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PL33:Manchester City vs ARSENAL [Arsenal マッチリポート]

Manchester City 4−1 ARSENAL
2023年4月26日(水)Premier League, Etihad Stadium

Goal

 (7)De Bruyne
 (45)Stones
 (54)De Bruyne 
 (86)16Holding(←19Trossard)
 (90)Haaland


1Ramsdale

 4White 16Holding 6Gabriel 35Zinchenko

5T. Partey

8Ødegaard    34Xhaka

7Saka             11Martinelli

9Jesus


(60)11Martinelli>>>19Trossard
(60)34Xhaka>>>20Jorginho
(72)8Ødegaard>>>10Smith Rowe
(80)7Saka>>>24Nelson
(80)9Jesus>>>14Nketiah


Substitutes
 30Turner
 3Tierney
 15Kiwior
 21Vieira


Arsenal 1.jpg完敗です。

全ての面において
大きな差を見せ付けられてしまいました。

先発は前節体調不良で欠場した
34ジャカが復帰した以外は
前節と同じメンバーが組まれました。

この試合でのプランは一体どうだったのか?

3試合連続ドローで
勝ち点差は5にまで縮まってしまった事もあり
この試合は引き分けでは十分ではなく
勝利が必要だったと思います。

それを達成する為には
よりアグレッシブな姿勢が必要だった筈です。
実際問題としては
出来る限りシティにボールを持たさずに
アーセナルのゴールから遠ざける為に
過激な位にアグレッシブなハイプレスを仕掛けて
バックラインにプレッシャーを掛け続けて
良い形でハーランドやデ・ブライネに
ボールを届けさせない様に努める必要があったと思いますが
残念ながらその様なアグレッシブな姿勢を観せたのは
最初の5分と終了間際の5分位だけであり
それ以外の時間帯はシティがプランした通に
試合を進められてしまった印象でした。

そこで疑問なのが開始直後は仕掛けていたハイプレスを
なぜすぐにやめてしまったのか?

最初はエデルソンや両CBに対して
9ジェススと8ウーデゴールが
かなりアグレッシブにプレスを仕掛け
実際中途半端に出したパスを回収する場面も
それなりにあったと思いますので
試合開始時点ではハイプレスを仕掛ける
通常通りのプランで試合に入った様に感じました。

しかし突然9ジェズスがプレスを仕掛けるのをやめ始めてから
前線の連動的なプレスが機能しなくなり
結果としてはそれが先制点に繋がってしまいました。

この失点の場面の始まりは5トーマスが
右サイドのスペースに出したパスが
7サカに通らなかった所から始まりました。

そのボールを収めたエデルソンに対して
誰もプレスを仕掛けなかったのは勿論の事、
そのエデルソンからディアス〜エデルソン〜ストーンズ〜ディアスへと
バックラインでボールを回していきましたが
9ジェズスは一切プレスを仕掛けずに静観し
最後のディアスにボールが渡った時点で初めて
ギュンドアンをマークしていた8ウーデゴールがプレスに動きました。
しかしその8ウーデゴールが
エデルソンの所までボールを追っていっても
9ジェズスは動こうとせずに
結局8ウーデゴールはそのままストーンズの所まで追っていきましたが
そのストーンズからのフィードがハーランドに届き
そのハーランドからのパスを受けたデ・ブライネが
スピードに乗ったドリブルで切り込んできた所から
右脚を振り抜かれて失点。

確かにストーンズからのフィードを受けたハーランドに対して
対応した16ホールディングは何も出来なかったのは
紛れもない事実であり
ハーランドを抑えるにあたり
力不足だと言う事は言い逃れ出来ませんが
その事はアウェイでのFA杯で対戦した時から
分かっていた上でこの試合に挑んでいた筈です。

