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PL26:ARSENAL vs Bournemouth [Arsenal マッチリポート]

ARSENAL 3−2 Bournemouth
2023年3月4日(土)Premier League, Emirates Stadium

Goal

 (1)Billing
 (57)Senesi
 (63)5T. Partey(←10Smith Rowe)
 (70)4White(←24Nelson)
 (90+7)24Nelson


1Ramsdale

18Tomiyasu 12Saliba 6Gabriel 35Zinchenko

5T. Partey

8Ødegaard    21Vieira

 7Saka             11Martinelli

19Trossard


(22)19Trossard>>>10Smith Rowe
(46)18Tomiyasu>>>4White
(69)10Smith Rowe>>>24Nelson
(84)21Vieira>>>34Xhaka


Substitutes
 30Turner
 3Tierney
 16Holding
 15Kiwior
 20Jorginho


Arsenal 1.jpg先日のアストン・ヴィラ戦の劇的な勝利が霞む位の
劇的な勝利だったと思います。

先発はこの試合では4ホワイト、
20ジョルジーニョ、34ジャカに代えて
18冨安、5トーマス、21ヴィエイラを
起用してきた様に
少しローテーションしてきました。

試合はボーンマスのキックオフからの
ファーストプレーで失点してしまいました。

9秒11、ソランケがキックオフしたボールを
ロスウェルが左サイドに一人残っていたワッタラに送り
そのワッタラからのクロスが抜けてきた所を
ビリングに合わされてしまい失点。

完全に欺かれてしまった見事なキックオフだったと思います。

アーセナルの右サイド側に選手を集中させて
そこに向かって蹴り込んだボールを競り合う所から
スタートする様なパターンのキックオフは
よく観られるキックオフののパターンですので
アーセナルも右サイドに人員を集中していました。

一方で一番左側のワイドな位置に一人残っていた
ワッタラは完全に浮いている存在になっていましたが
一応左側のハーフスペースのレーンには
11マルティネッリと35ジンチェンコが残っていましたので
ワッタラがアタッキングエリアに侵入する頃には
この2人がワッタラを捕まえていましたが
そこからの対応は醜かったと思います。

ワッタラを捕まえていたとは言え
寄せきれずに簡単にクロスを
入れられてしまった対応は甘かったと思いますし、
ソランケの動きに釣られたとは言え、
ニアで対応した6ガブリエウは
しっかりとクリアーしなければならなかったと思います。
そして6ガブリエウが触った事で少しコースが変わったとは言え
流れてきたボールに対して
12サリバは反応出来ずに完全に出遅れてしまい
ビリングに簡単に裏を取られてしまっては
もう防ぐ事は出来ません

完全に欺かれた仕掛けだったとは言え
集中しきれていなかったと言わざる得ないと思います。

開始早々に失点した事でその後の流れは
圧倒的にボールを保持するアーセナルに対して
5−4ー1のブロックを築き
時にはフィールドプレーヤーの10人全員が
ペナルティの中に入って
ゴール前を固めて守るボーンマスと言う図式になってしまい
その強固なブロックを崩すのに苦労する事になりました。

5トーマスの激しいプレスでゼムラから奪い返したボールを
8ウーデゴールが持ち込み左脚を振り抜いた8分過ぎの場面、
ゴール右下を捉えたそのシュートは
ネトのファインセーブで防がれ
そのこぼれ球に対して詰めていた7サカが
右脚を振り抜きましたが
そのシュートもネトにブロックされてしまい
ゴールを奪う事は出来ず。

右サイドに開いていた19トロサールからのパスを
ペナルティ内で受けた11マルティネッリが落としたボールに対して
8ウーデゴールが左脚を振り抜いた4分過ぎの場面、
このシュートもネトにセーブされゴールを奪う事は出来ず。

一方で鋭いカウンターを受ける場面もありました。

18分過ぎ、7サカが強引に撃ったシュートが
ブロックされた所からカウンターを受けてしまいました。
そのこぼれ球を収めたソランケが
ドリブルで持ち上がった所から
並走していたビリングに繋ぎ
そのビリングからの折り返しを
ファーサイドから走り込んできたワッタラに
フリーの状態で合わされてしまいました。
そのシュートは素早く果敢に前に出た1ラムズデールが
スーパーセーブを観せて
この決定的なピンチを凌ぎましたが
ここで決められていたら
この試合は終わっていたかもしれない
大きなポイントだったと思います。

