SSブログ

EL6:Dundalk vs ARSENAL [Arsenal マッチリポート]

Dundalk 2−4 ARSENAL
2020年12月10日(木)Europa League, Oriel Park

Goal 
 (12)30Nketiah
 (18)25Elneny(←32Smith Rowe)
 (22)Flores
 (67)28Willock(←38Balogun)
 (80)38Balogun(←19Pépé)
 (85)Hoare


13Rúnarsson

21Chambers  20Mustafi  22Mari 

 17Soares  28Willock 25Elneny 15Maitland-Niles

  19Pépé      32Smith Rowe

30Nketiah


(63)25Elneny>>>8Ceballos
(63)30Nketiah>>>38Balogun
(77)32Smith Rowe>>>41Cottrell
(83)28Willock>>>66Azeez


Substitutes
 33Macey
 44Hein
 16Holding
 7Saka


Arsenal 1.jpgELグループステージは
全勝で締めくくりました。

先発はGKは13ルナルソンが務め
DFは21チェンバース、20ムスタフィ
22マリが3バックを組みました。
右WBに17ソアレス、
左WBに15メイトランド=ナイルズ
CMFに28ウィロックと25エルネニーが入り
前線は右に19ぺぺ、左に32スミス・ロウ、
トップに30エンケティアが入る
3−4−2−1が組まれました。

試合の方は元々のチーム力に差がある対戦でしたので
サブ組を中心にした布陣でも
基本的には危なげなく勝利を収める事が出来ましたが
これまでのELの試合は
基本的にはUEFA.tvのダイジェストでしか視聴出来ず
ライブでフルに観る事が出来たのは
この試合が初めてでしたので
いくつかの注目ポイントがありました。

まず最初は怪我による長期離脱から復帰した
22マリと21チェンバースの状態です。
22マリは前節のラピッド・ウィーン戦で
一足早く90分プレーし、
21チェンバースもその試合では後半途中から
起用されていましたが
どうしてもダイジェストですと
顔を出す場面は限られていますので
現在の回復具合を確認するのは難しかったので
この最終節の試合をフルで観れたのは良かったと思います。

とは言え、この試合もそれ程危ない場面がありませんでしたので
両者の仕上がりを測る指標としては
余り適した試合ではなかったと思いますが
その様な状況でもちょっと気になったのは
21チェンバースの方です。

左膝関節前十字靭帯断裂から
もうすぐ1年が経過し、
10月頃からリザーブの試合で
試運転を続けていましたので
経過としては順調であり
この試合でも動きはスムーズでしたし
前半ロスタイムのクロスが右サイドに抜けて
至近距離からシュートを撃たれてしまった場面では
瞬間的に飛び込んでブロックする事も出来ていましたので
恐怖心等のメンタル的な部分も
特に問題がない様に感じましたが
全力で相手を追走する様な場面だけは
少し気になりました。

それはトップスピードが落ちたと言うよりも
フィジカル的にトップギアに入らないのか?
それとも意識的無意識的に入れられないのか?
言うなれば4速までは入るが
最後の5速に入らない様な印象を受けました。
まぁこれは2ベジェリンもそうだった様に
時間が解決してくれると思いますので
焦らず地道に戻ってきて欲しいと思います。

一方の22マリの方は
フィジカル的な高さや強さは勿論の事、
左脚から放たれるフィードも
加入当初に比べて精度や鋭さが増し、
より積極的に送る様になった印象を受けます。
勿論、この試合では
激しいプレッシャーに曝される様な場面は少なかったので
プレッシャーに曝された時も
同様に積極的なフィードを送る事が出来るかどうかは別ですが
バックラインからしっかりとパスを繋いで組み立てるスタイルには
順応してきていると思います。

一方で最初の失点の時の対応には
やはり疑問を感じます。
綺麗なワンツーで抜け出されてしまい
失点したこの場面では
そのワンツーを予測出来ていなかったのか
全く反応出来ませんでした。
まぁ、この失点の場面では
13ルナルソンの立ち位置が左に寄りすぎていて
ファーサイド側を空けすぎていたのも
一因だと思いますが、、、。
今後出場機会を増やす為には
この辺りの読みや敏捷性の改善が必要に感じます。

次は左サイドで起用された32スミス・ロウです。
現在ファーストチームに定着した
28ウィロックや30エンケティア達と同様に
リザーブチームの逸材中の逸材と言われていましたが
ここ1〜2シーズン怪我等もあり停滞しており
このまま埋れて行ってしまうのか
それともその才能を開花させる事が出来るのかの
分かれ道に来ている様に感じていましたが
この試合の32スミス・ロウは
逸材中の逸材と言われていた時期の
輝きを取り戻しそうに感じました。

この試合のピッチはラグビーと併用のスタジアムの為に
芝の凹凸が画面で見ていてもはっきり分かる位
荒れたピッチでしたが
それでも32スミス・ロウのボールコントロールは安定しており
コンビネーションや独力で何度となく
左サイドから仕掛けていました。

