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FA 3rd:Nottingham Forest vs ARSENAL [Arsenal マッチリポート]

Nottingham Forest 1−0 ARSENAL
2022年1月9日(日)The FA Cup, The City Ground

Goal
 (83)Grabban


1Leno

17Cedric  4White  16Holding  20Tavares

23Lokonga

8Ødegaard     87Patino 

7Saka                35Martinelli

30Nketiah


(34)20Tavares>>>3Tierney
(69)87Patino>>>9Lacazette
(90)17Cedric>>>31Kolasinac


Substitutes
 32Ramsdale
 22Marí
 21Chambers
 82Hutchinson
 65Oulad M'Hand
 58Biereth


Arsenal 1.jpgノッティンガム・フォレストとのFA杯3回戦は
最後まで攻略する事が出来ずに
敗退してしまいました。

先発はGKは1レノが務め、
DFラインは右SBは17セドリック、
左SBは20タヴァレス、
CBは4ホワイトと
16ホールディングが入りました。
中盤はアンカーに23ロコンガが入り
8ウーデゴールと87パティーノが
インサイドハーフに並ぶ3センターを組み
前線は右に7サカ、左に35マルティネッリ、
そして1トップを30エンケティアが務める
4−3−3が組まれました。

試合はアフリカ・ネイションズ・カップに参戦中の
5トーマスの不在の影響が非常に大きかったと思います。
同時に34ジャカも新型コロナ陽性で欠場した事で
組み立ての質にも問題が生じてしまったのは言うまでもなく
5バックを敷いてゴール前を固めた
ノッティング・フォレストの守備網を崩す事が
最後まで出来ませんでした。

とは言え、チャンスがなかった訳ではなかったと思います。

8ウーデゴールのパスを受けた30エンケティアが
右サイドからカットインした所から
左脚を振り抜いた29分過ぎの場面や
7サカからのパスを受けた23ロコンガが
右脚を振り抜いた31分過ぎの場面では、
相手DFに当たり枠を捉えられませんでしたが
良いミドルシュートだったと思います。

右サイドからの7サカのクロスを
ファーサイドで30エンケティアが
ヘッドで合わせた57分過ぎの場面や
3ティアニーのパスをペナルティ内で受けた30エンケティアが
そのまま反転して切り込んで行き
左脚を振り抜いた67分過ぎの場面は
ストライカーならば決めなければならなかったと思います。
特に前者は完全にフリーだっただけに
ヘッドを当て損なってしまったのは非常に残念でした。

4ホワイトの裏へのパスで抜け出した
7サカからの折り返しを9ラカゼットへ送った
78分過ぎの場面では
9ラカゼットの前にウォラルに入られて
合わせられなかったのも残念でした。

結局、効果的な縦パスを入れた所から
一気にテンポアップして
コンビネーションで崩す様な場面が少なく
7サカの個人技頼みのサイドからの仕掛けで
ゴールに迫ろうと試みていたと思います。

しかし30エンケティアは
ワンタッチスコアラータイプのストライカーですが
体格的に空中戦は強くない為に
単純な浮き球のクロスは効果的ではなく、
30エンケティアの能力を最も活かす
鋭いグラウンダーのクロスは
ゴール前のスペースを消されてしまっていた為に
中々通せる状況を作る事が出来なかった等、
サイドからの仕掛けもゴールを奪うには
十分ではなかったと思います。

そして30エンケティアはシンプルにパスを受けて
個の力で状況を打開する様なレパートリーは
67分過ぎの様な一気に反転して前を向く様なパターンしか
持ち合わせていない為に
ゴール前のスペースを消されてしまうと
個の力で出来る事は限られてしまいます。

勿論、効果的な縦パスが通り
相手DFラインが後ろ向きで
対応しなければならない様な状況を
もっと作る事が出来ていれば
30エンケティアの能力が発揮出来る状況に
なっていたかもしれませんが
中盤から効果的な縦パスを
入れる事が出来なかった為に
最後まで状況が改善する事はありませんでした。

この試合の中盤は
通常のダブルボランチ+トップ下の構成ではなく
アンカー+2インサイドハーフの3センターの構成でした。

スタッツ上では8ウーデゴールがトップ下に入り、
ダブルボランチを23ロコンガと87パティーノが
組んでいた事になっていましたが
トップ下に8ウーデゴールが入っている時には
守備時にはCFと共に最前線でのプレスを担当する
4−4−2の形を構成しますが
この試合の8ウーデゴールは
最前線のプレスを役割を担っていませんでしたので
トップ下の位置には入っていなかったと思います。

