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PL34:Wolves vs ARSENAL [Arsenal マッチリポート]

Wolves 0−2 ARSENAL
2024年4月20日(土)Premier League, Molineux Stadium

Goal

 (45)19Trossard(←9Jesus)
 (90+5)8Ødegaard

22Raya

 4White  2Saliba  6Gabriel  15Kiwior

41Rice

8Ødegaard    29Havertz

 7Saka             19Trossard

9Jesus



(72)19Trossard>>>11Martinelli
(80)9Jesus>>>5Thomas


Substitutes
 1Ramsdale
 35Zinchenko
 20Jorginho
 21Vieira
 10Smith Rowe
 24Nelson
 14Nketiah
 

Arsenal 1.jpgCLバイエルン戦の敗退から中2日、
このウルヴス戦はフィジカル的に
非常に苦しい中での試合になりましたが
その逆境に負ける事なく
見事に立ち上がった姿を
我々に観せてくれました。

先発は前節のアストン・ヴィラ戦から
左SBを35ジンチェンコから
15キヴィオルに変更した以外は
同じメンバーが組まれ
前試合のCLバイエルン戦の先発からも
8名の選手が継続して先発してきました。

試合は開始から非常に積極的に
ウルヴスゴールに迫りました。

15キヴィオルからのクロスを
29ハヴァーツがダイレクトボレーで合わせた
試合開始早々の場面、
そのシュートはホセ・サの正面で決まりませんでしたが
繋ごうとせずに自ら決めようとした
29ハヴァーツの姿勢は
いつにもなく積極的だったと思います。

ドハティからドイルに出されたパスを
9ジェズスが鋭いプレスバックでカットした
3分過ぎの場面、
そのこぼれ球を収めた29ハヴァーツからのパスを受けた
9ジェズスがペナルティの外側から
右脚を振り抜きましたが
残念ながらジャストミートせず。

左サイドから19トロサールが送ったクロスを
ファーサイドで7サカがヘッドで合わした
9分過ぎの場面、
このヘッドはホセ・サにセーブせれてしまい
ゴールを奪う事は出来ず。

7サカ〜41ライス〜19トロサールへと
右から左へと展開したところから
19トロサールがドハティの股間を抜いて
折り返したボールを
41ライスがダイレクトで右脚を振り抜いた
14分過ぎの場面、
そのシュートもホセ・サにセーブされてしまい
ゴールを奪う事は出来ず。

左サイドからの19トロサールからのラストパスを受けた
41ライスがペナルティの外側から
右脚を振り抜いた19分過ぎの場面、
このシュートも僅かにポストの外側で
ゴールを奪う事が出来ず。

41ライスから送られた右サイドの裏へのパスで
7サカが抜け出した25分過ぎの場面、
その7サカからの折り返しは
キルマンにブロックされてしまい
そのこぼれ球に対して7サカがシュートを試みましたが
それもカットされてしまい
ゴールを奪う事が出来ず。

7サカからのパスを受けた
8ウーデゴールからのパスを受けて
4ホワイトが右サイドを飛び出した
25分過ぎの場面、
そこからグラウンダーのクロスが送られましたが
ゴール前に入ってきていた
19トロサールは空振りしてしまい
残念ながら合わす事が出来ず。

何度となく良い仕掛けで
ウルヴスゴールに迫る事が出来ていた一方で
ウルヴスがアーセナルゴールに迫ったのは
ミス絡みのこの2つの場面くらいだったと思います。

29分過ぎ、ホセ・サのロングフィードを
6ガブリエウがヘッドでクリアしたルーズボールを
15キヴィオルが処理しようとした時に
ジョアン・ゴメスに入れ替わられてボールを奪われてしまい
そのまま持ち込まれた所から
シュートを撃たれてしまいました。

至近距離から放たれたそのシュートは
22ラヤがスーパーセーブで防ぎ
ゴールを奪われずに済みましたが
球際での危うさを再び露呈してしまった
15キヴィオルの印象は
来シーズンに向けて非常に良くないと思います。

37分過ぎ、スローインを受けた2サリバが
7サカに向かって送ったパスが
ウーゴ・ブエノにカットされてしまい
そのままペナルティの外側から
左脚を振り抜かれてしまいました。

幸いそのシュートは枠を大きく外れて救われましたが
2サリバは無理して7サカにパスを送る事はせずに
セーフティーに4ホワイトにパスを出すべきだった様に感じます。

このままゴールを奪えないまま前半が終わっていたら
フィジカル的に苦しいアーセナルにとっては
非常に難しい後半になっていたかもしれなかっただけに
前半終了間際に奪ったゴールは
非常に大きいゴールだったと思います。

45分、右サイドの7サカからのパスを
ハーフスペースで受けた27ハヴァーツから
ファーサイドの9ジェズスに向かって
クロスが送られました。
そのクロスを上手くドハティと入れ替わって
収めた9ジェズスが潰されながら繋いだボールを
19トロサールがダイレクトで右脚を振り抜きゴール!!

19トロサールは難しいタイミングで
撃たなければならなかったシュートでしたが
しっかりと枠を捉えた技ありのシュートだったと思います。

19トロサールは時々自らシュートを撃つ事に
固執し過ぎてしまう事もありますが
その一方で積極的にシュートを撃とうとする姿勢と
29試合出場しているPLの試合で
先発はたった13試合しかないにも関わらず
9ゴールを奪っている様に
その決定力はある意味チーム随一かもしれません。

前半の間にゴールを奪えた事で
気持ちが切れる事なく
後半も同じ様に積極的にウルヴスゴールに
迫りました。

29ハヴァーツからのパスを受けて
カットインしてきた8ウーデゴールが
ペナルティの外側から左脚を振り抜いた49分過ぎの場面、
そのシュートはサンティアゴ・ブエノにブロックされてしまい
ゴールを奪う事は出来ず。

右サイドのハーフスペースから
8ウーデゴール〜4ホワイト〜9ジェズス〜7サカ〜9ジェズスと
スペースのない所を細かく繋いで
ペナルティの中に切り込んで行った52分過ぎの場面、
残念ながら9ジェズスがシュートを撃つ前に
クリアーされてしまいましたが
アーセナルらしい仕掛けだったと思います。

右サイドからのFKからの流れで
4ホワイトがゴール前にヘッドでボールを送った
54分過ぎの場面、
背後からきたそのボールに対して
29ハヴァーツが左脚でダイレクトボレーを放ちましたが
そのシュートもホセ・サの正面でゴールを奪う事は出来ず。

4ホワイトからのパスを受けた7サカが
右サイドからクロスを送った76分過ぎの場面、
そのクロスに対してゴール前に入ってきた
29ハヴァーツがヘッドで合わせましたが
キルマンにブロックされてしまい
これもゴールを奪う事は出来ず。

この様に後半に入っても全くペースを落とす事なく
ウルヴスゴールに迫り続けながらも
ゴールが奪えないまま時間は進でしまいましたが
それでも気持ちが切れる事なく
最後まで集中し続けたたアーセナルは
後半アディショナルタイムに入ってからも
更に攻勢を強めていきました。

90分過ぎ、トラオレから4ライスが
カットしたボールを収めた7サカが
そのままドリブルで切り込んで行き
トラオレとトティをかわして
右脚を振り抜きましたが
その角度のない所から
ゴール右上の角を狙ったそのシュートは
残念ながら枠を捉える事は出来ず。

91分過ぎ、ビルドアップの段階のボールを奪い返した41ライスが
そのまま自らドリブルでポケットの位置まで持ち込んだ所から
ゴール前に鋭いグラウンダーのクロスが送られましたが
ゴール前には誰も入ってこれずに
クリアーされてしまいました。

92分過ぎ、7サカのショートコーナーから
8ウーデゴール〜7サカ〜41ライスと繋いだ所から
その41ライスが右脚を振り抜きましたが
そのシュートもホセ・サのファインセーブに阻まれ
ゴールを奪う事は出来ず。

93分過ぎ、41ライスのスルーパスを受けた
11マルティネッリがそのままゴールに向かって
ドリブルで持ち込んだ所から右脚を振り抜きましたが
そのシュートもホセ・サのファインセーブに阻まれ
ゴールを奪う事は出来ず。

この後、遂に試合を終わらせるゴールが生まれました。

95分、6ガブリエウのパスを受けた41ライスが
ドリブルでボールを持ち込んだ所から
29ハヴァーツ〜8ウーデゴールと繋ぎ
その8ウーデゴールから送られた折り返しは
ブロックされてしまいましたが
その跳ね返ったボールを8ウーデゴールが
冷静のホセ・サの脇の下を抜いて
ゴール!!


試合はこのまま0−2で勝利!!


CLバイエルン戦から中2日で迎えたこの試合は
当初から懸念材料に溢れていたと思います。

単純に中2日の間にドイツから帰国してすぐに
アウェイのウルヴァーハンプトンに飛ぶと言う
スケジュールの為に
選手達は回復する時間が殆どないまま
この試合に挑まなければならなかったと言う
フィジカルコンディションの問題。

勝つチャンスがありながらもそれを活かせず、
CL常勝チームのバイエルンとの差を
まざまざと思い知らされてしまった
メンタル的なダメージ。

前半は素晴らしいプレーを観せていながら
後半は一気に失速してしまった
前節のアストン・ヴィラ戦の様に
PL優勝争いのプレッシャーの問題。

そして何よりも年明けから爆発していた
アーセナルはチームとしてのピークを迎えたのが
早過ぎた可能性があり
すでにピークアウトしてしまったのではないか
と言う懸念。

この様に多くのマイナス要素がある中で
選手達はどの様にこの試合に立ち向かっていくのかが
注目されましたが
我々の予想を遥かに上を行く形で
再び立ち上がったと思います。

そのCLバイエルン戦では先発から外れていた
9ジェズスや19トロサールは勿論ですが
そのCLバイエルン戦で先発した
8ウーデゴール、41ライス、29ハヴァーツ、
7サカ、4ホワイトも
試合開始から試合終了の笛が鳴るまで
一切緩める事なく
勝利の為に積極的に動き続けていたのは
驚きしかありません。

特に41ライスや8ウーデゴール等は
肩で息をしているのにも関わらず
次の瞬間には全速力でボールを追っている姿は
まさに鬼気迫る姿だったと思います。

フィジカル的な問題は勿論ですが
特にメンタル的にCLバイエルン戦での敗退が
選手達に重くのしかかってしまい
シーズン後半のPL優勝争いのプレッシャーに
耐える事が出来るかどうか
非常に心配されましたが
この試合の選手達の姿を観れば
その様な心配をする必要がない事がわかります。

この1週間の経験から選手達は
日本風に言えば遂に腹を括ったのかもしれません。

勝利の為には持っているエネルギーの
最後の一滴まで搾り出して戦う覚悟。

明日のことは考えずに
目の前の敵を倒す事だけに
全てを捧げる覚悟。

この試合の選手達には
これまでの様などこかプレッシャーに弱い姿はもうなく
目の前に逆境が現れたとしても
喜んでその逆境に挑んで行こうとする
強い責任感と覚悟を感じずにはいられませんでした。

