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2022/23シーズン〜〜総括〜〜 [Arsenal F.C.]

2022/23シーズン〜〜総括〜〜

Arsenal 1.jpg


今回からは2022/23シーズンを
私見的に振り返ってみたいと思います。

昨シーズン終了した時に
世代交代と刷新を中心とした
チーム改革の第一段階目が終了したと書きましたが
今シーズンはそのチームを更に1ランクレベルをアップさせ
CL出場権の獲得を目標とした
第二段階に入ったと言えると思います。

実際、昨シーズンのチームに比べて
大きく変わった点は

1、基本システムの変更

2、守備の安定性

3、ゴール数の増加

の3点だと思います。


1、基本システムの変更については

偽SBシステムを導入する為に
35ジンチェンコを獲得したのか
35ジンチェンコを獲得した事で
偽SBシステムを導入したのかは分かりませんが
昨シーズンまでの従来型の4−3−3システムから
偽SBシステムへの変更は
今シーズンの躍進の大きなポイントと言えると思います。

その偽SBシステムに於いて35ジンチェンコは
守備時には左SBとして振る舞いますが
ボールを保持している時は
5トーマスと並ぶ様に中に絞った位置にポジションを移し
ダブルボランチの様な立ち位置になります。
言うなれば守備時の従来の4−3ー3の形から
ボール保持時には3−2−2ー3の形に変化する
可変システムを基本のシステムとして
今シーズンは戦いました。

この偽SBシステムの導入により
まず中盤でのボール保持の安定性が向上したと思います。

ポゼッション率で言えば
昨シーズンの平均ポゼッション率は 52.6%
でしたが
今シーズンの平均ポゼッション率は 59.7%
と大き向上しており
ボールを持っている時間は
確実に増えたと言えます。

そしてボールを持っている時間が増えただけではなく
中盤の底からのパスの出所が
5トーマスと35ジンチェンコの2つに増えた事で
相手のハイプレスに捕まる場面も
非常に減った印象であり
その相手のプレスによって流れを切られる場面が減った事で
守備から攻撃への転換も速やかになった印象を受けます。

勿論、ポゼッション率にしても
ハイプレスの回避にしても
35ジンチェンコが加わった効果だけではなく
それ以外の選手のポジショニングや
フリーランニングの質の向上も
大きく関与しているのは言うまでもありませんが
昨シーズンは5トーマスの所や
バックラインのボール保持者に対して
激しいハイプレスを仕掛けられると
ボールを前に進められなくなり
外に逃げるか、後ろに戻す様な場面が
非常に多かった事を考えますと
どの様な状況に陥っても流れを切られる事がなくなったのは
非常に大きな変化だと思います。

同時にトップの位置に
献身的で効果的なプレスを仕掛ける事の出来る
9ジェズスが入った事で
チームとして連動的で効果的に
ハイプレスを仕掛けられる様になり
そのハイプレスの網から溢れてきたボールを
回収すると言う意味でも
中盤の底で5トーマスと35ジンチェンコが並ぶ事で
その回収率は上がった様に感じます。

そして何よりもこの偽SBシステムにより
34ジャカの役割が大きく変わった所も
今シーズンの大きなポイントになったと思います。

昨シーズンの4−3−3における中盤の布陣も
今シーズンの偽SBシステムでの中盤の布陣も
アンカーに5トーマスが入り
右インサイドハーフに8ウーデゴール、
左インサイドハーフに34ジャカが入ると言う形は
変わっていませんが
昨シーズンまでの34ジャカは
左サイドを高い位置にまで攻め上がる
3ティアニーが空けた左サイドのスペースを
カバーする事も意識しながらプレーしていた事もあり
基本的にはボールラインよりも後ろでプレーする事が
多かったと思います。

一方で今シーズンは左SBの位置に入っている
35ジンチェンコが攻撃時には
5トーマスと並ぶ様に中に絞った位置に入って
ダブルボランチの様な形になる為、
その前にいる34ジャカのプレーエリアは前に移動して
ボールラインよりも前でプレーする場面が多くなりました。

