SSブログ

EL32 2nd:ARSENAL vs SL Benfica [Arsenal マッチリポート]

ARSENAL 3−2 SL Benfica
     (4−3)
2021年2月25日(木)Europa League Round of 32 2nd,
             Georgios Karaiskakis Stadium, Athens.

Goal 
 (21)14Aubameyang(←7Saka)
 (43)Gonçalves
 (61)Rafa Silva
 (67)3Tierney(←12Willian)
 (87)14Aubameyang(←7Saka) 

1Leno

2Bellerín  23D.Luiz  6Gabriel  3Tierney

8Ceballos  34Xhaka

 7Saka    11Ødegaard   32Smith Rowe

14Aubameyang


(63)32Smith Rowe>>>12Willian
(63)8Ceballos>>>18T. Partey
(78)2Bellerín>>>9Lacazette
(90)7Saka>>>21Chambers
(90)11Ødegaard>>>25Elneny


Substitutes
 33Ryan
 44Hein
 17Soares
 22Marí
 19Pépé
 35Martinelli
 30Nketiah


Arsenal 1.jpg1−1で始まった2ndレグは
先制しながらも逆転を許す
厳しい展開の試合でしたが
最後の最後で逆転し
ラウンド16への進出を決めました。

先発は左SBを17ソアレスから
3ティアニーへ変更した以外は
1stレグと同じ布陣が組まれました。

全体的に観てこの日のアーセナルは
良くなかったと思います。
連戦が続いている為の疲労の蓄積なのか
この試合のプレッシャーの為なのかは分かりませんが
セカンドボールへの反応や
デュエルの局面で遅れをとっていた様に
個々の選手のコンディションは
ベンフィカの方が明らかに良かった様に観えました。

同時に戦術的にもベンフィカの方が
機能していた印象で
特にハーフスペースに顔を出してくる選手に対して
アーセナルのケアが甘い為に
そこへ縦パスが入れられ展開されると
下がりながらの対応を余儀される場面が何度もありましたので
プラン通りに試合を進めていたのは
ベンフィカの方に観えました。

一方のアーセナルはコンディション的な問題の為なのか
中々リズムに乗れませんでしたが
その中でも右サイドでの
7サカ、2べシェリン、11ウーデゴールの
関係は良くなかったと思います。

この試合の7サカは通常の試合に比べて
ライン側のポジションを取る事が多かったのですが
これにより2ベジェリンが
オーバーラップするコースを塞いでしまい、
一方の11ウーデゴールもその7サカに近寄り過ぎてしまう為に
インナーラップするコースも塞いでしまい、
結局右サイドのライン側で
この3人が渋滞してしまう場面が何度もありました。

勿論、7サカがライン側でボールを受けて
独力で縦に仕掛けられるのならば
問題はなかったと思いますが
この試合の7サカは特にコンディションが悪く
いつもの様なスピードやキレがない為に
ライン側での脅威にはなっていなかったと思います。

想像するに、ハイラインを敷くベンフィカのDFラインに対して
1stレグでは何度となくオフサイドを取られた反省から、
右サイドからの11ウーデゴールのサイドチェンジのパスを
左サイドに上がってきた3ティアニーが受けて
そこからの折り返しをペナルティの中に入っていた
32スミス・ロウが左脚を振り抜いた19分の場面の様に
右サイドでタメを作った所から
左サイドへ大きなサイドチェンジをして
横への揺さぶりを強めるプランを
基本として考えていたのかもしれません。

しかしそれは右サイドから仕掛けられる事を危惧して
ベンフィカのDFラインが全体的に右へ寄ってきて
初めて成立する仕掛けだと思いますが
前記の様に右サイドは渋滞してしまい
アクションを起こせない状況でしたので
期待した様な大きな展開はそれほど多くなく
ただ攻撃陣が停滞していただけの様に感じました。

個人的には1stレグでオフサイドを取られまくったとは言え
基本的にはハイラインの裏に向けての仕掛けが中心でも
良かった様に感じています。
この試合のスコアが前半終了間際に1−1となり
後半には1−2と逆転されてからは
攻撃にもたついているとすぐに
ベンフィカゴール前に5バック+3MFのブロックが築かれてしまい
そのブロックを崩す事に非常に苦労していましたので
DFラインが下がる前に先手を打つ様に
裏に仕掛けて欲しかったと思っていました。

