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PL11:Tottenham Hotspur vs ARSENAL [Arsenal マッチリポート]

Tottenham Hotspur 2−0 ARSENAL
2020年12月6日(日)Premier League, Tottenham Hotspur Stadium

Goal 
 (13)Son
 (45)Kane


1Leno

2Bellerín  16Holding  6Gabriel  3Tierney

18T. Partey  34Xhaka

12Willian    9Lacazette     7Saka 

14Aubameyang


(45)18T. Partey>>>8Ceballos
(76)2Bellerín>>>30Nketiah


Substitutes
 13Rúnarsson
 20Mustafi
 15Maitland-Niles
 25Elneny
 28Willock


Arsenal 1.jpg完敗です。

モウリーニョが最も得意とする
『堅守速攻』にやられてしまいました。

先発はGKに1レノ
DFラインには右SBに2ベジェリン、
左SBに3ティアニー
CBに16ホールディングと6ガブリエウが入る
4バックが組まれました。
中盤は怪我で離脱していた18トーマスと34ジャカ、
2列目には右に12ウィリアン、
左に7サカ、トップ下に9ラカゼットが入り
1トップを14オーバメヤンが務める
4−2−3−1が組まれました。

ELラピッド・ウィーン戦で結果を出した
9ラカゼットをトップ下に配する
4−2−3−1を組むのか、
守備面での安定性を優先する
可変式3バックシステムを組むのかを
注目していましたが
結果的には4−2−3−1を組んできました。

これによりアルテタ監督はボールを保持し、
より攻撃面に重きを置くプランを立てた様ですが
これは相手にボールを持たせて
隙を突いて一気にカウンターで仕留める
スパーズにとって願ったり叶ったりの状況でもあり
結局、スパーズの堅守を撃ち破るだけの攻撃力が
今のアーセナルに有るのか無いのかが
試される事になりましたが
残念ながら今のアーセナルにはそれだけの力はなく
反対にモウリーニョのプラン通りに
カウンターで仕留められてしまったのは残念でした。

この試合のスパーズは
ソンをスパーズの左サイドに置いていた事からも
モウリーニョの狙いは明確で
現在のアーセナルの守備網の中で
最も脆弱な2ベジェリンの裏のスペースを突き
明らかにスピードと敏捷性でソンに劣る
16ホールディングを釣り出して対応させると言う
アストン・ヴィラ戦で露呈した同様の問題を狙っていたと思われ、
実際2つの失点はこの右サイドから奪われてしまいました。

確かに1失点目のソンのミドルシュートは
あそこに蹴られたらどんなGKも
防ぐ事は出来ない完璧なスーパーゴールだったと思いますが
ドリブルで侵入してきたソンに対応した16ホールディングは
右サイドを駆け上がってきたレギロンがいたとは言え
マークの受け渡しの準備が整う前に
ソンから離れてしまったのは、
タイミング的には早すぎたと思います。
同時にそれまでの付かず離れずの距離感での対応は
そのアストン・ヴィラ戦でのグリーリッシュへの対応で
有効ではない事が証明されていましたので
実際、ゴール前には人数が揃っていましたので
もっと距離を詰めた対応をしても良かったと思います。

2失点目は本当ならば18トーマスがケアしているはずのエリアに
その18トーマスがいなかったと言うのが
最大の問題だったと言うのは言うまでもないと思います。

この場面では怪我が再発した為に18トーマスが
ピッチの外に出ようとしていた為に
カウンターを受けた場面では
両CBの前に広大なスペースが生まれており
これにより16ホールディングと6ガブリエウは
全く援護がない2対4の状態に陥ってしまいました。

勿論、18トーマスの怪我の再発は
不運だったと言う部分はありますが
ボールデッドになっていない状況で
持ち場を離れてサイドライン側に行ってしまったのは
大きな過ちであり弁明は出来なと思います。

それと共に18トーマスは本当に怪我から回復し
試合に出れる状態だったのかどうかには
大きな疑問が残ります。
メディアの大方の予想では
18トーマスはこの試合には間に合わないと言われていましたので
この試合で先発で起用したのは
少なからずギャンブルだった可能性は否定出来ません。

勿論、最終的に起用するかどうかの判断は
アルテタ監督が下している訳ですので
その責任はアルテタ監督にあると思いますが
その一方でラピッド・ウィーンの戦前に
復帰を強くアピールする18トーマスに
アルテタ監督は待ったを掛けている様なコメントをしていましたので
プレー出来ると過信していた
18トーマス側にも自らの判断の誤りを反省する必要があると思います。

