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PL6:Manchester United vs ARSENAL [Arsenal マッチリポート]

Manchester United 3−1 ARSENAL
2022年9月4日(日)Premier League, Old Trafford

Goal
 (34)Antony
 (60)7Saka
 (65)Rashford
 (75)Rashford 


1Ramsdale

 4White 12Saliba 6Gabriel 35Zinchenko

23Lokonga

8Ødegaard    34Xhaka

 7Saka            11Martinelli

9Jesus


(73)35Zinchenko>>>14Nketiah
(73)23Lokonga>>>10Smith Rowe
(73)8Ødegaard>>>21Vieira
(80)4White>>>18Tomiyasu


Substitutes
 30Turner
 16Holding
 17Cédric
 3Tierney
 27Marquinhos


Arsenal 1.jpg勝てるチャンスがあった試合だったと思いますが
そのチャンスを活かす事が出来ず
反対に鋭いカウンターに引き裂かれて
悔しい敗戦です。

先発は怪我で離脱していた35ジンチェンコが
予定よりも早く復帰して
左SBで先発した以外は
前節のアストン・ヴィラ戦と
同じメンバーが組まれました。

試合は開始早々に
非常に危険な場面がありました。

7分過ぎ、ダロートの左サイドからのクロスを
ファーサイドのエリクセンにダイレクトボレーで
合わされてしまいました。

幸いそのシュートは枠を捉えずに救われましたが
そのエリクセンに対して
誰もマークに付いていなかったのは問題でした。

この日のエリクセンの基本ポジションは
マクトミネイと2ボランチを組む形でしたが
攻撃時にはブルーノ・フェルナンデスと並ぶ
攻撃的な位置にまで上がってきていました。
それに対してアーセナルは
守備時に2ボランチの位置にまで下がってくる
34ジャカとアンカーの23ロコンガで
この2人に対応する格好になっていたと思いますが
この場面では元々23ロコンガが
ブルーノ・フェルナンデスを観ていましたが
ブルーノ・フェルナンデスがボールサイドに寄って行った事で
そのマークを34ジャカに任せる様に
23ロコンガはマークから外れました。

しかし問題なのは、その23ロコンガが
背後に上がってきていたエリクセンの立ち位置を
2回程確認していたにも関わらず
エリクセンの方にポジションを移す訳でもなく
そのまま中央のポジションに留まってしまった所です。

この時点でエリクセンが完全にフリーだった事は
23ロコンガは確認していたはずですので
7サカに戻る様に指示する事も出来たでしょうし、
自らのポジションを後ろに移す事も出来たと思いますが
そのどちらもしなかったのは疑問しかありません。

勿論、クロスに素早く反応して
エリクセンに届く前にカットする事が出来れば
文句はありませんが
送られてきたクロスに対しての反応も鈍い様では
言い訳は出来ないと思います。

しかしすぐにアーセナルもユナイテッドゴールに迫りました。

8分過ぎ、左サイドのFKの流れから
34ジャカが入れたクロスのこぼれ球を
ゴール正面の位置で12サリバが右脚を振り抜きました。
残念ながらそのシュートは枠を捉えられませんでしたが
良い位置でフリーの状態だっただけに
決めて欲しかった場面でした。

そして次はユナイテッドでした。

10分過ぎ、右サイドからドリブルで切り込んできたサンチョに
角度のない所からシュートを撃たれてしまいましたが
そのシュートは1ラムズデールのファインセーブでゴールを死守。

序盤から交互にゴールに迫る場面がありましたが
最初にゴールネットを揺らしたのは
アーセナルの方でした。

11分過ぎ、素早いプレスバックで
8ウーデゴールがエリクセンからボールを奪い返した所から
7サカが送ったスルーパスで
11マルティネッリが抜け出し
そのまま左脚を振り抜きゴール!!
と思われましたが
VARの結果エリクセンの背後からの
8ウーデゴールのチャージがファールに取られてしまい
このゴールは取り消されてしまいました。

その後は一進一退の状況が続きながらも
決定打に欠ける展開が続きましたが
次の決定機もアーセナルでした。

31分過ぎ、右サイドからの8ウーデゴールのクロスを
ファーサイドで11マルティネッリがヘッドで合わせました。
このシュートはデ・ヘアのファインセーブで阻まれ
決まりませんでしたが
完璧なピンポイントクロスだったと思います。