とは言え、この試合の後にはまた中2日で
チェルシー戦が組まれています。

いくらメンタル的に成長したと言っても
フィジカル的な負担は計り知れないと思います。

それでも選手達は再び立ち上がり
その困難極まりない状況に立ち向かい
自らの力を証明してくれると思います。

今週はPL優勝争いの命運を占う
大切な1週間だと思います。

残りの5試合全て勝つ事が求められるアーセナルにとっては
ホームでのチェルシー戦と
アウェイでのスパーズ戦に勝利する事が出来れば
逆転優勝の可能性が出てくると思います。

フィジカル的には非常に苦しく
ベストな状態ではない状況で
挑まなければならないと思いますが
それでも今シーズンも色々な経験をした
このチームは確実に強くなっています。

どの様な逆境に直面しても
そこから逃げる様な事はもうないと思います。

強者からしか感じられない凄みをまとい始めている
このチームならば
このまま最後まで走り抜けてくれると
確信しています。


C'mon Arsenal !!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

2サリバ       PL:2G1A
4ホワイト      PL:2G4A CL:0G1A
6ガブリエウ     PL:4G0A
7サカ        PL:14G8A CL:4G4A CS:0G1A
8ウーデゴール    PL:8G6A CL:2G0A CC:1G0A
9ジェズス      PL:4G4A CL:4G3A
10スミス・ロウ    PL:0G1A
11マルティネッリ   PL:6G4A CL:2G1A
14エンケティア    PL:5G2A CL:1G0A CC:0G1A
15キヴィオル     PL:1G3A
18冨安        PL:1G1A CL:0G2A
19トロサール     PL:9G1A CL:3G1A CS:1G0A
20ジョルジーニョ   PL:0G2A CL:1G0A
21ヴィエイラ     PL:1G2A CL:0G0A CC:0G1A
24ネルソン      PL:0G0A CL:0G2A CC:1G0A
29ハヴァーツ     PL:9G5A CL:1G0A
35ジンチェンコ    PL:1G2A
41ライス       PL:6G6A CL:0G1A


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CL QF 2nd:Bayern Munich vs ARSENAL [Arsenal マッチリポート]

Bayern Munich 1−0 ARSENAL
2024年4月17日(水)UEFA Champions League Quarter-final 2nd, Allianz-Arena

Goal

 (63)Kimmich

22Raya

4White  2Saliba  6Gabriel  18Tomiyasu

20Jorginho

8Ødegaard    41Rice 

 7Saka             11Martinelli

29Havertz



(67)20Jorginho>>>9Jesus
(67)11Martinelli>>>19Trossard
(86)18Tomiyasu>>>14Nketiah


Substitutes
 1Ramsdale
 31Hein
 15Kiwior
 18Tomiyasu
 35Zinchenko
 5Thomas
 25Elneny
 21Vieira
 10Smith Rowe
 24Nelson
 

Arsenal 1.jpg7シーズンぶりに参戦したCLの戦いは
残念ながらベスト8で終わってしまいました。

先発は1stレグでサネを抑えられなかった
15キヴィオルに代わり
18冨安が左SBに入った以外は
1stレグと同じメンバーが組まれました。

試合は1stレグの特に後半と同じ様に
DFラインにはあえてプレスを仕掛けずに
ある程度自由にボールを持たせ、
スペースを消してアーセナルの選手の侵入を許さない様に
自陣にタイトなブロックを築いて守るバイエルンを
アーセナルがどの様に攻略するか
と言う流れで始まりましたが
この試合でもアーセナルは
ゴール前に侵入する事に非常に手こずりました。

その為、基本的にはサイドから仕掛ける場面が多くなりましたが
右サイドは常にダブルチームを組んで対応してくる
マズラウイとゲレイロに7サカは手を焼き
左サイドは対峙するキミッヒに
11マルティネッリが手を焼いてしまい
バイエルンゴールに迫ったのは数えるくらいだったと思います。

7分過ぎ、キミッヒが前方に蹴り出したボールを
20ジョルジーニョがダイレクトで29ハヴァーツに
楔のパスを送り
その29ハヴァーツからのパスを受けた
11マルティネッリが中にカットインした所から
右脚を振り抜きましたが
そのペナルティの外側から放ったミドルシュートは
惜しくも枠を捉える事が出来ず。

20分過ぎ、左サイドで41ライスからのパスを受けた
11マルティネッリが
対峙したキミッヒとゴレツカの間から
18冨安にパスを送り
そのパスをペナルティ内で受けた18冨安が落としたボールを
引き取った11マルティネッリが
スペースのない所をダブルタッチなどを駆使して
切り込んで行きましたが
残念ながらシュートを撃つ事は出来ず。

一方でバイエルンの速攻から
ゴールに迫られる場面もありました。

22分過ぎ、ダイアーからのパスを
右ライン際で受けたマズラウイから
ゲレイロ〜ムシアラ〜ゲレイロと繋げられて
右サイドを突破されてしまい、
そしてそのままドリブルで持ち込んできた
ゲレイロからのパスを受けて
マズラウイに裏に抜け出されてしまった所から
折り返しが送られてしまいました。
幸いその折り返しは脚を大きく伸ばした
2サリバが触って
中にいたケインには繋がりませんでしたが
非常に危険な速攻だったと思います。

その後もアーセナルゴールに迫られる場面がありました。

23分過ぎ、マズラウイからのパスを受けた
ムアシアラがそのままドリブルで持ち込んだ所から
右脚を振り抜かれてしまいました。

ペナルティの外側から放たれたそのミドルシュートは
22ラヤのファインセーブで防ぎましたが
現在のバイエルの中で最も気を付けなければならないのが
やはりムシアラなのは言うまでもないと思います。

その後は少しずつ中に入れる様になり
バイエルンゴールに迫る場面もありました。

28分過ぎ、7サカからのパスを受けて
カットインしてきた8ウーデゴールが
ライマーのチェックを受けてボールがこぼれた所を
18冨安が8ウーデゴールに繋ぎ
その8ウーデゴールが左脚を振り抜きました。

そのペナルティの外側から放たれたミドルシュートは
ゴレツカの足に当たり変なバウンドのシュートになりましたが
そのシュートもノイアーのファインセーブで防がれ
ゴールを奪う事は出来ず。

30分過ぎ、20ジョルジーニョからのパスを
ハーフスペースで受けた
8ウーデゴールから送られた折り返しのパスを
11マルティネッリがダイレクトで
左脚で合わせましたが
そのシュートもノイアーの正面で
ゴールを奪う事は出来ず。

37分過ぎ、キミッヒからのパスを受けたライマーが
41ライスの鋭い寄せに曝されてこぼしたボールを
8ウーデゴールが収め
そこから送られたパスを
左サイドで受けた29ハヴァーツが
中に折り返しましたが
その折り返したボールは
ライマーにクリアーされてしまい
シュートには繋げられず。

殆どミスを犯さないバイエルンが
珍しくミスを犯した場面だっただけに
試合後にアルテタ監督もコメントしていた様に
このレベルの対戦だと
その一つのミスをゴールに繋げる事が出来るかどうかが
試合の勝敗を左右してしまうのは確かだと思います。

結局、前半の間にゴールを奪う事は出来ませんでしたが
それでも総シュート数4本対6本
枠内シュート数1本対3本と
アーセナルの方が若干上回っていましたので
後半に期待しましたが
前試合のアストン・ヴィラ戦と同様に
もう一段ギアを上げる事が出来ずに
反対に徐々にバイエルンの圧に屈する様になってしまったのは
残念でした。

その様な状況もあり
最初の決定機もバイエルンの方でした。

45分過ぎ、左サイドからキミッヒが送ったクロスを
ゴレツカにヘッドで合わされてしまいました。

幸いそのヘッドはバーを叩き
そのリバウンドを収めたゲレイロのシュートも
2サリバがブロックして防ぎましたが
ケインをマークしていた2サリバと
ニアを埋めていた6ガブリエウの間に
大きなスペースが空いてしまっており
その空いたスペースに向かって
背後から走り込んできたゴレツカを
誰もケアする事が出来ていなかった所は
この後の失点の場面と同じでした。

63分、キミッヒからのパスを受けたサネに
ポケットの位置にまで侵入を許してしまった所から
クロスが送られてしまいました。
そのクロスは22ラヤが掻き出しましたが
右サイドに流れたそのボールを収めた
ゲレイロから送られたクロスを
走り込んできたキミッヒに
ヘッドで叩き込まれてしまい失点。

そもそもゴール正面の位置で
ケインをマークしていた6ガブリエウの背後に
なぜあれだけ大きな穴を空けてしまったのか?

後半開始早々の場面でも
ゴール前に出来たスペースに
背後から飛び込んできたゴレツカが
クロスに合わせた様に
そもそもアーセナルのDFラインは
横からのクロスに対して
連動的にスライドするなどして
的確にスペースを消すような動きに問題がある事を
トゥヘル監督は見抜いていたのかもしれません。

しかも悪い事にこの場面でも
前試合のアストン・ヴィラ戦と同様に
その穴の周囲にいた選手が
ボールウォッチャーになってしまったのも
大きな問題でした。

この場面ではガブリエウの背後のファー側は
18冨安が守っていました。
そしてそのファー側の少し引いた位置に
11マルティネッリがいて
その空いたスペースの前方のエリアに
41ライスがいました。

まず、18冨安はサネを気にし過ぎていたと思います。

最初のクロスを入れた時点でサネはピッチの外に出ていました。
その為、仮に送られてきたクロスに対して
ピッチの外から反応しても
オフサイドを取られる可能性がありましたので
サネすぐには戻ってこようとせずに
ゆっくりとタイミングを見計らっていた様に観えましたので
最後までサネをケアしていた18冨安の判断は
結果からすると間違っていたと思います。
よって18冨安はサネがピッチ外に飛び出した時点でサネを捨てて
もっと内側に絞った位置にポジションを移しておくべきだったと思います。

同時に唯一キミッヒが走り込んでくる事を
察知できる位置にいたのが11マルティネッリでしたので
キミッヒの侵入を防げなくても
最低でもキミッヒに付いていかなければならない場面だったと思います。

そしてこの場面でも41ライスは
入ってくるクロスに対して
全く反応できませんでした。

勿論、反応出来てもクリアー出来るかどうかは分かりませんが
そこに大きな穴が空いている事も察知出来ていなければ
そこにクロスが入ってくる事も予測出来ておらず
反応するまでに明らかに1テンポ遅れていたのは
アストン・ヴィラ戦と同様に
集中力が切れていたと言われても
言い訳は出来ないと思います。

