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FA Community Shield:ARSENAL vs Chelsea [Arsenal マッチリポート]

ARSENAL 1−1 Liverpool
2020年8月29日(土)The FA Community Shield, Wembley Stadium

Goal
 (13)14Aubameyang(←7Saka)
 (73)Minamino

Penalty shoot-out
 Salah   ◯ー◯ 24Nelson
 Fabinho  ◯ー◯ 28Willock
 Brewster  Xー◯ 17Soares
 Minamino ◯ー◯ 23D. Luiz
 Jones   ◯ー◯ 14Aubameyang


26Martinez

16Holding  23D. Luiz  3Tierney

 2Bellerin  25Elneny  34Xhaka 15Maitland-Niles

  7Saka         14Aubameyang

30Nketiah



(58)2Bellerin>>>17Soares
(82)7Saka>>>24Nelson
(82)30Nketiah>>>28Willock
(82)3Tierney>>>31Kolasinac


Substitutes
 1Leno
 4Saliba
 54Olayinka
 32Smith Rowe
 47John-Jules


Arsenal 1.jpgPK戦にまでもつれ込んだ
今回のコミュニティー・シールドを制し
アルテタ監督が就任してから
約8ヶ月の間に
約1ヶ月前のFA杯優勝に続き
早くも2つ目のタイトルを獲得しました。

先発はこの試合でも3−4−2−1を組んできましたが
MKドンズ戦からは
GKが1レノから26マルティネスに、
右WBが17ソアレスから2ベジェリンに、
そしてCBが4サリバから23D.ルイスに代わって
16ホールディング、23D.ルイス、3ティアニーの
3バックが組まれました。

その26マルティネスは休暇からロンドンに戻ってきた時の
検疫関係の自己隔離の為に
この試合には間に合わないと言われていましたが
この夏は1レノと正GK争いを行っている関係上なのか
自己隔離期間が終了してすぐに
この試合に出てきたと思われます。

しかしロバートソンからのロングフィードで
マネが抜け出してきた場面や
右サイドの深い位置から送られた
ロバートソンの柔らかいクロスを受けたマネの場面の様に
最高のタイミングで距離を詰め、
見事なブロックでゴールを守るなど
始動直後とは思えない活躍を観せていたと思います。
これで昨シーズン終盤の活躍が
ただの勢いではなく
本気で1レノからポジションを奪い取るだけの
実力がある事を証明したと思います。

一方の2ベジェリンは何度か
トラップミスやボールコントロールミスを犯し
対峙したマネやロバートソンに翻弄される場面があった様に
まだ本調子とは言えない状態に観えましたが
それでも右サイドからスペースのない所を
ドリブルで切り込んで行くなど
それなりに存在感は示していたと思います。

23D.ルイスも何度か危ういプレーはありましたが
時間が経つにつれて安定していき
特にゴール前においては
リバプールの猛攻に対してしっかりと跳ね返す強さを観せ
今シーズンもDFリーダーとしての責務を
果たす準備が出来ている事を示したと思います。

16ホールディングもゴール前では高さと強さを示して
存在感を観せていたと思いますが
その一方で右サイド側から仕掛けてくる
マネやロバートソンへの対応は
苦慮していた様に観えました。
確かに以前の様に距離を詰めるタイミングを誤って
何も出来ずにかわされる様な場面は減りましたが
純粋にスピードや敏捷性で勝負された時に
自身の体格や強さを活かして相手を押さえ込む術が
やはり十分ではない様に感じてしまいます。

そう言う意味では以前から書いています様に
年齢的にスピードの面に問題が出てきた23D.ルイスが
3CBの中央ならば安定したのと同じ原理で
16ホールディングを3CBの中央で起用するのが
ベストなのかもしれません。
しかし23D.ルイスのリーダーシップは
現在のチームとっては欠かせないものだと思いますので
そう簡単に16ホールディングと
入れ替えられないのも事実だと思います。
よって3バックの右または左CBで
十分に対応出来なければ
今シーズンも出場機会が限られた物になる可能性がありますので
定期的な出場機会を得る為にも
噂に出ているはニューカッスルへのローン移籍は
個人的には良い話の様に感じます。

