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PL23:ARSENAL vs Brentford FC [Arsenal マッチリポート]

ARSENAL 1−1 Brentford FC
2023年2月11日(土)Premier League, Emirates Stadium

Goal

 (66)19Trossard(←7Saka)
 (74)Toney


1Ramsdale

 4White 12Saliba 6Gabriel 35Zinchenko

5T. Partey

8Ødegaard    34Xhaka

 7Saka             11Martinelli

14Nketiah


(61)11Martinelli>>>19Trossard
(80)34Xhaka>>>21Vieira


Substitutes
 30Turner
 18Tomiyasu
 3Tierney
 16Holding
 15Kiwior
 20Jorginho
 85Cozier-Duberry


Arsenal 1.jpgスキャンダラスなドローでした。

先発はこの試合も
同じメンバーが組まれました。

試合は圧倒的にボールを保持しながらも
5−3−2の形で自陣深くに築いた
ブレントフォードのブロックを
切り崩すのに非常に苦労してしまい
決定機と呼べる様な場面を作る事は
中々出来ませんでした。

一方でアーセナル陣内に攻め込む回数は
それほど多くはなかったのですが
その様な中で何度か決定機を
ブレントフォードに作られてしまいました。

4分過ぎ、ヤネルトのスルーパスで
左サイドを抜け出してきたトニーから送られたクロスを
ヘンリーにダイレクトで合わされてしまいました。
幸いヘンリーのシュートは
枠を外れてくれましたが
DFラインと1ラムズデールの間に送られたクロスに対して
12サリバも4ホワイトも後手を負わされてしまったのは
問題だったと思います。

10分過ぎ、ラヤからのパントキックを
トニーがヘッドで繋いだボールに対して
6ガブリエウがエンベウモに振り切られてしまい
1ラムズデールと1対1になってしまいました。
幸いにも6ガブリエウとエンベウモが交錯した所で
ファールを取ってくれましたが
この判定も非常に微妙だったと思います。

確かにエンベウモが6ガブリエウのシャツを引っ張り、
肩も掴んでいたのは事実です。
そしてその動作が丁度6ガブリエウが右足を滑らせて
体勢を崩した動きとリンクした為に
エンベウモが倒した様に観えたのかも知れません。
しかし6ガブリエウが転倒した本当の原因は
右足を滑らせたからだった様に観えましたので
この場面では審判のミスジャッジに救われました。

この様にこの試合を通して
トニーとエンベウモの2トップに対して
6ガブリエウと12サリバは
上手く対応出来ていなかったと思います。
特に12サリバはこの試合で11回あった空中戦の内、
1回しか勝てていなかった様に
思わぬ所で弱点を露呈してしまいました。

この試合でのブレントフォードは
12サリバの所にボールを送って
トニーやエンベウモに空中戦で競り合わせる事を
攻撃の起点にしていましたので
12サリバは空中戦に難があると言う確固たるデーターが
ブレントフォードにはあったのだと思います。

しかし、個人的な印象ではここまでのシーズンで
12サリバが空中戦に弱いと言う印象は
余りありませんでしたので
単純にトニーとエンベウモのストロングポイントが
この試合にフィットしただけの可能性もあります。

一方で忘れてならないのが12サリバは
実質PL一年目の選手という事であり
これまでの多くPL一年目の選手たちが陥ってきた様に
シーズンを折り返したこの位の時期から
疲弊し始めてコンディションが急激に落ちてしまうと言う現象が
12サリバにも襲いかかってきた可能性も
十分にあると思います。

どちらにせよ高い位置でのプレスに拘らずに
引いた位置に強固なブロックを築き
自陣のアタッキングエリアへの侵入を
防ぐ事に重きを置いた守備戦術で
アーセナルの攻撃を無力化したエヴァートンの戦術を
ブレントフォードも取り入れた様に
12サリバに対して空中戦を仕掛けてくるチームが
これから増えてくるかも知れません。

この様にここまで快進撃を続けてきた
アルテタ監督の戦術に対して
大分研究が進んできているのかも知れません。
その結果、ここ2試合の様に
現在のアーセナルのストロングポイントが消され
少しずつ弱点が浮き彫りになり始めている印象を受けますので
それに対してアルテタ監督が
速やかに対策を講じる事が出来るかどうか
もしかしたら正念場に立っているのかも知れません。