どちらにせよポケットに侵入してきたサネのクロスが
ファーサイドに流れた時点でアーセナルの多くの選手が
一瞬集中力を切らしていたのは確かだと思います。

この大事な局面でこの様なミスを犯してしまったのは
非常に残念でした。

その後は9ジェズスと19トロサールを投入したり
最後は3バックにして14エンケティアを投入しましたが
それらの選手交代が大きく流れを変える事はなく
バイエルンゴールに迫ったのは
この位だったと思います。

87分過ぎ、右サイドに下がってきた
9ジェズスから送られたスルーパスで
7サカが裏に抜け出そうとしましたが
そのスルーパスはキムにカットされてしまいましたが
そのこぼれ球を収めた8ウーデゴールが
そのままペナルティ内に切り込んで行き
右脚を振り抜きましたが
そのシュートもノイアーのファインセーブに阻まれ
ゴールを奪う事は出来ず。

93分過ぎ、右ライン際から送られた
4ホワイトからのパスを受けた7サカが
カットインして行った所でキムに倒され
FKを獲得。

そのFKを7サカはクイックスタートしましたが
4ホワイトに送られたそのパスも
ゴレツカが素早く反応してクリアーされてしまい
シュートに繋げる事が出来ず。

この場面でクイックスタートした7サカの判断が
正しかったのかどうかは
意見が分かれると思います。

確かに4ホワイトがスルスルと上がっていき
クイックスタートを求めていましたので
面白いアイデアだったと思いますが
その一方でゴール正面のやや左の位置の
ペナルティのすぐ外側からのFKでしたので
左利きのキッカーにとっては
最高の位置からのFKだったと思います。
そう言う意味では準決勝への進出をかけた
この最後のワンプレーを
キャプテンである8ウーデゴールに
委ねても良かった様に思います。

個人的にはやはりキャプテンである8ウーデゴールの左脚に
全て委ねても良かったと思います。
アルテタ監督が試合後コメントしていた様に
同点に追いつきそこから試合をひっくり返すためには
魔法の様な瞬間が必要だったと思いますので
その魔法の様な瞬間が訪れる様な状況は
クイックスタートではなく
8ウーデゴールのFKだった様に感じます。

一瞬スタジアムが静まり返る中で
8ウーデゴールの左脚から放たれたシュートが
ゴールネットに突き刺さり
アウェイスタンドだけが爆発する。
その様な瞬間を観たかった、、、。

試合は最後までゴールを奪う事が出来ず。

1−0で敗戦。

7シーズンぶりのCLは
ベスト8で終わってしまいました。

最後に対戦した頃は
大きな差を付けられてしまっていた
バイエルンとの差は
今回は本当にごく僅かだったと思います。

勿論、アーセナルを抑える為の
トゥヘル監督が立てたプランは完璧であり
それを完璧に遂行したバイエルンの選手も
素晴らしかったと思います。

バックラインにはそれ程プレッシャーをかけずに
ある程度自由にボールを持たせ
しっかりと自陣にタイトで緻密なブロックを築いて
中央への侵入を防ぐ事に注力したバイエルンの守備は
非常に強固だったと思います。

そして7サカと11マルティネッリと言う
両ウイングに対しては常にダブルチームで対処するなど
CLラウンド16でアーセナルを抑えてみせた
ポルトと同様に
アーセナルの良い所が消されてしまったと思います。

仮にその様な形で守られても
相手より速いプレースピードの仕掛けと
息の合ったコンビネーションで
これまでのアーセナルは打ち破ってきましたが
元々レベルの高い選手を揃えている
バイエルンにとっては
その様なプレースピードの速さ等は
バイエルンのブロックを切り崩すだけの
アドバンテージにはならず
結果的にそのブロックを切り崩して
ゴール前に侵入する事に
非常に苦労してしまいました。

とは言え、完全に抑えられてしまい
全くチャンスを作れなかった訳ではなく
数は少なくてもそれなりのチャンスを作る事は
出来ていたと思いますので
その数少ないチャンスを
確実にゴールに繋げる決定力さえあれば
結果は違うものになっていた可能性はあったと思います。

アーセナルの黄金時代だった頃のアンリや
一人の力でCLの出場権を獲得したと言っても過言ではなかった
2011/12シーズンのロビンの様な
苦しい状況でもこれらの選手にボールを託す事が出来れば
何とかゴールを奪ってくれると言う
チームの拠り所になる様な選手が
残念ながら今のアーセナルにはいません。

9ジェズスは勿論ですが
現在のチームのエースである
7サカや8ウーデゴールにしても
全くの「無」の状況から「ゴール」を生み出す様な
スペシャルなレベルにはまだ達していないと思います。

この様な試合で確実に勝つ為にも
そしてチームとして1ランク上のステージに上がる為にも
この決定力不足の問題に真剣に取り組む時期に来たと思います。

同時に、バイエルンの強固なブロックに対抗する為の
戦術的な柔軟性も
持ち合わせていなかったと言う問題も
今後考えなければならないと思います。

アーセナルの各々の選手は
それぞれ異なるキャラクターを持ち合わせていますが
残念ながら戦術に影響を及ぼすほどの
強力なキャラクターを擁している選手はいません。

基本的にアーセナルはアルテタ監督が目指すスタイルを
具現化出来る選手を集めており
実際それによりアルテタ監督が目指すスタイルは具現化され
その精度も年々上がってきていると思います。

その一方でそのアルテタ監督の目指すスタイルに
縛られてしまう部分もあり
各々の選手は自らのキャラクターを
そのスタイルの枠組みの中で発揮する形になっている為に
試合途中に新たな選手を投入しても
大きな変化を生み出す事が出来ないと言う
問題を抱えていると思います。

よってこの試合やCLポルト戦の様に
一度嵌められてしまうと
そこから抜け出す事が難しくなってしまうのも問題であり
その様な状況から抜け出す為の
戦術的な幅をもっと持たせる必要性があると思いますし
その戦術的な幅をもたらす選手を
ベンチに揃える事が出来るかどうかも
今後の課題だと思います。

この様に現在のアーセナルには
まだまだ改善の余地があると思いますが
それでも以前に比べれば
バイエルンとの差は
僅かになってきていると思います。

しかしその僅かな差は
この様なビッグゲームで勝ち抜く上では
非常に大きな差なのかもしれません。

現在のアーセナルは
7シーズンの間CLから遠ざかっていた様に
ヨーロッパのトップクラブと戦うと言う
絶対的な経験値が不足していると思います。

その様なアーセナルの選手にとっては
ヨーロッパのトップクラブと真剣勝負を行い、
しかもCLと言う大舞台で勝ち進むと言うプレッシャーは
計り知れないと思います。

その様な今まで経験した事のないプレッシャーに曝された時に
どの様な反応を示すか?
残念ながら普段犯さない様なミスを
簡単に犯してしまった様に
今回はそのプレッシャーに屈してしまったと言われても
仕方がない状態だったと思います。

勿論それは、前試合のアストン・ヴィラ戦でも
普段犯さない様なミスを犯してしまった様に
PLで優勝する為には負ける事が許されないと言う
プレッシャーも相まって
選手達は非常に大きなプレッシャーに
曝されたいたのは間違いないと思います。

言うなればそれは
甘さや弱さと言う言葉や
勝者のメンタリティーが欠けているという言葉で
片付けられる物なのかもしれませんが
同時にこの様な
これまで経験した事のないプレッシャーに対して
どの様に対応してどの様に乗り越えていくかと言う
経験値が選手も、チームも、そしてクラブも
十分ではなかったと言わざる得なかったと思います。

結果として、チーム力的には
それ程大きな差はなかったかもしれませんが
特大のプレッシャーに曝されても
本来の実力を発揮する強さ、
勝利の為の闘志と執念、
そしてここぞという時に
それを逃さない勝負強さなどの面の差が
今のバイエルンとの間にあり、
それはいまだに埋める事の出来ていない
差だと思います。

この差をすぐに埋める事は難しいのかもしれませんが
更なる高みを目指すのならば
埋めなければならない差だという事は
間違いないと思います。


残念ながら今シーズンのCLでの戦いは終わってしまいました。

勿論、CLのタイトルも重要でしたが
今シーズンは最大の目標は
昨シーズン取り逃したPLのタイトルと言うのは
言うまでもありません。

奇しくも優勝争いをしている
シティとリバプールも
それぞれCL、ELを敗退してしまいましたので
条件的には殆ど一緒になりました。

それだけにこの敗退が各々のチームにどれだけ影響しているのか、
そしてそこから如何にして早く立ち直るのか、
そこが重要になってくるかもしれません。

2シーズン連続CL優勝、
そして2シーズン連続3冠達成という
大きな偉業に挑んでいたシティは
その最大の目標を失ってしまいました。
勿論、PLとFA杯の2つのタイトルを
獲得するチャンスはまだ残っていますが
少なからずモチベーションに影響する事は
避けられないと思います。

その様な状況でもグアルディオラ監督は
しっかりと手綱を締めてくると思いますが
タイトル奪取に向かって
シーズン終盤を連勝で走り抜ける
例年の様な状況になるかどうかは
少し様子を見なければならないと思います。

一方で今シーズンをもって退任が決まっている
クロップ監督の花道を飾る為に
タイトル獲得を目指していたリバプールは
残っている2つのタイトルの内の1つを
失ってしまいました。

それによりシティと同様にモチベーションが下がる方向に
影響する可能性もありますが
その一方でこれでPLのタイトルに
集中する事が出来る様になりましたので
選手層に少なからず問題があるリバプールにとっては
PLの残りの6試合に集中出来る所は
良い方向に向かうかもしれません。

唯一の懸念材料は
クロップ監督にタイトルを取らせようと
過度にプレッシャーを感じた時だと思います。
とは言え、当代きってのモチベーターのクロップ監督は
その辺りをコントロールする術には長けていますので
最後までチームを上手くコントロールしてくると思います。

そしてアーセナルも選手層的に問題を抱えていますので
PLのタイトルに集中出来る状況になったのは
良い部分も多いと思います。

その一方でこのCLの敗退は一つの敗戦も許されない
タイトル争いを戦い抜く準備がまだ出来ていない事を
公私共に強く感じさせるものだったと思いますので
その状態から速やかに立ち直る事が出来るかどうかが
試される事になると思います。

それだけにこの週末に行われるウルヴス戦は
非常に重要な試合になると思います。

このCLバイエルン戦の敗戦を引きずらずに
再び勝利の感覚を取り戻す事が出来れば
PL優勝争いに踏みとどまる事が出来ると思いますが
ここで勝利を挙げる事が出来なければ
昨シーズンと同様にこのまま失速していき
一気にPL優勝争いから脱落する可能性もあると思います。

今こそ昨シーズンのPLのタイトルを取り逃した悔しさを思い出し
同時に来シーズンのCLで今シーズン以上の成績を残す為にも
負ける事が許されないタイトルを賭けた真剣勝負のプレッシャーに
打ち勝つ姿を観せてほしいと思います。