去就が不透明な25エルネニーと15ナイルズも
この試合で起用されましたが
どちらも良いプレーを観せていたと思います。

34ジャカと共にCMFに入った25エルネニーは
MKドンズ戦と同様に中盤のリンクマンとして
非常に大きな存在感を示していたと思います。
当然ですがリバプールのハイプレスは
速く的確で組織的にも完成していますので
先日のMKドンズとは比べ物にならないはずですが
そのリバプールの緻密なプレスの網の中でも
的確な距離感とポジショニング、
そして正確に繋ぐダイレクトパスで
見事にそのハイプレスをかい潜っていたと思います。
一方でMKドンズ戦では
ファールで止める場面が多かった守備面に関しては
この試合では守備のブロックを作って
引いて守る時間帯が多かった為に
何とも言えない状況でした。

とは言え、バックラインからしっかりとパスを繋いで
ビルドアップする形を目指している
現在のアーセナルにとっては
相手のハイプレスをかい潜れるかどうかは
ある意味生命線であり
それを可能にする25エルネニーの様なリンクマンは
チームにとって必要な選手の様に感じます。

それにボールと人が全く動かずに
完全に機能不全に陥っていた当時のアーセナルの中盤を
冬の移籍期間で25エルネニーが加入した事で
劇的に改善した15/16シーズンの後半の活躍を
忘れてはならないかも知れません。

確かにその後新たな選手が加入した事もあり
アーセナルでの出場機会は減らしていましたが
昨シーズンのベシクタシュへのローン移籍で
多くの出場機会を得た事で
元々持っていたその能力が
再び呼び覚まされたのかも知れません。
そう言う意味では現在の25エルネニーの序列は
CMFでは一番下であり
今後補強が進めば放出される可能性が
一番高いのかも知れませんが
一方で思う様なターゲットが補強出来なかった為に
他の選手で妥協する位ならば
25エルネニーを残す方が良い様にも感じます。

15ナイルズに関してもこの試合のMoMに輝いた様に
非常に良かったと思います。
先日のMKドンズ戦と同様に
時にはワイドな位置に留まらずに14オーバメヤンの内側を
インナーラップしてきてハーフスペースのエリアに顔を出し、
時にはそのままゴール前にも顔を出し、
時には左のインサイドハーフの位置に入り
攻撃陣の下支えをし、
時には攻め上がった3ティアニーと入れ替わる様に
左サイドのDFラインをカバーする等
多岐に渡り存在感を観せた所が
MoMとして評価されたのだと思います。

確かにアルテタ監督が行おうとしている
攻守によって3バックと4バックを変形させる
3−4−2−1システムの要になっているのが
左CBに入っている3ティアにーと
左WBに入っている15ナイルズだと言うのは言うまでもなく
仮に15ナイルズが移籍した場合には
誰が同じ様な役割を担うのかと言う
問題が出てきてしまいます。

普通に考えれば7サカを左WBで起用するのが
一番順当かも知れません。
7サカならばワイドの位置でも絞った位置でも
一歩下がったインサイドハーフの位置でも
攻撃面に関しては十分にその力を発揮するかも知れませんし
3ティアニーと7サカと言う
2段構えでサイドから仕掛ける形は
非常に迫力がありそうです。
その一方で場合によっては左CBとして振る舞う事が
7サカに出来るかどうかは大いに疑問が残ります。

一方で3ティアニーを左WBで起用する形も考えられますが
その場合には左CBに誰を起用するのかと言う問題が出現します。
元々左CBで起用されていた31コラシナツは
安定感や状況に即したユーティリティー性の問題で
3ティアニーにそのポジションを奪われた事を考えますと
31コラシナツを使うのは現実的ではなく
反対に本職のCBを起用した場合には
現在結果を出し続けている
3バックと4バックのハイブリットなシステムから
従来の3バックシステムに戻る事になりますので
それは別の意味で残念です。

とは言え、この試合の15ナイルズが
何か決定的な仕事をしたかと言われれば
それ程決定的な仕事をした訳ではなかったと思います。
左サイドからのクロスの精度は相変わらずですし
32分過ぎの場面では
3ティアニーの折り返しを
ペナルティー内でフリーで受けながらも
シュートを撃たずに30エンケティアに繋いでしまい
この決定機をふいにしてしまった場面もありました。
今後このポジションで確固たる地位を築く為には
決定機を作ったり、
ゴールを奪ったりする事が出来るかどうかが
課題になると思われます。

