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PL32:ARSENAL vs Brighton [Arsenal マッチリポート]

ARSENAL 1−2 Brighton
2022年4月9(土)Premier League, Emirates Stadium

Goal
 (29)Trossard
 (67)Mwepu
 (89)8Ødegaard(←34Xhaka)


32Ramsdale

17Cedric  4White  6Gabriel  34Xhaka

23Lokonga

 8Ødegaard   10Smith Rowe

 7Saka              35Martinelli

9Lacazette


(62)10Smith Rowe>>>30Nketiah
(74)35Martinelli>>>19Pépé


Substitutes
 1Leno
 16Holding
 20Tavares 
 61Ogungbo
 69Swanson
 25Elneny
 82Hutchinson


Arsenal 1.jpg来シーズンのCL出場権に向けて
非常に痛い連敗と言うのは言うまでもありませんが
それ以上に5トーマスが離脱した事で
完全に機能不全に陥ってしまったチームが
心配です。

先発は左膝を手術した3ティアニーに代わって
左SBに誰を起用するかが注目されましたが
アルテタ監督は34ジャカを起用しました。
これにより前節クリスタル・パレス戦で
右ハムストリングを痛めた5トーマスに代わって
アンケーには23ロコンガが起用され
インサイドハーフに8ウーデゴールと
10スミス・ロウが並び
右に7サカ、左に35マルティネッリ、
1トップに9ラカゼットが入る
4−3−3が組まれました。

これまでも5トーマスが出場している試合と
欠場している試合では
試合の展開が大きく変わってしまうのは
アフリカ・ネイションズ・カップ等で不在だった
今年の1月の試合を観れば明らかで
この試合も代表期間前の様な
流れる様なビルドドアップは観られず
全体的に非常に鈍重で
いつになってもテンポが上がらない
非常に悪い流れのまま進みました。

実際、ブライトンのフィジカルを全面に出した対応に
対処する事が出来ずに
ブライトンにボールも握られてしまう時間帯も多く
特に前半はブライトンのペースで進んで行きましたが
それでもゴールに迫る場面は何度かありました。

23分過ぎ、34ジャカのパスを受けた35マルティネッリが
左サイドをドリブルで深い位置まで切り込んだ所から
折り返したボールを
10スミス・ロウと被ってしまった7サカが
持ち直してから左脚を振り抜きましたが
ブロックされてしまいゴールは奪えず。

10スミス・ロウと被らなければ
7サカはダイレクトで撃てた可能性があっただけに
非常に残念な場面でした。

25分過ぎ、右サイドで得たFKからのサインプレーで
ボールを少し動かした所から
7サカが送ったクロスを
ファーサイドで6ガブリエウがヘッドで合わせましたが
ポストの外側を叩き惜しくもゴールは奪えず。

36分過ぎ、23ロコンガからパスを受けた34ジャカの
10スミス・ロウへの縦パスがこぼれた所を
10スミス・ロウが収めて左脚を振り抜きましたが
ダンクにブロックされてしまいこれもゴールを奪えず。

一方で失点の仕方は悪かったと思います。

29分、バックパスを受けたダンクが
ダイレクトで左サイドのスペースに送られたパスで
ムウェプに抜け出されてしまい
そのままポケットにまで侵入を許した所からの
マイナス方向の折り返しを
トロサールに決められてしまい失点。

一本のパスで一気に侵入を許したとは言え
DFラインの前に出来たスペースを
誰もカバーしていないと言う
初歩的なミスで簡単にゴールを許してしまったのは
非常に残念です。

先制点を許しても中々エンジンが掛からないまま
前半が終わろうとした前半ロスタイムに
セットプレーからゴールネットを揺らす場面がありました。

前半ロスタイム、7サカが蹴った右CKが
ファーサイドに流れた所を6ガブリエウが中に折り返し
それを35マルティネッリがヘッドで押し込み
ゴールネットを揺らしましたが
35マルティネッリが戻りオフサイドで
残念ながらゴールは認められませんでした。

