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冬の移籍期間に向けて2023/24、その1−1 [Arsenal F.C.]

冬の移籍期間に向けて2023/24、その1−1

Arsenal 1.jpg昨シーズンはシーズン終盤に失速し
マンチェスター・シティに
逆転優勝を許してしまった事もあり
この夏はこれまでにない
大型補強を敢行して
悲願のPL制覇の準備は整ったと思われましたが
シーズン序盤から怪我人が続出している事もあり
新たな選手を迎えたチームの
最適化が見出せない状態が続いています。

それでも13節終了時点で
9勝3分1敗の勝ち点30点で
シティを抑えて首位に立っていますので
上々の立ち上がりを観せていると思います。

とは言え、昨シーズンの様な
爆発力を観せる場面はまだ少なく
ベストな状態に至るまでには
まだ幾らか修正が必要な状況であり
この冬の移籍期間でチームに手を加えてくるかどうか
注目されます。

それではまず最初にこの夏に獲得した選手達に付いて
私見的に考えてみたいと思います。

では最初はチェルシーから獲得した
29ハヴァーツです。


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29カイ・ハヴァーツ(24歳)

クラブのオーナーが代わり
無計画とも思える様な選手獲得を繰り返した結果
この夏は膨れ上がったスカッドに対して
人員整理を行う必要性があったチェルシーは
それまでの主力選手であったとしても
惜しみなく移籍市場に出してきた関係で
29ハヴァーツを獲得する事に成功しました。

そのチェルシーでは近年は
CFで起用される事が多かった29ハヴァーツでしたが
アルテタ監督はこの夏にレヴァークーゼンに移籍した
ジャカの穴埋めとしてインサイドハーフで起用していますが
今の所はその期待に応えられていません。

ここまでの29ハヴァーツは
基本的にポジショニングが悪く
言うなれば今どこにいなければならないのか、
パスを出した後に次にどこに動くべきなのか、
と言うチーム戦術の基本となる動きを
全く理解していないままピッチに立っている様な印象で
完全に消えている試合が非常に多かったと思います。

同時にボールに触っても前を向く機会が少なく
周囲の選手とのプレービジョンの共有も
全くなされていない印象でした。

それどころか、パス一つを取ってみても
他の選手に比べてパススピードが明らかに遅くそして弱く、
その為に他の選手の動きに合わないのか
それとも根本的な精度の問題なのか
全く噛み合わないパスも多く観られます。

よって29ハヴァーツの所で
流れが澱んでしまう場面が多い為に
テンポの良いビルドアップが
出来なくなっていたのは勿論ですが
本来ならば29ハヴァーツの力が
最も発揮されるであろう
相手のアタッキングエリアに入ってからも
チャンスメイクの局面に絡む場面が少なく
そしてそのプレースピードが遅い為に
良い形で決定機が巡ってきても
その決定機を活かす事も出来ずに
潰してしまう場面も何度かあったと思います。

それに更に問題だったのが
シーズンが始まって既に3ヶ月経とうとしていても
一向に改善される兆候が観られない所だったと思います。

新しいチームに移り
これまでとはプレースピードも強度も
精度も別次元のプレーが要求されていますので
適応に苦しむのは仕方がない部分もあると思います。

実際、チェルシーの主力として活躍していた
ウィリアンが加入した時も
アーセナルのスタイルに全く適応出来ずに
去って行った事を考えますと
チェルシーで求められるプレーと
アーセナルで求められるプレーの間には
非常に大きな差があるのかもしれませんが
それでも30歳を超えて移籍してきたウィリアンとは異なり
24歳とまだ若い事を考えれば
適応に苦しんだのは予想外だったと思います。

その様な29ハヴァーツを
ここまでアルテタ監督は
根気強く起用し続けていますが
その理由は£6500万(推定)と言われる
高額投資をして獲得しただけではなく
アーセナルの攻撃的な選手の中に
上背が高い選手が不足していると言う
チーム事情もあると思います。

29ハヴァーツ以外の攻撃的な選手は
182cmの10スミス・ロウが最高で
それ以外の選手は皆180cm以下の選手しかいません。
その高さ不足の問題に対して
昨シーズンは186cmのジャカが
その高さ不足を補っていましたが
そのジャカも本来はCMFが本職の選手ですので
上背がある攻撃的なポジションが本職の選手を
前線に加えたいと考えるのは
普通の考えだと思います。

とは言え、29ハヴァーツは193cmと身長はありますが
元々ヘディングの技術が高い訳でもなければ
ポストプレーが上手い訳でもありませんので
ターゲットマン以上の役割を担う事も出来ていないと思いますので
非常に使いずらい選手になっていたと思います。

その様な状況の中で
PL13節ブレントフォード戦と
CLグループステージ第5節RCランス戦で
2試合連続ゴールを奪い
やっと結果を出し始めました。

この2試合で特に改善し始めていると感じた部分は
ポジショニングの部分であり
徐々に周囲の人とボールの動きに合わせて
スムーズに動く事が出来始めており
実際、いるべき時にそこにいる事が出来ていた事で
この2つのゴールを奪う事が出来たと言えると思います。

しかしまだスタートラインに立った様な状況だと思います。

例えばパスのスピード一つとっても
パスの受け手の動きに合わせて
タイミング良くパスを送る事は出来ても
パスの受け手の動きを更に加速させる様な
パスを出す事はいまだに出来ていません。

チェルシーではそれで良かったのかも知れませんが
流動的で連動的に動いて相手を崩すスタイルの
現在のアーセナルの攻撃スタイルでは
さらに一歩先の動きに合わせる様なパスが出せなければ
その中に完全に入る事は出来ないと思いますので
更なる成長と意識改革が必要だと思います。


ここまでずっと苦しんできた29ハヴァーツは
開幕から3ヶ月経ち
やっと適応の兆しを見せ始めたと思います。
しかし29ハヴァーツの後ろには
そのポジションを狙っている
10スミス・ロウや21ヴィエイラが控えています。

高さという付加価値はありますが
それだけでポジションが保証される訳ではありませんので
更なる適応が進まなければ
この両者にポジションを奪われてもおかしくないと思います。

レヴァークーゼン時代がピークと言われない様に
これからのシーズン後半では
真価を発揮して欲しいと思います。


C'mon Arsenal !!


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チェルシーから完全移籍
 攻撃的MF カイ・ハヴァーツ(24歳)ドイツ代表 総額£6500万(推定)

アヤックスから完全移籍
 CB ユリエン・ティンバー(22歳)オランダ代表 総額£3800万(推定)

ウエスト・ハムから完全移籍
 DMF デクラン・ライス(24歳)イングランド代表 総額£1億500万(推定)

ブレントフォードから買い取りオプション付きシーズンローン
 GK ダヴィド・ラヤ(27歳)スペイン代表 手数料£300万(推定)


(年齢は獲得時の年齢)


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