一方でそのこぼれ球に対して9ジェズスが
オーバーヘッドでゴールを狙った場面での
マルティネスのチャージは
ファールがあったのではないかと思います。

確かに9ジェズスはオーバーヘッドをする為に
足を高く上げ様としていましたので
それ自体がハイキックでファールを取られても
仕方がないかもしれませんが
その一方でマルティネスは頭を抱えて
地面をのたうち回っていましたが
9ジェズスが蹴ったボールが当たっただけで
決して頭を蹴られた訳ではなく
実際、9ジェズスの脚は
マルティネスの左の脇腹辺りを蹴る格好になっていましたので
足が高く上がる可能性はありましたが
思ったよりも足が高く上がる状況ではなかったと思います。

そして実際マルティネスはボールをクリアーしようと
ボールに向かって頭から突っ込んできた訳ではなく
9ジェズスを突く様に左腕を伸ばして
突っ込んできていた事からも
ボールに対してのアクションなしに
9ジェズスのシュートを妨害したとも言えます。

この二つのファールの要素のどちらを取るかは
主審の判断に委ねられてしまいますが
まぁ、あたかも蹴られた様に振る舞った
マルティネスの演技を観れば
危険なハイキックとして
ファールを取られても仕方がないでしょうかね?

そしてその直後、先制点を奪われてしまいました。

34分、エリクセンからのパスを受けた
ブルーノ・フェルナンデスが
ドリブルで侵入してきた所を
6ガブリエウがタックルで止めようとしましたが止められず
そのこぼれ球を収めたサンチョからラシュフォード、
そしてそのラシュフォードからのラストパスを受けた
アントニーに決められてしまい失点。

残念ながらこの失点の場面では
アーセナルの守備網には
大きな穴が出来ていたと思います。

エリクセンからブルーノ・フェルナンデスへ
パスが送られた時、
本来はDFラインの前のエリアをカバーするべき
23ロコンガはエリクセンに釣り出されて
センターラインを越えて前に出てしまい、
34ジャカはマクトミネイに付いて
センターサークルの右側に寄っていた為に
センターサークルの中にいた
ブルーノ・フェルナンデスは誰もマークが付かずに
完全に浮いている状態になっていました。

その為、パスを受けたブルーノ・フェルナンデスに対して
6ガブリエウが前に出て抑えに行くしかなくなり
結果としてサンチョ&ラシュフォード&アントニーに対して
4ホワイト&12サリバ&35ジンチェンコの
3対3の状況になってしまいました。

そしてサンチョからパスが入ったラシュフォードを抑える為に
35ジンチェンコは中に絞らざる得なくなり
アントニーがフリーになった所で勝負ありでした。

仮にこの場面を防ぐ事が出来たとすると
ブルーノ・フェルナンデスにパスが入った時点で
その背後にいた11マルティネッリが
サボらずにしっかりとプレスバックするしかなかったと思います。

6ガブリエウに代わって11マルティネッリが
ブルーノ・フェルナンデスを抑えに行っていれば
ブルーノ・フェルナンデスを止める事が出来なくても
6ガブリエウはDFラインに留まる事が出来ましたので
その結果35ジンチェンコも中に絞る必要がなくなりますので
アントニーをフリーする事はなかったと思います。

結果として7分過ぎの場面と同様にマークのズレから
DFラインの前のスペースに
大きな『穴』が空く場面が何度かあり
それがこの試合の勝敗を決するポイントに
なってしまった様に感じます。

その後は攻勢を強めたアーセナルが
ボールを支配してユナイテッドゴールに迫りましたが
決定機を作る事が出来ず前半は終了。

後半に入るとペースを掴んだアーセナルが
ユナイテッドを敵陣内に押し込める様に
更に攻勢を強めていきました。

35ジンチェンコのパスをペナルティ内で受けた34ジャカが
グランダーで折り返した46分過ぎの場面、
DFラインの前に出来たスペースに
誰かが入ってきていたら決定機になっていた場面でした。

ドリブルで左サイドから侵入してきた
11マルティネッリからのパスを
9ジェズスが受けた47分過ぎの場面、
軽快なステップでペナルティ内に切り込んでいきましたが
残念ながら途中でカットされてしまい
シュートを撃つ事が出来ず。

右サイドのスローインに対して
入れ替わる様にマルティネスをかわした
9ジェズスが深い位置にまで侵入した51分過ぎの場面、
そこからのマイナス方向への折り返しを
走り込んできた8ウーデゴールが
左脚で合わせましたが枠を捉える事が出来ず、
左サイドに流れたボールを
11マルティネッリが折り返したボールを
今度は右サイドで収めた7サカが
鋭く反転した所から右脚を振り抜きましたが
そのシュートも枠を捉えられず。

