SSブログ

2021/22シーズン〜〜CMF・DMF総括〜〜 [Arsenal F.C.]

2021/22シーズンを振り返って〜〜CMF・DMF〜〜

Arsenal 1.jpg


今回はCMF・DMFについて2021/22シーズンを振り返ってみたいと思います。

今シーズンのこのポジションは
5トーマスと34ジャカがダブルボランチを組む形を軸に
シーズンがスタートしましたが
シーズンが進むにつれて
アンカーを5トーマスが務め
インサイドハーフに8ウーデゴールと34ジャカが並ぶ
3センターを組む形に移行していきました。

そしてシーズン前半に34ジャカが右膝の怪我で
約2ヶ月間離脱していた期間は23ロコンガが主に起用され
シーズン終盤に右ハムストリングを痛めた5トーマスが
離脱してしまった期間は
25エルネニーが主に起用されました。

34ジャカが離脱していた期間起用された23ロコンガは
5トーマスとダブルボランチを組んで
その穴を良くカバーしていたと思いますが
一方で5トーマスと25エルネニーが
アフリカ・ネイションズ・カップへ出場する為に離脱し、
34ジャカが出場停止処分を受けて起用出来なかった為に
23ロコンガ一人でカバーしなければならなくなった1月は
低調なパフォーマンスに終始してしまい
期待に応えられませんでした。

その様な事もありシーズン終盤に5トーマスが離脱した後は
今シーズン殆ど出場機会が与えられていなかった
25エルネニーが起用される事になりましたが
その25エルネニーは失っていた中盤のバランスを取り戻し
ダブルボランチの一角だけではなく
アンカーとしても対応出来る事を証明して
その期待に十分に応えたと思います。

前記の様に今シーズンの最終形は
中盤の守備的な役割と司令塔の役割を兼務する
5トーマスがアンカーに入り
前線との繋ぎ役とチャンスメイクを担う
8ウーデゴールが右インサイドハーフに入り
そしてバランサー役として34ジャカが
左インサイドハーフに入ると言う形でした。

この3人が揃えば中盤のバランスは保たれ
攻撃陣を活性化させると共に
守備面も安定していたと思いますが
一方で誰かが欠けてしまうと
シーズンの終盤になって25エルネニーが
起用出来ると言う目処が立つまで
バランスが保てなくなり
攻撃面ではテンポが上がらず停滞し
守備面も危うさが顔を出すと言う問題がありました。

同時にバランサー役として
34ジャカが適任なのかどうかと言う問題もありました。

確かに左SBが上がったスペースを消す役割を担ったり
前に出て攻撃に厚みをもたらす等の
攻守に献身的な姿勢を観せていたと思いますが
左サイドの広い範囲をカバーするには機動力が乏しく
前に出て攻撃に厚みをもたらす場面では
特別なパスセンスがある訳でもなく
スペースに飛び出す様なダイナミックな動きも
ある訳でもありませんので
元々3列目でゲームを作る司令塔タイプの34ジャカを
バランサーとして起用する事が
最適なのかどうかと言う問題もあったと思います。

来シーズンに向けて
レギュラー組とサブ組との間にある
差を減らす必要があり
34ジャカが担っていたバランサー役の
レベルアップを図る必要があると思います。


〜〜5トーマス・パーティ(29歳)〜〜


PL 23試合先発+1試合途中出場:2ゴール1アシスト
カラバオ杯 1試合先発+1試合途中出場


今シーズンのこのポジションの軸は
5トーマスだったと思います。

中盤の底を広範囲カバーする機動力と
攻撃陣を活性化させる攻撃的な縦パス等
攻守に大きな存在感を観せていたと思います。

同時に今シーズンは前線からの
組織だった連動的なプレスが出来る様に改善された事もあり
その下で網を張った5トーマスが
高い位置でボールを奪い返して
ショートカウンターを仕掛けると言う
起点にもなっていたと思います。

その一方でハムストリングの怪我が
癖になってきている所は気になります。

そのハムストリングの痛め方が
右脚を高く振り上げた時に痛めてしまった様に
典型的な過ストレッチによる外傷であり
既にハムストリングの柔軟性が
損なわれてしまっている可能性があるかもしれません。