そして何よりもここ1〜2シーズンと異なるのが
プレーのスピードやキレが戻ってきた所です。
怪我の影響だったのか?
コンディションの問題だったのか?
ここ1〜2シーズンの32スミス・ロウは
とにかく動きが鈍く、
動きが鈍い為に自らのテクニックを活かせないと言いますか
反対に殺してしまっている様に観えました。
しかしこの試合の32スミス・ロウは
一瞬の身のこなしで相手をかわす様なキレがあり
走っても相手を振り切るだけのスピードを観せていました。
その上、スピードに乗った状態でも
全くブレる事のないテクニックは健在で
しかも左右どちらの脚でも遜色なく使える事で
ドリブルで縦に仕掛けても中に切り込んでも
仕掛けの起点になれていたと思います。

現在のアーセナルは『クロスマシーン』と揶揄される様に
サイドからの仕掛けが単調で
実際、縦に仕掛ける事が出来る選手は多くいますが
反対に中に切り込んで
そこから何かを生み出す事の出来る
クリエイティブな選手が不足していると思います。
その様にクリエイティブなプレーが不足している
現在の攻撃陣には32スミス・ロウの様な選手が
必要ではないかと思います。

勿論、レベルの落ちるダンダークに対して通用した事が
PLで通用する保証はありませんが
今の32スミス・ロウは
キレとスピードが戻ってきていますので
テンポの速いPLでも十分に自らの才能を
発揮してくれる様に感じます。

最後は38バログンです。
これまではダイジェストでは
何度も観た事がありましたが
試合で通して観る事は出来ませんでしたので
非常に期待していましたが
噂通りの逸材だと思います。

1999年生まれの30エンケティアより
2歳年下の19歳の38バログンは
当面のライバルはその30エンケティアになると思いますが
その30エンケティアに比べて
よりストライカーらしい印象を受けました。

30エンケティアは昨シーズン後半から
ファーストチームに定着し
アラン・シアラーが持っていた
イングランドU-21代表の最多得点記録を更新した様に
点取り屋として開花し始めていますが
そのスタイルは色々な所に顔を出しながら
巡ってきたチャンスを仕留める様なスタイルで
嗅覚に優れた点取り屋と言う印象を個人的には受けます。
よって決まった得点パターンがあると言うよりも
色々な形でゴールを奪う事が出来るのが
30エンケティアの強みの様に感じます。

一方でこの試合で観た38バログンの印象は
自分の得意な形を持っていて
その形にハマったら絶対にゴールを逃す事のない
本格的なストライカータイプと言う印象で
相手のDFを背負ってもそのプレッシャーにも屈しないだけの
フィジカル的な強さを持っている所も
30エンケティアとは異なる所だと思います。

67分の28ウィロックのゴールを
アシストした場面がまさにそれで
17ソアレスがヘッドで前方に送ったボールを
ペナルティ内で収めた38バログンは
背後からのDFのプレッシャーに揺らぐ事なく
3人に囲まれようとしながらも
冷静に28ウィロックに繋げて
ゴールをお膳立てしました。
ペナルティ内のプレッシャーの強い所でも
しっかりと収める事が出来る所は
中央で縦パスが入れられない、収まらない
現在のアーセナルにとっても
必要な資質だと思います。

そしてストライカーとしても
パスを呼び込む動作や意思が明確で
その上、80分のゴールの場面の様に
パスを受けてから
シュートをゴールネットに突き刺すまでの
明確なイメージを持ってプレーしている様に観えます。

その様な38バログンですが
もしかしたら一番の強みかもしれないのが
1タッチ目が安定している所だと思います。
シュートのせよパスにせよ
常に次のプレーに最適なポイントに
ボールを置く事が出来るので
スペースがない状況でも苦にせずに
スムーズにシュートが撃てる所も
ストライカーとして重要なポイントだと思います。

このELでの活躍を観ますと
もうリザーブレベルではなく
確かに次のステップに移る時期に来ていると思います。
そういう意味ではこの夏に
ファーストチームでプレー出来る可能性のあるクラブへの
移籍の噂があったのも納得が出来、
これからシーズン後半に向けて
PLの舞台でも試して欲しいと思います。

ELは全勝で終わりましたが
対戦相手は全て格下のクラブでしたので
この流れがPLに反映する事はないかもしれませんが
1日でも早くPLでもゴールラッシュが生まれる所を
観たいと強く思います。


C'mon Arsenal !!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

2ベジェリン     PL:0G2A EL:0G1A
6ガブリエウ     PL:2G0A 
7サカ        PL:1G0A EL:0G1A CS:0G1A 
8セバージョス    PL:0G1A
9ラカゼット     PL:3G0A EL:1G0A
12ウィリアン     PL:0G3A
14オーバメヤン    PL:2G1A EL:1G0A CS:1G0A
15M=ナイルズ    PL:0G0A EL:0G1A 
19ペペ        PL:1G0A EL:3G3A
22マリ        PL:0G0A EL:1G0A
23D.ルイス      PL:0G0A EL:1G0A
25エルネニー     PL:0G0A EL:1G0A
24ネルソン      PL:0G0A EL:1G1A
28ウィロック     PL:0G0A EL:3G3A
30エンケティア    PL:1G0A EL:3G0A CC:1G0A
32スミス・ロウ    PL:0G0A EL:1G2A
38バログン      PL:0G0A EL:2G1A


nice!(0)  コメント(0) 

PL11:Tottenham Hotspur vs ARSENAL [Arsenal マッチリポート]

Tottenham Hotspur 2−0 ARSENAL
2020年12月6日(日)Premier League, Tottenham Hotspur Stadium

