A
35ジンチェンコ    PL:1G1A
41ライス       PL:3G3A CL:0G1A


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FA3rd:ARSENAL vs Liverpool [Arsenal マッチリポート]

ARSENAL 0−2 Liverpool
2024年1月7日(日)The FA Cup, Emirates Stadium

Goal
 (80) Kiwior(og)
 (90+5)Díaz


1Ramsdale

4White  2Saliba  6Gabriel  15Kiwior

  41Rice  20Jorginho

8Ødegaard         

 7Saka              24Nelson

29Havertz



(61)24Nelson>>>11Martinelli
(80)20Jorginho>>>14Nketiah
(87)15Kiwior>>>19Trossard
(87)29Havertz>>>10Smith Rowe


Substitutes
 22Raya
 17Cedric
 76Walters
 72Sousa
 63Nwaneri


Arsenal 1.jpg再び決定力不足に泣き
リバプールに敗れてしまいました。

先発は少し修正してきました。

GKは1ラムズデールが起用され
DFラインは前試合のフラム戦と同様に
左SBには15キヴィオルが入りました。
中盤は中盤の底に41ライスと20ジョルジーニョが並び
その前に8ウーデゴールが入る形に変更され
前線は右に7サカ、左に24ネルソン、
そして1トップに29ハヴァーツが入りましたが
2列目の8ウーデゴールは
トップ下と言うよりも従来の
右インサイドハーフの位置でプレーしていましたので
並びは上記の様な変則的な4−2−3−1だったと思います。

この試合で最も変更してきたのは
41ライスと20ジョルジーニョを
中盤の底に並べて起用してきた所だと思いますが
それは前試合のフラム戦で偽SBとして中盤の底に入って
ゲームメイクの一役を担った
15キヴィオルが機能しなかった事に対する
対策だと言う事は言うまでもないと思います。
とは言え、この2人を同時起用する時は
以前の様にアンカーに20ジョルジーニョを起用し
左インサイドハーフに41ライスを入れる形を組んでくると
個人的には思っていましたが
今回は2ボランチを組んできたのは少なからず驚きであり
同時に20ジョルジーニョを一人アンカーで起用した時の
守備的な強度に
アルテタ監督は少なからず不安があると
言えるのかもしれません。

試合は非常に良い入り方をしたと思います。

2分過ぎ、1ラムズデールから送られた
DFラインの裏のスペースへのロングフィードで
抜け出した24ネルソンが
前に出たアリソンをかわして
カバーに来たコナテの股の間から
ゴールを狙いましたが
ポストの外側でゴールを奪う事は出来ず。

コナテが並走しながら戻って来ていましたので
決まらなかったかもしれませんが
タイミング的には最初のタッチの時に
そのままループシュートを狙っても良かったかもしれません。

5分過ぎ、4ホワイトがガクポのボールをカットした
こぼれ球を収めた7サカが
ドリブルで持ち込んだ所からの折り返しを
8ウーデゴールが受け
そこから左サイドの24ネルソンに繋いで行きましたが
シュートを撃つ事が出来ず。

リバプールの守備陣の戻りが非常に速かったとは言え
8ウーデゴールがパスを受けた時点では
まだシュートコースは残っていた様に観えましたので
8ウーデゴールは24ネルソンに繋げずに
そのまま左脚を振り抜いても良かったと思います。

6分過ぎ、4ホワイトが投げたスローインを
ポケットの位置で受けた8ウーデゴールからの折り返しを
20ジョルジーニョが24ネルソンに繋ぎ
その24ネルソンが右脚を振り抜きましたが
そのシュートはアレクサンダーアーノルドにブロックされてしまい
ゴールを奪う事は出来ず。

7分過ぎ、7サカが蹴った右CKに対して
ニアで2サリバが流したボールを
ファーサイドで29ハヴァーツが合わせましたが
ヒットせず。

その流れからボールを奪い返した2サリバから
7サカ〜8ウーデゴール〜29ハヴァーツへと繋ぎ
その29ハヴァーツがペナルティの外側から
左足を振り抜きましたがアリソンにセーブされ
ゴールを奪う事は出来ず。

