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PL28:ARSENAL vs Tottenham Hotspur [Arsenal マッチリポート]

ARSENAL 2−1 Tottenham Hotspur
2021年3月14日(日)Premier League, Emirates Stadium

Goal 
 (33)Lamela
 (44)11Ødegaard(←3Tierney)
 (64)9Lacazette(pk)

Sent off
 (76)Lamela


1Leno

17Soares  23D.Luiz  6Gabriel  3Tierney

18T. Partey  34Xhaka

  7Saka   11Ødegaard  32Smith Rowe

9Lacazette


(46)7Saka>>>19Pépé
(78)32Smith Rowe>>>12Willian
(88)9Lacazette>>>25Elneny


Substitutes
 33Ryan
 16Holding
 21Chambers
 2Bellerín
 8Ceballos
 14Aubameyang


Arsenal 1.jpg逆転勝利を挙げましたが
終盤に緩みが出てしまい
危うく自滅する所でした。

先発はオリンピアコス戦から
右SBを2ベジェリンから17ソアレスへ
2列目の左サイドを12ウィリアンから
32スミス・ロウへ変更すると共に
規律上の問題で先発から外れた
14オーバメヤンに代わって
9ラカゼットが1トップを務めた
4−2−3−1が組まれました。

14オーバメヤンの規律上の問題は
どうやら度重なる遅刻の問題があった様で
それによる懲罰として
この試合は起用されずに終わりました。

試合はアーセナルのペースで始まりました。

バックラインからしっかりと
テンポ良くビルドアップすると共に
相手の裏のスペースへ
正確なロングフィードを混ぜながら
何度となくスパーズ陣内へ侵入し
チャンスを作る事に成功しました。

10分過ぎ、18トーマスからの
鋭い縦パスを受けた7サカが
そのままDFラインの裏へ抜け出そうとしました。

惜しくもアルデルヴァイレルトにカットされてしまいましたが
スパースの守備網に出来たギャップを
見事に突いた仕掛けだったと思います。

15分過ぎ、レギロンから11ウーデゴールが奪ったボールを
収めた18トーマスからのパスを受けた
32スミス・ロウがペナルティの外側から
右脚を振り抜きましたが
惜しくもバーを叩きゴールは奪えず。

反応したロリスが触る事が出来ない
完璧なコースのミドルシュートでしたので
あと10cm低ければ決まっていたと思います。
同時にこれまでの32スミス・ロウは
自ら撃とうとする場面はそれ程多くなかったと思いますが
11ウーデゴールに触発され始めたのか
積極的に自らシュートを撃とうとする傾向は
個人的には賛成です。
元々のテクニックレベルを考えれば
精度の高いシュートを撃てる資質は
備えているはずですので
この様に積極的に撃って行けば
もっとゴールを奪える選手になると
個人的には思っています。

25分過ぎ、6ガブリエウからのサイドチェンジのパスを
左サイドで受けた3ティアニーからのパスを受けた
32スミス・ロウがそのままドリブルで
深い位置まで切り込んで行き、
そこから送られたマイナス方向の折り返しを
9ラカゼットが合わせましたが枠を捉えられず。

ゴールラインギリギリの所まで
32スミス・ロウが切り込んで行った姿を観て
ラインを割るとセルフジャッジしてしまったかの様に
9ラカゼットはその折り返しに対して
全く準備が出来ていなかったのは非常に残念であり
ストライカーとしてはこの決定機を活かせなかったのは
問題だったと思います。

アーセナルは良い形で試合を進め
スパーズにチャンスらしいチャンスを
作らせていませんでしたが
たった一つのスーパーゴールで
先制点を奪われてしまいました。

33分、ベイルからのサイドチェンジのパスを
右サイドで受けたレギロンがダイレクトで中に折り返し
その折り返しを受けたルーカス・モウラが繋いだボールを
ラメラにラボーナで決められてしまいました。