この様にこのポジションでの活躍が評価された15ナイルズは
今回初めてイングランド代表に呼ばれましたが
そろそろ本職だったCMFへの思いを捨てて
必要とされるポジションでやって行く覚悟を
する時なのかも知れません

丁度以前「15」を付けていたチェンバレンは
その覚悟が出来ずにアーセナルを去りましたが
しかし移籍したリバプールでは
大怪我を負った事もあり
インサイドハーフのバックアッパーに甘んじていますので
15ナイルズには同じ過ちは犯さないで欲しいと思います。

そして15ナイルズがその覚悟が出来ているならば
この夏に進んでいる
ウルブスやニューカッスルへの移籍話は即時撤回し
アーセナルに残るってくれる事を望みます。

一方でこの試合で14オーバメヤンと共に
決定的な仕事をしたのが
7サカだったと思います。
2ベジェリンからのボールをライン際で受けた7サカが
カットインした所から
左サイドの14オーバメヤンへサイドチェンジのパスを通して
先制ゴールをアシストした場面を筆頭に、
17分過ぎの34ジャカからのパスを
右サイドで受けた7サカが
早いタイミングでエンケティアに折り返した場面、
26分過ぎのの25エルネニーからのパスを
中央で受けた7サカから30エンケティアに送られた
鋭いラストパスの場面、
44分過ぎのFKからの流れから
ルーズボールを左サイドで競り勝った所から
ゴール前の30エンケティアに向かって送られた
鋭いクロスの場面等
ゴールが生まれる可能性があった決定機を
何度も作っていました。

その一方で54分の場面の様に
ゴールに向かう意識には
まだ物足りなさを感じます。
この場面ではアーセナル陣内からのカウンターで
14オーバメヤンが左サイドをドリブルで持ち上がった所から
逆サイドに走り込んで来ていた
7サカへラストパスが送られましたが
その7サカはロバートソンに競り負けてしまい
シュートを撃つのは勿論の事、
ボールにすら触れませんでした。

本来ならば7サカはロバートソンの内側を走っていましたので
前さえ取らせなければ内側を走っていた7サカは
先にボールに触る事が出来たと思いますが
結果的にはロバートソンに前を取られてしまったのは
残念でした。
例えば仮に7サカではなく
35マルティネッリならば
何が何でもそして何をしてでも
ロバートソンに前を取らる様な状況には
させなかったと思います。
勿論、ストライカーである35マルティネッリと
チャンスメイカーである7サカとの違いはありますが
現時点での7サカは
決定機が訪れたら何が何でもゴールを奪おうとする
心構えがまだ出来ていない様に感じます。
今後より怖いアタッカーになる為には
この辺りの意識改革が必要かもしれません。

反対に30エンケティアは何度か決定機が訪れていただけに
ゴールを奪わなければならなかったと思います。
実際問題として、
特に後半は完全に14オーバメヤン頼みになっており
これでは昨シーズンと状況は変わりません。
現在の14オーバメヤンの依存を脱却する為には
30エンケティアの成長が絶対に不可欠ですが
まだ時間が必要そうです。

結果的に1−1のままPK戦となりましたが
そのPK戦を制して
今シーズン一つ目のタイトルの獲得に成功しました。

これで昨シーズンのPL王者と
2試合連続互角の戦いを観せる事が出来た事は
大きな自信になったと思います。
しかもリバプールは
始動し始めてからまだ1週間にも満たないアーセナルよりも
1週間早く始動していましたので
状態はアーセナルよりは良かったと思います。
しかもほぼベストメンバーだったリバプールに対して
アーセナルはまだ完全にメンバーが揃っていない状況でしたので
苦戦が予想されましたが
そのリバプールの中で
唯一アレクサンダー・アーノルドを欠いて
ベストメンバーではなかった右SBを
狙い撃つ作戦は成功したと思います。

まだプレシーズンが始動して間もない状況であり
チームに残る選手、
新たに加わってくる選手が
完全に決まっていない状況ですが
PL王者のリバプール、逆襲に燃えるシティ、
そして大型補強を敢行したチェルシー等の
現状のアーセナルを遥かに上回る戦力を揃えたチームと
戦う準備は出来たと言えると思います。


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C'mon Arsenal !!


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7サカ        CS:0G1A 
14オーバメヤン    CS:1G0A 


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