最初のCKの場面では
中途半端な高さのボールだったとは言え
29ハヴァーツは上手くフリーになっていただけに
最低でも枠に飛ばさなければならなかったと思いますし
ミドルシュートの場面では
あの距離からゴールを狙うにしては
スピードもパワーも鋭さも足りなかったのは残念でした。

10分過ぎ、クアンサからのパスを受けたゴメスに対して
7サカが仕掛けた鋭いプレスでカットしたボールを
そのまま受けた29ハヴァーツが
ポケットの位置にまで侵入した所から
折り返したボールに対して
ゴールに向かって飛び込んできた
24ネルソンが合わせました。
残念ながら24ネルソンと共に戻ってきたコナテに
そのシュートはブロックされてしまいましたが
今度はそのこぼれ球を受けた8ウーデゴールが
左脚を振り抜きましたが
そのシュートもバーを叩いてしまいゴールを奪えず。
最後はその跳ね返ってきたボールを受けた
20ジョルジーニョからのラストパスを受けた7サカが
右脚を振り抜きましたが
そのシュートもアレクサンダーアーノルドにブロックされてしまい
ゴールを奪う事が出来ず。

開始10分間の間にこれだけ多くのビッグチャンスがありましたので
ここで一つでもゴールを奪う事が出来ていれば
全く違う展開の試合になっていたと思いますが
それを決め切る事が出来ない決定力不足の問題が
この後もアーセナルを苦しみ続けてしまったと思います。

28分過ぎ、20ジョルジーニョからのパスを受けた
41ライスがダイレクトで入れた縦パスを
コナテを背負いながら29ハヴァーツが受けましたが
トラップしたボールをクアンサにカットされてしまい
前を向く事が出来ず。

ペナルティ内の29ハヴァーツに
綺麗な縦パスが入りましたが
アタッカーではない29ハヴァーツは
この場面の様に瞬間的に前を向く動きや
シュートまでの流れる様な動きが
どうしても鈍重な為に
活かしきれないのは残念です。

29分過ぎ、クアンサからのパスを受けた
マクアリスターに対して
強引に足をねじ込んだ41ライスが奪ったボールを
8ウーデゴールが運び
そこから送られたラストパスを受けた29ハヴァーツが
左脚を振り抜きましたが
ブロックされてしまいゴールを奪う事は出来ず。

8ウーデゴールのパスがやや手前方向だったとは言え
この場面ではダイレクトでシュートを撃つタイミングだけが
唯一ゴール前に壁が出来ていなかったタイミングでしたので
29ハヴァーツはダイレクトで
シュートを撃たなければならなかったと思います。
反対に8ウーデゴールのパスを受けた29ハヴァーツが
トラップした時点で
戻りが速いリバプールの守備陣は
ゴール前に壁を築いてしまいましたので
29ハヴァーツがトラップした時点で
ゴールを奪うチャンスを失ってしまったと言えると思います。

この場面の様にストライカーではない29ハヴァーツは
エゴイスティックにゴールを狙いに行かない所は
CFの位置でプレーする上で
明らかにマイナスであり
もっと言えばフィニッシュの局面で
ベストな選択肢を選択出来ないと言う所は
大きな問題だと思います。

37分過ぎ、7サカがゴメスを突破しようとした時の
こぼれ球に対して
4ホワイトが豪快に右脚を振り抜きましたが
そのシュートはアリソンのファインセーブに阻まれ
ゴールを奪う事は出来ず。

38分過ぎ、7サカが蹴った右CKに対して
29ハヴァーツがヘッドで合わせましたが
枠を捉えられず。

29ハヴァーツは対峙していたクアンサを押さえ込んで
完全に競り勝った状態でヘッドを合わす事が出来ていただけに
最低でも枠を捉えなければならなかったと思います。

43分過ぎ、クアンサからアレクサンダーアーノルドへのパスを
素早い出足で24ネルソンがカットしたボールを
8ウーデゴールが29ハヴァーツに繋ぎましたが
撃つまでに時間が掛かってしまったそのシュートは
アリソンの正面でゴールを奪う事が出来ず。

この場面でシュートを撃つまでに時間が掛かってしまったのは
8ウーデゴールからのパスを受けた
29ハヴァーツがファーストタッチをミスして
横方向にボールを進めてしまった為であり
ここでもゴールを奪う為の
最善のプレーが出来なかったのは残念です。