しかしここでアクシデント発生。

このカウンターを防ぐべく
全速力でプレスバックしてきた
19トロサールがソケイ部を負傷してしまい
ここで10スミス・ロウと交代し
左サイドに10スミス・ロウ、
1トップに11マルティネッリと言う陣形に変更されました。

その後もボーンマスゴールを目指して
攻め続けました。

27分過ぎ、12サリバからのパスを受けた21ヴィエイラが
そのままドリブルでロスウェル、メファムと
次々とかわしてペナルティ内まで切り込んで行きましたが
最後のスティーブンスの所をかわしきれず。
残念ながらシュートを撃つ事は出来ませんでしたが
可能性を感じるドリブル突破でした。

37分過ぎ、8ウーデゴールのサイドチェンジのパスを
ファーサイドで受けた10スミス・ロウが落としたボールに対して
35ジンチェンコが左脚を振り抜きましたが
そのシュートもゴール前の壁に阻まれ
枠を捉える事は出来ず。

39分過ぎ、8ウーデゴールのスルーパスで
裏に抜け出した7サカからの
マイナス方向の折り返しに対して
ファーサイドから走り込んできた10スミス・ロウが
合わせようとしましたが
その直前にメファムにカットされてしまい
シュートを撃つ事は出来ず。

そして再び危険な状況に陥りました。

43分過ぎ、ボーンマスのクリアボールの処理にもたついた12サリバが
ルーズに蹴り返したボールを収めたビリングに
スペースに向かってダイレクトパスが送られてしまい
そのままソランケに抜け出されてしまいました。
幸いソランケが中に向けて折り返したボールに対して
誰も走り込んでいなかった為に
決定的なピンチには繋がりませんでしたが
非常に危ない場面だったと思います。

この後、恒例の疑惑の判定がまたありました。

44分過ぎ、7サカが入れたクロスの後の
ルーズボールに対してペナルティ内で
そのボールを収めようとした18冨安の右足が
背後からクリアーしよとしていたセネシに
蹴り上げられてしまいましたが判定はノーファール。

イーブンのボールだったとは言え
セネシがボールを蹴り出した足が
結果的に18冨安の足も蹴っていたのならば
ファールではないと思いますが
ボールがその場に落ちた様に
蹴り出そうとしたセネシは
ボールに触る事が出来ていないのは明白であり、
ボールを収めた18冨安の足を
セネシが後から蹴り上げる格好になっていたのは
間違いないと思いますので
普通ならば明らかなファールだったと思いますが
この程度の事は対アーセナル戦ではファールにならないのは
ある意味想定内、、、。

そして前半最後のチャンスもゴールネットを揺らす事は出来ませんでした。

前半ロスタイム、ショートコーナーからの流れで
8ウーデゴールの鋭い縦パスを受けた11マルティネッリが
左のポケットの位置にドリブルで切り込んでいき
左脚を振り抜きましたが
ポストの外側でゴールを奪う事は出来ず。

早々に失点してしまった事で
完全にゴール前を固められてしまう展開に
苦労する前半になってしまいましたが
それでもゴールの匂いがする場面は
何度かあったと思います。

そしてハーフタイム明けにアルテタ監督は
シティ戦以来の先発で起用されていた18冨安に代えて
4ホワイトを投入してきました。

確かにこの日の18冨安は良くなかったと思います。
40分過ぎにフリーで深い所にまで抜け出した所から
中に折り返そうとした時に
キックミスを犯して中に入れられなかった様な
決定的なミスもありましたが
それ以外でも総じて良くなかったと思います。

勿論、守備の面では
まずまずのプレーを観せていたと思いますが
昨シーズンの様な圧倒的な存在感を示す訳でもなく
そもそもこの試合は圧倒的にボールを保持して
攻め続ける展開でしたので
守備機会自体は元々それほど多くはなく、
守備時のプレー云々がこの試合での18冨安の評価を語る上で
重要ではないと思います。