実際、ベンフィカの3CBの内の
オタメンディとフェルトンゲンの2人は
PLの第一線から退いたCBであり
一般的にPLでのキャリアの限界を迎えるCBは
共通してPLのスピードや俊敏性に付いて行けなくなる事で
PLでのキャリアを終える選手が殆どであり
この2人も同様の問題により
PLを去ったと認識しています。

と言う事を考えますと
タイミング良く裏に抜け出してしまえば
付いてこれない可能性が高く
実際先制点や後半早々の幻のゴールの場面では
裏へのスルーパスで14オーバメヤンが完全に抜け出し
ゴールネットを揺らしました。

21分、ライン側に開いていた
11ウーデゴールからのパスを受けた7サカが
カットインした所から送ったスルーパスで
14オーバメヤンが裏へ抜け出し
ダイレクトで流し込んで先制ゴール!!

49分過ぎ、8セバージョスの楔のパスを
中に絞ってきた32スミス・ロウがダイレクトで
11ウードゴールに繋ぎ
その11ウーデゴールから送られたスルーパスで
14オーバメヤンが裏へ抜け出し
チップキックでゴールへ流し込みましたが
この場面は14オーバメヤンの位置がオフサイドで
惜しくもゴールはならず。

どちらも14オーバメヤンの裏への動きに合わせる様に送られた
スルーパス1本であっさりと崩す事が出来ていましたので
早い段階から裏への仕掛けがもっとあっても良かった様に感じます。

しかし試合の流れは前半終了間際に
ゴンサルベスに直接FKを決められた事で
変わってしまいました。

このゴールでアウェイゴール数が並ばれてしまった事で
仮にベンフィカに2点目を奪われてしまったら
2−2でも敗退してしまう状況になってしまいました。
よってアーセナルが先にゴールを奪ったとしても
1ゴール差ではまだ安全圏とは言えず
確実に勝つ為には先に2つのゴールを奪う必要性が
出てきてしまいました。

その様な状況の中で
次にゴールを奪ったのはベンフィカの方でした。

61分、アーセナルのCKからの流れで
ベンフィカのGKレイテのパントキックを
8セバージョスがヘッドで1レノへ戻そうとしたボールを
ラファ・シウヴァに奪われてしまい
そのまま1レノもかわされて無人のゴールに入れられて失点。

ここに来て大きなミスが生まれてしまいました。

これまで1stレグの失点はPK、
この試合での1失点目はFKと
完全に崩された形ではゴールを奪われていなかっただけに
ミスからの失点は非常に痛過ぎます。

確かにこの日の8セバージョスは良くなかったと思います。
それは一つ一つのプレー云々ではなく
漠然としたチームの中で
効果的なプレーが出来るかどうかの部分での事で
以前にも指摘しましたが
8セバージョスが良いか悪いかは
簡単な状況に於いてどの様な振る舞いをするかで分かります。

例えば自陣でのビルドアップの始まりの様な場面で
そのままシンプルにテンポ良くパスを捌いている時は
ミスも少なくチームを動かす存在になりますが
反対にわざと1テンポ遅らせたり、
進行方向ではない方向に体をよじらせながら
パスを出したりする試合では
周囲が観えていない時が多く
自分のプレーに酔ってしまっている訳ではないでしょうが
簡単なプレーをわざと難しくプレーしてしまい
それが空回りする様に自滅してしまう場面が多くなる様に感じます。
残念ながらこの試合では後者でした。

この場面でもラファ・シウヴァが
並走しながらすぐ横にまで走り込んで来ているのを
自ら確認していたにも関わらず
なぜそのラファ・シウヴァと同じ進行方向である
1レノに向けてのバックパスを選択してしまったのか?
正直理解に苦しみます。

仮に途中でカットされずに1レノまで届いたとしても
全速力でラファ・シウヴァが迫ってきているはずですので
そこには必ずボールロストするリスクが
発生してしまいます。
言うなれば1レノにとっては
ボールロストをするリスクを背負わされている状況であり
この場面での1レノへのバックパスは
パスの受け手の事を何も考えていない
本当に優しくないプレーだと思います。

ラファ・シウヴァが右サイドから
中央の8セバージョスに並走しながら
近寄ってきていた事を考えれば
一番安全なのはそのラファ・シウヴァの進行方向とは逆の
右側を並走していた2ベジェリンに繋ぐ事だったはずです。