この様にアーセナルペースだった前半の中で
本当の意味でゴールに迫られてしまったのは
この場面くらいだったと思います。

44分過ぎ、ガクポからのラストパスを受けた
アレクサンダーアーノルドに左45度辺りから
右脚を振り抜かれてしまいました。

幸いそのシュートはバーを叩き救われましたが
アレクサンダーアーノルドを
左サイドで完全にフリーの状態にしていましたので
危険な場面だったと思います。

前半のアーセナルはリバプールを相手に
13本のシュートを放った様に
チームとしては機能していたと思います。

ポゼッション率こそ53%対47%と拮抗していましたが
総シュート数は13本対2本
枠内シュート数は5本対0本と圧倒しており
何度か高い位置でボールを奪い返した様に
前線からのプレスも機能し
そこから溢れてくるボールもしっかりと回収して
全体的に高い位置でプレー出来ていたと思います。

しかし普通は総シュート数が13本対2本ならば
既に2つや3つのゴールを奪っていても
おかしくない状況だと思いますが
この試合でも決定力が完全に欠如している問題が
一向に改善されておらず
結果としてそのツケを後半払わされる事になってしまいました。

後半は手数を掛けない形の攻撃にシフトした
リバプールが徐々にアーセナルゴールに迫り始めました。

エリオットが出したスルーパスを受けたディアスが
ドリブルで切り込んで来た51分過ぎの場面、
6ガブリエウがしっかりと蓋をした所で
最終的に戻って来た41ライスがボールを奪い返して
シュートを撃たさず。

アレクサンダーアーノルドの
右サイドの裏へのパスで抜け出した
ヌニェスにカットインした所から
右脚を振り抜かれた53分過ぎの場面、
そのシュートは枠を捉えず救われました。

8ウーデゴールからボールを奪い返した
アレクサンダーアーノルドが送ったパスを
ヌニェスが受けた55分過ぎの場面、
そのヌニェスがドリブルで切り込んで来ましたが
2サリバの鋭いスライディングタックルでボールを奪い返し
突破を許さず。

DFラインの裏のスペースを意識した攻撃で
リバプールに流れを掴まれてしまいましたが
一方でアーセナルもチャンスはありました。

57分過ぎ、左サイドで得たFKで
トリックプレーを仕掛けました。
FKのキッカーの8ウーデゴールからの
ニアサイドの裏に向けて送られたスルーパスで
ポケットの位置に29ハヴァーツが走り込み
そこから送られたクロスに対して
ファーサイドで7サカが合わせました。
前に飛び込んで来ていた
6ガブリエウが気になったのかもしれませんし
ダイレクトボレーで合わせるには
ちょっと高かった事もあったと思いますが
残念ながら枠を捉える事が出来ず。

59分過ぎ、20ジョルジーニョ〜8ウーデゴール
〜29ハヴァーツ〜15キヴィオル
〜24ネルソンと繋いだ所から
裏に出されたスルーパスで
飛び出した29ハヴァーツが送ったクロスは
左サイドに流れて来た
クアンサのスライディングタックルに
ブロックされてしまいました。
しかしそれによりディフレクトしたボールが
ゴールに向かって飛んで行きましたが
そのボールもアリソンに弾き出されてしまい
ゴールを奪う事が出来ず。

その後は再びリバプールに
ゴールに迫られてしまいました。

エリオットが送った右サイドの裏へのパスで
ヌニェスが抜け出してきた69分過ぎの場面、
そこからフリーの状態で上がってきていた
ディアスにラストパスが出されました。
幸いそのパスがズレたお陰で
シュートは撃たれませんでしたが
もしも通っていたら
決められてもおかしくない場面だったと思います。

アリソンのロングキックをヌニェスがヘッドで流し
そのボールを収めたジョッタからのラストパスを受けた
ディアイスに左脚を振り抜かれてしまった76分過ぎの場面、
ペナルティの中からのそのシュートは
1ラムズデールのファインセーブで防ぎ
ゴールを死守しましたが
リバプールの連携に完全に後手に回ってしまいました。