仮にその様な状況ならば今後も同様な怪我を
繰り返す可能性があるかもしれません。

5トーマスがピッチに立てるかどうかで
中盤の守備強度と攻撃陣の活性化に
大きな差が生まれてしまう事を考えますと
来シーズンに向けてシーズン通して稼働する事が
5トーマスの目標になるかもしれません。

しかし来シーズンはスケジュール的に
非常にタイトな事を考えますと
フル稼働させる事はかえって
怪我のリスクを増やす可能性もありますので
実際問題としては休ませながら使って
より多くの重要な試合で起用する事が
現実的な目標になるかもしれません。

今シーズンも5トーマスが
シーズン最後までピッチに立てていたら
違う結果になった可能性もあったと思いますので
来シーズンこそは大きな離脱期間がなく
最後まで稼働して欲しいと思います。


〜〜34グラニト・ジャカ(29歳)〜〜


PL 27試合先発:1ゴール2アシスト
カラバオ杯 2試合先発+1試合途中出場


今シーズンもこのポジションの
中心選手の一人だったと言う事は確かだと思いますが
以前よりもその重要度は落ちてきている印象です。

元々34ジャカは中盤の底から
長短のパスを送ってゲームを作る
司令塔タイプの選手だと思いますが
シーズン後半では3列目から一列前の
左インサイドハーフで
バランサーの役割を与えられていましたので
アルテタ監督は中盤の底からゲームを作る司令塔としては
それ程評価していない可能性があります。

確かに長短のパスを操れても
5トーマスの様な攻撃的な縦パスはそれ程多くはなく、
中盤の底の広い範囲をカバー出来る
機動力もありません。
そしてスペースがない所でボールを受ける事を
それ程得意としていない印象で
ハイプレスを仕掛けられると
前を向けなくなると言う問題を抱えていた為に
アンカーとしては使いづらく
実際シーズン終盤に5トーマスが怪我で離脱した後も
34ジャカがアンカーのポジションで起用される事はありませんんでした。

そうなりますと3センターを組んだ時の
左インサイドハーフでの起用は
苦肉の策での起用の可能性があり
仮に噂になっているティーレマンス等の
攻撃力の高い選手や
本格的なBox to Boxタイプの選手を
この夏に補強した場合には
その序列を下げる可能性があると思います。

チームのシステムがダブルボランチを組む場合は
ロングレンジのパスを出せる34ジャカは
今後も生き残る事が出来ると思いますが
シーズン後半から3センターを組む形に移行していますので
場合によってはポジションを失う可能性があると思います。

攻撃的な縦パスを送る事や
スペースのない所で前を向く等の
技術的な問題は改善する事が出来るかもしれませんが
機動力を上げると言うフィジカル能力的な問題は
残念ながら今から改善する事は難しいと思いますので
34ジャカにとっては来シーズンは
難しいシーズンになるかもしれません。


〜〜23アルベール・サンビ・ロコンガ(22歳)〜〜


PL 12試合先発+7試合途中出場
FA杯 1試合先発
カラバオ杯 3試合先発+1試合途中出場


出だしは良かったと思います。

足首の怪我で出遅れた5トーマスに代わって
開幕戦から起用され
34ジャカが右膝の怪我で離脱していた間も
その穴をよく埋めていたと思います。

しかし5トーマスと25エルネニーが
アフリカ・ネイションズ・カップへ出場する為に離脱し、
34ジャカが出場停止処分を受けて起用出来なかった
年明けの1ヶ月は低調なパフォーマンスに終始してしまい
その後の出場機会は激減してしまいました。

とは言えこの期間は23ロコンガ本来の
能力以上の事を求められていた部分もあったと思います。

元々23ロコンガの強みは
ドリブルで局面を押し進める推進力と
ボールと共に動きながらパスを送って
局面を展開するプレーであり
前を向いた状態でプレー出来ている時が
最も活きると思います。

しかしこの時期は中盤の選手が
23ロコンガしか残っていなかった為に
アンカーとしてチームの舵取り役を担わざる得ず
テンポ良くパスを捌いてチームにリズムを奏でるプレーも
出来ない訳ではないと思いますが
主にDFラインからパスを引き出しそこから展開する様な
中盤の底からあまり動かないプレーは
23ロコンガの本来のプレースタイルではなかったと思います。

