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PL31:West Ham United vs ARSENAL [Arsenal マッチリポート]

West Ham United 2−2 ARSENAL
2023年4月16日(日)Premier League, London Stadium

Goal

 (7)9Jesus(←4White)
 (10)8Ødegaard(←11Martinelli)
 (33)Benrahma(pk)
 (54)Bowen


1Ramsdale

4White 16Holding 6Gabriel 3Tierney

5T. Partey

8Ødegaard    34Xhaka

7Saka             11Martinelli

9Jesus


(66)9Jesus>>>19Trossard
(66)5T. Partey>>>20Jorginho
(85)3Tierney>>>21Vieira
(85)11Martinelli>>>24Nelson
(90)8Ødegaard>>>14Nketiah


Substitutes
 30Turner
 97Walters
 15Kiwior
 10Smith Rowe


Arsenal 1.jpg2戦連続ドロー。

PL制覇に向けて非常に痛い
ドローになってしまったかもしれません。

先発は股関節に問題が発生した35ジンチェンコに代え
3ティアニーが先発した以外は
前節と同じメンバーが組まれました。

試合は開始からアグレッシブに仕掛けてきた
ウエスト・ハムのプレスに
序盤は戸惑っていましたが
すぐに落ち着きを取り戻し
早々に先制点を奪いました。

7分、5トーマスからのパスを受けた
8ウーデゴールが送ったスルーパスで
裏に抜け出した4ホワイトが
ゴール前を横切る様にクロスを送り
そのクロスをファーサイドで
9ジェズスが合わせて先制ゴール!!

4ホワイトのクロスは
完璧なコースとスピードの
クロスだったと思います。

そして追加点もすぐに生まれました。

10分、3ティアニーからのパスを受けた
11マルティネッリが送ったクロスを
ファーサイドに走り込んできた8ウーデゴールが
ダイレクトで左脚で合わせてゴール!!

ワイドな位置で完全にフリーになっていた8ウーデゴールと
その8ウーデゴールを見逃さなかった11マルティネッリ、
完璧なクロスだったと思います。

しかし良かったのはここまでで
開始早々の連発弾が嘘だった様に
ここからのアーセナルは
パフォーマンスのレベルを落としてしまいました。

その理由は色々考えられると思います。

まずこの日の選手たちは
明らかに動きが重かった事を考えますと
単純にフィジカル的な疲労が
蓄積していた可能性があります。

しかし疲労という意味ではミッドウォークに
ヨーロッパ・カンファレンス・リーグの試合があった
ウエスト・ハムの方が
コンディション的には厳しい状況だったと思いますので
それは言い訳にしてはいけないと思います。

早々に2点リードした事で
メンタル的に気の緩みが出てしまったのかもしれません。

しかし現在の勝ち点差を考えますと
最終的に得失点差が順位を決める可能性があるのは
誰もが分かっている事であり
前日の試合でシティが3−1で勝利した事で
その得失点差はアーセナルが「43」に対して
シティは「50にまで伸ばし
その差は「7」になっていました。

その様な状況を考えれば
2ゴールを奪っただけでは
全く足りないのは明らかであり
極端な事を言えばなぜ7ゴール奪おうとしなかったのか?
この試合で7ゴール奪い
シティとの得失点差を一気に埋めようと考えなかったのか?
その様な危機感を持っていたら
2ゴール奪った時点でペースを緩める事など
絶対に起こらなかった筈です。

9ジェズスも試合後コメントしていましたが
2ゴール奪った時点で
ペースが緩む様な事が起きてしまう様ならば
PL制覇する事など夢物語だと思います。

勿論、フィジカル的な事やメンタル的な事以外にも
技術レベル的な面にも原因があった様に感じます。

この試合は通常の試合に比べて
明らかにプレースピードが遅かったと思いますが
その一番の要因になっていたのが
3ティアニーだったと思います。

35ジンチェンコが欠場した事で
この試合では3ティアニーが起用されましたが
その3ティアニーにも35ジンチェンコと同様に
偽SBとしてのプレーが求められていた為に
5トーマスの横にポジションを移し
積極的にビルドアップの段階に絡もうとしていたと思います。

しかしポジショニングや
5トーマスとの距離感や位置関係が悪い為に
ボールを持っていてもテンポ良くボールを動かす事が出来ず、
テンポ良くボールが動かない為に
積極的に仕掛けてくるウエスト・ハムのプレスを
回避してボールを前に進める事も、
築かれたブロックにズレを生じさせる事も、
そしてそのズレに鋭い縦パスを送る事も
殆ど出来ていなかったと思います。