アレクサンダーアーノルドが右サイドのCKを蹴った
77分過ぎの場面、
そのCKをジョッタにヘッドで合わされてしまいましたが
そのヘッドはバーを叩き、
そのこぼれ球をヌニェスに
シュートを撃たれてしまいましたが
そのシュートも枠を捉えずに救われました。

そして遂に先制点を奪われてしまいました。

80分、8ウーデゴールがグラフェンベルフを
倒した事で与えてしまった右サイドの深い位置からのFKを
アレクサンダーアーノルドが蹴ったボールを
15キヴィオルがクリアーしきれずに
そのままゴールに吸い込まれ失点。

ゴールを奪えない展開のまま
セットプレーから失点。
考えられる最悪の展開になってしまったと思います。

そして90分過ぎの場面のカウンターは
全力で戻って行った7サカと8ウーデゴールが
上手く対応してディアスに
シュートを撃たせませんでしたが
ラストプレーで追加点を奪われてしまいました。

95分、1ラムズデールが前線に向けて
ロングフィードを送った所から
カウンターを受けてしまい
ヌニェスからのパスを受けたジョッタが
そのままドリブルで侵入した所から送ったラストパスを
ディアスにゴール左上に決められてしまい失点。

試合はこのまま0−2で敗戦。

結局前半13本シュートを撃っていたアーセナルは
後半はたった5本しかシュートを撃つ事が出来ず、
枠内シュートに限って言えば1本も枠内にシュートを撃てなかった様に
前半と後半では全く違う展開になってしまいました。

やはり前半のビッグチャンスが訪れていた時間帯に
決めきれなかった決定力不足の問題は
早急に解決しなければならないと思います。

前記の様にこの試合で1トップに入った29ハヴァーツは
決定力不足を解消する為の答えでは
ない様に感じます。

本当に今後も1トップの位置でプレーさせるのならば
ペナルティ内のスペースのない所でも苦にしない
俊敏性や状況判断のスピードを
向上させなければならないと思いますし
ハイボールに競り勝つ事が出来ても
枠に飛ばす事の出来ない
ヘディング技術の向上も必須だと思います。

とは言えこれらの問題は
パスを出す時の様な考えて行うプレーと言うよりも
体が勝手に動く様な
身に染みつかせて行う様なプレーだと思いますので
ここからその様な訓練を行う事ができるかどうか
疑問を感じる所もあります。

よって現在の決定力不足を解消する為には
新たなストライカーを獲得しなければ
やはり解消する事が出来ないのかもしれません。

一方で15キヴィオルを偽SBとして使わずに
2ボランチを組んできたこの試合の布陣は
良かったと思います。

この布陣では左インサイドハーフに入る
攻撃的MFを欠く事になりますが
その一方で中盤の底に2人いる事で
より高い位置にまで出ていき
積極的に攻撃参加する事が出来ていましたので
攻撃的MFが一人少ない状況を感じる事は
殆どなかったと思います。

同時に15キヴィオルも
偽SBの難しいタスクから解放された為か
左サイドのより高い位置にまで出て行って
積極的に攻撃に絡んでいましたので
今後も35ジンチェンコが不在の時は
この形は有用だと思います。

それ以外では右サイドに起用された
24ネルソンも後半尻窄みだった様に
継続性には改善の余地があると思いますが
全体的に良いアクセントになっていたと思いますし
1ラムズデールも昨シーズンまでの様な存在感を
示していましたと思います。

特に1ラムズデールは
少なくてもシュートストップの面に関しては
22ラヤよりも安心して見ていられましたので
現状の悪い流れを変える意味も含めて
今一度1ラムズデールに
ゴールマウスを任せてみても
面白い様に感じます。


残念ながら今シーズンのFA杯も
早々に敗退してしまいましたが
現状の選手層が薄いスカッドの事を考えますと
これでPLとCLに集中出来ると
前向きに捉えたいと思います。