反対に87パティーノがダブルボランチの位置に入っていたら
ビルドアップの段階では
23ロコンガの横に並ぶ様な位置でプレーしていたはずですが
この試合ではビルドアップの早い段階から
2ラインの間の位置まで上がっている場面が多かった事からも
87パティーノはボランチの位置ではなく
一列前のインサイドハーフの位置に入っていたはずです。

しかし元々、8ウーデゴールはトップ下に入っていても
右サイドの7サカの背後のワイドの位置を
プレーの起点にする事が多いので
トップ下のいない4−3−3のシステムが
縦パスを送れなかった原因とは考えられません。

反対に通常のシステムで縦パスがよく通るのは
1トップの9ラカゼットが
2ラインの間にまで下がってきて
縦パスを受ける役割を担っているからですので
30エンケティアももっと効果的に縦パスを受ける役割を
担う必要があったと思いますが
それも十分に担えていなかったのも問題だったと思います。

勿論、アーセナル側の問題だけではなく
ノッティンガム・フォレストも
よく対策が練られていたと思います。
DFラインを5人にしてゴール前を固めたのと共に
23ロコンガにはジンカーナゲル、
8ウーデゴールにはガーナー、
87パティーノにはイエーツと中盤の3人に対して
マンマークを付けてきたのは
非常に効果的だったと思います。

実際、4ホワイトや16ホールディングが
ラインを超えてドリブルで自ら持ち上がる場面が
何度もありましたが
その様なプレーが出てくるのは
パスの出し所を抑えられている為の
苦肉の策と言うのは言うまでもありませんので
前線だけではなく中盤の3人も抑えられていた事が
ビルドアップの質を落とし、
効果的なパスを供給する事が
出来なくなっていた一因だったと思います。

とは言え、ピッチ全体でマンマークを付けてくる
リーズを攻略した様に
マンマークを付けられたら付けられたで
プレーの仕方は幾らでもあったと思います。

実際8ウーデゴールはマークが付くエリアと外れるエリアを
出たり入ったりする事で上手く対応していたと思いますが
23ロコンガと87パティーノは
かなり長い時間マークに付かれたままで
自由を奪われ続けていたのは
問題だったと思います。

数字上でもポゼッション率が
35.2%対64.8%だったにも関わらず
8ウーデゴールのタッチ数が79回あったのに対して
23ロコンガは53回、87パティーのは40回しかなかった様に
この二人のゲームへの関与が少なかったのは確かであり
数字上でも5トーマスや34ジャカの不在を
強く感じさせられる結果だと思います。

そして23ロコンガは最後には
失点に繋がるミスを犯してしまいました。

83分、16ホールディングのパスを受けた23ロコンガが
左サイドに開いていた9ラカゼットに出したパスを
イエーツにカットされてしまい
そこからジョンソン〜イエーツへと
左サイドに展開された所から送られたクロスを
グラバンに合わされてしまい失点。

確かに23ロコンガがアピールした様に
23ロコンガのパスはイエーツの腕に当たっていましたので
ハンドだったかもしれませんが
それを差し引いてもあのエリアで
殆どプレッシャーを受けていない状況で
相手に当ててしまう様なパスを出す方が
軽率だと言わざる得ないと思います。

87パティーノはファーストチーム初先発でしたので
試合の流れに入れなかったのも仕方がありませんが
現状としての23ロコンガは
5トーマスや34ジャカが不在の状況で
その責務を一人で担うのはまだ早い様に感じます。

同時に両SBの出来も良くなかったと思います。

17セドリックは高い位置を取ったり
1人アンカーの23ロコンガの脇に並んでフォローしたり
色々な役割をしっかりと担っていましたが
残念ながらそれ以上の貢献は観せられていなかったと思います。
特に攻撃面では単調と言わざる得ず
ゴール前を固められている状況で
入れられていたクロスには
可能性を感じる事が出来ませんでした。

そして左SBの20タヴァレスはもっと心配な状況で
軽率なミスを繰り返すだけではなく
1レノへのバックパスを強いライナーで返すなど
普通では考えられない様なプレーをいていた様に
完全に集中力を欠いていたのは間違いないと思います。

これまでも集中力を欠いた様なプレーをする事はありましたが
この試合は特に酷く
前半途中で下げられた事に対して
言い訳が出来ないのは勿論の事、
一時期観せていた
3ティアニーのポジションを奪う様な勢いは
残念ながらこの試合で一歩も二歩も
後退したと言わざる得ないと思います。

この試合の敗戦はFA杯の敗退だけではなく
奇しくも現在のアーセナルが抱えている問題点が
全て出てしまった試合だったと思います。

5トーマスと25エルネニーを
アフリカ・ネイションズ・カップで欠き、
15メイトランド・ナイルズがローマへローン移籍した中盤は
頭数的にも十分ではないにも関わらず
34ジャカが新型コロナ陽性で欠場すると言う
想定していた中で最悪の状況になってしまった事で
質の面でも十分ではない事を露呈してしまいました。

