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2021/22シーズン〜〜CB総括〜〜 [Arsenal F.C.]

2022/23シーズンを振り返って〜〜CB〜〜

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今回はCBについて2022/23シーズンを振り返ってみたいと思います。

今シーズンのCBはガブリエウと12サリバを
16ホールディングがバックアップする形で始まり
シーズン後半は冬の移籍期間で獲得した
15キヴィオルを加えた4人体制となり
シーズン終盤では怪我で離脱した12サリバに代わって
4ホワイトもこのポジションでプレーしました。

同時に今シーズンのCBは偽SBシステムを採用した関係で
振る舞い方がこれまでとは若干変わったと思います。

左CBに入った6ガブリエウは
チームがボールを保持した時には
左SBの35ジンチェンコが
アンカーの横まで上がっていく関係で
ハーフスペースのレーンよりもワイドな位置まで開いて行き
それに合わせて右CBの12サリバは
ピッチの中央辺りにポジションを移していました。
そして残った右サイドのスペースを
右SBの4ホワイトがケアする様な
変形の3バックの様な形を形成するのが
今シーズンのCBの特徴だったと思います。

これにより元々右SBに入っている4ホワイトは勿論ですが
6ガブリエウもボールと共に
相手陣内にまで積極的に入っていき
攻撃陣を後ろからプッシュする役割を担う一方で
中央寄りに移ってくる12サリバは
中央の広大なスペースをカバーする役割を担う事となりました。

今シーズンのこの様な形は
スピードとパワーを兼ね備え
1対1の状況でも一人で対処出来る
12サリバの存在が肝になっていたのは言うまでもなく
実際、怪我で12サリバが離脱した後に
16ホールディングや15キヴィオルが
同じ役割を与えられていましたが
十分に対処する事が出来ずに
DFラインは一気に弱体化してしまった事からも
バックアッパーの問題が
浮き彫りになってしまったシーズンだったと思います。


〜〜6ガブリエウ・マガリャンイス(25歳)〜〜


PL 38試合先発:3ゴール
EL 5試合先発+2試合途中出場
FA杯 2試合先発
カラバオ杯 1試合途中出場


今シーズンのPL全試合で先発した様に
6ガブリエウはDFラインの軸として
チームの躍進に大きく貢献したと思います。

フィジカル的に強くスピードも兼ね備えた
アグレッシブなデイフェンスは健在で
左サイドの広い範囲をしっかりとカバーしていたと思います。

一方で昨シーズンも書きましたが
アグレッシブなプレーは良いと思いますが
掴む、引っ張ると言う様な姑息な手段や
ファールギリギリのチャージで相手を止める場面も実際にあり
昨シーズンよりはカードを受ける場面は減ったとは言え
一歩間違えれば昨シーズン以上に
カードを出されていた可能性もあったと思いますので
この辺りはまだまだ改善が必要だと思います。

とは言え、集中している時の6ガブリエウの対人守備は
非常に強固であり
12サリバとの連携も非常に良かったと思います。
そして昨年10月に2027年夏まで契約延長した様に
これからもDFリーダーとして
アーセナルのDFラインのまとめていく事が期待されます。


〜〜12ウィリアム・サリバ(22歳)〜〜


PL 27試合先発:2ゴール1アシスト
EL 4試合先発:1ゴール
FA杯 1試合途中出場
カラバオ杯 1試合先発


マルセイユへのローン移籍から復帰してきた
12サリバはPLとアルテタ監督のスタイルに
速やかに適応し
シーズン前半の躍進に大きく貢献したと思います。

特に今シーズンの偽SBシステム上、
右CBに入る12サリバは
中央の広大のスペースをカバーする必要があり
その様な状況下で相手のアタッカーに対して
一人で対処しなければならない状況に陥る事もありましたが
フィジカル的に強くスピードも優れている12サリバは
その役割をしっかりと完遂していたと思います。

その様な12サリバにもまだ改善が必要な部分が
ない訳ではないと思います。

その一つがブレントフォード戦で露呈した
空中戦の問題です。

ゴール前での空中戦に関しては
それほど問題がなかった様に感じていましたが
相手のバックラインからのロングフィードに対して
落下地点を予測し、最適なタイミングで飛んで競り合うと言う
最もシンプルな競り合いで
そのブレントフォード戦では
殆ど競り勝つ事が出来ませんでした。

勿論、この試合で何度となく競り合った
ブレントフォードのトニーは
フィジカル能力に優れていて厄介な相手だったと思いますが
それを差し引いても全く歯が立っておらず、
その様な12サリバをブレントフォードが狙い撃ちしていた様に
空中戦に問題があると言うデーターがあったのだと思いますので
来シーズンい向けて改善が必要だと思います。

そしてマルセイユ時代に比べてだいぶ減りましたが
それでも時々ボールウォッチャーになって
瞬時に反応が出来ない場面がまだありましたので
これも来シーズンに向けての改善点だと思います。

この様に改善点はまだありますが
シーズン終盤に背部の怪我で離脱してから
DFラインが弱体化してしまった様に
今シーズンの守備システムの肝は
12サリバだったのは言うまでもなく
実質的にPL初参戦のその12サリバが
他のPL初参戦の選手達と同様に
速く激しいスタイルに身体が蝕まれ
最も重要だったシーズン終盤を
怪我で欠場する事になってしまったのは残念でした。