Goal 
 (13)Son
 (45)Kane


1Leno

2Bellerín  16Holding  6Gabriel  3Tierney

18T. Partey  34Xhaka

12Willian    9Lacazette     7Saka 

14Aubameyang


(45)18T. Partey>>>8Ceballos
(76)2Bellerín>>>30Nketiah


Substitutes
 13Rúnarsson
 20Mustafi
 15Maitland-Niles
 25Elneny
 28Willock


Arsenal 1.jpg完敗です。

モウリーニョが最も得意とする
『堅守速攻』にやられてしまいました。

先発はGKに1レノ
DFラインには右SBに2ベジェリン、
左SBに3ティアニー
CBに16ホールディングと6ガブリエウが入る
4バックが組まれました。
中盤は怪我で離脱していた18トーマスと34ジャカ、
2列目には右に12ウィリアン、
左に7サカ、トップ下に9ラカゼットが入り
1トップを14オーバメヤンが務める
4−2−3−1が組まれました。

ELラピッド・ウィーン戦で結果を出した
9ラカゼットをトップ下に配する
4−2−3−1を組むのか、
守備面での安定性を優先する
可変式3バックシステムを組むのかを
注目していましたが
結果的には4−2−3−1を組んできました。

これによりアルテタ監督はボールを保持し、
より攻撃面に重きを置くプランを立てた様ですが
これは相手にボールを持たせて
隙を突いて一気にカウンターで仕留める
スパーズにとって願ったり叶ったりの状況でもあり
結局、スパーズの堅守を撃ち破るだけの攻撃力が
今のアーセナルに有るのか無いのかが
試される事になりましたが
残念ながら今のアーセナルにはそれだけの力はなく
反対にモウリーニョのプラン通りに
カウンターで仕留められてしまったのは残念でした。

この試合のスパーズは
ソンをスパーズの左サイドに置いていた事からも
モウリーニョの狙いは明確で
現在のアーセナルの守備網の中で
最も脆弱な2ベジェリンの裏のスペースを突き
明らかにスピードと敏捷性でソンに劣る
16ホールディングを釣り出して対応させると言う
アストン・ヴィラ戦で露呈した同様の問題を狙っていたと思われ、
実際2つの失点はこの右サイドから奪われてしまいました。

確かに1失点目のソンのミドルシュートは
あそこに蹴られたらどんなGKも
防ぐ事は出来ない完璧なスーパーゴールだったと思いますが
ドリブルで侵入してきたソンに対応した16ホールディングは
右サイドを駆け上がってきたレギロンがいたとは言え
マークの受け渡しの準備が整う前に
ソンから離れてしまったのは、
タイミング的には早すぎたと思います。
同時にそれまでの付かず離れずの距離感での対応は
そのアストン・ヴィラ戦でのグリーリッシュへの対応で
有効ではない事が証明されていましたので
実際、ゴール前には人数が揃っていましたので
もっと距離を詰めた対応をしても良かったと思います。

2失点目は本当ならば18トーマスがケアしているはずのエリアに
その18トーマスがいなかったと言うのが
最大の問題だったと言うのは言うまでもないと思います。

この場面では怪我が再発した為に18トーマスが
ピッチの外に出ようとしていた為に
カウンターを受けた場面では
両CBの前に広大なスペースが生まれており
これにより16ホールディングと6ガブリエウは
全く援護がない2対4の状態に陥ってしまいました。

勿論、18トーマスの怪我の再発は
不運だったと言う部分はありますが
ボールデッドになっていない状況で
持ち場を離れてサイドライン側に行ってしまったのは
大きな過ちであり弁明は出来なと思います。

それと共に18トーマスは本当に怪我から回復し
試合に出れる状態だったのかどうかには
大きな疑問が残ります。
メディアの大方の予想では
18トーマスはこの試合には間に合わないと言われていましたので
この試合で先発で起用したのは
少なからずギャンブルだった可能性は否定出来ません。

勿論、最終的に起用するかどうかの判断は
アルテタ監督が下している訳ですので
その責任はアルテタ監督にあると思いますが
その一方でラピッド・ウィーンの戦前に
復帰を強くアピールする18トーマスに
アルテタ監督は待ったを掛けている様なコメントをしていましたので
プレー出来ると過信していた
18トーマス側にも自らの判断の誤りを反省する必要があると思います。

どちらにせよ最も重要な時間帯に
絶対に奪われてはいけないゴールを奪われてしまった事が
この試合のポイントになってしまったのは言うまでもなく
1つのゴールを奪うのにも苦労している
今のアーセナルには2ゴールを奪う事が
無理な話なのは言うまでもないと思います。

その攻撃面もチャンスがなかった訳ではないと思います。

前でクリアーしようとした
ダイアーが目に入ったとは言え
足下に来たボールを
12ウィリアンが合わせられなかった
39分過ぎの左サイドからの14オーバメヤンが
クロスを入れた場面。

惜しくも枠外でしたが
14オーバメヤンの頭にピタリとあった
48分過ぎの3ティアニーからのクロスの場面。

ロリスのファインセーブで防がれてしまいましたが
9ラカゼットのヘッドにあった
67分の2ベジェリンからのクロスの場面等、
以前も話しましたが現在のアーセナルには
優秀なヘッダーがいる訳ではありませんので
クロスが入れられても
ゴールに繋がる確率は非常に低いのが現状ですが
それでもピンポイントクロスから
チャンスは何度か作れたと思います。