勿論、相手のアタッキングエリアならば
難しいプレーにチャレンジする事は意味がある事ですが
それ以外のエリアであえて難しいプレーを選択する事は
全く意味がない事だと思います。
この様にシンプルなプレーを選択するべき時に選択せず、
難しい選択肢を選択してしまう所が
8セバージョスが中々信頼できる存在として
認められない所だと思います。

結局8セバージョスは
ベンフィカの2つのゴールに関与してしまいましたので
このまま敗れていたら
戦犯として叩かれていたと思います。

まぁ、FKを与えてしまったファールの場面はミスと言うよりも
相手の誘いに不用意にも乗ってしまった軽率さの問題ですが、、、。

一方でこの失点の場面での1レノの対応は
非常に冷静だったと思います。

交錯する事を恐れずにリスクを冒して突っ込んで
ブロックしに行く事も出来たと思いますが
同時に1発レッドになっていた可能性も
あったと思います。
仮にこの場面を防いだとしても
ここで退場処分を受けて数的不利の陥ってしまったら
結果的に勝ち上がる可能性が減っていたかもしれませんので
リスクを冒さなかったのは
1レノのファインプレーだったと個人的には思いますし、
失点しても必ず逆転してくれると
チームへの信頼の現れだったかもしれません。

その想いの通り残りの約30分で
見事に逆転してみせてくれました。

67分、6ガブリエウの楔のパスを
下がって受けにきた12ウィリアンから
34ジャカ〜3ティアニーへと左サイドへ展開され
楔のパスを受けた後に左サイドに走り込んできた
12ウィリアンへ繋げられました。
そしてその12ウィリアンからの
折り返しを受けた3ティアニーが
マークに来たタヴァレスをかわして
ペナルティの中に切り込んでいき
豪快に左脚を振り抜き同点ゴール!!

ゴールを奪った後のリアクションもそうですが
本当に気合のこもったゴールだったと思います。

そして最後はまたこのコンビで決めました。

87分、11ウーデゴールからのパスを
右サイドで受けた7サカから送られた
ファーサイドの14オーバメヤンへの
ピンポイントクロスをヘッドで叩き込み
逆転ゴール!!

ここしかないタイミングでここしかないコースへ送られた
まさに2人のイメージが完全に合致した
ゴールだったと思います。

確かに14オーバメヤンは以前の様な爆発的な力は
薄れてきたかもしれませんが
それでもチームの勝利の為に
決めるべき時に決めるのがエースであり
同時にコンディション的に厳しくても
チームを勝利に導く為に
決定的なプレーをする7サカも
アーセナルのエースとしての看板を
背負う存在になってきたと言えると思います。

嫌な形で失点しまさに絶体絶命の状況に陥りましたが
その嫌な雰囲気を3ティアニーの気合で吹き飛ばし
そして最後は新旧2人のエースが
そのエースとしての重責に応える様にゴールを奪い
チームを勝利に導きました。

この勝利はラウンド16への進出を決めた勝利に止まらず
チームの何かを変える勝利になる事を期待したいと思います。


C'mon Arsenal !!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

2ベジェリン     PL:1G2A EL:0G1A
3ティアニー     PL:1G1A EL:1G0A FA:0G1A
6ガブリエウ     PL:2G0A 
7サカ        PL:5G2A EL:1G3A CS:0G1A 
8セバージョス    PL:0G2A EL:0G0A
9ラカゼット     PL:8G2A EL:1G0A CC:1G0A FA:0G1A
12ウィリアン     PL:0G3A EL:0G1A
14オーバメヤン    PL:8G1A EL:3G0A FA:1G0A CS:1G0A
15M=ナイルズ    PL:0G0A EL:0G1A 
16ホールディング   PL:0G1A EL:0G0A
17ソアレス      PL:0G1A EL:0G1A
18トーマス      PL:0G1A EL:0G0A
19ペペ        PL:4G0A EL:3G3A
22マリ        PL:0G0A EL:1G0A
23D.ルイス      PL:0G0A EL:1G0A
25エルネニー     PL:0G0A EL:1G0A
24ネルソン      PL:0G0A EL:1G1A
28ウィロック     PL:0G0A EL:3G3A
30エンケティア    PL:1G1A EL:3G0A CC:1G0A
32スミス・ロウ    PL:0G4A EL:1G2A FA:1G0A
34ジャカ       PL:1G2A EL:0G0A
35マルティネッリ   PL:0G0A EL:0G0A CC:0G1A
38バロガン      PL:0G0A EL:2G1A


nice!(0)  コメント(0)