これで約2週間のウィンターブレイクに入ります。

この間ドバイに渡りミニキャンプを張る様ですので
その温暖な地で心身共に
リフレッシュして帰ってきて欲しいと思います。


C'mon Arsenal !!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

2サリバ       PL:1G1A
4ホワイト      PL:1G1A
6ガブリエウ     PL:1G0A
7サカ        PL:6G6A CL:3G4A CS:0G1A
8ウーデゴール    PL:4G3A CL:2G0A CC:1G0A
9ジェズス      PL:3G1A CL:4G2A
10スミス・ロウ    PL:0G1A
11マルティネッリ   PL:2G2A CL:2G1A
14エンケティア    PL:5G1A CL:1G0A CC:0G1A
18冨安        PL:1G1A CL:0G2A
19トロサール     PL:3G1A CL:2G1A CS:1G0A
20ジョルジーニョ   PL:0G0A CL:1G0A
21ヴィエイラ     PL:1G2A CL:0G0A CC:0G1A
24ネルソン      PL:0G0A CL:0G2A CC:1G0A
29ハヴァーツ     PL:4G1A CL:1G0A
35ジンチェンコ    PL:1G1A
41ライス       PL:3G2A CL:0G1A



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PL20:Fulham vs ARSENAL [Arsenal マッチリポート]

Fulham 2−1 ARSENAL
2023年12月31日(日)Premier League, Craven Cottage

Goal
 (5)7Saka
 (29) Jiménez
 (59)Cordova-Reid


22Raya

4White  2Saliba  6Gabriel  15Kiwior

41Rice

8Ødegaard   29Havertz

 7Saka             11Martinelli

14Nketiah



(46)15Kiwior>>>18Tomiyasu
(66)11Martinelli>>>19Trossard
(66)4White>>>9Jesus
(76)29Havertz>>>24Nelson


Substitutes
 1Ramsdale
 17Cedric
 20Jorginho
 25Elneny
 10Smith Rowe


Arsenal 1.jpg2連敗です。

2023年最終戦で、
今シーズンの後半戦の初戦のフラム戦は
今シーズン1、2を争う低調の出来で
敗れてしまいました。

先発はふくらはぎに問題が発生した
35ジンチェンコに代わって
15キヴィオルが左SBに、
前節のウエスト・ハム戦は累積警告で
出場停止だった29ハヴァーツが
左インサイドハーフに、
そして9ジェズスに代わって
14エンケティアが1トップに入った以外
前節のウエスト・ハム戦と同じメンバーが組まれました。

試合は開始早々に先制点を奪いました。

5分、カスターニュのクロスを22ラヤがキャッチした所から
カウンターが発動されました。
その22ラヤからのパスを受けた29ハヴァーツが
すぐさま11マルティネッリに繋ぎ
そこからドリブルで持ち上がって行った11マルティネッリが
カットインした所から右脚を振り抜きましたが
そのシュートはレノのファインセーブで
防がれてしまいましたが
そのこぼれ球を7サカが押し込みゴール!!

しかしそこからのアーセナルは
非常に良くなかったと思います。

ここ最近の試合では
最後のフィニッシュの局面や
相手のアタッキングエリア内での
プレーの精度が著しく落ちていましたが
そこの繋がるチャンスメイクやゲームメイクに関しては
非常に良かったと思います。

しかしこの試合ではそれまで問題なかった
チャンスメイクやゲームメイクの段階のプレーも
精度を落としていた為に
ゴールに迫る事が出来なかっただけではなく
チームとして機能不全に
陥ってしまっていたと思います。

その理由は色々あると思います。

この試合では欠場した35ジンチェンコに代わって
起用されたら15キヴィオルが
35ジンチェンコと同様に
偽SBとして中盤の底に入って
ゲームメイクの役割も担っていましたが
これまでと同様に機能していたとは言い難く、
後半頭から18冨安が投入された様に
アルテタ監督もチームが機能不全を起こしていた要因の一つが
15キヴィオルの所にあったと言う認識は
あっていると思われます。

とは言え、後半から投入された怪我明けの18冨安も
コンディション的にはまだ上がってきていない印象で
怪我する前の様なハイパフォーマンスを
観せる事は全く出来ずに
機能不全の状態を
変える事が出来ませんでした。

それと共に、ここまでMVP級の活躍を観せていた
41ライスのパフォーマンスレベルが
落ちてきているのも
この試合を機能不全を陥らせた一因だったと思われます。

仮にこれまでと同様に攻守を支えていた41ライスが
ハイパフォーマンスを観せていたら
35ジンチェンコが不在でも
ゲームメイクの機能不全は起こさなかったかもしれませんが
前節のウエスト・ハム戦から
その様な傾向が出ていましたが
この試合でも不用意なミスパスを犯す場面が
何度かあった為に
効果的に前線にボールを運べなくなっていたと思います。