一方でもっと上手く振る舞えば
ゴールを奪う事が出来たと思われる
決定的な場面もあっと思います。

45分、16ホールディングがクリア気味に送った
前方へのパスを収めた7サカが
9ラカゼットへ繋ぎ、
そこから送られたスルーパスで
2ベジェリンが裏に抜け出しましたが
そこから送られたグラウンダーの折り返は
誰にも合わずチャンスを活かせませんでした。

この場面での2ベジェリンには
GKとDFラインの間を鋭いボールを送るコースと
一緒に下がってきたDFラインの前に出来たスペースに向けて
マイナス方向に折り返すコースと
2つのコースがあったと思いますが
14オーバメヤンの動きを観る限り
14オーバメヤンは前者のコースを求めていた様ですが
2ベジェリンが選択したのは後者の方でした。

勿論、スピードのある14オーバメヤンの特徴を考えれば
前者のコースも面白かったと思いますが
一方で14オーバメヤンはオーリエの外側に回り込む様にして
裏に抜けようとしていましたので
14オーバメヤンに届く前に
内側にいるオーリエにカットされる可能性があり、
カットされない様にクロスを送るのならば
より深いコースを通す必要になりますが
そうなりますと角度がなくなり
前に出てきたロリスにセーブされる可能性も
高くなっていたと推測されます。

そう言う意味ではスパーズのDFラインが
一気に下がろうとしていましたので
外に膨らむフェイントを入れた所で一気に中に入ってくれば
フリーの状態で右脚を振り抜く事が出来たと思いますし
2ベジェリンもダイレクトで撃ちやすい様に
緩いボールを折り返していましたので
2ベジェリンが選択した
DFラインの前のエリアに送るクロスが
正解だった様に感じます。

もっと言えば下がったスパーズのDFラインの前に出来たスペースに
なぜ7サカが走り込んで来なかったのか?
2ベジェリンにスルーパスが出た時点で
残念ながら7サカは次の展開のイメージが
全く浮かんでいなかった様に
前に出る歩みを緩めてしまっていました。
しかしこの場面では折り返しが来るかどうかではなく
下がったDFラインの前には
必ず有効なスペースが生まれる事を
常に意識をしていなければならず、
そこにスペースが生まれていたら
誰よりも早くそのスペースを
取りに行かなければならなかったと思います。

実際、14オーバメヤンが外に膨らんだ事で
オーリエも外に開いていましたので
スパーズのDFラインには
ゴール正面に大きな穴が空いており
そこで7サカが折り返しを受けていたら
完全にフリーの状態で
しかも前を遮る選手がいない状態で
左脚を振り抜く事が出来ていたと思います。

この3者のイメージが噛み合っていなかった為に
この最高のチャンスをゴールに結びつけられなかったと共に
ここでゴールを奪っていたら
ここから始まるカウンターで奪われた
ケインのゴールも幻になっていただけに
非常に悔しい場面でした。

49分過ぎ、34ジャカからのサイドチェンジのパスを
12ウィリアンがダイレクトで9ラカゼットへ繋ぎ
その9ラカゼットから裏に送られたパスで
抜け出した2ベジェリンから
グラウンダーの折り返しが入れられましたが
残念ながらこれも合わず。

これもゴールに向かって入り込んだ14オーバメヤンによって
スパーズのDFラインが下がって出来た
その前のスペースへのクロスでしたが、
そのスペースに入ってきていた9ラカゼットは
そこにクロスが送られてくる事を予想していなかったかの様に
反応が1テンポ遅れた為に合わせられませんでした。

2ベジェリンからのクロスを予測して速やかに走り込んでいたら
9ラカゼットはゴール正面の位置でフリーの状態で
シュートを撃つチャンスでしたので
一瞬、動き出しが遅れてしまったのは
非常に残念でした。

とは言え、アルテタ監督が目指している
サイドアタックの理想型は
この様な形ではないかと思います。

しかしこの2つの場面が示す様に
この様な形を作る為には
ダイレクトで的確に繋いで行く様な
よりテンポの速い展開と
プレーの連動性とイメージの共有が必要だと思われます。

現状としてはその様な速いテンポでの仕掛けが
十分に出来ない為に
相手のDFラインは下がり切って
ゴール前に待ち構えているた状態で
仕掛ける場面が多くなってしまい
クロスマシーンと揶揄される様な
ピンポイントで合わせる様なクロスを送るしか出来ずにいますが
今後サイドアタックでゴールを奪える様になる為には
相手のDFラインが下がりながら対応せざる得ない様な
テンポの速い仕掛けが出来るかどうかが
ポイントになると思います。

とは言え、CFに14オーバメヤンを配する利点を
最大限に活かす為には
本当ならばこの様な仕掛けを増やさないとならないと
個人的には思います。

83分過ぎ、センターライン付近での
ルーズボールを収めた9ラカゼットから
すぐさま前線の14オーバメヤンにパスが送られ
アルデルヴァイレルトと1対1の状況になりました。
惜しくも振り切る事が出来ずに
シュートはブロックされてしまいましたが
14オーバメヤンのスピードと勝負強さを活かす為には
この場面の様に中央からも質の高いラストパスが必要だと思います。

結局この試合でも流れの中からゴールを奪う事が出来ず
ゴール欠乏状態は続いています。
当然ですがゴールを奪う事が出来なければ勝つ事も出来ず
当然勝ち点を得る事も出来ないアーセナルは
下位に沈んでいます。