実際ハーランドとの競り合いに勝てるかどうかは
ハーランドがボールを触る前に
ボールに対して先にアプローチ出来るかどうかにかかっており、
この場面のようにハーランドに
先にボールを触られてしまった場合には
そこから高確率で奪い返す事は
ワールドクラスと言われる様なCBでも
非常に難しいミッションだと思います。
反対にハーランドはスピードも桁外れていますので
スピードに難がある16ホールディングにとっては
前に出過ぎてしまったが為に
ひと度背後を取られてしまった時には
もうハーランドに追いつく事は不可能ですので
背後からアプローチする格好になるのは仕方がなかった様に感じます。

同時にドリブルで切り込んできたデ・ブライネをマークしていた
5トーマスがあっさりと振り切られてしまったのも
問題だったと思います。
何を思ったのか途中でスピードを緩めてしまったのも問題でしたが
最も問題だったのはフルスプリントしなかった所だと思います。
5トーマスがフルスプリントで走ると
多くの人の印象よりも5割り増しくらいのスピードで
走る事が出来るのは
意外と知らない事実だと思いますので
フルスプリントでデ・ブライネを追っていたら
振り切られる事はなかったと思います。
勿論、フルスプリントすると怪我を負ってもおかしくない様な
コンディションに問題を抱えながらプレーしていたのかもしれませんが
どちらにせよそのリスクを冒してまで追わなくても問題ないと考えた
状況判断の甘さがあった事は否定出来ないと思います。

まぁ、ドリブルで切り込んできたデ・ブライネが
ペナルティの外側から放った
枠の外側から回り込む様な軌道の
グラウンダーのミドルシュートは
レベルの違いを見せ付けられた思いをしましたが
だからこそいかにしてハーランドやデ・ブライネに
良い形でボールを触らせないかが重要であり
その為にはパスの出し所に大きなプレッシャーを掛けて
無力化するべきだった様に感じます。

とは言え、DFラインを上げて
ハイプレスを仕掛けたら仕掛けたで
DFラインの裏に出来てしまう広大なスペースで
スピードに優れているハーランドを
16ホールディングが抑え切る事が出来るか?
と言う問題がありますので
この試合に挑むに当たりアルテタ監督は
通常よりもラインを低く設定していたのかもしれません。

仮にその様なプランだったのならば
ブロックが間伸びしない様に
前線でプレスを仕掛けなかったのも理解出来ますが
ロドリやギュンドアンの所をしっかりと押さえれば
ハイプレスを仕掛けずに
DFラインにボールを持たせたとしても
シティの攻撃を防ぐ事が出来ると思っていたのなら
大きな間違いであり
仮に戦術的にハイプレスを仕掛けないのならば
完全にリトリートしてゴール前を固める位に
振り切った対応をした方が良かった様に感じます。

まぁ、ボールを完全にシティに渡し、
ゴール前を固めてシティの攻撃を凌ぐ様な展開は
昨シーズンまでと同様の展開になりますので
それをしても通用しないのは目に見えていますが、、、。

もしも12サリバや18冨安が
ベストな状態で起用出来ていたら
もっと有効な方法を見出すことが出来たかもしれませんが
現状としてはシティの攻撃を防ぐ為の最良の方法が
見当たらない状況だったと思いますので
それならば今シーズン現在の順位に立つ事が出来ている
大きな要因の一つである
連動的なハイプレスを仕掛けて
真正面からぶつかった方が
観ている側としては気持ちが良かった様に感じます。

それと共に、怪我から復帰してからの9ジェズスは
コンディション的に万全ではないかもしれません。
復帰後のこれまでの試合を観ていても
試合途中までは積極的なハイプレスを仕掛けていても
ある時を境に全くプレスを仕掛けなくなる場面が何度もありました。
もっと言えばその9ジェズスの状態に引っ張られる様に
チームとしてのパフォーマンスレベルも一緒に
落ちていく場面が何度もありましたので
コンディション的な問題なのか?
それとも怪我後のメンタル的な問題なのか?
シーズン前半観せていた様な
限界を超える様なプレーが出来ていません。