24分過ぎ、トニーのスルーパスで抜け出した
エンベウモが右サイドから送った
マイナス方向の折り返しを
トニーに合わされてしまいました。

このシュートは枠の角を叩いて救われましたが
この場面でもエンベウモからの折り返しに対して
12サリバの対応が一瞬遅れていたのは
問題だったと思います。

裏に抜け出したエンベウモに対して
6ガブリエウがカバーに向かった関係で
その6ガブリエウと入れ替わる様に
ゴール前には12サリバが入ってきましたが
背後からゴール前に入ってきたトニーの位置関係を
完全に失認していたかの様に
エンベウモが折り返してくるコースを
予測出来ていなかったのは勿論ですが
その折り返しが送られる事に対する準備自体も
全然出来ていなかった様に観えました。

元々はローン移籍中のリーグ1時代での失点シーンでは
集中しきれていない様に
クロスやラストパスに対する反応が
1テンポ遅れる場面が12サリバには時々あり
その様な所が当時の課題だったと思います。

しかしその様な集中力を欠いたプレーは
アーセナルに戻ってきてからは
かなり減っていたと思いますが
元々持っていたその様な問題が
再び顔を出し始めてきた事を考えても
12サリバのコンディションの低下は
始まっている様に感じます。

開始から約25分間の間に
ブレントフォードに3つの決定機を作られてしまいましたが
一方のアーセナルもボールを保持しながら
何度かブレントフォードゴールに迫る場面はありました。

4ホワイトのロングスルーパスで
右サイドに流れて来た14エンケティアから
7サカへと繋ぎ
その7サカからゴールに向かって走り込んできた
8ウーデゴールへラストパスが送られた2分過ぎの場面、
その8ウーデゴールのシュートは
DFにブロックされてしまいましたが
14エンケティアが積極的に流れてボールに絡み
しっかりと崩す事が出来た所は
エヴァートン戦から改善してきた所かも知れません。

右サイドに開いた位置にいた8ウーデゴールから
右のポケットの位置に向かって
後方から走り込んできた11マルティネッリに向けて
スルーパスが送られた7分過ぎの場面、
そのパスを受けた11マルティネッリは
1タッチした所から折り返そうとしましたが
前に出てきたラヤにブロックされてしまい
シュートには繋がらず。
この場面では中には誰も入って来ていませんでしたので
1タッチせずにそのまま強引にシュートを放った方が
チャンスがあったかも知れませんでした。

11マルティネッリ〜35ジンチェンコ〜11マルティネッリと繋いで
左サイドから中に切り込んできた11マルティネッリが
右脚を振り抜いた10分過ぎの場面、
このシュートもヤネルトに引っ掛かってしまいましたが
ヤネルトとアイエルの間にはシュートコースが空いていただけに
もう少し丁寧に狙って欲しかった場面でした。

右サイドでボールを持った7サカが
8ウーデゴールとのワンツーで裏に抜け出した
14分過ぎの場面、
ヘンリーとノルガールドに挟まれながらも
7サカは強引にシュートを放ちましたが
ラヤの正面でゴールを奪う事は出来ず。

崩しの形は観えていましたが
本当の意味でラヤを脅かす様な場面を作る事が出来ないまま
徐々にブレントフォードのブロックを攻め倦む様になり
次のチャンスは前半終了間際のこの場面だったと思います。

42分過ぎ、8ウーデゴールからのパスを受けた
4ホワイトが送ったクロスを
ファーサイドで34ジャカがヘッドで折り返し
そのボールを受けた11マルティネッリが
左脚でダイレクトボレーを放ちましたが
残念ながら枠を捉える事が出来ずに
ゴールを奪う事は出来ませんでした。

いい意味で力が抜けた
良いボレーシュートだったと思いますが
ゴール正面の位置でほぼフリーだっただけに
決めなければならなかったと思います。

圧倒的にボールを支配しながらも
決定機と言う意味では
ブレントフォードの方が多かった前半でしたが
後半に入るとアーセナルは攻勢を強めていきました。

47分過ぎ、35ジンチェンコからのパスを受けた
34ジャカが出したスルーパスで
ゴール左に抜け出てきた7サカが左脚を振り抜きました。
そのシュートはラヤのファインセーブで防がれてしまいましたが
7サカのフリーな動きから生み出された
良い仕掛けだったと思います。

50分過ぎ、34ジャカのスルーパスで
左サイドの深い位置にまで侵入した14エンケティアが送ったクロスを
ファーサイドで収めて8ウーデゴールが
右脚を振り抜きました。
そのシュートもラヤの正面でゴールを奪う事は出来ませんでしたが
この辺りから守備のブロックが完全に整う前に
徐々にブレントフォードゴールに迫り始めて来たと思います。

そして11マルティネッリに代わって投入された
19トロサールが移籍後初ゴールを決めました。

66分、4ホワイトからのパスを左サイドで受けた7サカが
一度8ウーデゴールにボールを預けた後に
その8ウーデゴールからのスルーパスで裏に抜け出し
そこからの鋭いクロスに対して
ファーサイドに飛び込んできた19トロサールが
ダイレクトで合わせて先制ゴール!!