この様な状態が長く続きますと
心配になるのがアルテタ監督の去就です。
素晴らしいコンセプトを持ち
混乱状態だったチームを一つにまとめ
FA杯とコミュニティー・シールドを獲得した様に
良い流れの時はチームはどんどん良くなる一方で
現在の様に不調に陥った時に
速やかに回復させる事が出来るかどうかは
監督経験の浅さが仇になる危険性も孕んでいると思います。

現在のアルテタ監督の状況は
気の短いオーナーがいる様なクラブならば
とっくに首を切られていたとしても
おかしくない状況だと思いますが
夏の移籍期間の時点で
アワールの獲得に強く動いていた様に
攻撃陣のクオリティー不足は
アルテタ監督のみならずクラブとしても
認識していたはずだと思います。
しかし結果的に交渉がまとまらずに
攻撃陣のクオリティー不足を
解消する選手の獲得は見送られ
代わって中盤の強度を上げる
18トーマスを獲得に移行した経緯がありますので
現状の攻撃陣の低迷は
クラブとしてもある程度了承している問題だと思います。

そう言う意味ではアルテタ監督を
すぐにでも解任する可能性は
個人的には少ないと思っており
少なくとも冬の移籍期間が終わって
新たな選手を補強するまでは
様子を見る様に感じます。

何はともあれ、今のアーセナルには
まず『ゴール』が必要であり
極端の話、14オーバメヤンやチームに
ゴールの感覚を思い出させる為にも
消化試合で若い選手の経験の場になるはずの
ELダンダーク戦でレギュラー組を起用して
ここ最近の鬱憤をはらさしても良い様に感じます。

とにかく1つの目のゴールが生まれれば
全てが変わると信じています。


C'mon Arsenal !!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

2ベジェリン     PL:0G2A EL:0G1A
6ガブリエウ     PL:2G0A 
7サカ        PL:1G0A EL:0G1A CS:0G1A 
8セバージョス    PL:0G1A
9ラカゼット     PL:3G0A EL:1G0A
12ウィリアン     PL:0G3A
14オーバメヤン    PL:2G1A CS:1G0A EL:1G0A
15M=ナイルズ    PL:0G0A EL:0G1A 
19ペペ        PL:1G0A EL:3G2A
22マリ        PL:0G0A EL:1G0A
23D.ルイス      PL:0G0A EL:1G0A
24ネルソン      PL:0G0A EL:1G1A
28ウィロック     PL:0G0A EL:2G3A
30エンケティア    PL:1G0A CC:1G0A EL:2G0A
32スミス・ロウ    PL:0G0A EL:1G1A
38バログン      PL:0G0A EL:1G0A


nice!(0)  コメント(0) 

EL5:ARSENAL vs Rapid Vienna [Arsenal マッチリポート]

ARSENAL 4−1 Rapid Vienna
2020年12月3日(木)Europa League, Emirates Stadium

Goal 
 (10)9Lacazette
 (17)22Mari(←24Nelson)
 (44)30Nketiah
 (47)Kitagawa
 (66)32Smith Rowe(←15Maitland-Niles)


13Rúnarsson

 17Soares  20Mustafi  22Mari  31Kolasinac

15Maitland-Niles   25Elneny  

24Nelson    9Lacazette     19Pépé 

30Nketiah


(63)25Elneny>>>8Ceballos
(63)24Nelson>>>12Willian
(63)9Lacazette>>>32Smith Rowe
(70)20Mustafi>>>21Chambers
(81)30Nketiah>>>38Balogun


Substitutes
 1Leno
 33Macey
 16Holding
 3Tierney
 28Willock
 66 Azeez
 7Saka 


Arsenal 1.jpg4発快勝!!

9ラカゼットをトップ下に配置した
新たなシステムが機能して
ラピッド・ウィーンを圧倒しました。

先発はGKに13ルナルソン、
DFラインは右SBに17ソアレス、
左SBには新型コロナウィルスが陽性で
離脱していた31コラシナツが戻ってきました。
そしてCBは昨シーズンの怪我から復帰した22マリが
20ムスタフィと組み、
CMFで25エルネニーと共に起用されたのは
15メイトランド=ナイルズでした。
2列目は右に24ネルソン、左に19ぺぺ、
トップ下に9ラカゼットが入り
1トップを30エンケティアが務める
4−2−3−1が組まれました。

この試合もUEFA.tvのダイジェスト等しか
観る事が出来ませんでしたが
先発メンバー表を見た時には
30エンケティアと9ラカゼットの
2トップかと思っていましたが
9ラカゼットは30エンケティアの後ろに付き
相手の2ラインの間を自由に動いて
中盤と前線との繋ぎ役としてプレーしていましたので
ポジション的にはトップ下に入っていたと思います。

まず先制点はその9ラカゼットの
強烈なロングシュートが決まりました。

10分、ルーズボールを収めた9ラカゼットが
そのまま右脚を振り抜きました。
その右脚から放たれたブレ球のロングシュートは
GKの手前で急激にスライスして
ゴールネットに突き刺さり先制ゴール!!