一方で攻撃面に関しては
ほとんど貢献出来ていなかったと言えるかもしれません。

勿論、何度か深い位置まで侵入して
クロスを上げる場面もありましたが
効果的なクロスやコンビネーションがなかったのは勿論の事、
そもそも現在の攻撃陣のテンポに付いて行けていなかった
印象があります。

昨シーズンに比べて今シーズンのアーセナルは
ビルドアップの段階から明らかにテンポが速く
その上で仕掛けの段階に入ると
更にテンポアップしているのは
誰もが認める所だと思います。
そしてそれを可能にしているのは
ボールホルダーに対するポジショニングや
そのポジションへ入るタイミング感覚などの
ある意味約束事的な部分や
その速いテンポでもブレる事のない
プレーの精度のだと思いますが
現在の18冨安はそれらについて
十分に対応出来ている様には残念ながら観えません。

例えばパスを受けるポイントが
あと数m前にいるかどうかで
そこから展開して次にパスを受ける選手の所で
大きなタイム差が生じてしまう事もあると思います。
出したパスがパスの受け手の
右足側なのか?左足側なのか?
足下なのか?1m先なのか?それとも3m先なのか?
そしてパスのスピードが
パスの受け手の動くスピードにリンクしているのか?
それらによってそのパスの受け手の次の動きに
タイムロスが生まれる事や
妨げになる事もあると思います。

現在の18冨安のプレーにはその様な部分の一貫性がなく
悪く言えばそこまで意識出来ていない様に観えてしまいます。

その様な問題は昨シーズン程度のプレースピードならば
大きな差が生じなかったのかもしれませんが
今シーズンの速いテンポの中ですと
チームのテンポの流れの中に
大きな澱みを作ってしまっている様に感じます。

もしかしたら今シーズン定期的な出場機会が得られていない要因は
今シーズンのアーセナルのスタイルに
18冨安が適応出来ていない、
もしくはそのレベルに達していない為と言う可能性も
あるのかもしれません。

エースキラーとして
守備面でのジョーカー以上の役割を掴み取るには
基本的な部分の底上げが出来るかどうかに
かかっているのかも知れません。

後半に入ってもボールを保持するアーセナルの攻撃が続きました。

7サカからのパスを受けた8ウーデゴールが
右斜め45度辺りの位置から
ミドルシュートを撃った51分過ぎの場面、
鋭いシュートでしたがネトの正面で
ゴールを奪う事は出来ず。

ボーンマスのFKのクリアーボールを収めた
7サカからカウンターが始まった53分過ぎの場面、
その7サカからパスを受けた11マルティネッリが
ドリブルで右サイドを駆け上がりましたが
最終的に強引に撃ったシュートは枠を捉えられず。
ボーンマスの選手の帰陣が早かった為に
自ら切り込む事も、
パスを出す選択肢も限定されてしまいましたが
遅れて駆け上がってきた10スミス・ロウが
ペナルティアークに差し掛かった辺りで
パスを出せるタイミングがあったと思いますので
パスを出せなかったのは残念でした。

しかし次にゴールネットを揺らしたのも
ボーンマスでした。

57分、ロスウェルが蹴った右サイドからのCKに対して
ニアに走り込んできたセネシにヘッドで合わされてしまい失点。

5トーマスがセネシを観ていましたが
結果的には振り切られてしまった事を考えますと
距離を取ってマークせずに
もっと密着して動きを抑えておくべきだったのかも知れません。

開始直後にゴールを奪われ
その後は圧倒的に攻め続けながらも
ゴールを奪う事が出来ない状況の中で
セットプレーから更に追加点を奪われてしまうと言う
最悪の状況に陥ってしまいましたが
今シーズンのアーセナルはそれで心を乱したり、
心が折れてしまう様な選手が一人もいないと言うのは
今更言うまでもありません。

ここから怒涛の反撃が始まります。

63分、7サカが蹴った右CKに対して
ネトがパンチングしたボールを
10スミス・ロウがヘッドでファーサイドに送り
そのボールをファーサイドに飛び込んできた5トーマスが
右足で合わせてゴール!!