それにより、2ラインの間でボールを受ける場面が多くなり
シュートに繋がる崩しの局面でプレーする機会が多くなったと共に
状況によってはゴール前に顔を出す場面も多くなり
昨シーズンはPLで1ゴール2アシストしか
挙げられなかった34ジャカが
今シーズンは7ゴール7アシストを挙げた様に
数字の上でも34ジャカの役割は
大きく変わった事を示していると思います。

この様に偽SBシステムに移行した事で
攻守において中盤を支配すると共に
34ジャカがより前目でプレーできる様になった事で
攻撃面での厚みももたらしたと思います。


2、守備の安定性については
2つポイントがあると思います。

1つ目は前線の守備の向上だと思います。

前記の様にトップの位置に入る9ジェズスを中心に
前線の3人+8ウーデゴールが
連動的にハイプレスを仕掛ける事が徹底され
そのハイプレスでボールホルダーにアタックして
ボールを奪還する事が出来なくても
そこから送られる不用意なパスを
その後ろで待ち構えている5トーマスや35ジンチェンコが
速やかに回収する事で
ボールが自陣に入ってくる回数を減らし
同時に守備から攻撃に速やかに移行する事が
出来る様になったと思います。

2つ目はローンから復帰した
12サリバの活躍が挙げられると思います。

昨シーズン右CBを務めていた4ホワイトは
スピードや俊敏性は優れていましたが
高さと強度が不足していた為に
ゴール前の強度に問題がありました。
一方でバックアッパーの16ホールディングは
高さと強度は優れていましたが
スピードや俊敏性が不足していた為に
引いて守る様な状況では良いのですが
極端に高く設定しているDFラインの裏のスペースを
カバーしきれないと言う問題がありました。

それに対して12サリバは
スピードと強度と高さを兼ね備えている事で
DFラインの裏の広大なスペースをカバーする問題に対しても
ゴール前での激しい攻防戦に対しても
しっかりと対応して
DFラインの安定性を高めたと思います。

数字的にも12サリバが出場していた試合と
シーズン終盤に12サリバが欠場した試合の
失点数を比べますと
12サリバが出場した27試合では 25失点し
1試合平均の失点数は 0.93点でしたが 
12サリバが欠場した11試合では 18失点し
1試合平均の失点数は 1.64点と
約1.8倍に増えてしまいました。

また、被シュート数、被枠内シュート数も
12サリバが出場していた27試合では
被シュートが 224本、1試合平均 8.3本
被枠内シュートが 86本 1試合平均 3.2本で
被枠内シュート率は 38%でしたが
12サリバが欠場した11試合では
被シュートが 118本 1試合平均 10.7本
被枠内シュートが 51本 1試合平均 4.6本で
被枠内シュート率は 43%と
30〜40%増えてしまっていました。

勿論、どちらも12サリバだけの影響を表している訳ではなく
他の要素も関与しているはずですが
それでも感覚的には最も大きく関与した要素は
12サリバの欠場だと感じています。

これらの様に2サリバは今シーズンの守備の安定性に
大きく関与していたと言えると思いますが
一方でシーズン終盤に怪我で欠場してしまった事が
シーズン終盤の失速を招き
シティに逆転を許す結果になってしまったのも事実であり
来シーズンに向けて12サリバをバックアップする選手の
整備が必要だと思われます。


3、ゴール数の増加に関しては
シーズン20ゴールを挙げる様な
絶対的なエースストライカーは現れなかった一方で
9ジェズス 11点、
7サカ 14点、
11マルティネッリ 15点、
8ウーデゴール 15点、
と4人が二桁ゴールを挙げ、
今シーズン挙げた88点の62.5%に当たる
55点をこの4人で挙げた事となりました。

