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2020/21シーズン〜〜CMF・DMF総括〜〜 [Arsenal F.C.]

2020/21シーズンを振り返って〜〜CMF・DMF〜〜

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今回はCMF・DMFについて2020/21シーズンを振り返ってみたいと思います。

今シーズンはアルテタ監督が就任してから
重用している34ジャカと
今シーズンの補強の目玉だった18トーマスを軸に
25エルネニー、8セバージョス、28ウィロックが
バックアップする布陣だったと思います。

34ジャカは本職のDMFだけではなく
チーム事情によって3バックの一角や左SBで起用されても
その役割をしっかりと務めて
バックラインからしっかりとビルドアップする
アルテタ監督のスタイルの重要なピースになっていました。
新加入の18トーマスは
加入当初こそはPLの速く激しいスタイルに苦しんだのか
筋肉系の怪我で何度か離脱してしまいましたが
シーズン後半は大きな怪我で離脱する事なく
そのフィジカル的な強度と機動力を活かして
その存在感を発揮したと思います。

その18トーマスが怪我に苦しんでいたシーズン前半に
存在感を発揮したのが25エルネニーでした。
昨シーズンローンに出ていた25エルネニーは
当初は放出候補と言われていましたが
戦術理解度の高さを発揮して
アルテタ監督のスタイルに素早く適応した事で
貴重なバックアッパーとしての地位を掴みました。
シーズン通してこのポジションに穴が空かなかったのは
25エルネニーの存在があったからこそと言えると思います。

その一方で期待を裏切ったのが8セバージョスだったと思います。
時々良いプレーをする試合もありましたが
致命的なミスを犯す場面も何度かあり
今シーズンのローン移籍は失敗だったと言わざる得ません。

同時に28ウィロックもその期待に応えられなかったと思います。
ELの試合では良いプレーを観せていましたが
アルテタ監督のスタイルに完全に適応する事が出来ずに
PLの試合では存在感を発揮する事が出来ませんでした。

今シーズンのCMF・DMFは
長い間問題だった中盤のフィジカル的な強度不足に対しては
18トーマスを獲得した事である程度解消出来たと思いますが
その一方で中盤のクリエイティブ不足の問題に対しては
8セバージョスがその期待に応えられず
来シーズンに向けて改善するべきポイントだと思われます。


〜〜34グラニト・ジャカ(28歳)〜〜


PL 29試合先発+2試合途中出場:1ゴール2アシスト
EL 10試合先発
FA杯 1試合先発+1試合途中出場
カラバオ杯 1試合先発
コミュニティー・シールド 1試合先発


今シーズンもこのポジションの軸は34ジャカでした。
中盤の深い位置からパスを供給する本来の役割と共に
アルテタ監督から求められた様々な役割を
担ったシーズンだったと思います。

3バックの一角に入った時は勿論の事、
可変式3バックシステムに於いても
高い位置まで上がって行く
左CBの3ティアニーが空けたスペースに下がってきて
そのスペースを埋めると共に
バックラインからのロングフィードの供給役として振る舞う事で
23D.ルイスと34ジャカと言う
2箇所の攻撃の起点を
バックラインに作る事が出来ていました。

これはシーズン終盤に3ティアニーが怪我で離脱した時期に
左SBに起用された時も同様で
SBとしての役割よりもバックラインに留まり
同じく怪我で離脱していた34D.ルイスに代わって
バックラインからロングフィードを供給する役割を
アルテタ監督に求められていた様に感じます。

よってアルテタ監督が34ジャカに求めていたのは
正確なロングフィードだったのかもしれません。

その一方で強いプレッシャーに曝されてしまうと
効果的な縦パスを供給出来なくなる所は相変わらずで
中盤の底をプロテクトする選手としては
機動力に欠ける所も不足感を感じます。

同時に強い闘志の持ち主と言う所は評価しますが
相変わらず不用意なファールも多く
敗因になった12節バーンリー戦の一発退場は
言い訳できない愚行だったと思います。

この様にアルテタ監督のシステムで重要な役割を担いながらも
改善が必要な所も多くあり
この夏にローマが獲得に動いている状況に対して
その移籍を容認しているのは
結局アルテタ監督は
34ジャカのプレーに納得していない為と考えられます。


〜〜15トーマス・パーティ(28歳)〜〜


PL 18試合先発+6試合途中出場:2アシスト
EL 6試合先発+2試合途中出場:1アシスト
FA杯 1試合途中出場


今シーズンの補強の目玉として
夏の移籍期間に加入した18トーマスは
PLの速く激しいスタイルに苦しんだのか
シーズン前半は怪我で何度か離脱してしまい
十分に稼働したとは言えませんでした。

しかし適応し始めたシーズン後半は
しっかりと稼働出来る様になり
十分に存在感を観せる様になったと思います。

実際、フィジカル的な強度と
中盤を広範囲カバーする機動力は
長い間アーセナルの中盤に求められていた部分であり
長短織り交ぜたパスを捌くだけではなく
リスクを冒して縦パスを供給する所も
アーセナルの中盤に新たな側面をもたらしたと思います。