右脚の外側にボールを置いた状態でしたので
ラメラがその状態からシュートを撃つには
ラボーナしかなかった訳ですが
まさかあの状況でラボーナをするとは
流石に予測は付かなかったと思います。
同時に、そのラボーナで撃ったシュートは
鋭く低い弾道でゴール隅を捉え、
しかもマークに付いていた
18トーマスの股間を抜かれてしまいましたので
流石の1レノでも防ぐのは難しかったと思います。

しかしその後もアーセナルペースは崩れませんでした。

36分過ぎ、3ティアニーから送られたスルーパスで
DFラインの裏に抜け出した32スミス・ロウから
マイナス方向への折り返しが送られました。
その折り返しに対してニアに走り込んできた
9ラカゼットはスルーして
後ろから長い距離走り込んできた17ソアレスが
右脚を振り抜きましたがポストを叩き
惜しくもゴールならず。

そしてその流れから18トーマス〜11ウーデゴール
〜7サカと繋いだ所から
中にクロスが送られましたが
そのクロスも9ラカゼットは合わせられず。

まず最初の場面では確かに
9ラカゼットが囮となって
DFラインを下げさせて出来たその前のスペースに
入ってきた選手が合わせると言うのは
ここ最近のパターンの一つになっていますので
9ラカゼットがスルーしたのは間違いではないと思いますが
ストライカーならばボールが足下に来たのならば
自ら撃っても良かった様に感じます。

一方で2つ目の場面は
入れられた7サカのクロスを
アルデルヴァイレルトがクリアー出来ずに
9ラカゼットの足下に抜けてきましたので
本当ならばこれは押し込まなければならなかったと思います。
実際9ラカゼットをマークしていたサンチェスは
抜けてきたボールに全く反応出来ない程
気を抜いていただけに
9ラカゼットは集中を切らさずに
押し込んで欲しかった場面でした。

そして前半終了間際に同点に追いつきました。

44分、ライン側で32スミス・ロウから
パスを受けた3ティアニーは
独力でドハーティをぶち抜いて置き去りにし、
そこから送られた折り返しを
ゴール正面で11ウーデゴールが合わせて
同点ゴール!!

9ラカゼットが囮になって
DFを下げさせて出来たその前のスペースに
11ウーデゴールが入ってくる
先ほど書いた形が今度はゴールに結びつきました。
同じ形はオリンピアコス戦でもありましたが
その時は11ウーデゴールは枠を外してしまいましたが
今度はアルデルヴァイレルトの脚に当たってしまいましたが
良い感じでディフレクトしてそのままゴールに突き刺さり
ゴールを奪う事に成功しました。

予想外のスーパーゴールで
先制を許してしまいましたが
前半の間にしっかりと同点にしたのは
大きな意味があったと思います。

結局スパーズは先制ゴールを挙げた場面の
1本しかシュートが撃てなかった様に
アーセナルが完全に試合を支配していた流れを考えれば
0−1のまま前半が終わっていたら
モウリーニョはゴールの前に
必ずバスを置いてきたと思いますので
その様な状況にさせなかったと言う意味でも
同点で折り返した意味は大きかったと思います。

ハムストリングの張り感を訴えた
7サカに代わって19ペペが投入された後半も
スパーズが少し攻勢を強めてきましたが
基本的にはアーセナルのペースで始まり
最初のチャンスもアーセナルが作りました。

55分過ぎ、11ウーデゴールのパスを受けた9ラカゼットが
振り向きざまに右脚を振り抜きましたが
ロリスの正面でゴールならず。

その後逆転ゴールに繋がるPKを獲得しました。

61分過ぎ、ロリスからのゴールキックをカットした
19ペペから送られた矢の様なパスを受けた
9ラカゼットがシュートを撃つ時に
ブロックに来たサンチェスと交錯してPK獲得。

64分、そのPKを9ラカゼットがしっかりと決めて
逆転!!