この事から固有の選手の絶対的な個の力に頼らずに
どこからでもゴールを奪う事が出来る
柔軟な攻撃が今シーズンの特徴だったと言えると思います。

実際、それを可能にしたのは言うまでもなく
9ジェズスが加入したからであり
ペナルティ内でのストライカーとしての仕事以外に、
効果的なフリーランニングとスペースメイク、
下がった位置からのチャンスメイク、
サイドに開く事もあれば
自らドリブルで切り込む様な仕掛けまで
多くの状況に9ジェズスが対応していた事で
7サカ、8ウーデゴール、11マルティネッリに
より多くのゴールチャンスを作る事が出来たと
言えると思います。

数字的には 88点と言う総得点数は
PLが始まってからのアーセナルの最多得点数でした。

それ以外のシュート数等に関しては

〜〜PLシュート数〜〜
シティ    総数600本  1試合平均数15.8本  1ゴール平均6.38本
アーセナル  総数593本  1試合平均数15.6本  1ゴール平均6.74本
ユナイテッド 総数593本  1試合平均数15.6本  1ゴール平均10.22本
ニューカッスル総数571本  1試合平均数15.0本  1ゴール平均8.40本
リバプール  総数605本  1試合平均数15.9本  1ゴール平均8.07本
スパーズ   総数518本  1試合平均数13.6本  1ゴール平均7.40本
チェルシー  総数484本  1試合平均数12.7本  1ゴール平均12.74本

〜〜PL枠内シュート数〜〜
シティ    総数219本  1試合平均数5.76本  枠内率37%
アーセナル  総数204本  1試合平均数5.37本  枠内率34%
ユナイテッド 総数215本  1試合平均数5.66本  枠内率36%
ニューカッスル総数197本  1試合平均数5.18本  枠内率35%
リバプール  総数212本  1試合平均数5.58本  枠内率35%
スパーズ   総数199本  1試合平均数5.24本  枠内率38%
チェルシー  総数159本  1試合平均数4.18本  枠内率33%

〜〜Big Chances Created〜〜
シティ    103回
アーセナル   73回 
ユナイテッド  84回
ニューカッスル 84回
リバプール  103回
スパーズ    64回
チェルシー   57回

と、シュート総数に関しては
シティの 600本、リバプールの 605本に迫る
593本のシュートを放っていました。

一方で枠内シュート数に関しては
枠内シュート率が 34%と
他のチームに比べて若干悪かったと思いますが
反対に1ゴール平均のシュート数は
6.74本に1ゴール挙げており
シティの 6.38本に迫る数字を残しています。

昨シーズンと比較しても
シュート総数的には 589本だった昨シーズンと
大きな差はなく
枠内シュート率も 34%だった昨シーズンと
大きな差はありませんでしたが
1ゴール平均のシュート数に関しては
1ゴールを挙げるのに 9.66本要した昨シーズンからは
大きく改善されました。

この要因としては単純に決定力が向上したと観るのか
それとも効率的になったと観るのかは
意見が分かれると思いますが
PLが出しているBig Chances Created数を観ますと
昨シーズンは 39回だったBig Chances Created数が
今シーズンは 73回と大きく増やしていますので
多くの決定機を作って効率的にゴールを奪ったと考えるのが
普通かもしれません。

一方でこの様に連携面が磨かれ
連動的で流動的な動きをする前線のユニットに
足りない部分がない訳ではなく
特にゴール前を固められて
スペースを消された時に苦戦してしまう所は
来シーズンに向けての改善点だと思います。

この辺りは個の力に秀でる
絶対的なエースストライカーがいない事が
影響している可能性があり
今シーズン以上に攻撃力をアップする為には
どの様な状況でも強引にゴールをこじ開ける事が出来る
シティのハーランドの様な存在が
本当は必要なのかもしれません。


次は他のチームと比較してみたいと思います。

〜2022/23順位表〜
シティ    28勝 5分け 5敗 勝ち点89 得点94 失点33 +61  1位
アーセナル  26勝 6分け 6敗 勝ち点84 得点88 失点43 +45  2位
ユナイテッド 23勝 6分け 9敗 勝ち点75 得点58 失点43 +15  3位
ニューカッスル19勝14分け 5敗 勝ち点71 得点68 失点33 +35  4位
リバプール  19勝10分け 9敗 勝ち点67 得点75 失点47 +28  5位
スパーズ   18勝 6分け14敗 勝ち点60 得点70 失点63  +7  8位
チェルシー  11勝11分け16敗 勝ち点44 得点38 失点47  −9 12位

