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2022/23シーズン〜〜SB総括〜〜 [Arsenal F.C.]

2022/23シーズンを振り返って〜〜SB〜〜

Arsenal 1.jpg


今回はSBについて2022/23シーズンを振り返ってみたいと思います。

今シーズンのこのポジションは
偽SBシステムを採用した事で
根本的に変わりました。

昨シーズンは左SBの3ティアニーと
右SBの18冨安を軸とし
左SBに入った3ティアニーは
積極的に高い位置にまで攻め上がり
前線のライン側のレーンは
左サイドアタッカーではなく
3ティアニーが担当する場面も多かったと思います。

それに対して右SBに入った18冨安は
高い位置にまで攻め上がる場面もありましたが
3ティアニーが高い位置に上がった時は
バックラインに残ったり
5トーマスの横に絞った立ち位置に入るなど
基本的にはバランサー的な役割を担っていました。

一方で今シーズンは左SBに配置した35ジンチェンコが
ボールを保持している時には5トーマスと並ぶ位置に立ち
その5トーマスと共に攻撃の組み立ての役割を担う
偽SBとして振る舞い、
右SBにはCBからコンバートした4ホワイトを配置し
ボールが右サイドにある時には本来の右SBとして振る舞いますが
ボールが左サイドにある時には
2人のCBと連携しながら変則的な3バックの様な形を形成して
守備面でのバランスを取る役割を担う形を
基本としていたと思います。

そしてこの2人をバックアップしていたのが
左SBの3ティアニーと右SBの18冨安でしたが
3ティアニーには偽SBとしての適応がない為に
35ジンチェンコが欠場すると偽SBシステム自体が
機能不全に陥る問題があり、
一方の18冨安は今シーズンも怪我に泣かされてしまい
バックアッパーとしての役割も全う出来ませんでした。

この様に偽SBシステムを採用した事で
今シーズンのアーセナルは大きく躍進しましたが
その一方でバックアッパーには
このポジションも問題がありました。


〜〜35オレクサンドル・ジンチェンコ(26歳)〜〜


PL 26試合先発+1試合途中出場:1ゴール2アシスト
EL 2試合先発+1試合途中出場
FA杯 2試合途中出場
カラバオ杯 1試合途中出場


昨夏に35ジンチェンコを獲得した事で
チームは偽SBシステムを採用する様になり
それによりチームは大きく躍進したと思います。

元々CMFで、ウクライナ代表では今も中盤でプレーしている
35ジンチェンコは5トーマスと共に
中盤の底からテンポ良くボールを捌く事で
ビルドアップの段階はよりスムーズになり
時には攻撃的な縦パスを前線に送って
攻撃のスイッチを入れる様な役割も担っていました。

この様にビルドアップの段階が安定した事で
チームのポゼッション率は上がり
守から攻への移行もより速くなった事で
アーセナルが主導権を握る試合が増えたと思います。

そしてピッチの内外で闘志を全面に出し
チームを鼓舞する場面も多く
その様な勝利のメンタリティーを
若いチームにもたらした点も
チームに変化をもたらしたポイントだと思います。

一方で時々不用意なミスを犯してしまう場面もあり
集中力を切らしてしまうのか?
それとも自分のプレーを過信してしまうのか?
単純なショートパスを簡単にカットされたり
相手のチャージに簡単にボールをロストしてしまったり
大きなピンチを招く場面もありました。

そして最大の問題は守備面です。

ボール保持時はCMFとして振る舞う35ジンチェンコも
守備時には左SBの位置に戻って
守備者としてゴールを守る必要性がありますが
そこでの守備は非常に軽く
今シーズンの大きな穴になっていたと思います。

言うなれば中盤の選手のまま守っているという印象は否めません。

確かに元々CMFとしてプレーしていましたので
守備者としての技術レベルがそれほど高くないのも
仕方がない部分はあるかもしれませんが
その一方で偽SBとしてプレーし始めて
大分経っている事を考えれば
今も尚、中盤の選手の様な守り方をしているのは
怠慢でしかないと思います。

この様にチーム戦術を根底から変えた
35ジンチェンコはチームのストロングポイントである一方で
守備の面に大きな穴を空けてしまう
最大の弱点でもあると思います。

よってチームの最大の弱点になり得る
守備面が改善する事が出来なければ
近い将来その座を誰かに奪われる可能性は高いと思います。


〜〜3キーラン・ティアニー(26歳)〜〜


PL 6試合先発+21試合途中出場:1アシスト
EL 6試合先発:1ゴール1アシスト
FA杯 2試合先発
カラバオ杯 1試合先発


今シーズンのチーム戦術が偽SBシステムに変わった事で
一番影響を受けてしまったのが3ティアニーだと思います。

今シーズンの偽SBシステム上、左SBの選手には
昨シーズンまでの高い位置にまで攻め上がり
ライン側のレーンから攻撃陣に
幅と厚みをもたらす様な役割から
偽SBとして5トーマスと並ぶ様な立ち位置から
ゲームメイクを行う役割に移行しましたが
その役割を35ジンチェンコだけではなく
3ティアニーにも求めてしまったのは
大きな間違いだったと思います。

勿論、3ティアニーも偽SBシステムに適応しようと、
起用された試合では5トーマスと並ぶ様な位置に入り
そこでボールを捌こうとしていましたが
古典的なSBタイプの3ティアニーが
CMFとしてその役割を完璧にこなすのは
難しかったと言うのは言うまでもなく
現実的に3ティアニーが起用された試合では
偽SBシステムは機能しなくなっていたと思います。