このPKは19ペペのプレーに尽きると思います。
ロリスからのゴールキックをカットしたのは勿論の事、
そこから間髪入れずに送り込んだラストパスは
非常に素晴らしかったと思います。

一方で確かに9ラカゼットが思いっきり振った左脚と
そのシュートをブロックしようとした
サンチェスの左脚が接触しましたが
実際は振り抜いた後の9ラカゼットの左脚が
サンチェスの左脚にぶつかった格好でしたので
厳密に言えば9ラカゼットのシュートを
妨害したプレーには当たらない可能性もありました。

しかしサンチェスは遅れた状態で飛び込んできた事からも
シュートブロック自体が成立していない状況だったのも事実であり
その事から無謀なチャレンジに伴う
危険なプレーによるファールを取ったと思われます。

結果的には9ラカゼットの左脚は空を切る様に
ボールをヒットする事が出来ていませんでしたので
その代わりにPKを取れたのは良かったと思います。

その後は先制点を奪ったラメラの愚行が始まりました。

68分過ぎ、パスを受けた18トーマスに対して
脚ごと刈り取る様なスライディングタックルを行い
1枚目の警告。
確かに伸ばした左脚はボールを捉えていましたが
その逆の右脚が18トーマスの両脚を刈っており
ボールを捉えていれば何でもOKという訳ではないという事を
ラメラは理解していない様に観えます。

その後も71分過ぎには性懲りも無く
ボールを保持していた34ジャカに対して
足の裏を観せる格好でスライディングを仕掛けてファールを犯し、
結局75分過ぎには背後から迫ってきた3ティアニーに対して
腕を振って顔面を襲い2枚目の警告を受けて退場。

敵ながら警告を受けた意味を理解出来ない
ラメラをチームに持ったスパーズファンに同情します。

とは言え、何故かファールが取られずにスルーされましたが
74分過ぎの場面ではパスを出した後の6ガブリエウに対して
ケインが背後から激突した場面も非常に悪質だったと思います。
全くの死角からスピードを緩める事なく
しかもケインは肘を張った状態でぶつかってきてましたので
単純に吹き飛ばしただけではなく
その肘は顔面を捉える寸前の非常に危険な行為でしたので
本当のならばラメラの前にケインが
退場処分を受けていてもおかしくなかったと思います。

まぁ、都合が悪くなるとボールが見えなくなって
人の脚や体しか見えなくなってしまうのは
スパーズの恥ずかしい伝統なんでしょうね。
きっといつかはGKをゴールに蹴り込む日が
来るかもしれませんね(笑)。

この退場で数的有利になり
その後は楽な展開になるはずでしたが
実際はその逆の現象が起きてしまいました。

前線からのプレスが効かなくなり
これまでチャンスらしいチャンスを
作らせてこなかったスパーズに
何度か決定機を与えてしまったのは
大いに問題だと思います。

82分過ぎ、34ジャカがルーカス・モウラを倒して与えた
FKからのボールを
ケインにヘッドで決められてしまいましたが
幸いケインの位置がオフサイドでゴールは無効に。

88分過ぎ、18トーマスがケインを倒して与えたFKを
そのケインが直接ゴールを狙ってきました。
壁の外側を低い弾道で抜けてきたそのFKは
ファーサイドのポストを叩き救われ、
そのリバウンドのボールを
サンチェスにシュートを撃たれてしまいましたが
そのシュートも6ガブリエウがブロックして
なんとかゴールを死守。

1レノが逆を突かれていただけに
非常に危ない場面でしたが
ケインのFKはその壁のギリギリのコースを
抜けてきた訳ではなく
人2人分くらい外側を通ってきたにも関わらず
ファーサイドのポストを叩いていましたので
そもそも壁の枚数が足りなかったのではないか?
と思ってしまう程
非常におかしな場面でした。

ラメラが退場になる前は
完全に試合をコントロール出来ていたにも関わらず
ラメラが退場し数的有利になってから
何故か試合がコントロール出来なくなってしまったのは
幾つかの原因が考えられると思います。

まず最初に考えられるのは気持ちの緩みです。
それまで殆どなかったミスパスや不用意なボールロストが
この終盤になってからは急激に増えた事を考えますと
数的有利になった事で勝利を確信してしまったのか
集中力が切れてしまったと考えて
間違いないと思います。

