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右SB、右WB〜2エクトル・ベジェリン&15エインズリー・メイトランド=ナイルズ [Arsenal F.C.]

2エクトル・ベジェリン(24歳)

PL 18試合先発+1試合途中出場:5アシスト


Arsenal 1.jpg今シーズン就任したエメリ監督が持ち込んだ
サイドに起点を置き
SBがサイドが深い位置まで侵入して
サイドから崩すと言う形に
2ベジェリンは非常にフィットしていたと思います。

昨シーズンの2ベジェリンを振り返った時に
2ベジェリンのフリーランニングの
意識の変化に付いて書きましたが
今シーズンはエメリ監督が就任した事で
そのサイドの深い位置にまで侵入する形に
規律がもたらされた事で
そのフリーランニングに磨きがかかったと思います。

特に7ムヒタリアンとのコンビは俊逸で
今まで以上にDFラインの裏のスペースに
走り込む場面が増えただけではなく
相手のDFラインの急所である
ハーフラインの深い位置を陥れる意識も高くなり
何度となくシュートチャンスを
演出する様になったと思います。

実際、怪我をする前に出場したPL19試合で
最多タイの5アシストを挙げており
怪我をせずにシーズン通して稼働出来ていたら
二桁アシストも夢ではなかったと思います。

それだけに左膝関節前十字靭帯損傷の怪我を負って
長期離脱してしまったのは非常に残念でした。
特に今シーズンのアーセナルの
シュートチャンスが少なかったのは
2ベジェリンを欠いた右サイドの機能性が落ち
左サイドへの偏重が起きた事も一因であり
それを解消する為にも
2ベジェリンの復活が待たれます。

しかしスピード系の選手にとっては
前十字靭帯損傷はそのスタイルに
影響が出やすい怪我だと思いますので
あまり焦って復帰する事は良いとは言えず
十分に段階を踏んで完璧な状態に仕上げてから
復帰する事を希望します。


C'mon Arsenal !!


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15エインズリー・メイトランド=ナイルズ(21歳)

PL 11試合先発+5試合途中出場:1ゴール1アシスト
EL 9試合先発+1試合途中出場:1ゴール2アシスト
FAカップ 2試合先発
カラバオ杯 2試合先発


Arsenal 1.jpg2ベジェリンが負傷離脱した後に
最終的にその穴を埋めたのは
12リヒトシュタイナーでも
25ジェンキンソンでもなく
15ナイルズでした。

そのナイルズは開幕戦やELの試合では
左SBで起用された試合もありましたが
それ以外の試合では
主に右SBと右WBで起用されると共に
PL20節リバプール戦やFA杯3回戦等では
もう一つ前のポジションの
右サイドアタッカーの位置でも起用された様に
右サイドのユーティリティープレーヤーとして
チャンスが与えられたシーズンになったと思います。

元々はCMFが本職の選手だと思われますが
その抜群のスピードをより活かす為には
確かにサイドで起用した方が活かしやすく
その辺りを期待しての起用だと思われますが
実際はまだまだ改善が必要な部分は多いと思います。

まず守備に関しては
どうしても本職ではないポジションだった為に
守備者としての絶対的な経験値に問題がある様に感じます。

以前に2ベジェリンよりも15ナイルズの方が
タックル成功数が多いと言う守備スタッツが
話題になった事がありますが
タックルの成功数が多い選手と守備能力が高い選手が
イコールで結ばれるがない事は
言うまでもないと思います。
それは実際の問題として
守備能力の高い選手はタックルを仕掛ける以前に
相手を封殺してしまいますので
タックルを仕掛けて止めなければならない状態に
陥る事自体が少ないからであり
15ナイルズのタックル成功数も
残念ながら守備能力を反映している訳ではないと思います。

昨シーズンのスタッツでは
PL16試合出場した15ナイルズは
33回タックルを成功しています。
これはPL19試合出場した2ベジェリンの15回の
倍以上の成功数ではありますが
反対にタックル成功率は2ベジェリンが80%成功しているのに対して
15ナイルズは67%しか成功していません。
この数字から2ベジェリンが
タックルを仕掛けた回数は約19回で
1試合平均1回しか
タックルを仕掛けなければならない状況に陥っていないのに対して
15ナイルズがタックルを仕掛けた回数は約49回で
1試合平均約3回も
タックルを仕掛けなければ止められない状況に陥っていた事になります。

一方でクリアー数では15ナイルズが11回に対して
2ベジェリンは33回クリアーしていますので
タックルを仕掛けなければならない状況に
陥ってしまう15ナイルズに対して
タックルを仕掛ける状況になる前に
対処出来ている2ベジェリンという事が言え、
お世辞にも守備力が高いとは言えない2ベジェリンと比べても
15ナイルズの守備力は劣っていると言えます。

その15ナイルズの問題点として一番感じる所は
相手のアタッカーと対峙した時に
相手の間合いの中で対応していると感じる場面が
多いと感じる所です。
自分の間合いの中で対応が出来れば
タイミングを見計らって先手を打つ事が出来ますが
相手の間合いの中で対応していますと
相手の動きに合わせて対応する場面が多くなり
結果として後手に回らざる得ない場面が多くなると思います。
まぁ、スピードと俊敏性に優れているので
後手に回ったとしても
前記の様にタックルで止める事が出来ているのだと思いますが
その一方でこの対応では
スピードや俊敏性で上回られ
テクニカルな面に優れるアタッカーと対峙してしまうと
全く歯が立たなくなるリスクを伴ってしまいます。

一方の攻撃面に関しても
一言で言えば仕掛けのバリエーションが少なく
単調と言う印象は否めません。
スピードに優れていますが
サイドから裏へ向かって走り込むタイミングが曖昧な為に
効果的なフリーランニングが少なく
上手く裏に抜け出したとしても
そこからの折り返しのアイデアや精度が乏しい為に
シュートチャンスを作る場面もそれ程多くないと思います。

仮に攻撃面でも大きな強みがあれば
守備の負担が少ないWBに自らの存在価値を
見い出す事が出来るかもしれませんが
攻撃面に関しても大きな強みがなければ
2ベジェリンが復帰してきた時には
そのポジションを明け渡さなければならなくなってしまいます。

来シーズンの前半は2ベジェリンの欠場が決まっていますので
右SBは15ナイルズに託されると思いますが
現状のままでは今シーズン同様に
右サイドの十分な機能性が得られないかもしれません。
確かに15ナイルズのユーティリティー性は
チームにとっては非常に重要な戦力だと思いますが
攻守の両面において大きく成長しなければ
レギュラーポジションを得る事は難しく
いつまで経っても代役を担う役割だけで
終わってしまうかもしれません。

そう言う意味では来シーズンの前半は
自らの立場を変える事が出来る大きなチャンスだと思います。
予想を上回る様な成長を観せて
我々を驚かしてくれる事を期待したいと思います。


C'mon Arsenal !!


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