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Emirates Cup:ARSENAL vs Sevilla FC [Arsenal マッチリポート]

ARSENAL 6−0 Sevilla FC
2022年7月30日(土)Emirates Cup, Emirates Stadium

Goal
 (10)7Saka(pk)
 (13)9Jesus
 (15)9Jesus(←11Martinelli)
 (19)7Saka
 (76)9Jesus
 (89)14Nketiah(←11Martinelli)


32Ramsdale

4White  12Saliba  6Gabriel  35Zinchenko

5T. Partey

8Ødegaard     34Xhaka

 7Saka              11Martinelli

9Jesus



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最終形


32Ramsdale

4White  12Saliba  6Gabriel  17Cédric

25Elneny

8Ødegaard     23Lokonga

24Nelson             19Pépé 

14Nketiah



(79)35Zinchenko>>>17Cédric
(79)5T. Partey>>>25Elneny
(79)7Saka>>>19Pépé
(79)9Jesus>>>14Nketiah
(90)34Xhaka>>>23Lokonga
(90)11Martinelli>>>24Nelson


Substitutes
 30Turner
 13Rúnarsson
 16Holding
 22Marí
 2Bellerín
 15Maitland-Niles
 27Marquinhos


Arsenal 1.jpg今シーズンのプレシーズンを締めくくる
エミレーツカップは
昨シーズンリーガ4位で
CL出場権を持っている
セビージャとの対戦になりましたが
そのセビージャも全く寄せ付ける事なく
6発大勝でプレシーズンを締めくくりました。

先発は前試合のチェルシー戦と同じ
開幕戦を想定した布陣が組まれました。

試合は開始から前線からの連動的なプレスと
テンポの良い組み立てでペースを掴むと
早々に決定機を生み出しました。

7分過ぎ、35ジンチェンコからのパスを
センターサークル辺りで受けた8ウーデゴールが
DFラインの裏に向けて送った
浮き球のパスで抜け出した7サカが
レキクの背後からのチャージで倒されてPK獲得。

10分、そのPKを7サカが冷静に決めて
先制ゴール!!

タイミングを見計らって裏に走り出した7サカに対して
完璧なタイミングで送った8ウーデゴールのパス、
1本のパスで完璧な決定機を作り出したと思います。

まぁ、あの状態で7サカの背後に突っ込んでいった
レキクの対応が酷すぎますが、、、。

その後も8ウーデゴールのパスからチャンスが続きました。

11分過ぎ、11マルティネッリからのパスを受けた8ウーデゴールが
レキクとアクーニャの間を通すスルーパスで
7サカが抜け出しました。
そこからの折り返しはブロックされてしまいましたが
何気ない格好で送ったパスですが
相手の急所を突くお洒落なパスだったと思います。

そして追加点は効果的なフリーランニングから
ゴールが生まれました。

13分、4ホワイトからのサイドチェンジのパスを
左サイドのライン側で受けた9ジェズスが送ったスルーパスで
ハーフスペースの深い所まで34ジャカが侵入し
そこからゴール前に飛び込んできた11マルティネッリに向けて
折り返しが送られました。
その折り返しは飛び出してきたボノに
カットされてしまましたが
そのこぼれ球を走り込んできた9ジェズスが押し込みゴール!!

セビージャのDFラインに出来た穴に
タイミングよく走り込んできた34ジャカと
ライン側で4ホワイトのサイドチェンジのパスを受けた所から
一気にゴール前にまで走り込んできた9ジェズスの
フリーランニングは非常に効果的だったと思います。

更に追加点も9ジェズスのランニングの鋭さから生まれました。

15分、左サイドでパスを受けた11マルティネッリから送られた
DFラインの裏へのアーリークロスを
走り込んできた9ジェズスがハーフボレーで合わせてゴール。

セビージャのどの選手にも気付かれずに
裏に向けて走り出した9ジェズスと
それを見逃さずに完璧なクロスを送った11マルティネッリ、
完璧なコンビネーションだったと思います。

4点目はミスから生まれました。

19分、レキクのバックパスを受けたボノが出した
中途半端なパスを
7サカがダイレクトで蹴り込みゴール!!