8ウーデゴールのスルーパスから一気にテンポアップし
GKとDFラインを射抜くように送られた
7サカのクロスで勝負があったと思います。

結局の所、守備のブロックを固められても
人が築いている物なので
その人の反応を上回る様に
一気にテンポアップをする事が出来れば
崩せる事を証明した様なゴールでした。

相手の裏を突く様にパスを繋いで崩す事も
有用な策だと思いますが
同時にこの場面の様にテンポを変える様に
仕掛ける事も重要であり
緩から急へ、急から緩へと言う
テンポコントロールを
上手く操る事が出来るかどうかが
現在のアーセナルの攻撃陣の課題なのかも知れません。

しかしこのリードは長くは続かず
スキャンダラスな同点ゴールを生まれました。

74分、イエンセンが蹴った右サイドからのFKを
ファーサイドでトニーが折り返しましたが
その折り返しは12サリバがヘッドでクリアーして
右サイドに流れました。
しかしそのルーズボールを最終的にノアゴールが
ヘッドで再び中に折り返したボールを
ピノックがヘッドで前方に落とし、
そのボールに対して裏に飛び出したノアゴールが
折り返したボールを
トニーにヘッドで押し込まれて失点。

この一連の場面の中に
疑惑のジャッジが3つありました。

まず最初はFKを与える事になった
トニーと12サリバが競り合った場面です。

この場面ではラヤからパントキックが送られた時に
トニーに対して12サリバが背後から動きを妨げた為の
ホールディングを取られたのだと思いますが
どちらかと言うと「ホールド」したのは
12サリバの方ではなくトニーの方でした。

トニーは背後から圧を掛けていた12サリバに対して
両腕を12サリバの背中側で回して手を組んでいましたので
明らかなホールディングです。
単純に腕を回して12サリバの動きを抑えていただけならば
ホールディングを取らない事もあるかも知れませんが
トニーが手を組んだ時点で12サリバの動きを
トニーが腕を使って完全に妨げた事になりますので
この場面ではオフェンス側のファールであり
そもそもFKを与える場面ではなかったと思います。

2つ目がイエンセンがFKを蹴った時の
6ガブリエウとピノックの場面です。

ファーサイドに送られたこのFKに対して
ピノックが6ガブリエウの動きを妨げたかどうかの
オブストラクションの問題もありますが
そもそもピノックの立ち位置が
オフサイドポジションでした。

VARではピノックの動きが
オブストラクションに値するかをチェックしていたと
VARを担当していたリー・メイスンは
試合後コメントしていましたが
と言う事は、オブストラクションに
値するかしないかは別として
ピノックの行為が6ガブリエウの動きに関与していたと言う事が
このコメントからはっきりと分かります。

この様にピノックが直接ボールに関与していなくても
ボールに向かおうとしている6ガブリエウは
ボールに関与してしている立場ですので
そのボールに関与している6ガブリエウの動きを
少なからず妨げたピノックは
間接的にボールに関与した事となると思います。

もしもこの見解が成立しないと言うならば
極論を言ってしまえば
この場面の様に攻撃側の選手が
守備側の選手が下がらない様に
オフサイドポジションから
ファールに取られない程度に押し返して
DFラインとGKの間にスペースを作り、
そこに出来たスペースに味方を飛び込ませてしまえば
簡単にフリーな状態が作れてしまうと思います。

そしてこの様な状況が許されるのならば
アルテタ監督が試合後コメントしていた様に
FKに対してラインを設定する守り方から
CKの時の様にゴール前のスペースを満遍なく埋める守り方に
変えなければなりませんので
アルテタ監督の怒りも当然だと思います。

よってオフサイドポジションにいたピノックに対して
なぜオフサイドを取らなかったのかも
大いに疑問が残ります。

とは言え、この場面よりもさらに大きな問題なのが
ピノックがヘッドで前方に落としたボールを
トニーに折り返したノアゴールのオフサイドの問題です。

トニーの12サリバへのホールディングを取るかどうかや
ピノックがボールに関与しているかどうかによって
オフサイドを取るかどうかの判断は
審判としての取らないと判断した場合には
受け入れなければならないかも知れませんが
このノアゴールの場面は
「オフサイドラインを引いてチェックするのを忘れた」と
リー・メイソンが試合後告白している様に
チェックすらしていません。

因みにこのゴールの後にスクリーンに表示された
VARでチェックしていた項目は
「POSSIBLE OFFSIDE」です。

ピノックが6ガブリエウに対して
オブストラクションのファールを犯したかどうかをチェックする
「POSSIBLE FOUL」ではなく
オフサイドの有無をチェックする
「POSSIBLE OFFSIDE」でした。

にも関わらずオフサイドをチェックし忘れたと言うのは
どう理解すれば良いのでしょうか?