このゴール以外でも
トップ下に配した9ラカゼットは
ゴールに迫る場面が何度かありました。

26分過ぎ、右サイドに開いた位置の17ソアレスから
ハーフスペースの24ネルソンへ折り返され
その24ネルソンからやや下り目の位置に残っていた
9ラカゼットへラストパスが送られました。
ダイレクトで右脚を振り抜いた9ラカゼットのシュートは
惜しくもポストの外側を叩いてゴールなりませんでしたが
完璧に崩した場面だったと思います。

そして57分過ぎの場面でも
左サイドの19ぺぺから送られた鋭いクロスを
一歩遅れて入ってきた9ラカゼットが受けて
右脚を振り抜きましたが
これもGKのファインセーブで防がれてしまい
惜しくもゴールなりませんでした。

この2つの決定機が示す様に
9ラカゼットをトップ下に起用した効果が
この試合では出ていたと思います。

今までならばゴールに向かって走り込むのが
9ラカゼットの役割ですが
その動きにより一緒にDFラインが下がって出来る
その前のスペースに入ってくる選手がいないと言う問題が
よく観られたと思いますが
この試合ではゴール前に走り込む役割は
30エンケティアが担い
その役割から解放された9ラカゼットが
DFラインの前に出来るスペースに
しっかりと入り込んでいました。
この辺りはやはりチャンスの匂いを嗅ぎ分ける事が出来る
ストライカーをトップ下に配した利点だと思いますし
ここ最近シュートチャンスが巡ってこない試合が多かった
9ラカゼットにしても
良い形でシュートを撃つチャンスが増えていましたので
トップ下に9ラカゼットを配した采配は
成功だと思います。

一方で中盤と前線の繋ぎ役としては
2ラインの間で9ラカゼットが一度収める事で
15メイトランド=ナイルズ等が上がってくる時間と
前線が動き出すタイミングを計る時間が得られると共に
3点目の場面の様に
そこから仕掛けの鍵となるパスを送り
決定機も演出していたと思います。

44分、19ペペ〜31コラシナツ〜
30エンケティア〜9ラカゼットへと
ダイレクトで繋いだ所から
9ラカゼットが送ったスルーパスで
19ぺぺが左サイドの裏へ抜け出しました。
そしてそこからの折り返しを受けた24ネルソンが
落としたボールを走り込んできた30エンケティアが
ダイレクトで右脚を振り抜きましたが
一度はGKのファインセーブで防がれてしまいましたが
そのこぼれ球をヘッドで押し込みゴール!!

その9ラカゼット以外では
19ぺぺと15メイトランド=ナイルズが
印象的だったと思います。

この試合での19ペペは
本来得意としている右サイドではなく
左サイドに入った事でより縦への仕掛けの意識が強く
特に積極的に裏へ抜け出す動きが
3点目の場面では9ラカゼットのスルーパスを引き出し
64分過ぎの場面では8セバージョスのスルーパスを引き出した様に
タイミング、連動性共に非常に効いていたと思います。

前節のモルデ戦でもそうでしたが
リーズ戦での愚行で退場処分を受けてからの19ペペは
その失態を何とか取り戻そうとしているのか
全ての面で積極的に、そして全力で取り組んでいる様に観えます。
それがこれまでどこか借りてきた猫の様に
周りを気にしながらプレーしている様に観えていた所がなくなり
何か迷いが吹っ切れた様に観ますので
これからの19ペペは非常に楽しみです。

一方の15メイトランド=ナイルズは
本職のCMFで起用されましたが
ゴールに向かうダイナミックなフリーランニングが
非常に効いていたと思います。

特に66分の4点目の
32スミス・ロウのゴールをアシストした場面での
ボールを持ちながらタメを作っていた19ペペを
トップスピードで追い越して行って
裏に抜け出したフリーランニングは素晴らしかったと思います。

SBやWBで起用された時の15メイトランド=ナイルズは
クロスの精度やサイドからの仕掛けのアイデアに
大きな問題があると思いますが
この様な大胆かつ効果的なフリーランニングが出来るのならば
攻撃が停滞していた時に
後方からプッシュして攻撃陣を活性化させる
オプションとしては面白い存在になるのではないかと思います。

しかし良かった所だけではなく
問題点もあったと思います。

UEFA.tvのダイジェスト画像の様に
ゴールを奪った場面や
完璧に崩した場面が幾つもあった一方で
細かなミスでチャンスを活かせなかったり
もっと上手く仕掛けられていたら
もっとゴールを奪う事が出来そうなチャンスが
同じ数くらいあったのも事実だと思います。

ELは格下のクラブが相手でしたので
多少チャンスを活かせなくても
勝敗を左右する事はないと思いますが
PLの試合では巡ってきたチャンスを活かせなければ
勝敗を左右する可能性がありますので
プレーの確度をもっと挙げる必要があると思います。

もう一つはGKの13ルナルソンです。
失点の場面では最初のシュートは
見事なファインセーブで凌ぎ
31コラシナツがブロックした
2つ目と3つ目のシュートに対しても
しっかりと反応していましたが
その後一瞬気持ちが切れた様に棒立ちになってしまい
準備が出来ていないまま撃たれた
北川のシュートは簡単に決められてしまいました。