どちらにせよ最も重要な時間帯に
絶対に奪われてはいけないゴールを奪われてしまった事が
この試合のポイントになってしまったのは言うまでもなく
1つのゴールを奪うのにも苦労している
今のアーセナルには2ゴールを奪う事が
無理な話なのは言うまでもないと思います。

その攻撃面もチャンスがなかった訳ではないと思います。

前でクリアーしようとした
ダイアーが目に入ったとは言え
足下に来たボールを
12ウィリアンが合わせられなかった
39分過ぎの左サイドからの14オーバメヤンが
クロスを入れた場面。

惜しくも枠外でしたが
14オーバメヤンの頭にピタリとあった
48分過ぎの3ティアニーからのクロスの場面。

ロリスのファインセーブで防がれてしまいましたが
9ラカゼットのヘッドにあった
67分の2ベジェリンからのクロスの場面等、
以前も話しましたが現在のアーセナルには
優秀なヘッダーがいる訳ではありませんので
クロスが入れられても
ゴールに繋がる確率は非常に低いのが現状ですが
それでもピンポイントクロスから
チャンスは何度か作れたと思います。

一方でもっと上手く振る舞えば
ゴールを奪う事が出来たと思われる
決定的な場面もあっと思います。

45分、16ホールディングがクリア気味に送った
前方へのパスを収めた7サカが
9ラカゼットへ繋ぎ、
そこから送られたスルーパスで
2ベジェリンが裏に抜け出しましたが
そこから送られたグラウンダーの折り返は
誰にも合わずチャンスを活かせませんでした。

この場面での2ベジェリンには
GKとDFラインの間を鋭いボールを送るコースと
一緒に下がってきたDFラインの前に出来たスペースに向けて
マイナス方向に折り返すコースと
2つのコースがあったと思いますが
14オーバメヤンの動きを観る限り
14オーバメヤンは前者のコースを求めていた様ですが
2ベジェリンが選択したのは後者の方でした。

勿論、スピードのある14オーバメヤンの特徴を考えれば
前者のコースも面白かったと思いますが
一方で14オーバメヤンはオーリエの外側に回り込む様にして
裏に抜けようとしていましたので
14オーバメヤンに届く前に
内側にいるオーリエにカットされる可能性があり、
カットされない様にクロスを送るのならば
より深いコースを通す必要になりますが
そうなりますと角度がなくなり
前に出てきたロリスにセーブされる可能性も
高くなっていたと推測されます。

そう言う意味ではスパーズのDFラインが
一気に下がろうとしていましたので
外に膨らむフェイントを入れた所で一気に中に入ってくれば
フリーの状態で右脚を振り抜く事が出来たと思いますし
2ベジェリンもダイレクトで撃ちやすい様に
緩いボールを折り返していましたので
2ベジェリンが選択した
DFラインの前のエリアに送るクロスが
正解だった様に感じます。

もっと言えば下がったスパーズのDFラインの前に出来たスペースに
なぜ7サカが走り込んで来なかったのか?
2ベジェリンにスルーパスが出た時点で
残念ながら7サカは次の展開のイメージが
全く浮かんでいなかった様に
前に出る歩みを緩めてしまっていました。
しかしこの場面では折り返しが来るかどうかではなく
下がったDFラインの前には
必ず有効なスペースが生まれる事を
常に意識をしていなければならず、
そこにスペースが生まれていたら
誰よりも早くそのスペースを
取りに行かなければならなかったと思います。

実際、14オーバメヤンが外に膨らんだ事で
オーリエも外に開いていましたので
スパーズのDFラインには
ゴール正面に大きな穴が空いており
そこで7サカが折り返しを受けていたら
完全にフリーの状態で
しかも前を遮る選手がいない状態で
左脚を振り抜く事が出来ていたと思います。

この3者のイメージが噛み合っていなかった為に
この最高のチャンスをゴールに結びつけられなかったと共に
ここでゴールを奪っていたら
ここから始まるカウンターで奪われた
ケインのゴールも幻になっていただけに
非常に悔しい場面でした。

49分過ぎ、34ジャカからのサイドチェンジのパスを
12ウィリアンがダイレクトで9ラカゼットへ繋ぎ
その9ラカゼットから裏に送られたパスで
抜け出した2ベジェリンから
グラウンダーの折り返しが入れられましたが
残念ながらこれも合わず。

これもゴールに向かって入り込んだ14オーバメヤンによって
スパーズのDFラインが下がって出来た
その前のスペースへのクロスでしたが、
そのスペースに入ってきていた9ラカゼットは
そこにクロスが送られてくる事を予想していなかったかの様に
反応が1テンポ遅れた為に合わせられませんでした。

