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2022/23シーズン〜〜攻撃的MF総括〜〜 [Arsenal F.C.]

2022/23シーズンを振り返って〜〜攻撃的MF〜〜

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今回は攻撃的MFについて
2022/23シーズンを振り返ってみたいと思います。

今シーズンのアーセナルは
4−3−3システムを使っていた為に
攻撃的MFは右インサイドハーフのポジションで
主に起用されており
その1stチョイスが8ウーデゴールでした。

そしてその8ウーデゴールをバックアップしたのが
新加入の21ヴィエイラでしたが
一方でソケイ部の問題に対して手術を行った
10スミス・ロウはシーズン前半を棒に振っただけではなく
復帰後もフィジカルコンディションが改善しなかった為に
期待したレベルのプレーを観せる事は
最後まで出来なかったと思います。


〜〜8マルティン・ウーデゴール(24歳)〜〜


PL 37試合先発:15ゴール7アシスト
EL 2試合先発+5試合途中出場
FA杯 1試合途中出場


今シーズンからキャプテンに就任した8ウーデゴールは
そのキャプテンの重責に応える様に
PL15ゴール7アシストと大活躍しました。

8ウーデゴールは針の穴を通す様なパスを送って
決定機を作る様なスペシャルなプレーも
印象に残っていますが
個人的には右サイドの7サカや右SBの4ホワイトとの
コンビネーションで崩すプレーの方が
真骨頂の様に感じます。

頻回にポジションを入れ替えながら
ボールを出し入れする様に細かなパスを繋ぎ
そこに出来た相手に隙に決定的なパスを送るも良し、
7サカが切り込んで行くも良し、
4ホワイトが裏に走り込むも良しと
8ウーデゴールを中心に右サイドからの多彩な攻撃を
創造していたと思います。

同時に今シーズンはゴール数が伸びた所も
大きく変化した所だと思います。
以前にも何度か指摘しましたが
左サイドからのグラウンダーの折り返しに対して
ただ合わせれば良い場面でも
左脚を振ってしまう癖があり
しかも力んでしまう為に枠を外してしまうと言う問題が
これまではありましたが
今シーズン途中からは
大振りをせずにインパクトを意識して
きっちり合わせる様になった所も
ゴール数が伸びた一つの要因だと思います。

この様な攻撃面だけではなく
守備の面での貢献度が高い所も
特筆出来る所だと思います。

今シーズンに限らず8ウーデゴールは
ハイプレスを仕掛ける時は
常に全力で仕掛ける所に特徴があり
そこに今シーズンは前線の3人との
連動性が上がった事で
そのハイプレスはより効果的となったのは
言うまでもなく
この献身的なハイプレスは
大いに守備陣を助けていたと思います。

一方でチームの主軸として
今シーズンの快進撃を支えた8ウーデゴールにも
心配な所がない訳ではありません。

まず一つ目は、今シーズンPLで先発した37試合のうち
試合終了までプレーしたのは
僅か20試合しかなかった様に
試合終盤にベンチに下がる試合が多い所は気になります。

勿論、戦術的な交代もあったと思いますが
その日の調子に関わらず75〜80分過ぎになると
ベンチに下がる試合が多い事を考えますと
攻撃時も守備時も
常に全力でプレーしている弊害なのか
この辺りの時間帯からフィジカル的に低下する
何かしらのデーターがあるのかもしれません。

来シーズンはPLとCLの試合が並行して行われますので
この辺りのフィジカル的なコンデイションの問題は
もしかしたら来シーズンのポイントになるかもしれません。

そして本当の意味でのビッグゲームで
存在感を示せない場面が多い所も気になります。

勿論、ホームでのリバプール戦やユナイテッド戦では
ゴールをアシストし
チェルシー戦では2ゴール奪う等
結果は出していたビッグゲームもありましたが
例えば、今シーズンの天王山だったシティ戦で
ホーム&アウェイ合わせて3ゴール2アシスト挙げて
シティを勝利に導いたデ・ブライネの様な
本当の意味でのビッグゲームでの勝負強さに関しては
まだ物足りなさを感じます。

来シーズンのPL制覇に向けて
3連覇中のシティを越える為には
今シーズン以上の活躍が必要なのは言うまでもなく
それには今シーズン以上のプレー時間に耐えられる
フィジカル的な強化と
本当のビッグゲームでチームを勝利に導く
勝負強さを身に付け、
真のワールドクラスの領域に踏み込む事が出来るかどうかに
かかっていると思います。