C'mon Arsenal !!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

2サリバ       PL:2G1A
4ホワイト      PL:2G4A CL:0G1A
6ガブリエウ     PL:4G0A
7サカ        PL:14G8A CL:4G4A CS:0G1A
8ウーデゴール    PL:7G6A CL:2G0A CC:1G0A
9ジェズス      PL:4G3A CL:4G3A
10スミス・ロウ    PL:0G1A
11マルティネッリ   PL:6G4A CL:2G1A
14エンケティア    PL:5G2A CL:1G0A CC:0G1A
15キヴィオル     PL:1G3A
18冨安        PL:1G1A CL:0G2A
19トロサール     PL:8G1A CL:3G1A CS:1G0A
20ジョルジーニョ   PL:0G2A CL:1G0A
21ヴィエイラ     PL:1G2A CL:0G0A CC:0G1A
24ネルソン      PL:0G0A CL:0G2A CC:1G0A
29ハヴァーツ     PL:9G5A CL:1G0A
35ジンチェンコ    PL:1G2A
41ライス       PL:6G6A CL:0G1A


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PL33:ARSENAL vs Aston Villa [Arsenal マッチリポート]

ARSENAL 0−2 Aston Villa
2024年4月14日(日)Premier League, Emirates Stadium

Goal

 (84)Bailey
 (87) Watkins

22Raya

 4White  2Saliba  6Gabriel  35Zinchenko

41Rice

8Ødegaard    29Havertz

 7Saka             19Trossard

9Jesus



(67)4White>>>18Tomiyasu
(67)19Trossard>>>11Martinelli
(79)8Ødegaard>>>10Smith Rowe
(79)9Jesus>>>20Jorginho
(87)35Zinchenko>>>14Nketiah


Substitutes
 1Ramsdale
 15Kiwior
 5Thomas
 21Vieira
 

Arsenal 1.jpgPL優勝争いから一歩後退する
非常に痛い敗戦です。

先発はここ最近安定していた
アンカーに20ジョルジーニョ、
左インサイドハーフに41ライス、
そしてトップに29ハヴァーツを配する形から
アンカーに41ライス、
左インサイドハーフに29ハヴァーツ、
そしてトップに9ジェズスを配する形に
変更してきました。

試合は前半は
完全なアーセナルペースだったと思います。

前線からのハイプレスで
ヴィラの攻撃を抑え込みながら
テンポの速いアーセナルの攻撃陣は
ヴィラゴールに何度となく襲いかかっていきました。

8ウーデゴールにパスを出した後に
DFラインの裏に向かって走り出した7サカに向けて
8ウーデゴールからスルーパスが送られた5分過ぎの場面、
そのパスを受けて裏に抜け出した7サカが
右脚で中に折り返しましたが
そのクロスはトーレスにブロックされてしまい
シュートに繋げる事は出来ず。

トーレスのパスをカットした
8ウーデゴールからのパスを受けた
7サカがクロスを送った6分過ぎの場面、
そのクロスはファーサイドに入ってきた
29ハヴァーツには僅かに合わず。

29ハヴァーツからのパスを
左のライン際で受けた19トロサールから
スルーパスが送られた10分過ぎの場面、
そのパスで裏に抜け出した29ハヴァーツが
左脚を振り抜きましたが
そのシュートはマルティネスのファインセーブで防がれてしまい
ゴールを奪う事は出来ず。

35ジンチェンコから送られた
DFラインの裏へのフィードが送られた15分過ぎの場面、
そのパスを受けて29ハヴァーツが抜け出しましたが
全速力で戻ってきたマッギンとディエゴ・カルロスに阻まれ
シュートを撃つ事が出来ず。

そもそも29ハヴァーツの位置がオフサイドでしたが
それを差し引いても完全に抜け出した後に
シュート体勢に入るまで
時間が掛かり過ぎている為に
マッギンとディエゴ・カルロスに追いつかれてしまったのは
改善しなければならない所だと思います。

8ウーデゴールからのパスを受けた
7サカが右サイドからクロスを送った
17分過ぎの場面、
そのクロスに対してファーサイドで
9ジェズスがヘッドで合わしましたが
枠を捉えられず。

角度のない所で至近距離からのヘッドだったとはいえ
完全にフリーの状態でしたので
枠は捉えなければならなかったと思います。

8ウーデゴールからスルーパスが送られた
19分過ぎの場面、
そのスルーパスで抜け出した
7サカが右脚を振り抜きましたが
僅かにポストの外側でゴールを奪う事が出来ず。

7サカは完全に抜け出しましたが
トラップが少し流れてしまった為に
角度のない所からシュートを撃つ形になってしまったのは
残念でした。

8ウーデゴールからのパスを受けた
4ホワイトが裏に送ったパスで
9ジェズスが抜け出した23分過ぎの場面、
切り返した所から左脚を振り抜きましたが
そのシュートもディニュにブロックされてしまい
ゴールを奪う事が出来ず。

8ウーデゴールから裏のスペースにパスが送られた
28分過ぎの場面、
そのパスを受けて29ハヴァーツが抜け出しましたが
この場面でも戻ってきたディエゴ・カルロスに追いつかれてしまい
シュートを撃つ事が出来ず。

そして最大の好機が訪れました。

39分過ぎ、8ウーデゴールからの楔のパスを受けた
29ハヴァーツから右サイドに開いていた9ジェズスへ展開され
そこからドリブルで持ち込んだ9ジェズスからのパスを受けた
7サカが落としたボールを
8ウーデゴールがダイレクトで左脚を振り抜きました。
そのシュートはトーレスにブロックされてしまいましたが
そこからこぼれたボールに反応して収めた9ジェズスが
間髪入れずに送った折り返しを
ゴール前に走り込んできた19トロサールが合わせましたが
そのシュートもマルティネスのファインセーブで防がれ
ゴールを奪う事が出来ず。

その後も惜しい場面がありました。

40分過ぎ、7サカのスルーパスで
右サイドの裏に飛び出した4ホワイトからの
リターンパスを受けた7サカが
中に切り込んだ所から左脚を振り抜きました。

残念ながらそのシュートも
ポストの外側でゴールを奪えませんでしたが
7サカの得意な形からのシュートでしたので
決まって欲しかった場面でした。

42分過ぎ、ディニュから
トーレスに向けて送られたパスに対して
猛然と寄せた9ジェズスが
カットしてボールを収めた所から
走り込んできた19トロサールに向けて
パスが送られました。

残念ながらそのパスが僅かにズレた為に
シュートに繋がりませんでしたが
そのパスが19トロサールに通っていたら
そのまま抜け出してマルティネスと
1対1になっていた可能性もありましたので
悔やまれます。

43分過ぎ、35ジンチェンコから送られた
スルーパスを受けた29ハヴァーツが
ポケットに飛び出した所から
折り返しが送られました。

残念ながらその折り返しに対して
誰も合わす事が出来ませんでしたが
ゴール前にポッカリと穴が空いていただけに
そこにだれも入ってこなかったのは残念でした。

一方で前半の間で
アーセナルゴールに迫られたのは
この場面くらいだったと思います。

38分過ぎ、ルーズボールを収めた6ガブリエウが
左サイドに展開しようと送ったパスが
35ジンチェンコの背中に当たってしまい
そこでこぼれたボールを収めたワトキンスに
持ち込まれた所から右脚を振り抜かれてしまいました。

幸いそのシュートはポストを叩き救われましたが
このミス絡みの場面以外は
本当の意味で危険を感じる場面はなかったと思います。

総じてアーセナルペースの前半だっただけに
この前半の間にゴールを奪えなかったのは
非常に痛かったと思いまう。

実際、何度かあった決定機の場面で
一つでもゴールを奪えていたら
その後の流れは大きく変わっていたかもしれませんが
この試合でも絶対的な決定力不足を露呈してしまい
決められなかったのは残念でした。

後半に入った直後に
疑惑の判定がありました。

47分過ぎ、29ハヴァーツのスルーパスを
ペナルティ内で受けた9ジェズスが
ディエゴ・カルロスと交錯して倒されましたが
判定はノーファール。

この場面ではそのスルーパスを
右脚のアウトサイドでトラップした9ジェズスが
ねじ込んできたディエゴ・カルロスの右脚に
前を遮られた事で9ジェズスは倒されていますが
仮にそのねじ込んできたディエゴ・カルロスの右足が
ボールに触っていたら勿論ノーファールですが
この場面では9ジェズスが触った後に
ボールの回転が変わっていない様に
ディエゴ・カルロスはボールに触っていないと思います。

確かに背後からの視点では
ディエゴ・カルロスは触った様に見えますが
横からの視点ではディエゴ・カルロスは
ボールに触っていませんので
なぜこの場面でVARが介入しなかったのか
疑問しかありません。

その後は前半の流れが嘘の様に
ヴィラペースに流れが変わってしまい
アーセナルゴールに迫られ始めてしまいました。

61分過ぎ、右サイドからのヴィラのCKからの流れで
ペナルティの右角辺りからティーレマンスに
右脚を振り抜かれてしまいました。
綺麗な弧を描いたそのシュートは
幸いバーとポストを叩きゴールラインを割らずに
救われましたが、
22ラヤが触る事の出来ないコースを
綺麗に狙われてしまった
非常に危ないシュートでした。

とは言え、そもそもCKをクリアーしたボールを
先に収めたのは35ジンチェンコでしたが
前方に向かってクリアーする訳でもなく
体を入れてキープする訳でもなく
非常に中途半端にティーレマンスをかわそうとした為に
あっさりとボールを奪われてしまったのは
非常に良くない対応だったと思います。

連勝街道を爆進していた頃は
この様な緩さを観せる事は
殆どありませんでしたが
先日のCLバイエルン戦でもそうですが
シーズン終盤のプレッシャーなのか
集中力を保てなくなり始めているのは
非常に気になります。

一方で流れを奪われてしまったアーセナルが
本当の意味でヴィラゴールに迫ったのは
この場面位だったと思います。

63分過ぎ、9ジェズスからのパスを受けて
右サイドヘ侵入した7サカからの折り返しを
9ジェズスがダイレクトで右脚を振り抜きましたが
このシュートもマルティネスのファインセーブで阻まれてしまい
ゴールを奪う事は出来ず。

そして試合終盤にまた緩みが出てしまい
遂に失点してしまいました。

84分、右サイドからのヴィラのショートコーナーの流れから
右サイドの深い位置に侵入してきた
ディニュからの折り返しが
ゴール前を横切って行き
ファーサイドに流れてしまった所を
ベイリーに押し込まれてしまい失点。

この失点も非常に緩い対応をしてしまった為に
奪われてしまったと言っても
過言ではないと思います。

まず深い位置にまで侵入してきたディニュに応対したのは
29ハヴァーツでしたが
明らかに寄せが甘かったと思います。
勿論、タイミングをずらして折り返した
ディニュの判断は良かったと思いますが
もっとしっかりと寄せていたら
あのタイミングで折り返しを入れる事を
防ぐ事はそれほど難しくなかったと思います。