結果としてバックラインではボールを持つ事が出来ても
ただ持っているだけという時間が
ダラダラと続いてしまいました。

勿論、3ティアニーだけの責任ではなく
パスを引き出す様な前線の動きも
少なかったと思いますが
実際、ボールを前に進める事が出来ない状況に
痺れを切らした9ジェズスが
ビルドアップを手伝う為に
何度となく5トーマスの所にまで下がってきた事を考えますと
偽SBとして3ティアニーに
ビルドアップの仕事をさせたのは
戦術的に明らかなミスだったと思います。

それ以外にもこの日は芝が長かったのか?
あまり水が撒かれていなかったのか?
ピッチが非常に重く
パスが全然走らない状況だったという所も
プレースピードが上がらない要因の一つだったかもしれませんが
問題はその重いピッチに対して
パス出しの強度などを修正している様子が
最後まで観られなかったのは正直疑問しかありません。

実際、エミレーツでプレーしている時と
同じ様な強度でパスを出していても
途中で失速していたのは明らかでしたので
その事を考慮して通常の2割増3割り増しの強度、
言うなれば先制点を奪った
4ホワイトのクロス位の強度のパススピードで
ビルドアップし、展開する位の
修正が必要だったと思います。

まぁ、このパススピードの面に関しても
3ティアニーのパスは特に遅く
コロコロと転がる様なパスでは
流石に相手の守備ブロックを揺さぶる事すら
出来ませんよね、、、。

フィジカル面、メンタル面、技術面、
全てにおいて問題を抱え
それを速やかに修正する事が出来なかった状況の中で
ミスからPKを献上してしまい
さらに流れを悪くしてしまいました。

30分過ぎ、3ティアニーからのパスを受けた5トーマスが
寄せてきたライスにボールを奪われてしまい
そのライスからのパスを受けたパケタに対して
タックルを仕掛けた6ガブリエウが接触して倒してしまい
PK献上。

33分、そのPKをベンラーマに決められてしまい失点。

確かにライスが5トーマスからボールを奪った時に
ライスの左手にボールが当たっており
6ガブリエウと接触する前に
パケタが倒れ始めていた等、
疑わしい場面はあったと思いますが
そもそもこの試合のライスのプレスの強度を考えれば
中途半端な浮き球の切り返しで
かわせると考えた事自体
5トーマスの判断ミスであり
パケタのリアクションがシミュレーション紛いだったとしても
パケタと6ガブリエウの位置関係、
パスが入ってくる方向を考えれば
ボールを触る事が難しい状況だったにも関わらず
パケタの誘いに乗って不用意なタックルを仕掛けた
6ガブリエウの判断は大きなミスだったと言わざる得ないと思います。

どちらにせよパケタのシミュレーション的な動きがなくても
6ガブリエウはボールを触る事なく
パケタを倒す結果になっていたと思いますので
5トーマスにしろ6ガブリエウにせよ
非常に醜い対応だったとしか言いようがないと思います。

この失点で変わりつつあった
試合の流れは完全に変わり
その流れがウエスト・ハムを後押ししたのは
言うまでもないと思います。

それでもその流れを再びアーセナルに戻すチャンスが
なかった訳ではありませんでした。

49分過ぎ、7サカが蹴った右CKからの
クリアーボールに対して
11マルティネッリが
ダイレクトボレーを放ったボールが
アントニオの腕に当たりPK獲得。

51分過ぎ、ここで得たPKを7サカが失敗。

このPKを成功していたら
再び流れはアーセナルに変わったかもしれませんし
少なくともウエスト・ハムの選手達が感じていたと思われる
この試合は「行ける」という期待を
一時的にでも砕く事は出来ていたと思います。

しかしここまでの流れが示す様に
勝利を掴み取る為に
全力で挑む事が出来ないチームには
勝利の女神が微笑む事はなく
そういう意味ではこのPKの失敗は必然の結果であり、
そしてこのPKの失敗を観て
この試合で勝利を掴む事が出来ない事を
肌で感じた人は多かったと思います。

その嫌な予感の通りこの直後に失点してしまいました。

54分、ロングスローのクリアーボールを受けたケーラーから
DFラインの裏に向けて送られたボールで
ボーウェンに抜け出されてしまい
そのままダイレクトで決められてしまい失点。