同時に中盤の底の広い範囲をカバーして
相手の攻撃の芽を摘む様な守備的な役割は
今シーズンの23ロコンガでは
フィジカル強度的に難しかったのは勿論の事、
シーズン前半の好調だった時も
相手の激しいチャージに曝されて
ボールをロストする場面があった様に
PL特有の激しいプレーへの適応にも苦しんでいましたので
ハイプレスに曝される場面が多い
アンカーのポジションで起用したのは
かなり無理があった様に感じます。

そしてボールをロストする事を恐れてしまった結果なのか
常に相手選手からボールを遠ざけて
直接対峙する事を避ける様に
ボールを動かす様になり
それにより直接前を向いてそのままパスを送る事で
テンポが上げる様なプレーは減ってしまい
23ロコンガが作るゲームは
非常に鈍く重い物になっていたと思います。

今後フィジカル的な強度が上がり
PLのスタイルへの適応が済めば
状況は変わるかもしれませんが
現状の23ロコンガはアンカーとしての適応はないと思います。

一方で機動力と推進力はありますので
Box to Boxタイプとして育てた方が
23ロコンガの強みが活きる様に感じますので
34ジャカに代えてインサイドハーフで
試して欲しかったと個人的には思っていました。

来シーズンもこのまま3センターで行くのならば
インサイドハーフで試して欲しいですし
ダブルボランチならば5トーマスの様な
守備的な強度と司令塔的な役割を担う選手に後ろを任せて
ある程度自由に動ける状況を作る事が出来れば
23ロコンガの良さが出る様に感じます。

その為にもまずフィジカル的な強度を上げて
PLのスタイルに完璧に適応して欲しいと思います。


〜〜25モハメド・エルネニー(29歳)〜〜


PL 8試合先発+6試合途中出場:2アシスト
カラバオ杯 3試合先発


今シーズンの使われ方を考えますと
元々は構想外に近い状況だったのかもしれません。

カップ戦では起用されていましたが
PLでは34ジャカが離脱していた時期でも
殆ど出場機会が巡って来ず
ベンチの人数合わせの様な状況が続いていました。

しかし5トーマスが離脱した後、
中盤のバランスを見い出せない状況が続いていた中で
延期していた25節チェルシー戦で
34ジャカとのダブルボランチで起用された25エルネニーは
中盤のバランスを見事に取り戻してみせ、
この試合で期待に応えた25エルネニーは
シーズンが終わるまでの7試合連続で
先発で起用されました。

実際、シーズン前半は殆ど出場機会はありませんでしたが
1月のアフリカ・ネイションズ・カップでは
決勝までの7試合、全て先発フル出場を果たしていた様に
25エルネニー的には
いつでもピッチに立つ準備は出来ていて
同時に結果を出す準備も出来ていたのかもしれません。

それにしても25エルネニーは
ある意味不思議な選手だと思います。

フィジカル能力が特別高い訳でもなく、
攻撃的なセンスやスキルも特別高い訳ではない
言うなれば能力的には平均的な選手で
時々決定的なパスミスやボールロストを
犯してしまう問題もあります。

しかし常にピッチを隈なく動き回り
常に居て欲しい所に顔を出す能力には長けおり
その能力を活かして速やかにパスを引き出し、
そして速やかに展開すると言う
繋ぎ役、潤滑油としての能力は
かなり高いと思います。

言い換えればベストなポジションや相手選手との距離感を
見い出す能力に長けているとも言え
それによりスペースのない所でもボールを引き取る事が出来、
仮に囲まれた状況でもパスコースを見い出して
次に繋げる事が出来る所が
25エルネニーの最大の能力なのかもしれません。

そして最終的には34ジャカとの
ダブルボランチだけではなく
アンカーとしてもしっかりと機能する事を示して
この夏で契約が切れ
そのまま退団すると思われていた状況を一変させて
契約延長を勝ち取りました。

結局、チームが調子が良い時は
25エルネニーでは物足りなく感じる事もあるかもしれませんが
反対にチームの状態が悪い時には
25エルネニーの存在が心強く感じると言う
不思議な存在ですが
もしかしたらバックアッパーとしては
理想的な存在なのかもしれません。


C'mon Arsenal !!



(年齢は2022年6/30時点)


nice!(2)  コメント(0) 

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。