2ベジェリンからのクロスを予測して速やかに走り込んでいたら
9ラカゼットはゴール正面の位置でフリーの状態で
シュートを撃つチャンスでしたので
一瞬、動き出しが遅れてしまったのは
非常に残念でした。

とは言え、アルテタ監督が目指している
サイドアタックの理想型は
この様な形ではないかと思います。

しかしこの2つの場面が示す様に
この様な形を作る為には
ダイレクトで的確に繋いで行く様な
よりテンポの速い展開と
プレーの連動性とイメージの共有が必要だと思われます。

現状としてはその様な速いテンポでの仕掛けが
十分に出来ない為に
相手のDFラインは下がり切って
ゴール前に待ち構えているた状態で
仕掛ける場面が多くなってしまい
クロスマシーンと揶揄される様な
ピンポイントで合わせる様なクロスを送るしか出来ずにいますが
今後サイドアタックでゴールを奪える様になる為には
相手のDFラインが下がりながら対応せざる得ない様な
テンポの速い仕掛けが出来るかどうかが
ポイントになると思います。

とは言え、CFに14オーバメヤンを配する利点を
最大限に活かす為には
本当ならばこの様な仕掛けを増やさないとならないと
個人的には思います。

83分過ぎ、センターライン付近での
ルーズボールを収めた9ラカゼットから
すぐさま前線の14オーバメヤンにパスが送られ
アルデルヴァイレルトと1対1の状況になりました。
惜しくも振り切る事が出来ずに
シュートはブロックされてしまいましたが
14オーバメヤンのスピードと勝負強さを活かす為には
この場面の様に中央からも質の高いラストパスが必要だと思います。

結局この試合でも流れの中からゴールを奪う事が出来ず
ゴール欠乏状態は続いています。
当然ですがゴールを奪う事が出来なければ勝つ事も出来ず
当然勝ち点を得る事も出来ないアーセナルは
下位に沈んでいます。

この様な状態が長く続きますと
心配になるのがアルテタ監督の去就です。
素晴らしいコンセプトを持ち
混乱状態だったチームを一つにまとめ
FA杯とコミュニティー・シールドを獲得した様に
良い流れの時はチームはどんどん良くなる一方で
現在の様に不調に陥った時に
速やかに回復させる事が出来るかどうかは
監督経験の浅さが仇になる危険性も孕んでいると思います。

現在のアルテタ監督の状況は
気の短いオーナーがいる様なクラブならば
とっくに首を切られていたとしても
おかしくない状況だと思いますが
夏の移籍期間の時点で
アワールの獲得に強く動いていた様に
攻撃陣のクオリティー不足は
アルテタ監督のみならずクラブとしても
認識していたはずだと思います。
しかし結果的に交渉がまとまらずに
攻撃陣のクオリティー不足を
解消する選手の獲得は見送られ
代わって中盤の強度を上げる
18トーマスを獲得に移行した経緯がありますので
現状の攻撃陣の低迷は
クラブとしてもある程度了承している問題だと思います。

そう言う意味ではアルテタ監督を
すぐにでも解任する可能性は
個人的には少ないと思っており
少なくとも冬の移籍期間が終わって
新たな選手を補強するまでは
様子を見る様に感じます。

何はともあれ、今のアーセナルには
まず『ゴール』が必要であり
極端の話、14オーバメヤンやチームに
ゴールの感覚を思い出させる為にも
消化試合で若い選手の経験の場になるはずの
ELダンダーク戦でレギュラー組を起用して
ここ最近の鬱憤をはらさしても良い様に感じます。

とにかく1つの目のゴールが生まれれば
全てが変わると信じています。


C'mon Arsenal !!


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2ベジェリン     PL:0G2A EL:0G1A
6ガブリエウ     PL:2G0A 
7サカ        PL:1G0A EL:0G1A CS:0G1A 
8セバージョス    PL:0G1A
9ラカゼット     PL:3G0A EL:1G0A
12ウィリアン     PL:0G3A
14オーバメヤン    PL:2G1A CS:1G0A EL:1G0A
15M=ナイルズ    PL:0G0A EL:0G1A 
19ペペ        PL:1G0A EL:3G2A
22マリ        PL:0G0A EL:1G0A
23D.ルイス      PL:0G0A EL:1G0A
24ネルソン      PL:0G0A EL:1G1A
28ウィロック     PL:0G0A EL:2G3A
30エンケティア    PL:1G0A CC:1G0A EL:2G0A
32スミス・ロウ    PL:0G0A EL:1G1A
38バログン      PL:0G0A EL:1G0A


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