ここから少しオープンな展開になりました。

ロスウェルの裏への浮き球のパスを収めたソランケに
角度のない所から右脚を振り抜かれてしまった64分過ぎの場面
そのシュートは1ラムズデールが右足でセーブして
ゴールを死守。

35ジンチェンコの裏へのパスで
ポケットの深い位置にまで侵入した
10スミス・ロウが折り返した65分過ぎの場面、
残念ながらニアに飛び込んできた11マルティネッリは
押し込めず。

ここで10スミス・ロウに代わって
24ネルソンが投入されました。

リザーブのチェルシー戦では前半のみの約45分、
前試合のエヴァートン戦では終盤の約10分、
そしてこの試合は19トロサールの負傷に伴って
前半途中から約50分弱と、
それほど長い時間ではありませんが
10スミス・ロウは今週3試合目の出場になりますので
コンディション的には最後まで引っ張れるだけの状態では
まだなかったのだと思われますが
結果的にはこの交代が
大きな運命の歯車を動かす事になったと思います。

その10スミス・ロウに代わって投入された
24ネルソンが同点ゴールをアシストしました。

70分、5トーマスからのパスを
大外の位置で受けた234ネルソンが
素早く折り返したクロスを
ファーサイドに入ってきた4ホワイトが
右足でダイレクトで合わし同点ゴール!!

5トーマスのパスを受けて
ボールを前に持ち出した所から
左脚で鋭いクロスを送るまでの
24ネルソンの一連の動作には全くの迷いがなかった事で
ここまで強固にゴール前を固めていた
ボーンマスの最終ラインの全員が
下がりながらの対応に強いられており
その結果、一番ファーサイドから入ってきた
4ホワイトには誰も付く事が出来ておらず
完全にフリーの状態にする事が出来ていましたので
それほど24ネルソンの仕掛けは
決定的だったと言えると思います。

そしてここでまた疑惑の判定がありました。

72分過ぎ、12サリバの楔のパスを受けた7サカが
セネシをかわして深い位置にまで侵入した所から
折り返したボールは
スティーブンスにブロックされてしまいましたが
そのリバウンドを再び収めた7サカが
再びセネシをかわした所から入れた折り返しが
スティーブンスの左腕に当たりましたが
判定はノーファール。

確かに至近距離からボールが腕に当たった場面だったとは言え、
スティーブンスの腕は体から離れた状態であり
しかも一瞬左に動いていた様に
その7サカの折り返しに対しても反応していましたので
完全に偶発的にボールが当たった訳ではなかったと思います。

この試合では何度かハンドの可能性がある場面がありましたが
他の場面は偶発的だったり
その腕に当たらなくても体に当たっていた可能性がある場面だったり
ハンドを取るかどうかの判定が分かれるのも分かりますが
この場面はハンドを取って然るべき場面だったと思いますが
対アーセナル戦では通常とは異なる
判定基準で運用されていますので
ハンドと言うファールが存在しないのもある意味想定内、、、。

その後もボーンマスゴールに迫り続けました。

5トーマスから出されたスペースへのパスで
11マルティネッリが抜け出した74分過ぎの場面、
スティーブンスとフレデリックスに挟まれながらも
そのままドリブルで持ち込み右脚を振り抜きましたが
残念ながら枠を捉えられず。

21ヴィエイラからのスルーパスを受けて
左サイドに飛び出した24ネルソンがクロスを送った
78分過ぎの場面、
ファーサイドで受けた8ウーデゴールが
1トラップした後、左脚を振り抜きましたが
セネシにブロックされてしまいゴールを奪う事は出来ず。

35ジンチェンコからのパスを
ワイドな位置で受けた24ネルソンが
ライナー性の鋭いクロスを送った82分過ぎの場面、
ゴール前で11マルティネッリが落とし
そのボールに対して7サカが左脚を振り抜きましたが
残念ながらヒットせず。

4ホワイトからの折り返しを
ハーフスペースで7サカが受けた86分過ぎの場面、
シュートブロックにきたビリングを
左脚のキックフェイントでかわして
右脚に持ち替えてシュートを放ちましたが
セネシにブロックされてしまいゴールを奪う事は出来ず。