そしてディニュの折り返しは少し無理な体勢から入れた為に
そこまで鋭いクロスではありませんでしたが、
にも関わらずクリアする事なくゴール前を
横切らせてしまったのも大きなミスだったと思います。

本当ならばニアを守っていた6ガブリエウが
そのままクリアすれば何も問題がない場面だったと思いますが
その折り返しを22ラヤに取らせようと考えたのか?
それともニアに走り込んできたトーレスに
気が付いていなかった為に
単純に反応が遅れてしまったのか?
分かりませんが
結果的にそのトーレスに体を預けて
侵入を防ぐのがやっとと言う中途半端な対応だったのは残念でした。

更に悪いことに6ガブリエウの背後にいた
2サリバと41ライスは
6ガブリエウがクリアするものだっと決め込んだ様に
完全に脱力した状態で
ボールウォッチャーになっていたのも
大きな問題だったと思います。

仮に最後まで集中力を切らさずに
ボールに対して反応していたら
ファーサイドまでボールが流れる事はなかったと思います。

これまでアーセナルの優勝争いを牽引してきていた
鉄壁の守備ユニットが
この大事な大事な試合で
大きなミスを犯してしまったのは
非常に残念です。

そしてその直後にカウンターから失点してしまいました。

87分、アーセナルの右CKからの流れで
20ジョルジーニョが送ったスルーパスを
ティーレマンスがカットした所から
前方のスペースに向けてパスが送られました。
そのパスを受けたワトキンスにそのまま抜け出されてしまい
前に出てきた22ラヤをかわす様に
チップキックで流し込まれて失点。

20ジョルジーニョが狙ったスルーパス自体に
無理があったのは言うまでもないと思いますが
何よりもワトキンスを追走していた
10スミス・ロウが何も出来なかったのは残念でした。

ワトキンスを追走していた10スミス・ロウは
ペナルティに入る手前でワトキンスに追いついていましたので
その時点で何かが出来たと思いますが
なぜペナルティに入る直前にアタックしに行かなかったのか?
不思議でなりません。

この場面で何よりも重要なのは
ボールを奪い返す事ではなく
ワトキンスにシュートを撃たせない事なのは
明白だったと思います。

そう考えればペナルティの手前で追いついた時に
なぜ体をぶつけに行かなかったのか?
最悪ファールを取られても良い位の覚悟で
なぜ止めに行かなかったのか?

勿論、それは10スミス・ロウだけではなく
この状況を見て全力で戻ろうとしなかった
6ガブリエウと2サリバも同じです。

10スミス・ロウがきっと時間稼ぎをしてくれると信じて
全力で戻ってこなかったこの2人も
この時点で勝負を諦めてしまっていたと言われても
言い訳は出来ないと思います。

そしてこの試合の勝負を諦めると言う事は
PL制覇も諦めると言う事を
本当に理解していたのかどうか?
正直疑問です。

試合はこのまま0−2で敗戦。


残念ながら昨シーズンと全く変わっていません。

「昨シーズンの経験」とよく口に出していますが
全くその経験を活かせていないと思います。
それどころか昨シーズンと同じ過ちを繰り返そうとしています。

この試合が始まる時点で
アーセナルがPL制覇する為の条件は簡単なものでした。
「残りの試合に全て勝つ」
たったそれだけで
悲願のPL制覇を達成する事が出来ました。

その様な明確な目標が存在しているにも関わらず
勝利の為に全身全霊を持って
全てを出し尽くして戦ったと言える試合だったでしょうか?

確かに決定力のあるストライカーがいれば
前半の間に2、3点取って
試合は終わらせていたかもしれません。

しかしそれだけの問題ではないと思います。

アーセナルはシティの様に
規格外のワールドクラスの選手を擁し
圧倒的な戦力を誇示している様なチームではありません。

語弊を恐れず言うのならば
普通にやっていれば試合に勝てる様なチームではなく
勝利の為に常に全力で戦い続けて
初めて試合に勝ち続ける事が出来るチームだと思います。

それだけに全ての選手が一丸となり
勝利を目指して戦う姿勢が必要だったと思います。

にも関わらず、ゴール前で中途半端な対応をしてしまい、
肝心な所でボールウォッチャーになってしまい、
体を挺して止める覚悟を示す事が出来ず、
途中で諦めて全力で戻ろうとしない。

そこには勝利を求め、
全身から溢れる様な闘志で戦う姿を感じる事を
私には出来ませんでした。

勿論、早い段階でコンディションに問題がある
8ウーデゴールや4ホワイトを下げた様に
次のCLバイエルン戦で120分戦う事を考慮していた部分も
少なからずあったと思います。
確かにそれはそれで仕方がない事だと思いますし
本来ならばその様な苦しい台所事情を
交代で入ってきた選手達が
カバーしなければならなかったと思いますが
この試合では交代で入ってきた選手達が
ことごとく機能せずに
最後まで流れを変える事が出来なかったのは
予想外だったのかもしれません。

しかしそれは言い訳でしかないと思います。

シーズン終盤のタイトなスケジュールを考えれば
心身共に疲弊し半端ないプレッシャーが
選手達にはかかっていると思います。

しかし、火曜日にCLバイエルン戦を戦ったアーセナルに対して
木曜日にECLリール戦を戦ったアストン・ヴィラ、
コンディション的には
アーセナルの方が有利な状況でしたので
コンディションを言い訳にする事は出来ないと思います。

そしてPL優勝を目指して勝利が必要だったアーセナルと
CL出場権を目指して勝利が必要だったアストン・ヴィラ
どちらの方が強く勝利を求めて戦い
どちらが勝利を掴み取ったのか?
少なくとも勝利を求めた気持ちは
ヴィラの方が優っていたのは間違いないと思います。

昨シーズンの辛い経験は一体なんだったのか?

シーズン終盤のこの厳しい時期に
心身共に降りかかってくる
特大のプレッシャーに打ち勝つだけの
強い意志を観せるはずではなかったのか?

しかしそのプレッシャーにまた屈しようとしているのは
非常に残念でした。


これで遂にシティに首位に立たれてしまいました。
それは三つ巴の優勝争いをしている中で
最も危惧していた状況です。

昨シーズンもそうでしたが
心身ともに最もプレッシャーがかかる
シーズン終盤でも勝ち続ける事が出来るのがシティですので
一度首位に立てば残りの試合全て勝って
そのまま優勝してしまってもおかしくないと思います。

この敗戦がPL優勝争いの終焉を意味する事にならない事を
今は祈るだけです。

そしてそうならない為には
次のCLバイエルン戦で勝利して
再び流れを引き戻すしかないと思います。

仮にそうする事が出来なければ
今シーズンが終わってしまうくらいの覚悟を持って
CLバイエルン戦に挑み、
そして勝利を掴んで欲しいと思います。


C'mon Arsenal !!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

2サリバ       PL:2G1A
4ホワイト      PL:2G4A CL:0G1A
6ガブリエウ     PL:4G0A
7サカ        PL:14G8A CL:4G4A CS:0G1A
8ウーデゴール    PL:7G6A CL:2G0A CC:1G0A
9ジェズス      PL:4G3A CL:4G3A
10スミス・ロウ    PL:0G1A
11マルティネッリ   PL:6G4A CL:2G1A
14エンケティア    PL:5G2A CL:1G0A CC:0G1A
15キヴィオル     PL:1G3A
18冨安        PL:1G1A CL:0G2A
19トロサール     PL:8G1A CL:3G1A CS:1G0A
20ジョルジーニョ   PL:0G2A CL:1G0A
21ヴィエイラ     PL:1G2A CL:0G0A CC:0G1A
24ネルソン      PL:0G0A CL:0G2A CC:1G0A
29ハヴァーツ     PL:9G5A CL:1G0A
35ジンチェンコ    PL:1G2A
41ライス       PL:6G6A CL:0G1A


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CL QF 1st:ARSENAL vs Bayern Munich [Arsenal マッチリポート]

ARSENAL 2−2 Bayern Munich
2024年4月9日(火)UEFA Champions League Quarter-final 1st, Emirates Stadium

Goal

 (12)7Saka(←4White)
 (18)Gnabry
 (32)Kane(pk)
 (76)19Trossard(←9Jesus)

22Raya

4White  2Saliba  6Gabriel  15Kiwior

20Jorginho

8Ødegaard    41Rice 

 7Saka             11Martinelli

29Havertz



(46)15Kiwior>>>35Zinchenko
(66)11Martinelli>>>19Trossard
(66)20Jorginho>>>9Jesus
(86)29Havertz>>>5Thomas


Substitutes
 1Ramsdale
 31Hein
 18Tomiyasu
 25Elneny
 21Vieira
 10Smith Rowe
 24Nelson
 14Nketiah
 

Arsenal 1.jpgエミレーツにバイエルンを迎えて行われた
CL準々決勝1stレグは
ミスからの失点が響き
2−2のドローで終わりました。

先発は左SBには15キヴィオルが入り
怪我で先発から外れていた
11マルティネッリが左サイドに復帰した以外は
ブライトン戦と同じメンバーが組まれました。

試合は開始直後こそ
ボールが落ち着かない展開でしたが
徐々にアーセナルがペースを掴み始め
バイエルンゴールに迫り始めました。

6分過ぎ、ノイアーからのリスタートを受けた
ダイアーがデービスに出したパスを
7サカがカットし
その7サカからのパスを受けた29ハヴァーツから
8ウーデゴール〜11マルティネッリと繋いだ所で
その11マルティネッリがペナルティの外側から
左脚を振り抜きました。
そのシュートは枠を捉えられませんでしたが
しっかりとパスを繋いで
シュートまで持っていく事が出来た場面でした。

そして早い時間帯に先制ゴールを奪う事に成功しました。

12分、8ウーデゴールが送った
右サイドの裏のスペースへのパスを受けた7サカが
デービスをかわそうとした時にこぼれたボールを
29ハヴァーツが収めて4ホワイトに繋ぎ
その4ホワイトからのパスを受けて
ペナルティの中に切り込んで行った7サカが
左脚を振り抜きゴール!!

