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CL QF 1st:ARSENAL vs Bayern Munich [Arsenal マッチリポート]

ARSENAL 2−2 Bayern Munich
2024年4月9日(火)UEFA Champions League Quarter-final 1st, Emirates Stadium

Goal

 (12)7Saka(←4White)
 (18)Gnabry
 (32)Kane(pk)
 (76)19Trossard(←9Jesus)

22Raya

4White  2Saliba  6Gabriel  15Kiwior

20Jorginho

8Ødegaard    41Rice 

 7Saka             11Martinelli

29Havertz



(46)15Kiwior>>>35Zinchenko
(66)11Martinelli>>>19Trossard
(66)20Jorginho>>>9Jesus
(86)29Havertz>>>5Thomas


Substitutes
 1Ramsdale
 31Hein
 18Tomiyasu
 25Elneny
 21Vieira
 10Smith Rowe
 24Nelson
 14Nketiah
 

Arsenal 1.jpgエミレーツにバイエルンを迎えて行われた
CL準々決勝1stレグは
ミスからの失点が響き
2−2のドローで終わりました。

先発は左SBには15キヴィオルが入り
怪我で先発から外れていた
11マルティネッリが左サイドに復帰した以外は
ブライトン戦と同じメンバーが組まれました。

試合は開始直後こそ
ボールが落ち着かない展開でしたが
徐々にアーセナルがペースを掴み始め
バイエルンゴールに迫り始めました。

6分過ぎ、ノイアーからのリスタートを受けた
ダイアーがデービスに出したパスを
7サカがカットし
その7サカからのパスを受けた29ハヴァーツから
8ウーデゴール〜11マルティネッリと繋いだ所で
その11マルティネッリがペナルティの外側から
左脚を振り抜きました。
そのシュートは枠を捉えられませんでしたが
しっかりとパスを繋いで
シュートまで持っていく事が出来た場面でした。

そして早い時間帯に先制ゴールを奪う事に成功しました。

12分、8ウーデゴールが送った
右サイドの裏のスペースへのパスを受けた7サカが
デービスをかわそうとした時にこぼれたボールを
29ハヴァーツが収めて4ホワイトに繋ぎ
その4ホワイトからのパスを受けて
ペナルティの中に切り込んで行った7サカが
左脚を振り抜きゴール!!

7サカの左脚のシュートは
流石としか言いようがありませんが
それと共にここ最近の29ハヴァーツは
右サイドに流れてくる事が多いと思いますが
その動きは良いアクセントになっている様に感じます。

勿論、偽SBとしてプレーする35ジンチェンコを
起用していない関係で
8ウーデゴールが頻回に3列目まで下がってくる事が多く、
その関係で29ハヴァーツが右サイドに流れてきて
7サカや4ホワイトとトライアングルを築く役割が
与えられているのだと思いますが
その29ハヴァーツが右サイドに流れてきても
渋滞を起こす事なく
7サカや4ホワイトと絶妙な距離感を築けている事で
新たなコンビネーションが生まれ始めている所は
シーズン終盤に向けて
大きな力になりそうに感じます。

その直後にも決定機を作る事に成功しました。

15分過ぎ、4ホワイトの動きに合わせて
8ウーデゴールから送られたDFラインの裏へのフィードは
グナブリにヘッドでクリアされてしまいましたが
そのクリアボールに対して29ハヴァーツがダイレクトで繋ぎ
そのパスを受けた4ホワイトが
ペナルティの中から右脚を振り抜きましたが
そのシュートはノイアーの正面で
残念ながらゴールを奪う事は出来ず。

試合後アルテタ監督もコメントしていましたが
この場面でゴールを奪えていたら
この後の試合の流れは一方的になっていた可能性があるほど
この辺りの時間帯はバイエルンを圧倒していましたので
ここで決められなかったのは
一つのターニングポイントになってしまったと思います。

そしてこの良い流れをミスで
自ら手放してしまったのは残念でした。

17分、自陣深い位置からムシアラが蹴り出した
クリアボールに対して
前に出て対応しようとした22ラヤを制して
戻ってきた6ガブリエウが対応しましたが
背後からケインが付いてきていた事もあり
6ガブリエウはそのまま左サイドに流れながら
前方の15キヴィオルに向かってパスが送られました。
しかしそのパスがそれてしまった事で
サネに奪われてしまい
そのサネから後方から走り込んできた
ゴレツカに向けてスルーパスが送られ
そのスルーパスを受けたゴレツカから送られたラストパスを
ゴール前に走り込んできたグナブリに
流し込まれてしまい失点。

ムシアラのクリアは苦し紛れに蹴り出した様な
全く意味のないクリアボールでしたので
そのクリアボールが失点に繋がってしまったのは
大きなミスと言わざる得ないと思います。