実際、不用意なミスを繰り返すチームに
23D.ルイスがしきりに叱咤していた事からも
気持ちの緩みが出てしまったと思われます。

そして偶然かもしれませんが
ラメラの退場と同時に32スミス・ロウを下げて
12ウィリアンが投入した事も
影響があった様に感じます。

この試合の32スミス・ロウは
左サイドのパスの収まり所であると共に
テンポの良い繋ぎ役として機能し
同時に3ティアニーと共にDFラインの裏に積極的に侵入する
アタッカーとしてスパーズの守備陣を苦しめ、
特にドハーティを敵陣深くに閉じ込め続けたのは
大きかったと思います。
それに対して代わって入ったこの日の12ウィリアンは
ボールが収まらない、繋がらない、裏を狙わないと、
全く逆の存在でしたので
少なからず影響があったと思います。

そしてこの試合を上手くコントロール出来ていた
1番の要因でもある前線からのプレスが
全く機能しなくなったのも
スパーズに流れを明け渡してしまった
原因の一つだったと思います。

特に9ラカゼットは
前線から積極的にプレスを掛け続けると言う
プレースタイル上どうしてもスタミナの消費が激しく
この試合でもラメラが退場した辺りから
急激に運動量が落ちてしまったと思います。

実際、今シーズンの9ラカゼットは先発しても
70分を過ぎた辺りで交代する場面が多く観られる様に
元々スタミナ的にこの辺りの時間帯までが
限界なのかもしれません。
しかし、前記の様にベンチにいても
14オーバメヤンを起用する事が出来ない
大人の事情がありましたので
9ラカゼットを終盤まで
引っ張らざる得なかったのは分かりますが
引っ張り過ぎた為の弊害が出てしまったと思います。

チーム全体の緩み、
ストロングポイントになっていた
32スミス・ロウの交代、
そしてスタミナ切れを起こした9ラカゼットを中心に
前線からのプレスが掛からなくなった事が
スパーズに流れを明け渡してしまった
原因だと考えられます。

何はともあれスパーズに勝利して
来シーズンのEL出場権争いに踏み止まる事が出来たのは
非常に良かったと思いますが
この試合の終盤の様なプレーをしていては
上位陣への返り咲きは絶対に不可能だと思います。

一瞬の隙も観せず、最後まで徹底的に叩き潰す位の
冷酷さを観せてくれる事をこれからは期待したいと思います。


North London is Red!!!!!


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2ベジェリン     PL:1G2A EL:0G1A
3ティアニー     PL:1G2A EL:1G0A FA:0G1A
6ガブリエウ     PL:2G0A EL:1G1A
7サカ        PL:5G2A EL:1G3A CS:0G1A 
8セバージョス    PL:0G2A EL:0G0A
9ラカゼット     PL:10G2A EL:1G0A CC:1G0A FA:0G1A
11ウーデゴール    PL:1G0A EL:1G0A
12ウィリアン     PL:0G5A EL:0G2A
14オーバメヤン    PL:9G1A EL:3G0A FA:1G0A CS:1G0A
15M=ナイルズ    PL:0G0A EL:0G1A 
16ホールディング   PL:0G1A EL:0G0A
17ソアレス      PL:0G1A EL:0G1A
18トーマス      PL:0G1A EL:0G1A
19ペペ        PL:5G0A EL:3G3A
22マリ        PL:0G0A EL:1G0A
23D.ルイス      PL:1G0A EL:1G0A
25エルネニー     PL:0G0A EL:2G0A
24ネルソン      PL:0G0A EL:1G1A
28ウィロック     PL:0G0A EL:3G3A
30エンケティア    PL:1G1A EL:3G0A CC:1G0A
32スミス・ロウ    PL:0G4A EL:1G2A FA:1G0A
34ジャカ       PL:1G2A EL:0G0A
35マルティネッリ   PL:0G0A EL:0G0A CC:0G1A
38バロガン      PL:0G0A EL:2G1A


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