 
〜ホーム〜
シティ    17勝 1分け 1敗 勝ち点52 得点60 失点17 +43  1位
ユナイテッド 15勝 3分け 1敗 勝ち点48 得点36 失点10 +26  2位
アーセナル  14勝 3分け 2敗 勝ち点45 得点53 失点25 +28  3位
リバプール  13勝 5分け 1敗 勝ち点44 得点46 失点17 +29  4位
ニューカッスル11勝 6分け 2敗 勝ち点39 得点36 失点14 +22  5位
スパーズ   12勝 1分け 6敗 勝ち点37 得点37 失点25 +12  8位
チェルシー   6勝 7分け 6敗 勝ち点25 得点20 失点19  +1 15位


〜アウェイ〜
アーセナル  12勝 3分け 4敗 勝ち点39 得点35 失点18 +17  1位
シティ    11勝 4分け 4敗 勝ち点37 得点34 失点16 +18  2位
ニューカッスル 8勝 8分け 3敗 勝ち点32 得点32 失点19 +13  3位
ユナイテッド  8勝 3分け 8敗 勝ち点27 得点22 失点33 ー11  5位
リバプール   6勝 5分け 8敗 勝ち点23 得点29 失点30  ー1  7位
スパーズ    6勝 5分け 8敗 勝ち点23 得点33 失点38  ー5  8位
チェルシー   5勝 4分け10敗 勝ち点19 得点18 失点28 −10 11位


〜シーズン前半〜
アーセナル  16勝 2分け 1敗 勝ち点50 得点45 失点16 +29  1位
シティ    13勝 3分け 3敗 勝ち点42 得点42 失点14 +28  2位
ユナイテッド 12勝 3分け 4敗 勝ち点39 得点30 失点22  +8  3位
ニューカッスル10勝 8分け 1敗 勝ち点38 得点33 失点11 +22  4位
スパーズ   10勝 3分け 6敗 勝ち点33 得点37 失点27 +10  5位
リバプール   8勝 5分け 6敗 勝ち点29 得点34 失点25  +9  8位
チェルシー   8勝 4分け 7敗 勝ち点28 得点22 失点21  +1 10位


〜シーズン後半〜
シティ    15勝 2分け 2敗 勝ち点47 得点44 失点13 +31  1位
リバプール  11勝 5分け 3敗 勝ち点38 得点41 失点22 +19  2位
ユナイテッド 11勝 3分け 5敗 勝ち点36 得点28 失点21  +7  4位
アーセナル  10勝 4分け 5敗 勝ち点34 得点43 失点27 +16  5位
ニューカッスル 9勝 6分け 4敗 勝ち点33 得点35 失点22 +13  6位
スパーズ    8勝 3分け 8敗 勝ち点27 得点33 失点36  ー3  9位
チェルシー   3勝 7分け 9敗 勝ち点16 得点16 失点26 ー10 18位


今シーズン優勝したシティの
最終勝ち点は 89点だったのに対して
アーセナルは 84点と
優勝には5点足りませんでした。

最初に書きました様に
勿論、優勝を目指して今シーズンも入っていたと思いますが
それでも現実的な目標はトップ4に入り
来シーズンのCL出場権を獲得する事だったと思いますので
2位という順位は十分に評価に値すると思います。

その一方で第3節に首位に立つと
そのままの勢いで突っ走り
シーズン終盤に失速してシティに首位の座を明け渡すまで
首位に立ち続けた事を考えれば
もう少し上手く出来ていたら
優勝出来た可能性もありましたので
残念でもありました。

この様にシーズン前半は勝ち点50を挙げ
独走状態だったにも関わらず
シーズン終盤に失速したシーズン後半では
勝ち点34しか奪えなかった原因を
考えなければならないと思います。