特にそのクリアボールに対処する為に
前に出てこようとしていた22ラヤを
6ガブリエウが制したのは間違いではありませんが
背後からケインが付いてきていたとは言え
十分に距離がありましたので
左サイドに流れて無理な体勢から
無理やり繋ごうとしてしまったのは
冷静さを欠いていたと言われても
言い訳は出来ないと思います。

もっと言えばバイエルンは
ケインしか追ってきていなかったのに対して
アーセナルは22ラヤと2サリバが
完全にフリーの状態でいましたので
難しい事しようとせずに
シンプルに22ラヤに戻すべきだったと思いますし
仮にその22ラヤに対してケインが
プレスを仕掛けたとしても
そのまま2サリバに繋げれば
全く危険な状況にはならなかったはずですので
ここでの6ガブリエウの判断ミスは非常に大きく
単純に失点しただけではなく
この時間帯のバイエルンを圧倒していた雰囲気も
手放してしまう結果になってしまったと思います。

その後は両チーム共に決定機を作る事が出来ないまま
時間が進みましたが
再びミス絡みから失点してしまいました。

29分過ぎ、バイエルンがバックラインで
ボールを回している時に
デ・リフトがルーズに前方に蹴り出しました。
そのボールを左のライン際で受けたサネに対して
背後から捕まえに行った15キヴィオルが
反転されてあっさりとかわされてしまい
そのままドリブルで侵入してきたサネに対して
20ジョルジーニョ、6ガブリエウと立て続けに捕まえる事が出来ず
最後は止めに行った2サリバがサネを倒してしまいPK献上。

32分、そのPKをケインに決められてしまい失点。

結果的に20ジョルジーニョがスライディングタックルで
ちょっとボールを触った事で
6ガブリエウがアタックするタイミングを逸してしまい
タックルに行けなかったと言う不運はありましたが
何はともあれ最初の段階の15キヴィオルの対応は
軽すぎると言われても仕方がないほど
お粗末な対応だったと思います。

同時にこのPKの場面での22ラヤも
疑問符がつきます。
勿論、駆け引きの一環だったと思いますが
それにしてもあれ程早く動いてしまったら
ケインクラスのストライカーでなくても
逆側に決めるのはそれほど難しくないと思います。

ここから一点リードしたバイエルンは
CLラウンド16で
ポルトがアーセナルに対して仕掛けた様な
アーセナルのバックラインインには
激しくアタックせずに
中央に人数を割いて中央のスペースを埋める様な
非常にタイトなブロックを築くスタイルに変更してきた事で
アーセナルは攻め倦む時間帯が多くなり
同時にそこから仕掛けられるカウンターで
アーセナルゴールを脅かされる場面もありました。

34分過ぎ、アーセナルのFKからの流れで
ライマー〜ムシアラと繋げられた所から
裏のスペースに出されたボールで
サネに抜け出されてしまいました。

幸い全速力で戻ってきた4ホワイトが
ペナルティ内で仕掛けたタックルでボールをカットして
このカウンターを止めましたが
ここでゴールを奪われていたら
昔の悪夢がまた蘇る所だったと思います。

結局前半はそのまま攻め倦んだままだった事もあり
アルテタ監督は後半頭から15キヴィオルに代えて
35ジンチェンコを投入して
状況の打開を図ってきました。

しかしそれでもバイエルンのブロックは固く
何度かミドルシュートを撃つ場面はありましたが
良い位置でシュートを撃つチャンスを作る事が出来ず
本当に動き出したのは
9ジェズスと19トロサールが投入されてからだったと思います。

特に9ジェズスは中盤から最前線まで
広い範囲動きながらボールに絡み
同時に自らでボールを動かす事も出来る為に
ここまで強固だったバイエルンのブロックに
少しずつ歪みを生じさせる事が出来、
そこを攻撃の足掛かりにする場面が何度かありました。

66分過ぎ、2サリバからの縦パスを
下がってきた9ジェズスがダイレクトで
35ジンチェンコに繋ぎ
その35ジェンチェンコから
8ウーデゴール〜7サカへと右サイドに展開した所から送られた
裏へのスルーパスで9ジェズスが飛び出しました。
残念ながらそこからは中に入って行けませんでしたが
ボールをキープしながらパスコースを見出した
9ジェズスが送ったラストパスを
41ライスがダイレクトで右脚を振り抜きました。

そのシュートもブロックされてしまい
ゴールを奪う事は出来ませんでしたが
9ジェズスが入った事で
相手のブロックのギャップを上手く突く様になったと思います。

そしてその9ジェズスの仕掛けから
同点ゴールが生まれました。

76分、バイエルンの右サイドからの
スローインのルーズボールを
19トロサール〜7サカ〜9ジェズスと繋ぎ
その9ジェズスがペナルティ内を
ドリブルで切り込んで行った所から送ったラストパスを
19トロサールが丁寧に右脚を振り抜きゴール!!