〜〜21ファビオ・ヴィエイラ(23歳)〜〜


PL 3試合先発+19試合途中出場:1ゴール2アシスト
EL 8試合先発:1ゴール2アシスト
FA杯 2試合先発:2アシスト
カラバオ杯 1試合先発


昨夏加入した21ヴィエイラは
カップ戦を中心に出場機会を与えられましたが
肝心のPLの試合に関しては
多くの出場機会を得られませんでした。

実際少ない出場時間の中で
公式戦2ゴール6アシスト挙げた様に
足元の技術レベルが高く
そこから繰り出される精度の高いラストパスは
今後の可能性を感じさせてくれるものだったと思いますが
その一方で小柄で軽量級の21ヴィエイラは
PL特有の激しいフィジカルコンタクトへの対応に
非常に苦労していたのは言うまでもなく
この辺りの問題が出場機会が増えなかった
要因の様に感じます。

その様な状況に対して本人も
フィジカル強化に取り組んでいる様ですが
根本的に線が細く小柄な事を考えますと
フィジカル強化にも限界があると思われますので
どちらかと言うと相手をいなす様な
フィジカルコンタクトを受けない術を
習得出来るかどうかがポイントかもしれません。

来シーズンはPLと並行してCLの試合も行われますので
今シーズンの様に固定されたメンバーで
挑み続ける事はないと思われますが
それを可能にする為には
レギュラー組とサブ組との間にある
少なくない実力差を埋めなければならないと思います。

そう言う意味でも21ヴィエイラが
PLのスタイルに順応する事が出来るかどうかは
大きなポイントになると思われ
21ヴィエイラの出場試合数が増えているかどうかが
来シーズンのサブ組の底上げが出来ているかどうかの
一つの指標になる様に感じます。


〜〜10エミール・スミス・ロウ(22歳)〜〜


PL 12試合途中出場:2アシスト
EL 1試合途中出場
FA杯 1試合途中出場


今シーズンはソケイ部の問題に対して手術した事もあり
非常に不本意なシーズンだったと思います。

最近10スミス・ロウが語っていた様に
ソケイ部の問題は以前からあり
これまではソケイ部に注射をしながらプレーしていた様ですが
遂に限界を迎えてしまった為に
9月の終わりに手術に踏み切りました。

手術後の10スミス・ロウは1月に復帰を果たし
シーズン終盤に何試合か起用されましたが
それらの試合では、スピードや俊敏性がなく運動量も少ない等、
ベストな状態からは程遠い印象で
結局最後までコンディションレベルは上がってきませんでした。

単純にコンディションが戻ってきていないだけなのか?
手術後の状態が思わしくないのか?
再発を恐れてまだメンタル的に全力でプレー出来ないのか?
その理由は分かりませんが
今シーズンは全く戦力になっていませんでした。

とは言え、現在イングランドU-21代表の一員として参加している
U-21ユーロの第2戦イスラエル戦で挙げたゴールは
シーズン終盤の状態とは異なり
しっかりと右脚を強振出来ていましたので
これで痛みが再発しなければ
完全復活も近い様に観えました。

復活が待たれる10スミス・ロウですが
来シーズンに向けてどのポジションで起用するかも注目されます。

以前までならば結果を出した左サイドで起用する形が
自然だったかもしれませんが
その左サイドには今シーズン大きく成長した
11マルティネッリがいて
冬の移籍期間で獲得した19トロサールも
その11マルティネッリと遜色ない活躍を観せています。
その上この夏に契約が切れる24ネルソンが残留すれば
24ネルソンの主戦場も左サイドになるかもしれませんので
もう10スミス・ロウが入る隙はない様に感じます。

一方で元々は攻撃的MFですので
インサイドハーフで起用するプランもあると思います。
しかし今シーズンの終盤の様な運動量では
インサイドハーフで起用する事は難しいと思われますので
もしインサイドハーフにコンバートするならば
来シーズン開幕までにフィジカル的な部分を
しっかりと仕上げてくる必要があると思います。

どちらにせよ、ベストな状態の10スミス・ロウが
スカッドに戻ってくれば
攻撃陣の質的な部分は
大きく向上するのは間違いないと思いますので
完全復活が待たれます。


C'mon Arsenal !!


(年齢は2023年6/30時点)


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