シンプルなボノのミスパスでしたが
そもそも試合開始から仕掛けていたハイプレスに対して
セビージャは対応出来ておらず
この場面でもトップスピードで仕掛けた
11マルティネッリのプレスが
ボノのミスを誘発させたと言って良いと思います。

その後は少しペースが落ちましたが
それでも何度もセビージャゴールに迫りました。

32ラムズデールからのパスを受けて
ボールを持ち上がった5トーマスから
9ジェズス〜8ウーデゴール〜9ジェズスと繋ぎ
最後も8ウーデゴールとのワンツーで
9ジェズスが切り込もうとした30分過ぎの場面、
そのリターンパスを11マルティネッリがカットして
右脚を振り抜くきましたが
そのシュートはブロックされてしまいゴールならず。
体勢的にはそのまま9ジェズスが
リターンパスを受けた方が
良い形でシュートを撃てたかもしれない場面でした。

7サカが倒されて得た右サイドからのFKを
8ウーデゴールが蹴った39分過ぎの場面、
5トーマスがヘッドで合わせましたが
ボノの正面でゴールを奪う事は出来ず。

34ジャカからのパスを左サイドで受けた9ジェズスが
そのパスを出した34ジャカへリターンパスを戻し
その34ジャカが落としたボールに対して
走り込んできた9ジェズスが右脚を振り抜いた
41分過ぎの場面、
そのシュートはボノにセーブされ、
そのこぼれ球に対して
ゴール前に詰めていた8ウーデゴールが
押し込もうとしましたが
残念ながらそれもボノにセーブされてしまいゴールならず。

8ウーデゴールからの楔のパスを受けた11マルティネッリが
8ウーデゴールに戻した後に
裏に向かって走り出してた動きに呼応する様に
8ウーデゴールからスルーパスが送られた45分過ぎの場面、
そのまま持ち込みシュートを撃ちましたが
そのシュートもボノに防がれてしまいゴールならず。
11マルティネッリは中の事を気にし過ぎたのか
ボールを持ち過ぎてしまい
最終的にチップキックしか
シュートの選択肢がなくなってしまったのは残念でした。
本当ならば完全に抜け出してボノと1対1になっていましたので
中の事は気にせずに
最初から自分で撃つつもりで仕掛けるべきだった様に感じます。

チェルシー戦同様にミスを誘発させる
連動的なハイプレスによる得点、
ゴール前での勝負強さによる得点、
そして完璧なコンビネーションによる得点と
色々なパターンからゴールに結びつける事が出来た
前半でした。

後半もアーセナルのペースで進みました。

左サイドに開いていた9ジェズスから
裏に向かって走り出していた
11マルティネッリに向けて
ピンポイントパスが送られた47分過ぎの場面、
アンヘルをかわしきれずにシュートを撃つ事は出来ませんでしたが
11マルティネッリの良い動き出しと
それを見逃さない9ジェズスとが良く連動した仕掛けでした。

5トーマスが送った右サイドのスペースへのパスで
7サカが抜け出した59分過ぎの場面、
そこからの折り返しは
ニアに走り込んできた8ウーデゴールには僅かに合わず。

34ジャカからのパスを受けた35ジンチェンコが
鋭いグラウンダーのクロスを送った61分過ぎの場面、
ゴール前に入ってきた8ウーデゴールが合わしましたが
そのシュートは枠を捉えられず。
ゴールに向かって動いた11マルティネッリが
DF陣を引きつけた事で出来た
DFラインの前のスペースに8ウーデゴールが入ってくる
綺麗な仕掛けでした。

その一方で現在の8ウーデゴールが改善しなければならない
問題点がこのシュート精度だと思われます。
繊細なタッチで精度の高いパスを操る
8ウーデゴールにしては
この場面の様に枠を外す場面や
しっかりと合わせて押し込めない場面が多い様に感じます。
デ・ブライネしかり、ブルーノ・フェルナンデスしかり、
決定機を作るチャンスメイクだけではなく
自らゴールを奪う事が出来なければ
ワールドクラスの攻撃的MFの領域には
到達する事は出来ないと思いますので
シュート精度の改善が
今後の8ウーデゴールのポイントだと思います。

ゴールに向かって動き出した34ジャカに呼応する様に
5トーマスが浮き球のピンポイントパスを送った67分過ぎの場面、
背後からのそのパスを34ジャカは
ダイレクトボレーで合わせましたが
そのシュートは僅かに枠の外でゴールを奪えず。

この試合の34ジャカは総じて良かったと思います。

この場面の様にハーフスペースを中心に
DFラインの裏に積極的に仕掛ける
フリーランニングは非常に効いていたと思います。
そしてワイドな位置の選手と連動して
ポケットの位置まで深く侵入し折り返す仕掛けや
フィニッシュの局面にも良く顔を出し
攻撃に厚みをもたらしていたと思います。

同時に左SBの35ジンチェンコともよく連動出来ていて
35ジンチェンコが上がった時にはそのスペースを埋める為に
ライン側にポジションを移すのは勿論の事、
中央の位置を空けてその35ジンチェンコと
ポジションを入れ替える様な動きもあり
その様な動きで相手のブロックに
ギャップを生み出す場面も観られました。