ドリブルで切り込んで行った9ジェズスが
デ・リフト、ダイアー、ゴレツカを一人で引き付けた事で
19トロサールはフリーの状態で
シュートを撃つ事が出来た様に
完璧な仕掛けだったと思います。

その後は中々決定機を作れませんでしたが
試合終盤に両チームに決定機が訪れました。

89分過ぎ、ダイアーのフィードに対して
5トーマスがヘッドでクリアーしきれなかったルーズボールを
ケインにヘッドでムシアラに繋げられてしまい
そのムシアラから送られた4ホワイトの股を抜くグラウンダーのクロスを
ニアに入ってきたコマンに合わされてしまいました。

幸いコマンのシュートは
ポストを叩き救われましたが
ここでも非常にルーズな守備が
顔を出してしまったのは残念でした。

そもそもダイアーのフィードに対応した
5トーマスが前方にヘッドで返す事が出来ず
頭上に跳ね上がらせてしまったのが始まりであり、
その跳ね上がったボールに対して
2サリバと6ガブリエウの二人で
競りに行ってしまった為に
お互い中途半端な対応になってしまい
結果として楽々とケインにヘッドで繋がれてしまいました。

そして4ホワイトが簡単に股を抜かれてしまったのも
良い対応とは言えず、
ニアに走り込んできたコマンに対しては
35ジンチェンコは認識していましたが
その前にいた6ガブリエウは認識していなかった為に
あっさりと前に入られてしまったのも
ゆる過ぎたと思います。

そして最後はこの場面でも22ラヤは再び股を抜かれてしまいました。

1失点目の場面でもそうでしたが
この様な至近距離からのシュートに対して
22ラヤは明らかに腰が高く
それにより股の間が大きく空いている状態で対応していたのは
非常に気になります。

この腰高の状態は元々なのか?
それともたまたまなのか?は
今シーズンはこの様な至近距離からシュートを撃たれる場面が
少なかったのではっきりしませんが
少なくともこの試合の2つの場面の様に
あれだけ腰が高ければその間を射抜くのは
決して難しくないと思います。

そして最後はアーセナルに決定機が訪れました。

94分過ぎ、5トーマスから送られたスルーパスで
DFラインの裏に飛び出した7サカが
前に出てきたノイアーと交錯しましたが
判定はノーファール。

この場面の交錯がファールに値するかどうかは
意見が分かれましたが
個人的にはファールを取らなかった主審を支持します。

それは試合後にイアン・ライトがコメントしていたのが
全てだと私も思います。

この場面で裏に飛び出した7サカは
前に出てきたノイアーをかわそうと
左足のアウトサイドでボールを左側に切り返した時に
7サカの右足が足を伸ばしてきたノイアーの
右脚と当たり転倒しましたが
仮に本当に切り返してかわそうとしていたのならば
7サカの体は左に向かって反転し始めているはずですので
7サカの右足はボールの方向に向かって
動いていたはずです。

しかしこの場面での7サカの右足は
ボールの方向ではなく
あたかもノイアーの方に向かって行く様に
ボールよりも前方に向かっていましたので
これは相手をかわそうとして
切り返した時の足の軌道ではないのは明白であり
最初からファールをもらう事を前提としていたのは
間違いないと思います。

勿論、ファールをもらいに行く事は
戦術の一つだと思いますので
全てを否定はしません。

しかし7サカが左足のアウトサイドで鋭く切り返した状況を観れば
そのまま前に出てきたノイアーをかわして
左脚を振り抜く事が出来るだけの余裕があったのは
言うまでもないと思います。

この重要な一戦の勝敗を
自らの左脚で決する事が出来るチャンスが
巡ってきたのにも関わらず
自らの左脚でバイエルンの息の根を止めに行かなかったのは
ただただ残念です。

アーセナルのエースならば
試合の勝敗を決する重責を自ら背負い
その重責に押しつぶされる事なく
エースとしてチームを勝利に導く役割を
しっかりと果たして欲しかったと強く思います。

反対に言えば意識的なのか無意識的なのかは別として
結果的にファールをもらいにいったと言う事は
その重責から意識的に無意識的に
逃げたと言われても否定は出来ないと思います。

もっと言えばその重責から逃げる選手が
エースとして相応しいのか?
重責から逃げる選手がエースを務めているチームに
勝利の女神は微笑むのか?
結果は明らかだと思います。