これで振り出しに戻りましたが
この後はリバプール戦と
同じ展開になってしまいました。

相手の攻勢に対してなんとか跳ね返しても
そこからのセカンドボールを拾う事が出来ない為に
自分達の時間が作る事が出来ず、
最終的にゴールを奪われなかっただけ
ラッキーだったと言える様な有様でした。

同時にこの様な状況を打開する為の
選手交代も適切だったのかどうか?
少なからず疑問を感じます。

まず今シーズンのアーセナルの2つ柱は
流動的な攻撃と連動性のあるプレスだと思います。

流動的な攻撃に関しては
この試合の様に色々な問題で
上手くいかない場合もあると思いますが
反対に連動性のあるプレスがはまらなくなる原因の多くは
走れなくなる所にあると思います。

仮に一人でもプレスに走れなくなると
連動性のあるプレスは効かなくなり
そのプレスが回避されると
バックラインは手薄な状態に陥ってしまいます。

現実的に早い段階から前線のプレスは効かなくなっており
特に9ジェズスは早い段階から走れなくなっていたと思います。

実際9ジェズスはビルドアップを助ける為に
アップダウンを繰り返していましたので
スタミナ切れを起こすのは仕方がないと思いますが
それならそうともっと早い段階で19トロサールに代えても
良かった様に感じます。

一方で7サカを最後まで残したのも
疑問に感じます。

この日の7サカはPKの失敗は別としても
全体的に動きが重く
いつものキレはなかったと思います。

勿論、7サカはどちらかと言うとスロースターターで
時間が経つにつれて動きが良くなる事が多く
それが終盤にやってくる事もあると思いますので
それを期待する気持ちは分からなくもありませんが
試合の流れを取り戻す為にも
もっとキレのある動きが出来る選手を投入して
相手にプレッシャーを掛けるべきだったと思います。

まぁ、契約延長の正式発表が出来ていないという
デリケートな時期ですので
色々な大人の事情で交代させづらい事情があるのかもしれませんが、、、
少なくとも9ジェズスと同じタイミングで
交代に踏み切っても良かった様に感じます。

それ以外では5トーマスに代えて
ゲームメイク力とチャンスメイク力を兼ね備えた
20ジョルジーニョを投入したり、
3ティアニーに代えて21ヴィエイラを投入して
34ジャカを左SBに下げて偽SBとして振る舞わさせるなど
良いアイデアの交代もあったと思いますが
残念ながらどれも即効する事はなく
後半の間でチャンスらしいチャンスは
この二つの場面位だったと思います。

64分過ぎ、4ホワイトからの楔のパスを受けた9ジェズスが
ケーラーを背負いながら左サイドに展開し
そのパスを受けた3ティアニーから
グラウンダーの鋭いクロスが送られました。

ゴール前を横切るようなそのクロスに対して
9ジェズスが飛び込みましたが一歩届かず。
そしてその抜けてきたボールを収めた7サカが
ファーサイドに飛び込んできた11マルティネッリに向けて
クロスが送られましたが
そのクロスも戻ってきたボーウェンにクリアーされてしまい
ゴールを奪う事は出来ず。
後半の間で唯一崩したと言っても差し支えない場面でした。

69分過ぎ、スローインを受けたパケタが出したパスを
7サカがカットした所からカウンターが始まりました。

これにより7サカ&19トロサール&8ウーデゴールに対して
パケタ&ケーラーと言う
3対2の状況になりましたが
ドリブルで持ち上がってきた7サカがもたついている間に
ウエストハムの選手が戻ってきてしまい
3対5の状況になった所で
自ら左脚を振るのが精一杯と言う状況になってしまいました。

この時の7サカの振る舞いは最悪だったと思います。

3対2の状況になった時に
守備側の選手にとって一番嫌な状況は
ボールホルダーの侵入を止める為に
片方の選手がボールホルダーを止めに行き
残っている2人をもう片方の選手で
観なければならない状況になった時だと思います。

しかしこの時の7サカは残っていたケーラーに向かわずに
そのまま右サイドをドリブルで上がっていってしまった為に
ケーラーは積極的に7サカを抑えに行く必要がなくなり
7サカや8ウーデゴールと適度な距離を保ちながら
味方の帰陣を待つ事が出来てしまいましたので
7サカの初動は最悪だったと思います。

それでもペナルティに入る前に
8ウーデゴールにボールを渡していたら
状況は大きく変わっていたと思います。

8ウーデゴールにボールを渡していれば
その8ウーデゴールに対してケーラーが抑えに動いてきたら
7サカはフリーになりますので
7サカにラストパスを送っていたでしょうし
パケタが抑えに動いてきたら
フリーになった19トロサールに
ラストパスを送る事が出来たと思います。