そう言う意味では41ライス&偽SBで
ゲームメイクする形ではなく
20ジョルジーニョをアンカーに入れて
41ライスは左インサイドハーフで起用する
20ジョルジーニョ&41ライスで
ゲームメイクさせる形の方が
良かった様にも感じます。

同時に1トップには9ジェズスではなく
14エンケティアを先発から起用した事も
攻撃陣の機能不全を起こした一因だったと思います。

ここ数試合は得点力不足が
大きな問題になっており
特に決定機を決めきれなかった
9ジェズスの決定力不足が
指摘される事が多くなっていた事もあり
この試合では14エンケティアを
先発で起用したのかもしれませんが
14エンケティアが1トップの位置に入った時には
縦パスが収まらなくなり、
前線の流動的で連動的の仕掛けが
機能しなくなるという問題が
以前からありましたので
ゲームメイクの段階が不安定で
中盤から効果的なパスが入ってこない様な状況だった
この試合こそ14エンケティアではなく
9ジェズスを1トップに入れるべきだった様に感じます。

この様な状態もありその後にフラムゴールに迫ったのは
数える程しかありませんでした。

41分過ぎ、右サイドからカットインしてきた
7サカからのパスを受けた41ライスが
8ウーデゴールに楔のパスを入れ
その8ウーデゴールからのラストパスを
11マルティネッリが左脚で合わせましたが
枠を捉える事が出来ず。

完璧なコンビネーションで崩した場面でしたが
ゴール左隅を狙った11マルティネッリの
コントロールショットだけが
精度を欠いてしまったのは残念でした。

62分過ぎ、11マルティネッリからのクロスに対して
バッシーとロビンソンがヘッドでクリアーしたボールが
ペナルティ内で跳ね上がった所を
7サカがダイレクトボレーで合わせましたが
枠を捉える事が出来ず。

ファーサイドで完全にフリーの状態だっただけに
7サカはしっかりと枠を捉えなければならなかったと思います。

79分過ぎ、CKからの流れから
19トロサールが左サイドからクロスを送りましたが
誰も合わせる事が出来ず。

19トロサールのクロスは
GKとDFラインの間の
完璧なコースに送られたクロスだったと思いますが
反対にゴール前に詰めていた9ジェズスは
前にいたアダラバイヨの動きに完全に出遅れていたのは
問題だったと思います。
しかも前に入っていたアダラバイヨがクリアすると
セルフジャッジしたかの様に
途中で飛び込む歩みを緩めてしまったのは
更に大きな問題だったと思います。

もっと言えばリプレーを観ますと
自分よりも背が高いフラムのDF陣に
視野を遮られてしまい
19トロサールのクロスの出所が見えていなかった様に観え、
根本的にどこにクロスが送られてくるか
わかっていなかった為に
9ジェズスがアダラバイヨに出遅れてしまった可能性も
あるのかもしれません。

とは言え、フィジカル的に強みがない9ジェズスが
クロスに合わせる為には
DF陣に先手を打って動き
そのクロスに最適なタイミングで
飛び込む事が出来るかどうかだと思いますので
根本的にクロスの出所が見えないとなると
今後もクロスを合わせるのは
期待出来ないのかもしれません。

しかし現在のアーセナルのストロングポイントは
7サカと11マルティネッリの
両翼からの仕掛けと言うのは言うまでもなく
ストライカーがそのクロスに合わせられないと
ゴールを生み出す事が出来ませんので
アーセナルのストライカーとして
9ジェズスが適しているのかどうか
再考しなければならない時かもしれません。

80分過ぎ、18冨安のパスを受けた7サカが
ロビンソンとバッシーをかわして
ペンルティの中に侵入した所から
左脚を振り抜こうとしましたが
パリーニャの激しいスライディングタックルで
ブロックされてしまい
ゴールを奪う事は出来ず。

結局最後まで本当の意味でフラムゴールに
迫る事が出来ませんでしたが
一方でフラムには何度となくゴールに迫られてしまいました。

13分過ぎ、ケアニーからパスを受けたウィリアンの
裏のスペースへのパスで抜け出した
ロビンソンのクロスを
ヒメネスに合わされてしまいました。
幸いそのシュートは22ラヤがセーブしましたが
裏に抜け出してきたロビンソンに対しても
ゴール正面の位置にいたヒメネスに対しても
誰もマークに付いていなかったのは問題だったと思います。