仮に1レノならばボールデッドになるまでは
一瞬たりとも気を緩める事はないと思いますので
この辺りは13ルナルソンの甘さなのかもしれません。

そして74分過ぎの右CKの場面では
前に飛び出しましたが
その前にヘッドで合わされてしまい
競り合う所か完全に遅れてしまっていました。
特に前に飛び出すタイミングが明らかに遅れており
しかも遅れているにも関わらず
無謀に突っ込んだ様に観えましたので
この場面の対応は1レノをバックアップする第2GKとしては
非常に不安を感じる対応だったと思います。

とは言え、動きが少なく完全に停滞していた
ここ最近の攻撃陣に比べて
各々の選手は非常にアグレッシブに動き回り
その動きにより攻撃陣は活性化していたと思います。
そしてこの流れをPLでも実行出来れば
これから必ず良くなると思います。

次は現在PL首位スパーズとの
アウェイでのノース・ロンドン・ダービーです。
9ラカゼットをトップ下に配した新しいシステムで
攻撃的に振る舞うのか?
それとも可変式3バックシステムで
好調のスパーズの攻撃陣を抑え込む事を第一に考えるのか?
どの様な戦術をとるかは分かりませんが
このダービーで勝利出来れば
チームの状態は大きく変わると思いますので
勝利を目指して欲しいと思います。


C'mon Arsenal !!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

2ベジェリン     PL:0G2A EL:0G1A
6ガブリエウ     PL:2G0A 
7サカ        PL:1G0A EL:0G1A CS:0G1A 
8セバージョス    PL:0G1A
9ラカゼット     PL:3G0A EL:1G0A
12ウィリアン     PL:0G3A
14オーバメヤン    PL:2G1A CS:1G0A EL:1G0A
15M=ナイルズ    PL:0G0A EL:0G1A 
19ペペ        PL:1G0A EL:3G2A
22マリ        PL:0G0A EL:1G0A
23D.ルイス      PL:0G0A EL:1G0A
24ネルソン      PL:0G0A EL:1G1A
28ウィロック     PL:0G0A EL:2G3A
30エンケティア    PL:1G0A CC:1G0A EL:2G0A
32スミス・ロウ    PL:0G0A EL:1G1A
38バログン      PL:0G0A EL:1G0A


nice!(0)  コメント(0) 

PL10:ARSENAL vs Wolves [Arsenal マッチリポート]

ARSENAL 1−2 Wolves
2020年11月29日(日)Premier League, Emirates Stadium

Goal
 (27)Neto
 (30)6Gabriel(←12Willian)
 (42)Podence


1Leno

2Bellerín  23D.Luiz  6Gabriel  3Tierney

8Ceballos  34Xhaka

12Willian     28Willock     7Saka

14Aubameyang


(46)23D.Luiz>>>16Holding
(65)12Willian>>>24Nelson
(81)34Xhaka>>>9Lacazette


Substitutes
 13Rúnarsson
 17Soares
 25Elneny
 30Nketiah


Arsenal 1.jpg厳しい現状です。

先発はGKには1レノが入り
DFラインは右SBに2ベジェリン、
左SBに3ティアニー、
CBに23D.ルイスと6ガブリエウが入る
4バックが組まれました。
中盤は怪我で離脱中の
18トーマスが間に合わずに
8セバージョスと34ジャカが組み
2列目には右に12ウィリアン、左に7サカ、
トップ下に28ウィロックが起用されました。
そして1トップに14オーバメヤンが入る
4−2−3−1をこの試合でも組んで来ましたが
セットプレーからの流れでゴールを奪う事は出来ましたが
この試合も流れからゴールを奪う事は出来ませんでした。

前節のリーズ戦からは出場停止中の19ぺぺに代わって
7サカが起用され2列目の左サイドに入り
16ホールディングから23D.ルイスにCBが代わっただけで
それ以外は同じメンバーと同じシステムでしたが
そのリーズ戦に比べて
何度かはゴールに迫る場面はありました。

49分過ぎ、8セバージョスからのスルーパスに対して
右サイドの大外から裏へ抜け出した
2ベジェリンから送られたクロスを
ゴール前で7サカが合わせ様としましたが
合わせられず、、、。

ゴールに向かって走り込んで行った14オーバメヤンと共に
ウルヴスのDFラインが下がって出来た
DFラインの前にスペースに残った7サカは
完全にフリーでしたので
合わせ難い高さのクロスだったとは言え
合わせられなかったのは
7サカのミスと言わざる得ないと思います。

73分過ぎ、8セバージョスのパスを受けた
28ウィロックが送ったスルーパスで
裏に抜け出した7サカが送ったクロスが
ファーサイドの24ネルソンに通り
そのボールをワントラップしてから
右脚を振り抜きましたが
枠を捉えられず、、、。

この場面でも14オーバメヤンのマークに
ウルヴスのDFが集まった事で
ファーサイドの24ネルソンがフリーになっていただけに
決めなければならなかったと思います。
勿論、胸でトラップしている間に迫ってきた
DFが視野に入った事で
枠を外してしまったのかもしれませんが
極論、バウンドが高く跳ねていたとは言え
緩やかなボールでしたので
そのまま叩きつける様にダイレクトで撃っていたら
もしかしたら違う結果になっていたかもしれません。

7サカの場面も24ネルソンの場面も
決定機と言える場面でしたが
最後の最後のフィニッシュの局面で
『決めてやる!』と言う様な
強い気迫が感じられなかったのは残念です。