開いた位置の35ジンチェンコからのパスを受けた
24ネルソンがカットインした所から
右脚を振り抜いた94分過ぎの場面、
このシュートもネトの正面で
ゴールを奪う事は出来ず。

12サリバからのパスを受けた8ウーデゴールが
カットインした所から左足を振り抜いた95分過ぎの場面、
その渾身のミドルシュートも
ビリングにブロックされてしまい
ゴールを奪う事は出来ず。

そしてラストプレーで劇的なゴールが生まれました。

97分、8ウーデゴールが入れた右CKの
クリアーボールを収めた24ネルソンが
豪快に左脚を振り抜きゴーーーーール!!!!!!

試合後24ネルソンはシュートコースが塞がれていた為に
左脚に持ち替えてシュートを撃ったとコメントしていた様に
この緊迫していた状況の中でも
冷静さを保ち続けていた24ネルソンには脱帽です。
そしてその冷静な判断もあり
ここまでゴール前に分厚い壁を築き
何度となくシュートを跳ね返してきた
ボーンマスのブロックに
この時だけはそのシュートを導く様に穴が空き
そのコースを射抜く様にして
24ネルソンはゴール右隅に突き刺して
この激闘に終止符を打ちました。

このゴールの直後に試合は終わり
3−2で勝利!!

開始9秒11で失点し、
96分58秒に逆転ゴールを奪って勝利する。
本当に劇的な試合だったと思います。

その逆転勝利の立役者が
24ネルソンだったと言う所が
更に感動を大きくしたと思います。

昨シーズンローン移籍に出ていたフェイエノールトで結果を出し、
昨夏に戻ってきた24ネルソンは
開幕直後に怪我で離脱し
首位を快走するチームの波に取り残されていました。

そして怪我から復帰してからも
中々チャンスが巡ってこない状況でしたが、
14節ノッティンガム・フォレスト戦で
左足を負傷した7サカに代わって投入された24ネルソンは
2ゴール1アシストの活躍を観せて勝利に貢献し、
W杯開催中に行われたドバイキャンプでも
本来のポジションではない左サイドでのプレーに磨きをかけて
ドバイ・スーパーカップの2試合で
1ゴール1アシストと結果を出していましたので
PL再開後は周囲は勿論ですが
本人も大きな期待を抱いていたと思います。

しかしそのW杯中断中の最後のフレンドリーマッチだった
ユベントス戦でハムストリングを負傷してしまい、
目に涙を浮かべながらピッチを後にした姿は
非常に印象的でした。

W杯期間中にトレーニングに励み
かなりの手応えを24ネルソンは
感じていたのだと思いますし、
実際かなり良かったと思います。
にも関わらず、開幕直後に続き
W杯明けのこれからが勝負という時に
再び負傷してしまった事に対する悔しさと共に
その運のなさを恨んだ様な涙に観えました。

その様な24ネルソンを観ていただけに
この重要な局面でチームを勝利に導いた
24ネルソンの活躍は
なんとも言えない感慨深いものでした。

実際、この日の24ネルソンは非常に良かったと思います。

元々は右サイドを主戦場にしていた
典型的なウイングタイプの選手でしたので
縦に抜ける意識が強い選手だったと思います。

4ホワイトのゴールをアシストした場面の様に
スルーパスに対して一気に加速して
マーカーを置き去りにするのはお手の物であり
この場面や78分過ぎの8ウーデゴールへクロスを送った場面の様に
フリーになっている選手を的確に見付け
そこに正確なクロスを送るプレービジョンは
生粋のウイングプレーヤーならではなのかもしれません。

そして82分過ぎのメファム、スティーブンス、ビリングの
3人に囲まれた状態の11マルティネッリに対して
その間を射抜く様に送った
どの選手も足を出しづらいコースで
しかもカットされる危険性が低く
同時に11マルティネッリなら収められるであろうと言う
ギリギリのスピードのクロスは
アイデア、精度共に最高のラストパスだったと思います。