思いのほか、その背部の怪我は長引いていますが
このシーズンオフの間にしっかりと治療し
来シーズン開幕から6ガブリエウと共に
再び強固なDFラインを構築して欲しいと思います。


〜〜16ロブ・ホールディング(27歳)〜〜


PL 6試合先発+8試合途中出場:1ゴール
EL 6試合先発+1試合途中出場:1ゴール
FA杯 2試合先発
カラバオ杯 1試合先発


昨シーズンは試合終盤に3バックの中央に投入され
ゴール前に強さと高さをもたらして
試合を終わらせるクローザーとして
少ないプレー時間でしたが
大きな存在感を発揮していましたが
今シーズンはチームの状態が良かった事もあり
本当の意味でクローザーとして投入される場面自体が減り
カップ戦を中心に限られた出場機会しか得られませんでした。

その様な状況の中で
シーズン後半には12サリバの負傷離脱に伴い
16ホールディングもにチャンスが巡ってきましたが
残念ながらその期待に応える事が出来ませんでした。

前記の様に今シーズンの12サリバは
DFラインの裏の大きなスペースを
カバーする事が求められていましたので
その12サリバに代わって起用された16ホールディングも
同様の役割が求められました。

しかしフィジカル的な強さや高さに優れる
16ホールディングは
ゴール前を固める様な守り方をする時には頼りになりますが
スピードに問題がある為に
広いスペースをカバーする様な役割には適していません。
そしてその広大なスペースに入ってきたアタッカーに対して
一人で対応しなければならない状況になる事もありますが
これも俊敏性に難がある16ホールディングは
対応に苦慮する場面が多く
特にパワーとスピードが桁外れのハーランドに対しては
残念ながら全く歯が立っていなかった様に
12サリバと同様な役割を担う事は
出来ていなかったと思います。

同時に、バックラインからのビルドアップに関しても
12サリバに比べて質が落ちていたのは間違いなく
それはバックラインからビルドアップする時に
アンカーの5トーマスが
DFラインの所まで下がっくる場面が
試合を追うごとに増えていた事からも
ビルドアップの段階に関しても
十分に対応出来ていなかったと言えると思います。

これらの事からも
残念ながら現在の16ホールディングは
アルテタ監督が求めるレベルのプレーが
出来ていないの間違いなく
実際、アウェイでのシティ戦を境に
右CBには右利きのCBを起用すると言う
アルテタ監督の基本方針を曲げて
左利きの15キヴィオルを
右CBで起用したという事は
16ホールディングはアルテタ監督の信頼を
失った事を意味している様に感じます。

仮に来シーズンも偽SBシステムを基本システムにするのならば
現在の16ホールディングでは対応に苦しむと思われますので
何かしら対策が必要だと思われます。


〜〜15ヤクブ・キヴィオル(23歳)〜〜


PL 5試合先発+2試合途中出場:1ゴール
EL 1試合先発


冬の移籍期間で加入した15キヴィオルは
スカッドに欠けていた左利きのCBとして期待されましたが
今シーズンはPLとアルテタ監督のスタイルへの適応に苦しみ
シーズンの最終盤になるまで
出場機会を得る事が出来ませんでした。

その15キヴィオルは加入後の
フィジカルテストのいくつかの項目で
歴代最高記録を樹立したと言うのは
有名な話だと思いますが
この様にフィジカル的な能力は非常に高く
フィードの精度の高さなどの能力の一端は
限られた出場機会の中でも観せていたと思います。

その一方で守備時には相手を掴む、引っ張る
抱きかかえる等の
ファールに取られてもおかしくない様な対応が
多い所は気になります。

本来しっかりとした守備技術が備わっていたら
その様なファール紛いの対応をする必要はないはずで、
同時に一般的にはセリエAは
守備戦術や守備時のアプローチの仕方などの
守備面に関して伝統的に秀でていると言われていますので
そのセリエAのスペツィアで2シーズン過ごした割に
守備技術に関しては
やや疑問を感じる部分もありました。

そして現時点で最も問題に感じるのが
戦術的な理解度の面で
特に5トーマスを偽SBで起用した
シーズン最終戦のウルヴス戦では
左SBで起用されましたが
ポジショニングが悪かったのか
それとも単純に信頼度が低かったのか
1ラムズデールよりもボールタッチ数が少なく
ピッチの中で完全に浮いた存在だった様に
戦術的な理解度に関しては
まだまだ浅い印象を受けます。

とは言え、シーズン途中からの加入は
適応に苦しむのが常であり
特に今シーズンは首位争いをしている
真っ只中での加入でしたので
既にチーム戦術が完成しているチームを
さらにグレードアップしようとしている環境に入って行き
チーム戦術を一から理解しようとしても
他の選手との差を埋める事は難しいのは
当然かもしれません。

よって今シーズンの15キヴィオルの状況だけで
15キヴィオルを評価するのはフェアではなく
来シーズンに向けてのプレシーズンで
チーム戦術にしっかりと適応して
元々持っている能力をアーセナルでも発揮する事が
望まれます。


C'mon Arsenal !!


(年齢は2023年6/30時点)


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