7サカの左脚のシュートは
流石としか言いようがありませんが
それと共にここ最近の29ハヴァーツは
右サイドに流れてくる事が多いと思いますが
その動きは良いアクセントになっている様に感じます。

勿論、偽SBとしてプレーする35ジンチェンコを
起用していない関係で
8ウーデゴールが頻回に3列目まで下がってくる事が多く、
その関係で29ハヴァーツが右サイドに流れてきて
7サカや4ホワイトとトライアングルを築く役割が
与えられているのだと思いますが
その29ハヴァーツが右サイドに流れてきても
渋滞を起こす事なく
7サカや4ホワイトと絶妙な距離感を築けている事で
新たなコンビネーションが生まれ始めている所は
シーズン終盤に向けて
大きな力になりそうに感じます。

その直後にも決定機を作る事に成功しました。

15分過ぎ、4ホワイトの動きに合わせて
8ウーデゴールから送られたDFラインの裏へのフィードは
グナブリにヘッドでクリアされてしまいましたが
そのクリアボールに対して29ハヴァーツがダイレクトで繋ぎ
そのパスを受けた4ホワイトが
ペナルティの中から右脚を振り抜きましたが
そのシュートはノイアーの正面で
残念ながらゴールを奪う事は出来ず。

試合後アルテタ監督もコメントしていましたが
この場面でゴールを奪えていたら
この後の試合の流れは一方的になっていた可能性があるほど
この辺りの時間帯はバイエルンを圧倒していましたので
ここで決められなかったのは
一つのターニングポイントになってしまったと思います。

そしてこの良い流れをミスで
自ら手放してしまったのは残念でした。

17分、自陣深い位置からムシアラが蹴り出した
クリアボールに対して
前に出て対応しようとした22ラヤを制して
戻ってきた6ガブリエウが対応しましたが
背後からケインが付いてきていた事もあり
6ガブリエウはそのまま左サイドに流れながら
前方の15キヴィオルに向かってパスが送られました。
しかしそのパスがそれてしまった事で
サネに奪われてしまい
そのサネから後方から走り込んできた
ゴレツカに向けてスルーパスが送られ
そのスルーパスを受けたゴレツカから送られたラストパスを
ゴール前に走り込んできたグナブリに
流し込まれてしまい失点。

ムシアラのクリアは苦し紛れに蹴り出した様な
全く意味のないクリアボールでしたので
そのクリアボールが失点に繋がってしまったのは
大きなミスと言わざる得ないと思います。

特にそのクリアボールに対処する為に
前に出てこようとしていた22ラヤを
6ガブリエウが制したのは間違いではありませんが
背後からケインが付いてきていたとは言え
十分に距離がありましたので
左サイドに流れて無理な体勢から
無理やり繋ごうとしてしまったのは
冷静さを欠いていたと言われても
言い訳は出来ないと思います。

もっと言えばバイエルンは
ケインしか追ってきていなかったのに対して
アーセナルは22ラヤと2サリバが
完全にフリーの状態でいましたので
難しい事しようとせずに
シンプルに22ラヤに戻すべきだったと思いますし
仮にその22ラヤに対してケインが
プレスを仕掛けたとしても
そのまま2サリバに繋げれば
全く危険な状況にはならなかったはずですので
ここでの6ガブリエウの判断ミスは非常に大きく
単純に失点しただけではなく
この時間帯のバイエルンを圧倒していた雰囲気も
手放してしまう結果になってしまったと思います。

その後は両チーム共に決定機を作る事が出来ないまま
時間が進みましたが
再びミス絡みから失点してしまいました。

29分過ぎ、バイエルンがバックラインで
ボールを回している時に
デ・リフトがルーズに前方に蹴り出しました。
そのボールを左のライン際で受けたサネに対して
背後から捕まえに行った15キヴィオルが
反転されてあっさりとかわされてしまい
そのままドリブルで侵入してきたサネに対して
20ジョルジーニョ、6ガブリエウと立て続けに捕まえる事が出来ず
最後は止めに行った2サリバがサネを倒してしまいPK献上。

32分、そのPKをケインに決められてしまい失点。

結果的に20ジョルジーニョがスライディングタックルで
ちょっとボールを触った事で
6ガブリエウがアタックするタイミングを逸してしまい
タックルに行けなかったと言う不運はありましたが
何はともあれ最初の段階の15キヴィオルの対応は
軽すぎると言われても仕方がないほど
お粗末な対応だったと思います。

同時にこのPKの場面での22ラヤも
疑問符がつきます。
勿論、駆け引きの一環だったと思いますが
それにしてもあれ程早く動いてしまったら
ケインクラスのストライカーでなくても
逆側に決めるのはそれほど難しくないと思います。

ここから一点リードしたバイエルンは
CLラウンド16で
ポルトがアーセナルに対して仕掛けた様な
アーセナルのバックラインインには
激しくアタックせずに
中央に人数を割いて中央のスペースを埋める様な
非常にタイトなブロックを築くスタイルに変更してきた事で
アーセナルは攻め倦む時間帯が多くなり
同時にそこから仕掛けられるカウンターで
アーセナルゴールを脅かされる場面もありました。

34分過ぎ、アーセナルのFKからの流れで
ライマー〜ムシアラと繋げられた所から
裏のスペースに出されたボールで
サネに抜け出されてしまいました。

幸い全速力で戻ってきた4ホワイトが
ペナルティ内で仕掛けたタックルでボールをカットして
このカウンターを止めましたが
ここでゴールを奪われていたら
昔の悪夢がまた蘇る所だったと思います。

結局前半はそのまま攻め倦んだままだった事もあり
アルテタ監督は後半頭から15キヴィオルに代えて
35ジンチェンコを投入して
状況の打開を図ってきました。

しかしそれでもバイエルンのブロックは固く
何度かミドルシュートを撃つ場面はありましたが
良い位置でシュートを撃つチャンスを作る事が出来ず
本当に動き出したのは
9ジェズスと19トロサールが投入されてからだったと思います。

特に9ジェズスは中盤から最前線まで
広い範囲動きながらボールに絡み
同時に自らでボールを動かす事も出来る為に
ここまで強固だったバイエルンのブロックに
少しずつ歪みを生じさせる事が出来、
そこを攻撃の足掛かりにする場面が何度かありました。

66分過ぎ、2サリバからの縦パスを
下がってきた9ジェズスがダイレクトで
35ジンチェンコに繋ぎ
その35ジェンチェンコから
8ウーデゴール〜7サカへと右サイドに展開した所から送られた
裏へのスルーパスで9ジェズスが飛び出しました。
残念ながらそこからは中に入って行けませんでしたが
ボールをキープしながらパスコースを見出した
9ジェズスが送ったラストパスを
41ライスがダイレクトで右脚を振り抜きました。

そのシュートもブロックされてしまい
ゴールを奪う事は出来ませんでしたが
9ジェズスが入った事で
相手のブロックのギャップを上手く突く様になったと思います。

そしてその9ジェズスの仕掛けから
同点ゴールが生まれました。

76分、バイエルンの右サイドからの
スローインのルーズボールを
19トロサール〜7サカ〜9ジェズスと繋ぎ
その9ジェズスがペナルティ内を
ドリブルで切り込んで行った所から送ったラストパスを
19トロサールが丁寧に右脚を振り抜きゴール!!

ドリブルで切り込んで行った9ジェズスが
デ・リフト、ダイアー、ゴレツカを一人で引き付けた事で
19トロサールはフリーの状態で
シュートを撃つ事が出来た様に
完璧な仕掛けだったと思います。

その後は中々決定機を作れませんでしたが
試合終盤に両チームに決定機が訪れました。

89分過ぎ、ダイアーのフィードに対して
5トーマスがヘッドでクリアーしきれなかったルーズボールを
ケインにヘッドでムシアラに繋げられてしまい
そのムシアラから送られた4ホワイトの股を抜くグラウンダーのクロスを
ニアに入ってきたコマンに合わされてしまいました。

幸いコマンのシュートは
ポストを叩き救われましたが
ここでも非常にルーズな守備が
顔を出してしまったのは残念でした。

そもそもダイアーのフィードに対応した
5トーマスが前方にヘッドで返す事が出来ず
頭上に跳ね上がらせてしまったのが始まりであり、
その跳ね上がったボールに対して
2サリバと6ガブリエウの二人で
競りに行ってしまった為に
お互い中途半端な対応になってしまい
結果として楽々とケインにヘッドで繋がれてしまいました。

そして4ホワイトが簡単に股を抜かれてしまったのも
良い対応とは言えず、
ニアに走り込んできたコマンに対しては
35ジンチェンコは認識していましたが
その前にいた6ガブリエウは認識していなかった為に
あっさりと前に入られてしまったのも
ゆる過ぎたと思います。

そして最後はこの場面でも22ラヤは再び股を抜かれてしまいました。

1失点目の場面でもそうでしたが
この様な至近距離からのシュートに対して
22ラヤは明らかに腰が高く
それにより股の間が大きく空いている状態で対応していたのは
非常に気になります。

この腰高の状態は元々なのか?
それともたまたまなのか?は
今シーズンはこの様な至近距離からシュートを撃たれる場面が
少なかったのではっきりしませんが
少なくともこの試合の2つの場面の様に
あれだけ腰が高ければその間を射抜くのは
決して難しくないと思います。

そして最後はアーセナルに決定機が訪れました。

94分過ぎ、5トーマスから送られたスルーパスで
DFラインの裏に飛び出した7サカが
前に出てきたノイアーと交錯しましたが
判定はノーファール。

この場面の交錯がファールに値するかどうかは
意見が分かれましたが
個人的にはファールを取らなかった主審を支持します。

それは試合後にイアン・ライトがコメントしていたのが
全てだと私も思います。

この場面で裏に飛び出した7サカは
前に出てきたノイアーをかわそうと
左足のアウトサイドでボールを左側に切り返した時に
7サカの右足が足を伸ばしてきたノイアーの
右脚と当たり転倒しましたが
仮に本当に切り返してかわそうとしていたのならば
7サカの体は左に向かって反転し始めているはずですので
7サカの右足はボールの方向に向かって
動いていたはずです。

しかしこの場面での7サカの右足は
ボールの方向ではなく
あたかもノイアーの方に向かって行く様に
ボールよりも前方に向かっていましたので
これは相手をかわそうとして
切り返した時の足の軌道ではないのは明白であり
最初からファールをもらう事を前提としていたのは
間違いないと思います。

勿論、ファールをもらいに行く事は
戦術の一つだと思いますので
全てを否定はしません。

しかし7サカが左足のアウトサイドで鋭く切り返した状況を観れば
そのまま前に出てきたノイアーをかわして
左脚を振り抜く事が出来るだけの余裕があったのは
言うまでもないと思います。

この重要な一戦の勝敗を
自らの左脚で決する事が出来るチャンスが
巡ってきたのにも関わらず
自らの左脚でバイエルンの息の根を止めに行かなかったのは
ただただ残念です。

アーセナルのエースならば
試合の勝敗を決する重責を自ら背負い
その重責に押しつぶされる事なく
エースとしてチームを勝利に導く役割を
しっかりと果たして欲しかったと強く思います。

反対に言えば意識的なのか無意識的なのかは別として
結果的にファールをもらいにいったと言う事は
その重責から意識的に無意識的に
逃げたと言われても否定は出来ないと思います。

もっと言えばその重責から逃げる選手が
エースとして相応しいのか?
重責から逃げる選手がエースを務めているチームに
勝利の女神は微笑むのか?
結果は明らかだと思います。