仮にここでゴールが決まっていたら息を吹き返して
後半から攻勢を強める切っ掛けに
なったかも知れない場面でしたので
非常に残念でした。

前半は全く機能しなかった事を受けて
アルテタ監督は後半頭から
システムをいじってきました。

後半からはアーセナルがボールを持つと
左SBに入っていた34ジャカがCMFの位置まで上がり
23ロコンガとダブルボランチの様な形を作って
ビルドアップの面を担い、
攻め込まれた時にはその34ジャカが
左SBの位置にまで下がってくるか
もしくは35マルティネッリが
左SBの位置にまで下がってくると言う
変則的なシステムを組んできた様に観えました。

これにより3列目の所で停滞する場面は減り
ブライトン陣内でプレーする時間が増えていきましたので
このシステムの変更は成功したと言え、
しっかりとした仕掛けで
ブライトンゴールに迫る場面が増えました。

相手のブロックの間で17セドリックのパスを引き出した
23ロコンガがそのままペナルティの手前まで
ドリブルで持ち込んだ46分過ぎの場面、
惜しくもファールで止められてしまいましたが
一人アンカーの時には
良い形でパスが引き出せなかった23ロコンガも
ダブルボランチになった為なのか
良い形でパスを引き出して
自らの持ち味である推進力を発揮した
良い仕掛けだったと思います。

34ジャカのパスを受けて
右サイドの深い位置まで切り込んだ
17セドリックからの折り返しを
8ウーデゴールが1トラップして
右脚を振り抜いた61分過ぎの場面
そのシュートはブロックされしまいましたが
ペナルティ内でシュートを撃つ場面は
確実に増えてきたと思います。

しかし次にゴールネットを揺らしたのも
ブライトンでした。

67分、右サイドの深い位置から
ククレジャ〜マカリスター〜ククレジャ〜カイセド
〜トロサール〜カイセドと
細かく繋がれてポケットへの侵入を許し
そのカイセドからの折り返しをムウェプに
ダイレクトのハーブボレーを決められてしまい失点。

ペナルティ内の細かなパス回しに翻弄されてしまったのも
良くない対応だったと思いますが
ポケットに侵入した所からの
マイナス方向の折り返しという
1失点目と同じパターンにも関わらず
また誰もケアしていないと言う失態を犯してしまったのは
非常に残念でした。

0−2になった事でやっと火が付いたのか
終盤になってペースが上がったアーセナルは
更にブライトンゴールに迫りました。

77分過ぎ、左サイドからのブライトンのスローインの
ルーズボールを8ウーデゴール〜7サカ
〜30エンケティア〜7サカと繋いで左サイドを突破し
その7サカからの折り返しを
中央で受けた9ラカゼットが
右サイドの19ペペへ展開し
その19ペペが左脚を振り抜きましたが
ブロックされてしまいゴールは奪えず。

確かに19ペペはフリーでしたが
7サカからパスを受けた9ラカゼットは
ゴール正面の位置で
前にはダンクしかいない状況でしたので
ストライカーならば自ら勝負しなければ
ならない場面だったと思います。

82分過ぎ、左サイドに開いてきた
30エンケティアからのパスを受けた34ジャカが
ダイレクトで送ったパスで
7サカがDFラインの裏に抜け出し
そこから送ったマイナス方向へのクロスを
ニアサイドで19ペペが合わせましたが
これもダンクにブロックされてしまいゴールならず。

85分過ぎ、6ガブリエウからのパスを受けた
23ロコンガがロングシュートを放ちました。
その鋭いシュートは僅かにポストの外側で
ゴールを奪う事は出来ませんでしたが
非常に可能性のあるシュートだったと思います。

87分過ぎ、9ラカゼットが倒されて得た
ゴール正面からやや左側のFKを
8ウーデゴールが直接狙いました。
そのFKはバーを叩き、
そのリバウンドボールを
30エンケティアが押し込もうとしましたが
それもバーを叩いてしまいゴールを奪う事が出来ず。

ブライトンゴールにまで迫りましたが
どうしてもゴールを奪えない中で
遂にゴールが生まれました。

89分、右サイドからのスローインの流れで
34ジャカからパスを受けた8ウーデゴールが
豪快に左脚を振り抜きました。
8ウーデゴールが放ったそのロングシュートは
ウェルベックの脚に当たった事でドライブ回転が掛かり
ゴール左上に吸い込まれてゴール!!