その様な事もありシーズン終盤の
35ジンチェンコが欠場した試合では
偽SBとして5トーマスを右SBの位置に配置していた様に
少なくともその時点ではアルテタ監督も
3ティアニーを偽SBとして起用する事に
限界を感じていたと思われます。

とはいえ、生粋のSBの3ティアニーは
守備者として信頼がおけるのは言うまでもなく
守備強度が必要な時には
守備面に問題がある35ジンチェンコに代わって
起用される試合も多く
チームにとっては守備面に信頼がおける3ティアニーは
必要な戦力だと思いますので
出来れば来シーズンもチームに残って欲しいと
個人的には思っています。

一方で来シーズンも偽SBシステムを続けるならば
今シーズンと同様に3ティアニーの出場機会は
限られたものになってしまうと思いますので
その様な役割を3ティアニーが受容できなければ
この夏にチームを離れる可能性は高いと思われます。


〜〜4ベン・ホワイト(25歳)〜〜


PL 36試合先発+2試合途中出場:2ゴール5アシスト
EL 3試合先発+4試合途中出場
FA杯 1試合途中出場


今シーズンはマルセイユから復帰した12サリバが
速やかに適応した事と
新たに偽SBシステムを採用した為に
右SBの役割が変わった事で
昨シーズンは右CBを務めていた4ホワイトは
右SBにコンバートされました。

ブライトン時代には右SBで起用された事もあった様ですが
基本的にはCBを主戦場にしていた関係で
当初は攻め上がるタイミングやコースが定まらず
不安定だったと思います。

しかしその様な所は試合を重ねる毎に改善されて行き
7サカを追い越して深い位置にまで侵入する様な
前線に奥行きをもたらすフリーランニングや
左サイドからの仕掛けに対して
ゴール前に飛び込んで行く
ダイナミックなフリーランニングなど
周囲の選手との間に絶妙な連携も築いて行き、
最終的にPL2ゴール5アシスト挙げたのは
右SBとしての初めてのシーズンとしては
十分過ぎる結果を残したと思います。

一方で守備面に関しては
ボールを持ったアタッカーと並走しながらの対応や
下がりながらの対応などの
CBとは異なるSB的な対応に不安定な部分があり
実際、一線級のアタッカーに対峙した時には
簡単に突破を許す場面もあったと思いますので
その辺りは改善が必要な部分だと思います。

とは言え、今シーズンの偽SBシステム上
右SBの選手には3バックの右CB的な役割も
求められていたと思いますので
本職がCBである4ホワイトの右SBへのコンバートは
必然だったと思います。

もしかしたら18冨安が怪我で出遅れていなかったら
4ホワイトのコンバートはなかった可能性も
あったかもしれませんので
来シーズンもこのまま右SBでプレーするのか?
それとも層の薄いCBに戻るのか?
注目されます。


〜〜18冨安 健洋(24歳)〜〜


PL 6試合先発+15試合途中出場:1アシスト
EL 5試合先発+3試合途中出場:1アシスト
FA杯 2試合先発


今シーズンも怪我に泣かされたシーズンになってしまったのは
非常に残念でした。

昨シーズンの怪我の影響で?
開幕に間に合わす事が出来なかった影響もあり
右SBのポジションは4ホワイトに奪われてしまい、
その後徐々にコンディションを上げ
35ジンチェンコが欠場した期間に
左SBで出場機会を掴みましたが
今度は筋肉系のトラブルが発生してしまい
そのままW杯に突入する事になってしまいました。

そしてそのW杯でコンディションが整わないまま
出場した影響もあったのか
チームに戻ってきた後も
コンディションは一向に上がらず
最後はスポルティングCPとの
ELラウンド16の第2戦で
右膝の靱帯を損傷してしまい
その後全休する事になってしまいました。

この様に怪我を繰り返した18冨安の
今シーズンの唯一のハイライトは
35ジンチェンコが欠場した時期に
左SBとして起用された数試合だったと思います。

特にリバプール戦では対峙したサラーを
完全に押さえ込んだ活躍は
完全復活を期待するものだったと思いますが
一方でW杯から戻ってきた後の18冨安は
フィジカルコンディション的に
100%の状態ではなかったのか、
それともメンタル的に
100%のプレーをする事が出来なかったのか、
俗に言うサイドブレーキを引いたまま
プレーしている様な状態でしたので
仮に右膝を怪我しなくても
多くの出場機会は掴む事は出来なかった様に感じます。

最終的に負ってしまった右膝の怪我は
足を滑らしてしまった為の
アクシデントによる怪我でしたので
仕方がなかったと思いますますが
この怪我が癒えて復帰した時に
フィジカルコンディション的にも
メンタル的にも不安が払拭された状態に
戻っているかどうかが大きなポイントになると思います。

結局、シーズン終盤の苦しい時に
対人守備に強い18冨安がいれば
状況が変わっていた可能性もありましたので
来シーズンこそはベストな状態の18冨安の復活が待たれます。


〜〜17セドリック・ソアレス(31歳)〜〜


PL 2試合途中出場
EL 1試合途中出場
カラバオ杯 1試合先発


17セドリックは今シーズン開幕時には
実質的に構想外の状況だったと思われましたが
夏の移籍期間では移籍先が決まらずに残留しました。

その様な状況で残留した事もあり
シーズン前半の出場機会は限られたものでしたので
冬の移籍期間でフラムへローン移籍する事になりましたが
そのフラムでも十分な出場機会を得る事が出来ず
この夏に一度アーセナルに戻ってきます。

状況的には昨夏と大きな変化はないと思いますので
この夏でチームを去る事になると思われます。


C'mon Arsenal !!



(年齢は2023年6/30時点)


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