それだけにこの試合の最大の勝負所で
真正面から立ち向かわなかった
7サカは残念でした。

試合はこのまま2−2のドローで終わりました。

試合内容的には互角以上の試合だったと思います。
特に失点するまでは
このまま圧倒するのではないかと感じさせるほど
良い内容だったと思います。

しかし、CLと言う最大の大会を勝ち抜くには
アーセナルはまだ甘いと言わざる得ないと思います。

この試合では普段犯さない様なミスを犯してしまい
そのミスが悉く失点や決定機に繋がってしまいました。

PLならばミスを犯しても
それをリカバリー出来るほど
個々の選手のパフォーマンスは際立ち
組織としても成熟していきていると思いますが
CLベスト8に進出する様なチームを相手にした時には
この試合の様に一つのミスがゴールに直結し
そのゴールが試合の勝敗を左右してしまいます。

その辺りのメンタル面の足りなさを
感じずにはいられませんでした。

CLと言うヨーロッパ最大の大会での
半端ないプレッシャーに平常心を保てずに
普段犯さない様なミスを犯してしまった事からも
現時点ではCLと言うプレッシャーの下では
ベストパフォーマンスを発揮出来ないでいます。

この辺りのメンタル面での成熟度を上げていくには
勝利を積み重ねていくしかありませんが
7シーズンぶりにCL出場を果たした
現在のアーセナルには
CLでの絶対的な経験値が
足りていないのも事実だと思います。

しかしこれまでも何度となく失意のどん底に落とされた所から
這い上がってきた様に
ここで立ち止まる程今のアーセナルはヤワではないと思います。

CLを恐れる必要も
バイエルンを恐れる必要もないと思います。

なぜならば我々は現ヨーロッパチャンピオンのシティに
PLでは勝ち越している事実が物語っている様に
この試合位以上に痺れる試合を
今シーズンはしてきています。

後は、自分たちを信じる事が出来るかどうかだと思います。
信じる事さえできれば
更にその先の風景を見る事が必ず出来ると思います。


C'mon Arsenal !!


追伸、この試合ではもう一つ物議を催した場面がありました。

66分過ぎ、ゴールキックからのリスタートの場面で
22ラヤが下に置いたボールを
足で6ガブリエウに送り
そのボールを6ガブリエウが手でセットし直してから
リスタートした場面がありました。

アーセナルのゴールキックのパターンとしては
最初に22ラヤがボールを持ち、
そこから6ガブリエウにボール渡してから
6ガブリエウがリスタートすると言う形を
よく使いますので
本人達としてはそれを行ったつもりだったと思います。
しかし唯一の違いはいつもはボールを手で渡す所を
この場面では足でボールを蹴ってしまった所です。

今回の様にゴールキックからリスタートする場面で
一度地面に置いたボールを足で動かしたのならば
それはリスタートしたと捉えるのが本来だと思いますの
普通ならば6ガブリエウがハンドを取られても
おかしくはなかったと思います。

その一方で22ラヤが本当にリスタートしていたのならば
ボールを蹴った後に必ず右サイドに動き始めているはずですが
この場面での22ラヤは脱力したままの状態で
その場に立っていましたので
リスタートしたつもりはなく
ボールを渡す時に間違って蹴って渡してしまったと思われます。

その辺りの状況を汲み取ってなのか
何のお咎めなく
そのまま6ガブリエウからのリスタートを
許してくれたのは
本当にラッキーだったと思いますが
本当ならば6ガブリエウのハンドを取られても
おかしくない場面でしたので
この辺りを考えてもCLのプレッシャーに
平常心を失っていたと言えると思います。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

2サリバ       PL:2G1A
4ホワイト      PL:2G4A CL:0G1A
6ガブリエウ     PL:4G0A
7サカ        PL:14G8A CL:4G4A CS:0G1A
8ウーデゴール    PL:7G6A CL:2G0A CC:1G0A
9ジェズス      PL:4G3A CL:4G3A
10スミス・ロウ    PL:0G1A
11マルティネッリ   PL:6G4A CL:2G1A
14エンケティア    PL:5G2A CL:1G0A CC:0G1A
15キヴィオル     PL:1G3A
18冨安        PL:1G1A CL:0G2A
19トロサール     PL:8G1A CL:3G1A CS:1G0A
20ジョルジーニョ   PL:0G2A CL:1G0A
21ヴィエイラ     PL:1G2A CL:0G0A CC:0G1A
24ネルソン      PL:0G0A CL:0G2A CC:1G0A
29ハヴァーツ     PL:9G5A CL:1G0A
35ジンチェンコ    PL:1G2A
41ライス       PL:6G6A CL:0G1A


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PL32:Brighton vs ARSENAL [Arsenal マッチリポート]

Brighton 0−3 ARSENAL
2024年4月6日(土)Premier League, The American Express Community Stadium

Goal

 (33)7Saka(pk)
 (62)29Havertz(←20Jorginho)
 (86)19Trossard(←29Havertz)

22Raya

 4White  2Saliba  6Gabriel  35Zinchenko

20Jorginho

8Ødegaard    41Rice 

7Saka                9Jesus

29Havertz



(64)9Jesus>>>19Trossard
(64)7Saka>>>11Martinelli
(72)35Zinchenko>>>18Tomiyasu
(89)8Ødegaard>>>21Vieira
(89)29Havertz>>>14Nketiah


Substitutes
 1Ramsdale
 15Kiwior
 5Thomas
 10Smith Rowe
 

Arsenal 1.jpgPLでは第3節のウエスト・ハム戦以来
ホームで敗れていなかった
ブライトンのホームに乗り込んでの1戦も
危なげなく圧倒して
勝利を収めました。

先発はターンオーバーを敢行したルートン戦から
中盤を20ジョルジーニョ、8ウーデゴール、
41ライスのトリオに戻し、
怪我で欠場していた7サカが
右サイドに復帰しました。
そして左サイドには9ジェズスを、
1トップには29ハヴァーツを配置した
4−3−3が組まれました。

試合は両チームともに試合開始から
積極的にゴールに迫る展開になりました。

29ハヴァーツがファンヘッケに倒されて
左サイドからのFKを得た1分過ぎの場面、
8ウーデゴールが蹴ったそのFKに対して
飛び込んだ6ガブリエウがヘッドで合わせましたが
僅かにポストの外側でゴールを奪う事は出来ず。

フェルブルッヘンからパスを受けたグロスが
ファンヘッケ〜ランプティと繋ぎ、
そのランプティがモデルとのワンツーで
9ジェズスをかわし、
今度はランプティ〜アディングラ〜ランプティと繋いで
35ジンチェンコもかわされてしまい
一気に左サイドを突破されてしまった8分過ぎの場面、
そのランプティからの折り返しに対して
右脚を振り抜いたエンシソのシュートが
枠を捉えなかったので良かったですが
ランプティがモデルとのワンツーで9ジェズスはかわされ
同時にそのモデルに付いていた
6ガブリエウがブライトン陣内に釣り出されてしまっていた状況で
35ジンチェンコがランプティを抑えに前に出てしまった対応は
非常によろしくなかったと思います。

この場面では35ジンチェンコの背後には
カバーする選手が誰もいませんでしたので
前に出ずに裏を取られない事だけを最優先して
距離を保ちながら下がって
守備陣形が整うまで時間を稼ぐべきだったと思います。
にも関わらず抑える事がほぼ不可能な状況で
前に出てしまったのはなぜか?
自分の背後に誰もいない事を把握していなかったとしか思えず
このレベルの試合では絶対に行ってはいけない
ミスだったと思います。

ファンヘッケからの縦パスを受けた
ウェルベックが繋いだボールを
モデルにミドルシュートを撃たれてしまった9分過ぎの場面、
そのシュートは枠を捉えず救われましたが
20ジョルジーニョと41ライスの間に出来ていた
ギャップに入ってきた23ウェルベックを失認していた
非常に危ない場面でした。

20ジョルジーニョからのパスを
右ライン側で受けた4ホワイトが送ったスルーパスで
7サカが抜け出した11分過ぎの場面、
その7サカはカットインした所から左脚を振り抜きましたが
わずかにポストの外側で惜しくもゴールを奪う事は出来ず。

4ホワイト〜8ウーデゴール〜7サカと繋いだ所から
9ジェズスに向けて折り返された12分過ぎの場面、
その折り返しに対して9ジェズスが
ダイレクトで右脚を振り抜きましたが
そのシュートはフェルブルッヘンのファインセーブで防がれてしまい
惜しくもゴールを奪う事が出来ず。

20ジョルジーニョから送られた裏のスペースのパスを受けた
29ハヴァーツがファーサイドに走り込んできた
9ジェズスに向けてクロスが送られた
14分過ぎの場面、
ファーサイドに流し込むように合わせたヘッドは
残念ながら枠を捉えられませんでしたが
9ジェズスの動きを見逃さなかった
29ハヴァーツの丁寧に送ったクロスは
非常に良かったと思います。

序盤から何度かブライトンゴールに迫りながらも
ゴールは奪う事が出来ませんでしたが
9ジェズスの仕掛けからPKを獲得しました。

30分過ぎ、6ガブリエウから送った
左サイドへのフィードを受けた9ジェズスが
ドリブルで切り込んでいった所で
ランプティに倒されてPK獲得。

33分、そのPKを7サカが冷静に決め先制ゴール!!