その失速の最大の原因は
主力選手の怪我による離脱等も含めた
コンディションの問題と
それをカバーするべきバックアッパーの問題という事は
言うまでもないと思います。

ここまでにも何度も書いてきましたが
シーズン前半の様にレギュラー組の選手が揃って万全だったら
今シーズンのアーセナルは最強だったと言っても
決して嘘ではないと思いますが
その一方でどうしてもレギュラー組とサブ組の間には
少なくない実力差があったのも周知の事実だったと思います。

その問題に対して冬の移籍期間で
19トロサールや20ジョルジーニョ等獲得して
サブ組の底上げを図り、
実際、W杯中に負った怪我で長期離脱した9ジェズスの穴や
パフォーマンスレベルを落とした5トーマスに対して
19トロサールや20ジョルジーニョがしっかりと対応して
そのダメージは最小限に留めたと思います。

しかし3月中旬に怪我を負った12サリバの穴は
16ホールディングや15キヴィオルが埋める事が出来ずに
それに伴い守備面が不安定になってしまった事で
終盤の失速の最大の原因になってしまったのは
誰もが認める所だと思います。

本来ならばコンディションを保つ為に
もっと早い時期からしっかりとローテーションを行い
レギュラー組に休息を与えるべきだったというのは
正論だと思います。

しかし前記の様にレギュラー組とサブ組の間に
少なくない実力差がある為に
メンバーを固定し続けたアルテタ監督の気持ちは
分からなくもないと思います。

仮に早い段階からローテーションを行っていたら
もしかしたら長期離脱者は減っていたかもしれません。
その一方でローテーションをした事で
戦力値を落としたチームで
戦わなければならない試合が出てきてしまい
その結果、取りこぼす試合が増えていたら
シーズン前半の独走状態はなかったかもしれません。

これはたらればの話になりますので
どちらが良かったのは分かりませんが
レギュラー組を万全な状態で起用し続ける事が出来たから
シーズン前半は独走状態を築く事が出来た事は事実ですので
期せずして首位に立っている状況で守りに入らずに
そのままシーズン終わりまで突っ走ろうとした判断は
結果としては失敗に終わりましたが
今シーズンはあくまでもチャレンジャーでしたので
そのチャレンジャーという立ち位置を考えれば
その判断は決して間違ってはいなかった様に
個人的には思います。

とは言え、来シーズンはもうチャレンジャーではなく
優勝を狙う本命にならなければなりませんので
シーズン開幕からシーズンの最終日まで
完璧に計算されたマネージメントと
そのマネージメントに対応出来るだけの
充実したスカッドを築く事を
アルテタ監督には求めたいと思います。

とは言え、個人的にはPL第30節のリバプール戦が
優勝出来なかった大きな分岐点だった様に感じています。

もっと言えばこの試合の39分までは
優勝に向かう流れにアーセナルは完全に乗っていた様に感じます。

実際、39分まではPL7連勝中の勢いのまま
早々に2つのゴールを奪った事で
その時のアーセナルを止める事は不可能だという雰囲気が
敵地アンフィールド中に漂っていましたが
その39分過ぎの全く必要のない34ジャカの愚行により
アンフィールドの雰囲気が変わっただけではなく
その時のアーセナルを包み込んでいた雰囲気が変わったと
感じた人も少なからずいたと思います。

言うなればこの時に『潮目』が変わったと言っても
過言ではなかったと思います。

仮に34ジャカの愚行がなければ
あの試合はそのまま勝利していたかもしれませんし
その後のウエストハム戦もサウサンプトン戦も
引き分ける事はなく
勝ち点差8のままシティとの直接対決に
挑めたかもしれません。

勿論、プレッシャーのかかるシーズン終盤に
そのプレッシャーに押しつぶされてしまった
メンタル的な未熟さが
優勝するに値しなかったと言われればそれまでですが
優勝と言う経験値が乏しい分
必要のない愚行で潮目を変えてしまったのは
非常に悔やまれます。