7サカのシュートはまだしも
最初の8ウーデゴールが合わした場面は
完全にフリーな状態だっただけに
決めなければならなかった場面でした。

一方で7サカがシュートを撃った場面での
7サカの背後から仕掛けられた
マラシアのスライディングタックルは
全くボールに関与する事なく
明らかなレイトタックルでしたので
PKを与えられてしかるべき場面だったと思いますが
この場面でもファールを取られる事はなかったのも
疑問に感じます。

1ラムズデールからのフィードを受けた4ホワイトから
8ウーデゴール〜4ホワイト〜7サカ
〜9ジェズス〜7サカ〜11マルティネッリ〜7サカと
右サイドから左サイドへと展開した54分過ぎの場面、
残念ながらその7サカからの折り返しは
ポストを叩いて繋がりませんでしたが
流れる様な綺麗な展開でした。

そしてついに同点ゴールが生まれました。

60分、34ジャカからのパスを受けた
8ウーデゴールが送ったスルーパスで
9ジェズスが抜け出そうとした所で
ヴァランにカットされてしまいましたが
そのこぼれ球を7サカが決め同点ゴール!!

ユナイテッドを完全に圧倒し続けて
遂にゴールを奪いましたので
このまま押し切る事が出来れば良かったのですが
残念ながらカウンターを受けて失点してしまいました。

65分、23ロコンガが送った9ジェズスへの縦パスが
ズレた所からカウンターを受けてしまいました。
そのパスを収めたダロートから
エリクセン〜ブルーノ・フェルナンデスと繋げられ、
そのブルーノ・フェルナンデスからのスルーパスで
ラシュフォードに抜け出されてしまい失点。

そもそも23ロコンガのミスパスが引き金となった
カウンターでしたが
結局この場面でもDFラインの前のエリアが
ガラガラになってしまっていた所が
大きな問題だったと思います。

パスを出した23ロコンガは左に流れながら
パスを出していた関係で
左のライン側にポジションを移しており、
もう一方の34ジャカは
攻撃時には前に出て行く事が多い為に
この場面では最前線にいました。
その空いたDFラインの前のスペースは
35ジンチェンコが埋めていましたが
一人でカバーするにはそのスペースは大きすぎたと思います。

その後もミスが続いてしまいました。

68分過ぎ、1ラムズデールが出した
35ジンチェンコへのパスがフレッジにカットされてしまい
そのカットしたボールをブルーノ・フェルナンデスに
シュートを撃たれてしまいました、
幸い前に飛び出してきた1ラムズデールがブロックして
ゴールを死守しましたが
2つ目の失点から明らかにリズムが悪くなり始めていました。

そこでアルテタ監督は35ジンチェンコ、
23ロコンガ、8ウーデゴールに代えて
10スミス・ロウ、21ヴィエイラ、14エンケティアを投入しました。
しかしこの交代で4ホワイト&12サリバ&6ガブリエウの
3バックに移行するのか、
それとも11マルティネッリを左SBに下げて
4バックを維持すのか
はっきりしない状況の時に
再びカウンターを受けて失点してしまいました。

75分、左サイドからのスローインを受けた
ロナウドからパスを受けた
ブルーノ・フェルナンデスのスルーパスで
エリクセンに抜け出されてしまい
ペナルティ内に侵入した所からのパスを
ラシュフォードに押し込まれてしまい失点。

この場面のポイントは2つだと思います。
まず1つ目のポイントは
11マルティネッリの立ち位置だと思います。

この場面ではスローインを受けたロナウドに
対応していたのは6ガブリエウでしたが
仮に11マルティネッリが左SBに下がっていたのならば
ライン側にいたブルーノ・フェルナンデスを
観ていなければならなかったと思いますが
実際の11マルティネッリの立ち位置は
スローインを入れたダロートと
ブルーノ・フェルナンデスの間の
中途半端な位置でした。

その結果、ロナウドからのパスを受けた
ブルーノ・フェルナンデスへの対応が遅れてしまった様に
11マルティネッリのポジションがあやふやだった為に
結果としてワイドな位置の守備に
脆弱な部分が存在していたと思われます。

そしてもう1つのポイントは
仮に3バックに変更していたのならば
6ガブリエウが対応したのは間違いではないかもしれませんが
その一方で前に出た6ガブリエウの後ろのスペースを埋める為に
12サリバが左サイドに移っていた結果
12サリバと4ホワイトの間には
広大なスペースが出来てしまい
そのスペースを誰がケアするかもあやふやだった所です。

結局、6ガブリエウが前に出てボールを取りに行きましたが
ワイドな位置の守備が薄い為に取りきれず、
同時に12サリバと4ホワイトの間に出来た
広大なスペースに走り込んできたエリクソンに対して
誰も付く事が出来なかったと言う、
この試合中何度か出現した『穴』が
また空いてしまいました。

やはり5トーマスの不在は
非常に大きな痛手だと言わざる得ません。
基本的にDFラインの前に留まって
広いスペースをカバーし、
危機察知能力にも長けている5トーマスがいたら
ここまで大きな穴を空ける事はなかったかもしれません。

その5トーマスがいつ復帰するのか?
また、今後も繰り返し欠場する可能性があるのか?