81分過ぎ、2ベジェリンから送られた右サイドからのクロスを
走り込んで来た14オーバメヤンがヘッドで合わせましたが
惜しくも枠を捉えられず。

この場面では終盤投入された
9ラカゼットと2トップになって
ゴール前のマークが分散していた事で
やっと14オーバメヤンにチャンスが回ってきた場面でした。

結局、この試合でもサイドからのクロスから
何度かチャンスを生み出しましたが
反対に中央を使った形は
殆ど機能させる事は出来ていなかったと思います。

勿論、サイドからの崩しが悪い訳ではないと思います。
この試合でもハーフスペース付近から
裏へのスルーパスで抜け出し
そこからの折り返しでチャンスを作っていましたので
崩しのパターンとしては
それなりに形になっていたと思います。
しかしそれ以外の形がない為に
相手守備陣はその折り返しに対して
ゴール前を固めるだけで防ぐ事が出来ますので
アーセナルの攻撃に対する対応は容易だと思います。

同時に今のアーセナルの前線を観ていますと
サイドからクロスを入れても
前線のポジショニングは完全に横並びか、
多少凸凹があったとしても
その前後の幅は非常に狭い様に観える所は
非常に気になります。

実際、ニアとファーにある程度分散しても
前後に平坦なポジショニングであれば
そこに向けて折り返されるクロスは
基本的に同じ様なコースを通る事になり
下を通すか、上を通すかのバリエーションはあったとしても
基本的には点で合わない限り
相手の守備網に引っかかってしまいます。

一方で前後に分散していれば
折り返されるクロスは角度を付ける事が出来ますので
ゴール前を横切るコースと共に
相手の守備網は複数のコースをケアしなければならない分、
ゴール前に隙が生じる可能性が出てくると思います。

勿論、より角度を付ける為には
より深くよりゴールの近い位置まで侵入する事が必要だと思いますが
その為にはそこまで侵入出来る
最高レベルのドリブラーか、
もしくはただ裏に抜け出すだけではなく
裏に抜け出した選手を更に追い越して
更にその裏を狙う様な
精度の高い連動的な動きが必要だと思います。

この前線が横並びになってしまう現象は
中盤がボールを持っている時にも観られると思います。
基本的に前線の選手達は
相手のDFラインと同じラインに留まる事が多い為に
楔のパスが入れられない、
入れても収まらずに次への展開が続かないと言う
問題がある様に感じます。
勿論、トップ下の選手が
2ラインの間でボールを動かす事が出来れば
問題は解決するのかもしれませんが
この試合でトップ下として起用された28ウィロックは
左右に流れながらサイドの選手と絡む場面が多かった為に
2ラインの間でこの様な仕事をする選手が
この試合でもいなかったと思います。

結果的にDFラインの前のスペースには
誰もいないスペースが存在し
それにより中盤と前線に距離が出来るだけではなく
ポッカリと空いたそのスペースの周りを迂回する様に
アーセナルは攻撃していた様にも観えてしまいましたので
前線の選手はもっと前後動を増やして
そのスペースを埋めるか、
サイドの選手がもっと2ラインの間に
切り込んでくる動きが必要に感じます。

そう言う意味では前試合のモルデ戦で
2ラインの間に切り込み
積極的に左脚を振り抜いてゴールを狙った
19ペペのプレーは良いアクセントになる様に感じますし、
一人が引いて楔のパスを受け、
もう一人がそれにより出来たスペースを使う様な
2トップをレギュラー組でも試してみるのは
良いと思います。

とにかく、動きが少なく平坦な今のアーセナルの前線が
もっと前後に立体的な動きが出来る様になるだけでも
大きく変わると思いますので
次のスパーズ戦までに解決策を見出して欲しいと思います。

一方の守備に関しても3バックに比べて
4バックはやや脆弱になってしまっている様に感じます。
勿論、ゴールが全く奪えない現状を改善する為には
ある程度守備面のリスクは
目を瞑るべきなのかもしれませんが
昨シーズン終盤から今シーズン序盤の
安定していた守備に比べますと
危うい場面が増えてきていると思います。

この4バックへの回帰は
中盤の底に18トーマスがいる事が前提で
その18トーマスが復帰してきたら
解決する問題なのかもしれませんが
結果的にここ最近のアーセナルは
攻守のバランスが崩れ始めていると思います。

今後、得点力の改善に努める為に
このまま守備面の安定性に対しては
目を瞑っていくべきなのか?
それとも「1−0」でも良いので
シーズン序盤の守備の安定性を重視する地道な路線で
冬の移籍期間まで凌ぎ切るのか?
まさに大きな岐路に立っている様に感じます。


C'mon Arsenal !!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

2ベジェリン     PL:0G2A EL:0G1A
6ガブリエウ     PL:2G0A 
7サカ        PL:1G0A EL:0G1A CS:0G1A 
8セバージョス    PL:0G1A
9ラカゼット     PL:3G0A
12ウィリアン     PL:0G3A
14オーバメヤン    PL:2G1A CS:1G0A EL:1G0A
19ペペ        PL:1G0A EL:3G2A
23D.ルイス      PL:0G0A EL:1G0A
24ネルソン      PL:0G0A EL:1G0A
28ウィロック     PL:0G0A EL:2G3A
30エンケティア    PL:1G0A CC:1G0A EL:1G0A
32スミス・ロウ    PL:0G0A EL:0G1A
38バログン      PL:0G0A EL:1G0A


nice!(0)  コメント(0)