5トーマス等が帰ってくるまで
このまま綱渡りを続けていくのか?
この冬の移籍期間で補強するのか?
早急に決断が必要だと思いますが
この試合を観る限りでは個人的には
補強の必要性は高くなったと思います。

その一方でこの1月で最も重要な試合になると思われる試合は
これから約1週間の間に行われる
カラバオ杯準決勝のリバプールとの2連戦と
その試合に挟まれたスパーズ戦だと思われますが
今から選手を獲得しても
この3試合に間に合う可能性は低いと思われますので
それ程補強効果は得られないかも知れません。

そうなりますと5トーマス等が不在の穴を埋める目的で
新たな選手を獲得しても
今となっては「時すでに遅し」であり
今のスカッドの中で解決策を見付ける必要があるかも知れません。

取り敢えず34ジャカが復帰すれば
状況は変わるかも知れませんが
今週のリバプール戦と週末のスパーズ戦に
間に合うかどうかは不透明ですので
4ホワイトを中盤の底で使うオプションを
本気で考える必要があるかも知れません。

同時にやはり右SBのバックアッパーとしては
17セドリックは十分とは言えませんので
この冬に動くかどうかは別としても
このポジションの補強も必要だと思われます。

極端に言えばこの試合で
35マルティネッリとマッチアップして
互角以上の戦いを観せていた
ノッティンガム・フォレストのスペンスの方が
17セドリックよりも良いプレーを観せていたと思います。
勿論、たまたま良かったのかも知れませんが、
スピードと共にフィジカル的な強さと高さもあり
何よりも21歳とまだ若いイングランド人と言う所は
アーセナルの補強方針と合致していると思いますので
安価で獲得出来るのならば
17セドリックと入れ替えても良い位だと思います。

そして30エンケティアも
カラバオ杯準々決勝のサンダーランド戦では
ハットトリックを挙げて存在感を示しましたが
一転してこの試合では全く良い所なく
どちらが本当の30エンケティアなのか迷うばかりです。

基本的に30エンケティアは
ワンタッチスコアラーに特化したタイプの
ストライカーですので
ゴール前のスペースを消されてしまった時に
その状況を打開する術が少ない所が問題で
それと共に1トップの9ラカゼットが
2列目の選手を活かしている
現在好調のアーセナルのスタイルとの噛み合わせも
余り良くない様に感じます。

勿論、チームが更に成熟して
30エンケティアを活かす攻撃スタイルを
臨機応変に使いこなせる様になれば
状況は変わるかも知れませんが
短期的には今まで以上に出場機会が増える可能性は
それほど多くはない様に感じます。

そうなりますと今後半年で状況が変わるとは思えませんので
契約が切れる来夏を待たずして
30エンケティアをこの冬に放出する可能性は
高くなった様に感じます。
そして26バロガンがミドルズブラへ
ローン移籍に出した事を考えますと
ストライカーの補強に動く必要性は更に高まりましたので
噂通りストライカーの補強を
実現させて欲しいと思います。

ベストメンバーが揃った状況ならば
上位クラブとも十分に渡り合える様になったかも知れませんが
レギュラー組とサブ組との間には
少なくない差が生じていますので
ベストメンバーを揃える事の出来ないこの時期に
調子を崩してズルズルと後退しない様に早急に対策を練り
次のカラバオ杯準決勝のリバプール戦では
現状でも十分に戦える事を示して欲しいと思います。


C'mon Arsenal !!


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3ティアニー     PL:1G3A CC:0G0A
5トーマス      PL:1G0A CC:0G0A
6ガブリエウ     PL:2G0A CC:0G0A
7サカ        PL:6G4A CC:1G0A 
8ウーデゴール    PL:4G3A CC:0G1A
9ラカゼット     PL:3G3A CC:2G1A 
10スミス・ロウ    PL:8G2A CC:1G0A
14オーバメヤン    PL:4G1A CC:3G1A 
15M=ナイルズ    PL:0G0A CC:0G1A 
17セドリック     PL:0G0A CC:0G2A
18冨安        PL:0G1A CC:0G0A
19ペペ        PL:0G1A CC:2G4A
20タヴァレス     PL:0G1A CC:0G1A
21チェンバース    PL:0G0A CC:1G0A
25エルネニー     PL:0G1A CC:0G0A
30エンケティア    PL:0G0A CC:5G0A
34ジャカ       PL:0G1A CC:0G0A
35マルティネッリ   PL:4G2A CC:0G0A
87パティーノ     PL:0G0A CC:1G0A


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