29分、7サカが潰された所から
カウンターを受けてしまいました。
パリーニャからパスを受けたウィリアンが送った
裏へのパスで抜け出したケアにーからの折り返しを
ファーサイドでヒメネスに合わされてしまい失点。

この場面もマークのズレを修正する事が出来ず
最後まで後手に回されてしまい
完全に崩されてしまいました。

59分、ウィリアンが蹴った左サイドからのCKを
パリーニャがヘッドで合わしたこぼれ球を
デ・コードバ=リードに押し込まれてしまい失点。

70分過ぎ、イウォビからのパスを受けたヒメネスが
そのままドリブルで切り込んできた所から撃ってきた
ラボーナのシュートを18冨安がブロックしたこぼれ球を
ケアニーに左脚を振り抜かれてしまいました。

そのシュートは22ラヤのファインセーブで
ゴールを死守しましたが
この場面でも後手を踏む対応だったと思います。

87分過ぎ、ペナルティの少し外側からの蹴った
ペレイラのFKはバーを叩き救われました。

試合は2−1で敗戦。

この2−1という結果は
アルテタ監督も試合後にコメントしていた様に
今シーズンの1、2を争う低調な出来の試合でしたので
残念ながら当然の結果だったと思います。

この結果からシーズン後半に向けて
現在のスカッドの問題が浮き彫りになったと思います。

まず35ジンチェンコが欠場した事で
DFラインの頭数不足の問題が
いよいよ差し迫ってきたと思います。

実際35ジンチェンコがいつまで欠場するか分かりませんが
同時に18冨安もアジア・カップに参戦する為に
2月はじめまでチームから離れる予定ですので
現状としては
4ホワイト、2サリバ、6ガブリエウ、15キヴィオルの
4人しか残っていません。
しかもこの試合で左SBとして起用された15キヴィオルが
半ば失格の烙印を押された様に
前半で退いた事からも
この期間左SBをどの様な形でカバーする事が出来るか
大きな問題を抱えてしまいました。

同時にストライカーに関しても
得点力不足の問題に対して
期待された14エンケティアは
残念ながらこの試合ではノーインパクトで
同時に流動的で連動的な攻撃陣を
機能させる事も出来ませんでしたので
前記の様に決定力に問題が生じている9ジェズスと共に
ストライカーのポジションは
この冬の移籍期間で補強に動かざる得ないと思います。

現在の状況は昨シーズン終盤に失速した時と
非常に似た様な雰囲気を感じます。
よってここでの振る舞いを間違えてしまうと
昨シーズンの二の舞に陥る可能性を
秘めていると思います。

コンディションの問題に関しては
次のFA杯リバプール戦が終われば
約2週間のミニウインターブレイクに入りますので
その間に改善してくることを期待したいと思いますが
DFラインとストライカーに関しては
スカッドの中だけでは解決できない問題になりつつありますので
この冬の移籍期間で補強と言う形で
解決しなければならないと思います。


C'mon Arsenal !!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

2サリバ       PL:1G1A
4ホワイト      PL:1G1A
6ガブリエウ     PL:1G0A
7サカ        PL:6G6A CL:3G4A CS:0G1A
8ウーデゴール    PL:4G3A CL:2G0A CC:1G0A
9ジェズス      PL:3G1A CL:4G2A
10スミス・ロウ    PL:0G1A
11マルティネッリ   PL:2G2A CL:2G1A
14エンケティア    PL:5G1A CL:1G0A CC:0G1A
18冨安        PL:1G1A CL:0G2A
19トロサール     PL:3G1A CL:2G1A CS:1G0A
20ジョルジーニョ   PL:0G0A CL:1G0A
21ヴィエイラ     PL:1G2A CL:0G0A CC:0G1A
24ネルソン      PL:0G0A CL:0G2A CC:1G0A
29ハヴァーツ     PL:4G1A CL:1G0A
35ジンチェンコ    PL:1G1A
41ライス       PL:3G2A CL:0G1A


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