しかも以前の24ネルソンは右サイドを主戦場にして
ウイングプレーを得意としていた関係があるのか
右脚からのクロスやシュートは精度が高い印象である一方で
左脚でのプレーはそこまで精度が高くない印象でしたので
この試合で挙げたアシストもゴールも
その左脚から生まれたという所にも
大きな意味がある様に感じます。

少なくとも昨夏の段階では
左サイドからクロスを送る状況では
右脚に持ち替えてからクロスを上げるか
左脚でクロスを上げる場合にも
どちらかと言うと柔らかいタッチの
シンプルなクロスが中心でしたが
これではゴール前を固められた相手に対しては
陣形を整える時間を与えてしまいますので
あまり効果的とは言えなかったと思います。

しかし右利きのサイドアタッカーを
左サイドに配置すると言うのが
アルテタ監督の基本的な方針ですので
その方針に合わせる為に24ネルソンは
左脚も右脚と同等に使える様に
ドバイキャンプも含めて
これまで陰ながら努力を積んできたのではないかと
推測されます。

本当にこの日の24ネルソンの活躍は
色々な偶然と必然が入り混じっている様に感じます。

昨夏のプレシーズンの状況を考えますと
仮に開幕直後に怪我で離脱していなければ
もしかしたら昨夏の段階で放出されていても
おかしくなかったと思います。
それはこの冬の移籍期間でも同様で
残りの契約が夏までに迫っていましたので
19トロサールを獲得した時点で
この冬に放出されてもおかしくない状況でしたが
どちらも怪我で離脱中だった事もあり
そのままチームに残る事になりました。
よってもしも怪我をしていなければ
この試合のピッチに立っていなかった可能性もあったと思います。

そしてこの試合でも19トロサールが負傷した事で
10スミス・ロウが入りましたが
その10スミス・ロウも怪我明けで
まだコンディションが万全ではなかった為に
最後までピッチに残る事が出来なかった為に
24ネルソンにチャンスが巡ってきましたが
10スミス・ロウのコンディションが整っていたら
24ネルソンにチャンスが巡ってきたかどうか
分かりませんでした。

そしてそのチャンスが巡ってきた24ネルソンは
この日の為に磨きをかけ続けていた左脚で結果を出す。

ここまで厳しい道のりの中でも
努力を怠らなかった24ネルソンに
神様がご褒美を与えてくれたかの様な
本当にスペシャルな瞬間だったと思います。

この試合で負傷交代した19トロサールは
幸いそれほど重症ではない様ですので
24ネルソンに与えられる時間も
それほど多くは無いかもしれませんが
昨シーズンの14エンケティアの様に
畳み掛ける様に結果を出し続けて
新しい契約を勝ち取って欲しいと思います。

厳しい試合が続いていますが
それでも最後は勝利を挙げ続けている様に
いよいよ勝者のメンタリティーが
チームに芽生えてきていると思います。

次はELのスポオルティングCP戦です.

アルテタ監督がELのタイトルを
どの程度重要視しているかは分かりませんが
個人的にはPLのタイトルを重要視して欲しいと考えていますので
この試合では更に思いきった
ローテーションを行なって欲しいと思います。


C'mon Arsenal !!


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3ティアニー     PL:0G0A EL:1G1A 
4ホワイト      PL:1G2A 
5トーマス      PL:3G0A
6ガブリエウ     PL:2G0A
7サカ        PL:10G9A EL:1G0A 
8ウーデゴール    PL:9G6A 
9ジェズス      PL:5G5A EL:0G1A 
10スミス・ロウ    PL:0G1A
11マルティネッリ   PL:11G2A FA:0G1A
12サリバ       PL:2G1A
14エンケティア    PL:4G1A EL:2G1A CC:1G0A FA:2G0A
16ホールディング   PL:0G0A EL:1G0A 
18冨安        PL:0G1A EL:0G1A 
19トロサール     PL:1G2A
21ヴィエイラ     PL:1G2A EL:1G1A FA:0G2A
24ネルソン      PL:3G2A EL:0G0A CC:0G1A 
25エルネニー     PL:0G0A FA:1G0A 
27マルキーニョス   PL:0G0A EL:1G1A 
34ジャカ       PL:3G5A EL:1G0A  
35ジンチェンコ    PL:1G2A


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