その一方で最後に出てきますが6点目の起点となった
ロングレンジのパスに関しては
流石と言える精度だと思いますが
2ラインの辺りからのラストパスの精度やアイデアに関しては
やや物足りなさを感じると共に、
前記のフリーランニングももっと鋭さがあれば
更なる脅威を与える事が出来ると思いますので
今後も左インサイドハーフのポジションを守る為には
この辺りの改善が必要だと思います。

5トーマスが右のアウトサイドで
右サイドのスペースにパスを送った75分過ぎの場面、
そのパスで11マルティネッリが抜け出しましたが
見方が上がって来れなかった為に
自ら仕掛けるも途中でカットされてしまい
シュートを撃つ事が出来ず。

しかしここで得たCKから追加点が生まれました。

76分、11マルティネッリが蹴った左CKを
6ガブリエウが押し込もうとしましたが
そのシュートはボノに掻き出されてしまいました。
しかしそのこぼれ球を収めた9ジェズスが
素早く押し込んみゴール!!

ボノが掻き出したボールに対して
相手選手も反応していたのですが
それよりも9ジェズスの反応の方が圧倒的に早く
クリアーされる前にボールを収めた
右脚の裏を使った繊細なタッチは絶妙で
そこから間髪入れずに左脚を振り抜いた
プレースピードも圧倒的に速く、
そしてゴールを求める貪欲さは
点取屋と呼ぶに相応しい姿だったと思います。

その後、2つのFKの場面でサインプレーが試されました。

80分過ぎ、左サイドで得たFKの場面で
17セドリックがゴールにに向かって蹴ったボールを
ニアに走り込んできた11マルティネッリが
ワンタッチして流し込もうとしましたが
僅かに枠の外でゴールは奪えず。

82分過ぎ、ゴール中央で得たFKの場面で
左右のピッチに満遍なく並んだ選手が
ゴールに向かって動き出した動きでラインが下がった所で
34ジャカが残っていた4ホワイトに短くパスを送り
その4ホワイトがボノの頭を越す様な
ループ気味のシュートでゴール左上の角を狙いましたが
このシュートも僅かに枠の外でゴールは奪えず。

どちらの場面もしっかりと相手の裏をかく事が出来ていた
良いサインプレーであり
プレシーズンの間に試運転した様に
今シーズンはこの様なサインプレーを
沢山観せてくれるかもしれません。

終盤もセビージャゴールに迫る場面がありました。

86分過ぎ、11マルティネッリが入れた
右サイドからの鋭いクロスを
ニアで受けた14エンケティアが絶妙なトラップで前に持ち出し
そこから折り返しが送られました。
その折り返しはブロックされてしまいましたが
そのこぼれ球を収めた8ウーデゴールが
ニアに寄ってきた19ペペに繋げ
その19ペペが反転して右脚を振りましたが
ボノの正面でゴールを奪う事は出来ず。

そして最後は見事なカウンターから
6点目が生まれました。

88分、34ジャカが送った
ロングスルーパスで抜け出した11マルティネッリが
そのまま持ち込んだ所から
追走してきていた14エンケティアに
丁寧なラストパスが送られ
その14エンケティアが無人のゴールに蹴り込みゴール!!

11マルティネッリはセンターラインを越さない様に気にしながら
完璧なタイミングで飛び出したと思います。
同時に14エンケティアも
その11マルティネッリを追走する様に
トップスピードで駆け上がってきた所も成長を感じます。

普通ならば11マルティネッリは完全に抜け出して
ボノと1対1になっていましたので
そのまま自らゴールを狙っても良い場面であり
この点差ならば14エンケティアも
そこまで本気で追走しなければならない場面ではなかったと思いますが
それでも一切気を緩める事なく
全力でゴールに向かう姿勢を崩さなかった所は
選手としての責任感と共に
9ジェズスの様な如何なる時でも
常に相手よりも速く反応出来る鋭さに繋がってくると思います。

試合はこのまま6−0で大勝!!

開幕戦に向けて良い感じで仕上がっています。

9ジェズスと8ウーデゴールのコンビネーションは
試合を行うたびに向上しているのは勿論ですが
9ジェズスと11マルティネッリの関係性は
非常に良い様に感じます。

昨シーズンまでの11マルティネッリは
ライン側のワイドな位置をプレーの起点にして
サイドから仕掛けるプレーが多かったと思いますが
今シーズンの11マルティネッリは
9ジェズスと頻繁にポジションを変えながら
積極的に中に入ってプレーする様になり
流れによっては右サイドにまで顔を出す等
そのプレーエリアは大きく変わり
より多くの局面でボールに絡む様になったと思います。