その後も何度かブライトンゴールに迫りました。

2サリバから送られた右サイドの裏へのフィードを
ゴールラインを割る寸前に4ホワイトが折り返した
37分過ぎの場面、
その折り返しに対してニアに飛び込んできた
29ハヴァーツが合わせる前に
クリアーされてしまいましたが
諦めずに全力でボールを追い
しかも正確なクロスを折り返した
4ホワイトの気持ちの強さが出た場面だったと思います。

一方でゴールに迫られる場面もありました。

42分過ぎ、ファンヘッケからのサイドチェンジのパスの
こぼれ球を受けたエンシソに
カットインした所から右脚を振り抜かれてしまいました。
ゴール左上の角を狙われたそのシュートは
22ラヤのファインセーブで防ぎましたが
左にステップを踏んでから飛んで
ギリギリセーブした様に
もう少し速いシュートで正確に左上の角を狙われたら
厳しかったかもしれません。

そして前半アディショナルタイムにも
良い仕掛けからブライトンゴールに迫る場面がありました。

48分過ぎ、エンシソのクロスをカットした2サリバが
ペナルティ内でスラディングタックルを仕掛けてきた
モデルをかわして20ジョルジーニョ〜7サカと繋いで回避し
その7サカから8ウーデゴール〜20ジョルジーニョ〜
9ジェズスと繋いだ所からカウンターが発動しました。
その9ジェズスからのパスを受けた
8ウーデゴールが送ったスルーパスで
右サイドの裏に29ハヴァーツが抜け出し
そこからゴール前に飛び込んできた41ライスにむけて
折り返しが送られましたが
残念ながらその折り返しはクリアーされてしまい通らず。

とは言え、自陣深い位置でのブライトンのプレスを回避した所から
一気にブライトンゴールに迫った鋭いクロスでした。

50分過ぎ、41ライスのスルーパスで
ポケットの位置にまで侵入した7サカから
鋭いグラウンダーのクロスが送られました。
残念ながら脚を伸ばしたフェルブルッヘンにクリアーされてしまい
シュートに繋がりませんでしたが
抜けていたらその後ろには29ハヴァーツがいただけに
惜しい場面でした。

両チーム共に攻撃的なチームなだけに
攻守の入れ替わりが激しく
積極的にゴールに迫る場面が多い前半だったと思います。
そして後半もその流れは続き
後半開始直後にブライトンにファーストシュートを
撃たれてしまいました。

後半開始直後、20ジョルジーニョに向かって出された
9ジェズスのパスがズレた所をエンシソに奪われ
そのまま持ち込まれてシュートを撃たれてしまいました。
そのシュートは2サリバの足に当たり
少しコースは変わりましたが
22ラヤの正面でゴールを奪われる事はありませんでしたが
前半の開始直後もそうでしたが
普段の試合よりも微妙にパスがズレる場面が多かったのは
気になる所でした。

その後はブライトンゴールに迫る場面が続きました。

2サリバからのパスを受けた
右サイドのライン際に開いていた29ハヴァーツが
そのまま深い位置にまで持ち込んだ所から
右脚でクロスを上げた47分過ぎの場面、
そのクロスに対してファーサイドから走り込んできた9ジェズスが
ランプティの頭上から打点の高いヘッドで合わせましたが
枠の外で惜しくもゴールを奪う事が出来ず。

20ジョルジーニョからダイレクトに送られた
縦パスを受けた29ハヴァーツが
右サイドに侵入した所から
8ウーデゴールにパスが送られた53分過ぎの場面、
そのパスを受けた8ウーデゴールの右脚から放たれたシュートは
フェルブルッヘンに阻まれゴールを奪う事が出来ませんでしたが
これまでの8ウーデゴールは基本的には
左脚でシュートを撃つ事を優先する傾向がありましたが
この場面ではあえて右脚に持ち替えてシュートを撃ち
しかもそのシュートはインパクトがしっかりとした
鋭いシュートを放った様に
8ウーデゴールの右脚の確実に良くなっている様に感じます。

8ウーデゴールはどちらかと言うと
天才肌の選手の様に思われていますが
決して才能だけでプレーしている選手ではなく
自らの才能に溺れる事なく
自らの能力に天井を設定せずに
更なる高みを目指して努力を惜しまないからこそ
今の8ウーデゴールが存在しているのだと思います。

そして日々成長を続け
新たな能力を身に付けて向上していく
8ウーデゴールの姿と
今のアーセナルが向上してきている姿が被る様に
今更ながら8ウーデゴールがキャプテンに任命された事は
間違いではなかったとまざまざと思います。

7サカ〜8ウーデゴール〜7サカ〜35ジンチェンコと
右サイドからのショートコーナーから繋いだ
53分過ぎの場面、
その35ジンチェンコから送られた
裏へのパスで抜け出した7サカが
中に折り返しましたがブロックされて通らず。
そしてそのこぼれ球に対しても9ジェズスが反転して
左脚を振り抜きましたが
そのシュートもブロックされてしまい
ゴールを奪う事は出来ず。

そしてついに追加点が生まれました。

62分、エンシソからウェルベックへのパスがそれた所を
カットした20ジョルジーニョが
そのまま最前線にまで上がって行った動きに合わせて
8ウーデゴールからスルーパスが送られ
その20ジョルジーニョがポケットの位置にまで侵入した所から
丁寧に折り返したボールを
ニアに走り込んできた29ハヴァーツが合わせてゴール!!

ブライトンのミスパスから始まりましたが
その流れに乗ってポケットの位置にまで侵入していった
20ジョルジーニョのフリーランニングが
このゴールの全てだったと思います。

その後もブライトンゴールに迫りました。

22ラヤからのスローイングのパスを受けた
35ジンチェンコから送られたパスで
19トロサールが左サイドの裏に抜け出した
70分過ぎの場面、
そのままドリブルで侵入した所から
右脚を振り抜きましたが
そのシュートはフェルブルッヘンのファインセーブで阻まれ
ゴールを奪う事は出来ず。

41ライスが蹴った左CKに対して
ファーサイドから入ってきた6ガブリエウが
ヘッドで合わせた70分過ぎの場面、
そのヘッドはオフサイドエリアにいた
29ハヴァーツに当たってしまい
ゴールを奪う事が出来ず。

そして試合を決める3点目が決まりました。

86分、ダンクからのパスを受けたグロスに対して
19トロサールが仕掛けた激しいプレスでボールがこぼれ
そのこぼれ球を収めた29ハヴァーツがダイレクトで送った
前方へのスペースのパスで19トロサールが抜け出しました。
そしてそのままドリブルでペナルティ内にまで持ち込んだ
19トロサールは冷静にキックフェイントを一回挟んで
浮き球のシュートを放ちゴール!!

自らのプレスでボールを奪い返してから
一人で完結させた見事なカウンターでした。

試合終盤もブライトンゴールに迫る場面がありました。

87分過ぎ、19トロサールからのパスを受けた41ライスが
そのままドリブルで持ち上がり
ペナルティの外側から右脚を振り抜きましたが
そのシュートは相手の足に当たり枠をそれてしまい
ゴールを奪う事は出来ず。

89分過ぎ、41ライスが蹴った左CKを
ファーサイドから走り込んできた
6ガブリエウがヘッドで合わしましたが
そのシュートもフェルブルッヘンのファインセーブで阻まれ
ゴールを奪う事は出来ず。

試合はこのまま0−3で終わり
難敵のブライトンから勝ち点3を持ち帰りました。

まず、この試合で1ゴール1アシストを奪った
29ハヴァーツはこの試合で再び進化を観せたと思います。

シーズン前半は適応に苦しんでいた29ハヴァーツは
年を明ける頃にはチームのスタイルを理解し始め
それと共に結果もついてくる様になりましたが
それでも瞬間瞬間を切り取ると
ボールを持った後の判断が遅かったり
瞬間的なプレースピードが他の選手より遅い為に
流れを澱ませたり、チャンスを活かせない場面が
まだあったと思います。

しかしこの日の29ハヴァーツは
その瞬間瞬間での判断が速く的確になった印象で
言うなれば完全にイメージを共有した状態で
プレーしていた様に観えました。

その様な事もあり次のプレーに移る時に
1テンポずれる様な事がなくなり
スムーズに流れに乗ってプレー出来る様になった
印象を受けますが
反対に言えば流れに乗れているからか
これまで良くあったコンビネーション時の
パスが弱い様な場面が減り
結果としてパススピードも上がってきた事で
全体的なテンポが上がり、
流れはよりスムーズになったとも言えるかもしれません。

同時にチームに対する責任感も素晴らしく
7サカに向かって送られた
29ハヴァーツからのサイドチェンジのパスが
エストゥピニャンにカットされてしまった40分過ぎの場面では
そのままドリブルで駆け上がってきたエストゥピニャンを
自陣の深い位置にまで猛然と追っていったのが
29ハヴァーツでした。

勿論、パスがカットされてしまった29ハヴァーツが
責任を取ったと言えばそれまでですが
7サカは勿論の事、4ホワイトも高い位置にまで上がっていた為に
右サイドには大きな穴が空いていましたので
29ハヴァーツが猛然とプレスバックしなければ
かなり危険な場面になっていたと思います。

この様なチームの一員としてするべき事だけに限らず
その場その場で出来る事を全力で行う29ハヴァーツの姿勢は
非常に好感が持てます。

この試合でのプレースピードと状況判断が上がり始めた状況から
ゴールのみならず2試合連続アシストを挙げた様に
本来の攻撃的MFとし最も得意としていたはずの
アシスト数も今後増えてくるかもしれません。

そして持っている能力の全てが解放されれば
最も重要なこれからのシーズン終盤に大きな力となり
チームを勝利に導いてくれる
切り札になってくれるかもしれません。

そして後半アディショナルタイムのこの場面は
今のアーセナルの強さを象徴していたと思います。

90分過ぎ、ブライトンの右サイドからのCKの流れから
エストゥピニャンが入れたクロスが流れたボールを
ペナルティ内でジョアン・ペドロが受け
そこから右脚を振り抜かれてしまいましたが
そのシュートは6ガブリエウが身を呈してブロックして
ゴールを死守しました。

このシュートをブロックした6ガブリエウは高々と吠え
その6ガブリエウを称える様にみんなが集まってきたこの場面は
非常に印象的だったと思います。

仮にここでゴールを奪われたとしても
試合の勝敗には関係ない場面だったと思いますが
6ガブリエウや他の選手の姿を観ますと
どの様な状況であっても一つのゴールも許さないと言う
強い決意が観て取れたと思います。

勿論、守備だけに限らず攻撃陣も
試合の笛が鳴るまではどの様な状況でも
全力でゴールを奪いに行く様に
今のチームはピッチの中では一瞬たりとも
戦う姿勢を崩さないと言うスタンスが
チーム全員に徹底されていると思います。

一つのゴールも許さずに
ゴールを奪い続ける。

これが試合に勝つ為の最も根幹にある物だと思いますが
シンプルにそれが出来ている今のアーセナルは
「強い」
と言う言葉でしか表せられないと思います。

次は、CLバイエルン戦です。

これまでのバイエルンは大きな壁となり
アーセナルはその壁に何度となく跳ね返されてきましたが
もうその時とは時代が変わっています。

新たな黄金期に向かって日々成長し続けている
今のアーセナルには
まだ限界と言う物は存在していないと思いますので
バイエルンを倒し新たな時代に向けての
狼煙を挙げて欲しいと思います。


C'mon Arsenal !!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

2サリバ       PL:2G1A
4ホワイト      PL:2G4A
6ガブリエウ     PL:4G0A
7サカ        PL:14G8A CL:3G4A CS:0G1A
8ウーデゴール    PL:7G6A CL:2G0A CC:1G0A
9ジェズス      PL:4G3A CL:4G2A
10スミス・ロウ    PL:0G1A
11マルティネッリ   PL:6G4A CL:2G1A
14エンケティア    PL:5G2A CL:1G0A CC:0G1A
15キヴィオル     PL:1G3A
18冨安        PL:1G1A CL:0G2A
19トロサール     PL:8G1A CL:2G1A CS:1G0A
20ジョルジーニョ   PL:0G2A CL:1G0A
21ヴィエイラ     PL:1G2A CL:0G0A CC:0G1A
24ネルソン      PL:0G0A CL:0G2A CC:1G0A
29ハヴァーツ     PL:9G5A CL:1G0A
35ジンチェンコ    PL:1G2A
41ライス       PL:6G6A CL:0G1A


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