その後も最後までブライトンゴールに迫りました。

90分過ぎ、7サカからのパスを受けた
30エンケティアはウェブスターのチャージを受けながら
左サイドの深い位置まで強引に持ち込み
そこからの折り返しを受けた7サカが
右脚を振り抜きましたが
ゴール前のブライトンの壁に阻まれゴールは奪えず。

94分過ぎ、17セドリックが送ったアーリークロスに対して
30エンケティアがダイビングヘッドで合わせましたが
これもサンチェスのファインセーブで阻まれ
ゴールを奪う事は出来ず。

94分過ぎ、左サイドの深い位置まで侵入した
7サカから送られたクロスを
6ガブリエウがヘッドで合わせましたが
これもククレジャにブロックされてしまい
ゴールを奪う事は出来ず。

終盤は立て続けにブライトンゴールに迫りましたが
結果的に決め手に欠けてしまい
試合はそのまま1−2で敗戦。

来シーズンのCL出場権を獲得する上で
非常に痛い敗戦だと思われます。

2月12日ワトフォード戦以来
PLでは勝利がなかったブライトンを相手に
ホームで圧倒されてしまったのは
非常に心配です。

その原因として考えられるのは
18冨安と3ティアニーの離脱による
DFラインの不安定化もありますが
最も大きな問題は5トーマスの離脱の影響と
8ウーデゴールの沈黙の2つだったと思われます。

8ウーデゴールが沈黙した理由は
単純にカイセドがマンマークに付いていたからと言って
差し支えないと思われます。

元々8ウーデゴールは低い位置まで下がった所から
ボールに関与する事を好み
周囲の選手とボールをやり取りする事で
リズムを作って行くスタイルだと思いますが
マンマークに付いているカイセドが
どこまでもついて行くる為に
中々ボールに関与する事が出来ずに
非常に窮屈そうに観えました。

その結果として17セドリックが
シンプルなクロスを入れる場面が多かった様に
ここ最近の試合の様な
軽快なリズムに乗ったコンビネーションで
右サイドの深い位置まで侵入する様な仕掛けが出来ず
脅威を与える事が出来ていなかったと思います。

現在のアーセナルにはペナルティ内でボールを届ければ
確実に決めてくれる様な
絶対的なストライカーがいない分、
ポケットの位置の様な深い位置まで侵入した所から仕掛けて
確実に崩さなければゴールを奪うチャンスが減りますので
8ウーデゴールが抑えられ
右サイドのコンビネーションが分断されると
この試合の様に厳しい状況に陥ってしまいます。

それだけに例えば10スミス・ロウと
頻回にポジションを入れ替えて
マンマークから解放される時間を作ったり
どこまでも付いてくるカイセドを引き連れて行く事で
右サイドのハーフスペースにスペースを作り
そこを上手く使う様な工夫を観せてくれなかったのは
非常に残念でした。

そして怪我で離脱した5トーマスに代わって
アンカーに起用された23ロコンガが
非常に悪かったのも大きな問題だったと思います。

5トーマスがアフリカ・ネイションズ・カップで
離脱していた1月の時期も
23ロコンガはアンカーを任された試合がありましたが
その時から全く改善されておらず、
一言で言えばアンカーに入った時の23ロコンガは
とにかく「ポジショニングが悪い!!」です。

このポジションの選手はバックラインからパスを引き出し
テンポ良くボールを捌く事が求められているはずですが
なぜか23ロコンガはバックラインの選手がボールを持っている時に
その間に立つ相手選手の影に入るようにその選手の背後に、背後に、
ポジションを取ってしまいます。

ボールホルダーの選手からしてみれば
相手選手の死角に立っている23ロコンガに
パスを出せと言うのは無理な話であると共に
仮にパスを通せたとしても
現在の23ロコンガは激しいチャージを受けると
ボールをロストするリスクが高い選手ですので
怖くてパスを出せないと思います。

勿論、ブライトン側からしてみれば
23ロコンガへのパスコースをしっかりと消していた
とも言えますが、、、、
ブライトンがパスコース消していたと言うよりも
23ロコンガがパスコースを
全く作れていなかったと言った方が
正しい様に感じます。