前記の様にチームのパフォーマンスレベルは
9ジェズスに引っ張られてしまう部分がありますので
個人的には仮に9ジェズスが動けなくなり出したら
躊躇なく下げた方が良いと思いますし
現状としてはリスクを冒すことを
全く恐れない19トロサールをトップに置いた方が
相手にとっては脅威になる様に感じてしまいます。

どちらにせよ、試合後アルテタ監督もコメントしていた様に
前半は何も出来なかったと思いますし
何をしたいのか?
どの様にシティを攻略しようとしていたのか?
明確なビジョンが全く観えてこなかったと思います。

反対にこの試合に対するシティのプランは明確だったと思います。

まず攻撃面に関してはハーランドにボールを届け
そこからのパス、そこからのドリブルで
アーセナルのDFラインを力で切り裂く形が
基本だったと思います。
しかも最初の失点の時や3点目の時の様に
ハーランドからデ・ブライネと言う形もあれば
反対に本来のデ・ブライネからハーランドと言う形もあり、
とにかくこの2人だけで完結させる事が出来る
絶対的な個の力に対して
アーセナルの守備陣は手も脚も出なかったと
言わざる得なかったと思います。

一方で守備面に関しては
ここ最近行っているストーンズを中盤の底に上げる形を使わずに
常に4人のDFラインを保っていた様に観えました。
グアルディオラ監督の代名詞でもある
DFラインを4人〜3人に変える可変的なシステムを使わずに
常に4枚揃えたのは
アーセナルのストロングポイントである
7サカと11マルティネッリの両翼に
一瞬でも付け入る隙を与えない様にする為だと考えられ
実際、アーセナルはサイドから効果的に仕掛ける事に
苦労し続けていたと思います。

残念ながら戦略面に関しては
アルテタ監督が立てたプランよりも
グアルディオラ監督が立てたプランの方が
明確で効果的だったと言わざる得なかったと思います。

しかしフットボールは戦略が全てではなく
それを実際にピッチで具現化する
選手の働きがより重要と言う事も
今更言うまでもないと思いますが
その戦略面の差を覆す様な
個々の選手のパフォーマンスに関しても
アーセナルの選手達の方が
劣っていたと言わざる得なかったと思います。

勿論、個々の選手の絶対的なレベルに差があると言うのは
仕方がないと思いますが
単純にシティの選手の動きの方が圧倒的に速く鋭く
特にデュエルの局面、
セカンドボールの競り合いの局面では
多くの場面でアーセナルの選手は
競り負けてしまっていたと思います。

順位的にはアーセナルの方が上位にいましたので
通常は順位を逆転させる為に
下位のクラブの方がよりアグレッシブに挑んでくると言うのは
よくある展開ですが
ここの所の3戦連続ドローの結果
順位表の順位が現在の立ち位置を
正確に表していないと言うのは言うまでもなく
実際尻に火が付いているのは
シティではなくアーセナルの方だったと思いますので
この試合に何がなんでも勝利して
再び優位な立場に立とうとする
アグレッシブさ、ガムシャラさが
アーセナルの選手から感じる事が出来なかったのは
非常に残念でした。

戦略的でも個々の選手の面でも
圧倒されてしまえば
残念ながら勝機を見い出す事は不可能です。

この様な状況に陥った原因を分析しようにも
答えば全ての面での「力不足」、
これに行き着いてしまうかもしれません。

前回も書きましたが
現在のアーセナルの強さは
全ての選手がベストなパフォーマンスを発揮して
初めて発揮される強さだと言えると思いますので
怪我人の問題などもあり
ベストな状態から下り始めている現在のチーム状況では
やはりシティを倒す事の出来るレベルではなかったと、、、。