勿論、前記の様にこの日の7サカはキレが全くなく
そのドリブルも鈍重だった為に
カウンターとしてのキレ味が最初からなかった所も
そもそも問題だったかもしれませんが
どちらにせよ普通にやれば決定機を作る事など
それほど難しい状況ではなかったにも関わらず
プレーの選択肢を悉く間違ってしまう程
この日の7サカの調子は最悪だったと思います。

一方で何度かアーセナルゴールに迫られる場面もありましたが
それらを凌いで2−2のままドローで終わり
落としていけない勝ち点を落としてしまいました。

結局、前回のリバプール戦の時に
同じ事をしているつもりだが
プレースピードが足りない
デュエルの場面での強度が足りないなど
小さなズレが重なって
当たり前に出来ていた事が出来なくなっていたと
今シーズンのリバプールに対して書きましたが
その言葉が今のアーセナルに当てはまる様に感じます。

この試合の様にいつも通りやっているつもりが
プレースピードが足りない為に
全く効果的にプレーする事が出来ない、
しかもいつも通りやっているつもりの為に
その小さなズレに気が付かずに修正する事も出来ない。
外から見ていれば明らかにいつもと違う事は分かりますが
実際にピッチの上でプレーしている選手達は
その差を実感する事が出来ていないのではないかと思います。

それは若いチームだからと言うよりも
絶対的なスタイルを確立した今シーズンのアーセナルは
そのスタイルで他者を寄せ付けていない反面、
上手くいかなかった試合の絶対数が不足している為に
何が問題で上手くいっていないのか?
それに対してどの様な対処をすれば解決する事が出来るのか?
と言う経験値的な物が不足しているのかもしれません。

失敗から成長すると言いますが
次のステップに成長する為の失敗を
今経験しているのかもしれません。

とは言え、そんなに悠長な事を言っている時間はありません。
消化試合が1試合少ないシティとの勝ち点差は
遂に『4』になってしまいました。

そしてそのシティは近年のリバプールとの優勝争いで
何度となく振り切ってPLを制覇してきた様に
ここ最近の試合を観る限りチームのピークを
最も重要なこのシーズン終盤に
しっかりと合わせてきた印象を受けます。

もしかしたらピークを超えてしまった可能性がある
現在のアーセナルに対して
今まさにピークを迎えようとしているシティ、
チームの状態的には圧倒的に差がある状態で
来週には直接対決があります。

良かった時期のチームの感覚を思い出す準備期間は
週末のホームでのサウサンプトン戦しかありません。
その試合でしっかりとサウサンプトンを圧倒して
再び調子を上向きに出来るかどうか、
非常に重要な試合になると思います。

言うなれば来週のシティ戦は
その試合に勝利したチームが
PL制覇すると断言しても良いくらいの
重要な試合になると思います。

その試合に挑むに当たって
昨シーズンスパーズとの直接対決に敗れた事で
CLへの出場権を掴み取る事が出来なかった事を
思い出して欲しいと思います。

再び同じ轍を踏む事など許されません。

例え90分間を待たずにスタミナが切れようとも
出し惜しみせずに
シティの選手よりも速く激しくプレーし
PL優勝に相応しいチームである事を
その試合で証明して欲しいと思います。


C'mon Arsenal !!


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3ティアニー     PL:0G1A EL:1G1A 
4ホワイト      PL:2G4A 
5トーマス      PL:3G0A
6ガブリエウ     PL:3G0A
7サカ        PL:12G10A EL:1G0A 
8ウーデゴール    PL:11G7A 
9ジェズス      PL:9G5A EL:0G1A 
10スミス・ロウ    PL:0G1A
11マルティネッリ   PL:14G5A FA:0G1A
12サリバ       PL:2G1A EL:1G0A 
14エンケティア    PL:4G1A EL:2G1A CC:1G0A FA:2G0A
16ホールディング   PL:0G0A EL:1G0A 
18冨安        PL:0G1A EL:0G1A 
19トロサール     PL:1G7A
21ヴィエイラ     PL:1G2A EL:1G2A FA:0G2A
24ネルソン      PL:3G2A EL:0G0A CC:0G1A 
25エルネニー     PL:0G0A FA:1G0A 
27マルキーニョス   PL:0G0A EL:1G1A 
34ジャカ       PL:5G5A EL:2G0A  
35ジンチェンコ    PL:1G2A


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