それだけにこの試合の最大の勝負所で
真正面から立ち向かわなかった
7サカは残念でした。

試合はこのまま2−2のドローで終わりました。

試合内容的には互角以上の試合だったと思います。
特に失点するまでは
このまま圧倒するのではないかと感じさせるほど
良い内容だったと思います。

しかし、CLと言う最大の大会を勝ち抜くには
アーセナルはまだ甘いと言わざる得ないと思います。

この試合では普段犯さない様なミスを犯してしまい
そのミスが悉く失点や決定機に繋がってしまいました。

PLならばミスを犯しても
それをリカバリー出来るほど
個々の選手のパフォーマンスは際立ち
組織としても成熟していきていると思いますが
CLベスト8に進出する様なチームを相手にした時には
この試合の様に一つのミスがゴールに直結し
そのゴールが試合の勝敗を左右してしまいます。

その辺りのメンタル面の足りなさを
感じずにはいられませんでした。

CLと言うヨーロッパ最大の大会での
半端ないプレッシャーに平常心を保てずに
普段犯さない様なミスを犯してしまった事からも
現時点ではCLと言うプレッシャーの下では
ベストパフォーマンスを発揮出来ないでいます。

この辺りのメンタル面での成熟度を上げていくには
勝利を積み重ねていくしかありませんが
7シーズンぶりにCL出場を果たした
現在のアーセナルには
CLでの絶対的な経験値が
足りていないのも事実だと思います。

しかしこれまでも何度となく失意のどん底に落とされた所から
這い上がってきた様に
ここで立ち止まる程今のアーセナルはヤワではないと思います。

CLを恐れる必要も
バイエルンを恐れる必要もないと思います。

なぜならば我々は現ヨーロッパチャンピオンのシティに
PLでは勝ち越している事実が物語っている様に
この試合位以上に痺れる試合を
今シーズンはしてきています。

後は、自分たちを信じる事が出来るかどうかだと思います。
信じる事さえできれば
更にその先の風景を見る事が必ず出来ると思います。


C'mon Arsenal !!


追伸、この試合ではもう一つ物議を催した場面がありました。

66分過ぎ、ゴールキックからのリスタートの場面で
22ラヤが下に置いたボールを
足で6ガブリエウに送り
そのボールを6ガブリエウが手でセットし直してから
リスタートした場面がありました。

アーセナルのゴールキックのパターンとしては
最初に22ラヤがボールを持ち、
そこから6ガブリエウにボール渡してから
6ガブリエウがリスタートすると言う形を
よく使いますので
本人達としてはそれを行ったつもりだったと思います。
しかし唯一の違いはいつもはボールを手で渡す所を
この場面では足でボールを蹴ってしまった所です。

今回の様にゴールキックからリスタートする場面で
一度地面に置いたボールを足で動かしたのならば
それはリスタートしたと捉えるのが本来だと思いますの
普通ならば6ガブリエウがハンドを取られても
おかしくはなかったと思います。

その一方で22ラヤが本当にリスタートしていたのならば
ボールを蹴った後に必ず右サイドに動き始めているはずですが
この場面での22ラヤは脱力したままの状態で
その場に立っていましたので
リスタートしたつもりはなく
ボールを渡す時に間違って蹴って渡してしまったと思われます。

その辺りの状況を汲み取ってなのか
何のお咎めなく
そのまま6ガブリエウからのリスタートを
許してくれたのは
本当にラッキーだったと思いますが
本当ならば6ガブリエウのハンドを取られても
おかしくない場面でしたので
この辺りを考えてもCLのプレッシャーに
平常心を失っていたと言えると思います。


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2サリバ       PL:2G1A
4ホワイト      PL:2G4A CL:0G1A
6ガブリエウ     PL:4G0A
7サカ        PL:14G8A CL:4G4A CS:0G1A
8ウーデゴール    PL:7G6A CL:2G0A CC:1G0A
9ジェズス      PL:4G3A CL:4G3A
10スミス・ロウ    PL:0G1A
11マルティネッリ   PL:6G4A CL:2G1A
14エンケティア    PL:5G2A CL:1G0A CC:0G1A
15キヴィオル     PL:1G3A
18冨安        PL:1G1A CL:0G2A
19トロサール     PL:8G1A CL:3G1A CS:1G0A
20ジョルジーニョ   PL:0G2A CL:1G0A
21ヴィエイラ     PL:1G2A CL:0G0A CC:0G1A
24ネルソン      PL:0G0A CL:0G2A CC:1G0A
29ハヴァーツ     PL:9G5A CL:1G0A
35ジンチェンコ    PL:1G2A
41ライス       PL:6G6A CL:0G1A


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