一方でビッグ6+ニューカッスルとの
直接対決の戦績は悪くはありませんでした。

シティ     0勝0分け2敗
ユナイテッド  1勝0分け1敗
ニューカッスル 1勝1分け0敗
リバプール   1勝1分け0敗
スパーズ    2勝0分け0敗
チェルシー   2勝0分け0敗

優勝したシティとはFA杯も含めた3戦で
0−1、1−3、1−4と完敗だった事からも
残念ながらシティとの間には
まだまだ差が存在しており
来シーズンに向けて
そのシティとの差を埋めなければ
PL制覇を達成する事は不可能という事は
言うまでもないと思います。

同時にシーズン後半の戦績を考えますと
リバプールは現在進行中の世代交代がひと段落して
再び上位に進出してくる可能性があり
ユナイテッドもテン・ハフ監督が目指している
フットボールを体現出来るスカッドへの刷新が終わり
言うなれば昨シーズンのアーセナルから
今シーズンのアーセナルへ飛躍した様な状況が
ユナイテッドにも起こる可能性がありますので
油断出来ません。

今シーズン大失敗したチェルシーも
タレントは揃っていますので
新たに就任するポチェッティーノ監督が
そのタレントを使いこなす事が出来れば
大化けする可能性はあると思います。
まぁ、スパーズで評価を高めましたが
それ以降は全くパッとしていませんので
ポチェッティーノの手腕は
既に時代遅れになっている可能性はありますが、、、。

そして個人的には最も注意が必要だと思っているのが
ニューカッスルです。

そのニューカッスルは
他のビッグ6に比べて1ランク落ちる陣容で
4位に入ったのは勿論立派ですが
何よりもリーグトップの33点しか失点しなかった所は
非常に脅威を感じます。

この数字が表している様に就任2シーズン目にして既に
エディ・ハウ監督の戦術がしっかりとチームに浸透し
組織としての基盤が完成していると言えると思います。

その一方でシーズン通して14分けした様に
勝ちきれない試合が多かったのも
今シーズンのニューカッスルの特徴だと思います。

この原因は組織と戦術がしっかりと築かれていても
他のビッグ6に比べてタレント力が落ちる為に
相手を圧倒する様な攻撃力がまだ備わっていないからと
考えるのが普通だと思いますが
仮にこの夏にそのビッグ6と同レベルの攻撃的な選手を
チームに加えてきたら
勝ちきれなかった試合が一気に減るのは間違いなく
それに伴い今シーズン以上の勝ち点を稼ぐ可能性が
十分に出てくると思います。

実際、ニューカッスルは
ここまでの2シーズンではチームの骨幹を構築する様な
堅実な補強をしてきましたが
サウジアラビア系ファンドのオーナーが本気を出せば
ワールドクラスの選手を獲得する事など
簡単な事だと思いますので
ここまでの2シーズンとは異なる
本気でPL制覇を狙う様な補強をしてくるかどうか
非常に気になります。


チームの世代交代・刷新を行った昨シーズンから
トップ4の返り咲きを目指した今シーズンは
その目標通り2位でフィニッシュして
来シーズンのCL出場権を獲得しました。

その一方で今シーズン優勝したシティとの間には
その勝ち点差以上の差があるのも事実であり
その差を埋める事が出来なければ
PL制覇を達成する事は不可能だと思います。

来シーズンは今シーズン以上に
トップ4争いが激化する事は間違いなく
同時にCLでも戦わなければなりませんので
その2つの大会に耐えられる様な
強固なスカッドを来シーズンこそは築かないとなりません。

来シーズンはCL出場権を目指した今シーズンから
さらに前に進み本気でPL制覇を目指す
第三段階に入らなければならないと思います。

そして今シーズンは歯が立たなかった王者シティを破り
無敗優勝から丁度20周年になる来シーズンを
20シーズンぶりの優勝で祝える事を期待したいと思います。


C'mon Arsenal !!


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