この試合の様な重要な試合の時に
5トーマスを起用する事が出来るかどうかは
今スーズンも重要なポイントになってしまう様に感じます。

それでも終盤もゴールを求めて攻め続けました。

6ガブリエウの楔のパスを
9ジェズスが落としたボールを
21ヴィエイラが左脚を振り抜いた85分過ぎの場面、
残念ながら枠を捉えられませんでしたが
楔のパスを受けた9ジェズスの意図を
21ヴィエイラは完全に理解した動きでした。

右サイドのワイドな位置でパスを受けた
21ヴィエイラがクロスを送った89分過ぎの場面、
そのクロスはマクトミネイにクリアーされてしまいましたが
ヴァランとマグワイアの間を射抜き
ファーサイドに走り込んできた
11マルティネッリにピンポイントで合う様なこのクロスを観ても
21ヴィエイラは彼にしか観えないパスコースを観る事が出来る
特別なビジョンの持ち主だと言う事が分かる場面でした。

残念ながら追加点を奪う事が出来ず
試合はこのまま3−1で敗戦。

試合を完全に支配して圧倒した場面もありましたが
ブルーノ・フェルナンデスとエリクセンと言う
2人のワールドクラスのプレーメイカーが
リンクした時の仕掛けを止めるだけの
組織的な成熟度やソリッドさは
残念ながらこの日のアーセナルにはありませんでした。

以前から指摘されている様に
5トーマスが不在の時に
どの様に対処するかと言う問題が
解決出来ていません。
勿論、仮に25エルネニーがいたら
まだ違う結果になっていたかもしれませんが
その25エルネニーも同時に離脱すると言う
アクシデントに対応出来ていません。

これまでと同様にポジショニングの問題や
危機察知能力の低さ、次の展開の読みと反応の鈍さ等
アンカーとしての適応がないと思われる
23ロコンガをアンカーの位置で起用せざる得ない所が
そもそも問題なのは言うまでもないと思います。

とは言え、その23ロコンガは
前節のアストン・ヴィラ戦に比べれば
かなり良くなっていたと思います。
前記の様に根底にある問題は改善出来ていませんので
結局『穴』が空く一因になってしまいましたが
例えばダロートからのパスを受けた
ブルーノ・フェルナンデスに対して
23ロコンガの鋭いチャージを仕掛けた25分過ぎの場面の様に
これまで以上に球際で激しい対応が出来る様になっており、
時々ではありますが意味のある動きで
バックラインからパスを引き出す場面もありました。
そして元々のストロングポイントである
ボールと共に動きながら
タイミング良くパスを送る場面もありましたので
アストン・ヴィラ戦に比べれば
まだ希望がある様に感じました。

そして加入後怪我で出遅れていた21ヴィエイラは
予想以上のプレーを観せてくれたと思います。

特に89分過ぎの11マルティネッリに送ったクロスは
一握りの選手にしか見出す事の出来ない
特別なパスだと思いますので
これから非常に期待したいと思います。

現状としては8ウーデゴールと同じ役割が与えられると思いますが
リザーブの試合では一列前の右サイドで起用されていましたので
7サカをバックアップする役割も期待されているのかもしれませんが
その特別なパスセンスを考えますと
インサイドハーフでプレーさせた方が活きる様に感じます。

そしてこの日のプレーが付録でなければ
怪我で思う様にプレー出来ていない
10スミス・ロウを再び左サイドに押し退けて
インサイドハーフのバックアッパー一番手になる可能性も
あるかもしれません。

ここまでのアーセナルは
開幕から絶好調でしたが
最も重要なのは次の試合だと思います。

昨シーズンも調子が良い時期が終わった後に
連敗を喫した事が原因で
最終的にCLの出場権を取り逃してしまいましたので
次の試合でしっかりと勝利して
悪い流れに乗らない様にして欲しいと思います。


C'mon Arsenal !!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

6ガブリエウ     PL:1G0A
7サカ        PL:1G2A 
8ウーデゴール    PL:3G0A 
9ジェズス      PL:3G3A 
11マルティネッリ   PL:3G0A 
12サリバ       PL:1G1A 
34ジャカ       PL:1G2A 
35ジンチェンコ    PL:0G1A 


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