今節のクリスタル・パレス対ブライトン戦での
守備側の対象者を間違えた為に
オフサイドラインを引き間違えた様な
チェックはしたけれども技術的にミスを犯してしまった為に
判定を間違えてしまったと言うのは
最終的に人間が行なっている関係上
能力が著しく低い審判がその様な技術的なエラーを犯す事は
避ける事は出来ないかも知れませんが
チェックしなかったと言うのは
能力が低い云々の前のレベルの問題であり
職務を全うしていないと言わざる得ません。

仮に審判の一人が職務を全うしていない状況で
この試合が行われたと言うのならば
果たしてこの試合は成立したと言えるのでしょうか?

ブレントフォードには何も罪はありませんので
このゴールを取り消して勝ち点1を没収するのは
間違いだと思いますが
反対にこのゴールがなければ
1−0で勝っていたかも知れないアーセナルに対しては
勝ち点3を与えても良い程の
前代未聞のスキャンダラスな出来事と言えると思います。

完全なるミスと認めた審判団を統括するPGMOLが
PLと協議してどの様な答えを出すのか注目です。

その後も何度か
ブレントフォードゴールに迫る場面はありました。

79分過ぎ、5トーマスからのパスを受けた
35ジンチェンコがペナルティの外側から左脚を振り抜きましたが
枠を捉える事が出来ず。

この試合での35ジンチェンコは
攻め焦っている様に強引にシュートを撃つ場面や
不用意なミスパスが多く
気持ちがプレーに直結するタイプだけに
どこか空回りしている様に感じる場面が多かったです。

87分過ぎ、19トロサールから送られたパスを
7サカがダイレクトで叩いたボールを受けた14エンケティアが
スペースのない所で鋭い反転を観せて前を向きましたが
ピノックが投げ出した足にボールをカットされてしまい
残念ながらシュートを撃つ事は出来ませんでした。

とは言え、ピノックとアイエルの間の僅かにあった隙間を
切り込んでいった14エンケティアの鋭い反転は
素晴らしかったと思いますし、
この様な形で切り込んでいけるのならば
もっと積極的に14エンケティに
ボールを当てても良いのかも知れません。

試合はこのまま1−1でドロー。

勝ち点2を失ってしまいました。

とは言え、この様なスキャンダラスな問題が
全く影響を及ぼさない様な
試合展開を行う事が出来なかったのも事実です。

ボールを圧倒的に保持しながらも
決定機を作る回数が少なかったのは
改善しなければならない課題だと思います。

確かに細かな連携で切り崩す場面は
エヴァートン戦よりは増えましたが
得点シーンの様なもっと鋭く研ぎ澄まされた
テンポに緩急を付けた仕掛けを
極める必要があると思います。

一方で空中戦に負け続けた
12サリバの状態は心配です。
PL一年目の選手が陥るコンディションの低下が
12サリバにも出始めているか可能性は否定出来ませんので
今後対処が必要になるかも知れません。

次は延期になっていたシティとの直接対決です。

ここで勝ち点3を失えば
暫定ですが順位が入れ替わってしまう
非常に大事な試合になりますが
反対に勝利する事が出来れば
優勝争いを考え上でまた一歩前に出る事が出来ます。

昨シーズン重要な時期に連敗して
CLの出場権を失った嫌な経験を
再び味わう事だけは避けなければなりません。

今シーズンの優勝の占う
この大事な「6ポイントゲーム」では
エミレーツが揺れる様なプレーを
観せてくれる事を期待したいと思います。


C'mon Arsenal !!


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3ティアニー     PL:0G0A EL:1G1A 
4ホワイト      PL:0G2A 
5トーマス      PL:2G0A
6ガブリエウ     PL:2G0A
7サカ        PL:7G8A EL:1G0A 
8ウーデゴール    PL:8G5A 
9ジェズス      PL:5G5A EL:0G1A 
11マルティネッリ   PL:7G2A FA:0G1A
12サリバ       PL:2G1A
14エンケティア    PL:4G0A EL:2G1A CC:1G0A FA:2G0A
16ホールディング   PL:0G0A EL:1G0A 
18冨安        PL:0G1A EL:0G1A 
19トロサール     PL:1G0A
21ヴィエイラ     PL:1G1A EL:1G1A FA:0G2A
24ネルソン      PL:2G1A EL:0G0A CC:0G1A 
25エルネニー     PL:0G0A FA:1G0A 
27マルキーニョス   PL:0G0A EL:1G1A 
34ジャカ       PL:3G5A EL:1G0A  
35ジンチェンコ    PL:0G1A


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