その一方で時折繊細さが欠けると言いますか
淡白なプレーを行なう場面もあり
集中力の問題がある様に感じます。

34ジャカに退団の噂がある現状を考えますと
来シーズン以降は18トーマスが軸となって
回す事になると思います。
そしてフィジカル的な強度と機動力のある18トーマスならば
3センターのアンカーを務める事も可能だと思いますので
新たに4−3−3のシステムへ移行することも可能だと思いますが
反対にアンカーを務めるならば
より高度な集中力が必要だと考えます。


〜〜25モハメド・エルネニー(28歳)〜〜


PL 17試合先発+6試合途中出場:1ゴール
EL 5試合先発+7試合途中出場:2ゴール
FA杯 2試合先発
カラバオ杯 2試合先発+1試合途中出場
コミュニティー・シールド 1試合先発


昨夏の段階では放出候補でしたが
ベシクタシュのローンから帰ってきた25エルネニーは
持ち前の戦術的理解度の高さを発揮し
アルテタ監督のスタイルに素早く適応して
開幕から出場機会を掴みました。

例えば可変式3バックシステムでは
左CBの3ティアニーが攻め上がった時に出来るスペースを
残った2人のCBが左にスライドして埋めた時には
右サイドに出来たスペースに25エルネニーが下がってきて
右CBの様な振る舞って巧みにカバーするなど
34ジャカと同様に状況に合わせて
多くの役割を上手くこなしていたと思います。

元々、攻守に於いて気の利いたポジショニングと
パスをテンポ良く捌く潤滑油としての役割には定評があり
今シーズンの補強の目玉だった18トーマスが
怪我で離脱してあまり稼働が出来なかった
シーズン前の時期をカバーしたのは
25エルネニーであり
突出した能力がある訳ではありませんが
反対に大きな穴がない25エルネニーは
今後も良質なバックアッパーとして
チームには欠かせない存在だと思います。


〜〜8ダニ・セバージョス(24歳)〜〜


PL 17試合先発+8試合途中出場:3アシスト
EL 6試合先発+6試合途中出場
カラバオ杯 2試合先発+1試合途中出場


昨シーズン終盤にチャンスを掴んで
存在感を示した8セバージョスには
今シーズンはさらなる飛躍が期待されていましたが
その期待に応える事は出来ていなかったと思います。

元々アーセナルの中盤はクリエイティブな面が不足しており
そのクリエイティブな面を改善する役割が期待されていましたが
時折クリエイティブなプレーを観せる場面もありましたが
反対に失点に直結する決定的なミスも多かったと思います。

特に良い日と悪い日の差が非常に激しく
MVP級の活躍をする日もあれば、
全てが噛み合わない日もあり
この両極端のどちらの8セバージョスが顔を出すのか分からない状況は
指揮官としては非常に使い難かったと思います。


〜〜28ジョー・ウィロック(21歳)〜〜


PL 2試合先発+5試合途中出場
EL 4試合先発+1試合途中出場:3ゴール3アシスト
FA杯 1試合先発
カラバオ杯 3試合先発
コミュニティー・シールド 1試合途中出場


昨シーズンは公式戦20試合先発24試合途中出場した28ウィロックには
更なる飛躍が期待されましたが
今シーズンは10試合先発7試合途中出場に留まり
出場機会を求めて冬の移籍期間にニューカッスルへ
ローン移籍していました。

とは言え、出場機会こそは昨シーズンよりも減っていましたが
ゴールとアシスト数に関しては
昨シーズンも5ゴール1アシスト挙げましたが
今シーズンはシーズン前半のみで3ゴール3アシスト挙げており
決して悪い数字ではなかったと思います。

しかし今シーズンのそのゴールとアシストは
格下クラブであるELのグループステージで挙げた物であり
最も重要なPLでは結果を出す事が出来なかった所が
出場機会が伸びなかった所だったのかもしれません。

その一方でローン移籍先のニューカッスルでは
そのPLで11試合先発3試合途中出場し8ゴール挙げました。
特に出場出来なかったアーセナル戦を挟んで
6試合連続ゴールを挙げたシーズン終盤は圧巻で
ゴールゲッターとして可能性を示したと思います。

元々ゴール前に飛び込むタイミングやセンスに優れており
実際ニューカッスルでも
前線のサン・マクシマンやジョエリントンに
マークが集中する事で生じたスペースに
上手く入り込んでゴールに繋げていたと思います。

その一方でゲームを組み立てる能力や
チャンスを創造する能力は平均点レベルであり
そのニューカッスルでもゴール以外では
それ程印象に残るプレーはなかった様に感じます。

この辺りがアーセナルのスタイルと噛み合わない部分で
丁寧にパスを繋いでゲームを作る
ポゼッションスタイルのアーセナルよりも
ニューカッスルの様なダイレクトプレーを基本とする
チームの方がプレースタイル的には噛み合うのかもしれません。

どちらにせよ現状のままならば
ポゼッションスタイルのアーセナルの中では
28ウィロックの足りない面が目立ってしまい
反対にストロングポイントを活かす事が出来ない可能性もありますので
今後はCMFではなくアタッカーにコンバートした方が
もしかしたら28ウィロックの能力が活きるのかもしれません。


C'mon Arsenal !!



(年齢は2021年6/30時点)


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