その9ジェズスは11マルティネッリとポジションを変えて
ワイドな位置でプレーする場面も多く、
サイドからコンビネーションで仕掛けて
チャンスメイクの起点になる場面もあれば
下がってきて楔のパスを受ける場面では
どの様な状況でもしっかりと収めて的確に次に繋いでいく
ポストプレーも俊逸だと思います。
そして状況によっては3列目辺りにまで下がってきて
組み立ての段階にも顔を出す等
多くの局面に顔を出しながら
ある程度自由にプレーしている印象を受けますが
その様な状況でも一貫して決まっている事は
フィニッシュの局面になると必ずゴール前に顔を出して
その勝負強さを発揮する所であり
その様な9ジェズスは
アルテタ監督が1トップの選手に求めている全てを
体現している様に観えます。

しかし8ウーデゴールや11マルティネッリと
良好な関係を築いている9ジェズスですが
昨シーズンのエースである7サカとは
まだこれといった関係性が観えてこない所は気になります。

勿論、現在の7サカは昨シーズンの様なキレは
まだ戻ったとは言えない状況ですので
調子が上がって来れば状況は変わると思いますが
アーセナルの攻撃陣がより強力な物になる為には
7サカとジェズスとのコンビネーションが構築が待たれます。

守備陣に関してはこの試合でも12サリバは良かったと思います。

この試合でもスピードと強度を活かした対応で
相手を完全に抑え込んでいたと言えると思いますが
特にファールに頼って止める場面が少なく
クリーンな対応で止められる所は魅力であり
課題だった常に集中して危ない所を未然に感じる危険察知能力と
それに対して素早く反応する対応力は
このプレシーズンの間に大きく改善しており
もう1ランク上のCBに成長しようとしていると思います。

そして加入2試合目の35ジンチェンコも
偽SBの本領を発揮する様に
5トーマスの横の位置にまで絞ってきて
組み立ての段階にも積極的に絡みつつ、
守備面においては52分過ぎの場面の様に
右サイドの裏のスペースに出された危険なパスに対して
左サイドから右サイドにまで全力で戻ってきて対応する等
危険な場面では労を惜しまずに
しっかりとした対応を観せていたと思います。

18富安と3ティアニーはトレーニングに戻ってきましたが
当面の間はこの試合の4人がDFラインを組む形が
中心になると思われます。

とは言え、完勝に観えるこの試合でも
問題がなかった訳ではないと思います。

まずこの試合の流れならば
あと2〜3点は奪わなければならなかったと思います。

勿論、6ゴールも奪っていますので
贅沢な悩みかもしれませんが
もっと丁寧に攻めていれば
まだまだゴールを奪うチャンスはあったと思いますので
攻撃陣の更なる成熟に期待したいと思います。

そしてもう一つがセットプレーの時の守備です。

ラキティッチのFKをエン=ネシリにヘッドで合わされてしまった
38分過ぎの場面や
CKをフェルナンドやレキクにヘッドで合わされてしまった
53分過ぎや55分過ぎの場面の様に
セットプレーの場面で簡単に合わされてしまう場面がありました。

ポジショニングの問題なのか、
マークのズレなのかは分かりませんが
セビージャは特別高い選手が揃っていた訳ではないにも関わらず
簡単に合わされ過ぎてしまうのは
開幕までに修正しなければならない所だと思います。

そして最後に挙げなければならない所は
シティとリバプールの存在です。

確かにプレシーズン中の
アーセナルの出来は素晴らしく
今シーズンは大いに期待して良い状況だと思いますが
その一方でこの試合の後に行われた
シティとリバプールが対戦した
コミュニティー・シールドの試合を観た時に
個人的にはその考えはまだ甘い事を思い知らされました。

前線からの連動的なプレスと
1ランク強度を増した印象のDFライン、
テンポの良いビルドアップから
前線の連動性と9ジェズスの決定力、
アーセナルのチーム力は確実に上がっていると思いますが
コミュニティー・シールドでプレーしていた
シティやリバプールに比べますと
まだまだプレースピードが遅く
局面でのプレー強度にも明らかな差を感じました。

現在PLを席巻しているシティやリバプールと同じ土俵で戦う為には
そのプレースピードや強度と同等のレベルで
プレーする事が出来るかどうか?
もしくはそのプレースピードや強度に頼らない形で
シティやリバプールを圧倒する事が出来るかどうか?
非常に重要になってくると思います。

どちらにせよPL制覇する為には
シティとリバプールを踏み越えていかなければなりません。
確かに今シーズンのプレシーズンは
大成功だったかもしれませんが
まだ十分ではない事を自覚し
更なる成長に努めて開幕を迎えて欲しいと思います。


C'mon Arsenal !!


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