なぜ23ロコンガは相手のマークを外す動きや
守備のブロックに出来たギャップを意識した
ポジショニングを取らないのか
正直不思議です。

もしかしたらマークが付いた状況でパスを受けても
ボールを奪われずに前を向く自信があるのに
なぜパスを出さないのかと
23ロコンガは思っているのかも知れませんが、
FA杯3回戦のノッティンガム・フォレスト戦も
同様の状態だった事を考えますと
23ロコンガ本人はこのポジショニングの問題に
気が付いていない可能性もあるかもしれません。

と言うのも、後半早々の17セドリックのパスを受けて前を向き
そのままドリブルで持ち込んだ場面では
相手のマーカーの間で23ロコンガはパスを受けましたが
その時の23ロコンガのリアクションは
急にパスが送られてきた様なリアクションをしていましたので
守備のブロックのギャップを見つけて
自らそこに入ってパスを引き出した訳ではなく
偶発的にパスコースに入ってきた23ロコンガに
たまたま17セドリックのパスが通った様に観えました。

そう考えますとポジショニングの問題を
23ロコンガは気が付いていないと考える方が
普通の様に感じます。

結果として現在の23ロコンガは
中盤の底で舵取り役をする資質に欠けていると言わざる得ず
アンカーでの起用は明らかにミスマッチだと思います。

一方で自陣では全く機能しませんが
反対に敵陣に入ってからは
水準以上の推進力があり
気の利いた楔のパスやラストパスを送る事が出来、
そして強烈なミドルシュートも持っていますので
適正ポジションはインサイドハーフなのかもしれません。
それでも23ロコンガを中盤の底で使うのならば
ボールラインよりも後ろでボールを捌く役割は
もう一人の選手に任せて
23ロコンガ自身はある程度前に出る自由度がある
ダブルボランチを組む必要があると思います。

どちらにせよ5トーマスが欠場している期間
どの様に乗り切る事が出来るかどうかが
来シーズンのCL出場権を獲得出来るかどうかの
全ての様に感じます。

実際、今シーズンの開幕3連敗した時も
5トーマスは怪我で欠場していましたし
アフリカ・ネイションズ・カップでの離脱と
出場停止処分を受けていた今年の1月の戦績も
2分け2敗と1勝も出来ませんでした。

もっと言えば今シーズン5トーマスが先発しなかった
PLの試合では2勝1分け4敗と大きく負け越しており
7試合で勝ち点7しか奪えていません。
仮に5トーマスが残りの8試合全て欠場し
1試合平均勝ち点1しか得る事が出来なければ
今後勝ち点8しか積み上げる事が出来ず
最終勝ち点は62点止まりになります。

前節の時に書きました様に
4位に入る為には勝ち点72は欲しい所ですが
62点止まりでは当然4位に入る事は不可能だと思います。

それだけにこの2連敗の敗因を精査し
それに対する効果的な対策が必要なのは言うまでもなく
同時にユナイテッドやウエスト・ハムに
勝利するのは勿論ですが
チェルシーとスパーズとの直接対決でも
勝利する事が絶対条件になると思います。

「次に負けた時が来シーズンのCL出場権を失う時」
と言う位の気持ちで
残りの8試合の全ての試合で
唸る様な素晴らしい試合をもう一度観せて欲しいと思います。


C'mon Arsenal !!


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3ティアニー     PL:1G3A CC:0G0A
5トーマス      PL:2G1A CC:0G0A
6ガブリエウ     PL:3G0A CC:0G0A
7サカ        PL:9G5A CC:1G0A 
8ウーデゴール    PL:6G3A CC:0G1A
9ラカゼット     PL:4G7A CC:2G1A 
10スミス・ロウ    PL:9G2A CC:1G0A
14オーバメヤン    PL:4G1A CC:3G1A 
15M=ナイルズ    PL:0G0A CC:0G1A 
17セドリック     PL:0G0A CC:0G2A
18冨安        PL:0G1A CC:0G0A
19ペペ        PL:1G1A CC:2G4A
20タヴァレス     PL:0G1A CC:0G1A
21チェンバース    PL:0G0A CC:1G0A
25エルネニー     PL:0G1A CC:0G0A
30エンケティア    PL:0G1A CC:5G0A
34ジャカ       PL:0G2A CC:0G0A
35マルティネッリ   PL:5G3A CC:0G0A
87パティーノ     PL:0G0A CC:1G0A


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