反対にこのシーズン終盤にチームのピークを合わせてきた
グアルディオラ監督のマネージメント能力と
それにしかり応えているシティの選手には
脱帽するしかありません。

勿論、この敗戦でシーズンが終わった訳ではなく
順位表的にはまだ勝ち点差2で
アーセナルは首位に立っています。

それは例え消化試合が2試合多いとしても
一度獲得した勝ち点は減る事はなく
シティの2つの未消化試合から
今後無条件で勝ち点が与えられる訳でもありませんので
順位表で上に立っている限り
戦い続けなければなりません。

残りの5試合、失意のどん底の今のアーセナルよりも
遥かに高いモチベーションを持ったチームと
対戦しなければならないと思いますが
ここで再び立ち上がり残りの5試合の全てに勝利して
奇跡が起こる事に備えなければならないと思います。

そしてアーセナルの新たな黄金期はまだ始まったばかりです。
今シーズンあった3回のシティ戦では
残念ながら勝利を掴む事は出来ませんでしたが
今シーズンがダメならば来シーズンがあります。

今シーズンのCLベスト4に残っている顔ぶれを見ますと
優勝の最右翼はシティかもしれません。
その様なシティに対して
来シーズンアーセナルが圧倒するチームを築く事が出来れば
それはヨーロッパチャンピオンに最も近いチームになる事を指します。

何度も書きますが、これで終わりではありません。
アーセナルの新たな黄金期の最初の一歩目が終わっただけです。
そこで立ち止まってしまったらその先はありません。
残りのシーズン、そして来シーズンと試合は続いて行きます。
新たな黄金期をこれからも継続させる為にも
今すぐに新たな一歩を踏み出す事を期待したいと思います。


C'mon Arsenal !!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

3ティアニー     PL:0G1A EL:1G1A 
4ホワイト      PL:2G5A 
5トーマス      PL:3G0A
6ガブリエウ     PL:3G0A
7サカ        PL:13G11A EL:1G0A 
8ウーデゴール    PL:12G7A 
9ジェズス      PL:9G5A EL:0G1A 
10スミス・ロウ    PL:0G1A
11マルティネッリ   PL:15G5A FA:0G1A
12サリバ       PL:2G1A EL:1G0A 
14エンケティア    PL:4G1A EL:2G1A CC:1G0A FA:2G0A
16ホールディング   PL:1G0A EL:1G0A 
18冨安        PL:0G1A EL:0G1A 
19トロサール     PL:1G8A
21ヴィエイラ     PL:1G2A EL:1G2A FA:0G2A
24ネルソン      PL:3G2A EL:0G0A CC:0G1A 
25エルネニー     PL:0G0A FA:1G0A 
27マルキーニョス   PL:0G0A EL:1G1A 
34ジャカ       PL:5G5A EL:2G0A  
35ジンチェンコ    PL:1G2A


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コメント 2

カトウ

コメント失礼致します。
いつも楽しく観覧させていただいております。

私はスタメンを見た時に「あ、ボコられて負ける」と予想できてしまいました。
意地を見せてくれる!と思ったけど覇気があったのはラムズデール、ホワイト、トロサール、ネルソンぐらいでした。
見てて辛かったです。

ブログ主さんの仰る通り積み上げてきた功績を考えるとジェズスに頼りたいのも理解できますが状況によって冷酷に決断する事も必要かと思います。

トロサールがスタメンから外れて3分1敗という事実もスタメンを決める上でアルテタさんには頭に入れていただきたい。
by カトウ (2023-04-30 00:10) 

silentlucidity

カトウさん、コメントありがとうございます。

仰る通り、ネルソンなんか自分のできる最大の事を惜しみなく出し切った感じで意地を見せてくれましたよね!!
全ての選手が最初からあの位のテンションで挑んでくれればと、本当に感じてしまう試合でした、、、。

でも、まだ終わってはいません!!
奇跡を信じるのならば残りの5試合全て勝つしかありませんので、そこで最後の意地を見せてくれる事を期待したいと思います!!

では、また。


by silentlucidity (2023-05-01 09:46) 

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