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PL12:ARSENAL vs Manchester City [Arsenal マッチリポート]

ARSENAL 1−3 Manchester City
2023年2月15日(水)Premier League, Emirates Stadium

Goal

 (24)De Bruyne
 (42)7Saka(pk)
 (72)Grealish
 (82)Haaland


1Ramsdale

18Tomiyasu 12Saliba 6Gabriel 35Zinchenko

20Jorginho

8Ødegaard    34Xhaka

 7Saka             11Martinelli

14Nketiah


(75)11Martinelli>>>19Trossard
(83)34Xhaka>>>21Vieira
(83)18Tomiyasu>>>4White


Substitutes
 30Turner
 3Tierney
 16Holding
 15Kiwior
 24Nelson
 85Cozier-Duberry


Arsenal 1.jpg優勝の行方を占うシティとの
直接対決第1戦でしたが
残念ながら痛い星を落としてしまい
暫定ですが首位の座を明け渡してしまいました。

先発はここ最近調子を落としていた
4ホワイトに代わって
18冨安が右SBで先発し
筋肉系のトラブルが発生した
5トーマスに代わって
20ジョルジーニョがアンカーで
移籍後初先発しました。

一方で同じく調子を落としている
11マルティネッリは
そのまま先発に名を連ね
19トロサールはベンチスタートになりました。

対するシティは最近始めた
シウバを偽左SBで起用すると言う
新たなシステムで挑んできました。

試合は予想した物とは
大きく異なる展開になりました

これまでのシティとの対戦は
シティが圧倒的にボールを保持し
それをアーセナルが下がった位置でブロックを築いて
シティの攻撃を凌ぐと言う展開が多く
実際アルテタ監督が就任してからの
PL及びFA杯で対戦した8戦でのポゼッション率は
圧倒的にシティの方が高かったです。
それは唯一勝利した2019/20シーズンのFA杯準決勝でさえ
ポゼッション率は29.2%対70.8%と
シティに圧倒されていました。

その様な中で今シーズン初めて対戦した
先日のFA杯4回戦でのシティ戦では
46.4%対53.6%と
これまでで最も拮抗した
ポゼッション率の試合になりましたので
この試合は圧倒的にシティがボールを保持する様な
これまでの展開から
ハイプレスとそのプレスを掻い潜る
攻防戦の様な展開の試合になると思われましたが
その予測とは全く異なる展開になりました。

後半に入るとシティも
徐々に前からプレッシャーを掛け始めましたが
特に前半はアーセナルが圧倒的にボールを保持して
シティが下がって守ると言う
これまでにはない展開になったのは
正直予測していませんでした。

実際、ベストメンバーではなかった
先日のFA杯でも示す事が出来た様に
今シーズンのアーセナルは
シティが圧倒的にボールを保持して
そのまま押し切れる様なチームではなくなってきており
仮にベストメンバーを組んできたアーセナルと
これまでと同様の戦い方をした時に
アーセナルを圧倒する事が出来ずに
反対に押し返されてしまった時の敗れるリスクを
考慮したのかもしれません。

シティにとってはこの「6ポイントゲーム」に敗れると
PL優勝争いから大きく後退する可能性がありましたので
絶対に負けない事を最優先に考えたのは
当然の流れなのかもしれません。

一方で下がって築いた強固なブロックに対して
現在のアーセナルがゴールを奪うのが難しいと言う事は
ここ2試合で証明してしまいましたので
それを観たグアルディオラ監督が負けない為に
下がって強固なブロックを築く決断をしても
決しておかしくないと思います。

実際、この試合ではハーランドの所にロングキックを蹴って
12サリバと競り合わす様な
これまでのシティでは余り観ない様な仕掛けも
多く観られましたので
アーセナルが弱点を露呈してしまったここ2試合を
グアルディオラ監督は参考にしていたのは間違いないと思います。

その結果、36.5%と
これまでグアルディオラ監督が率いたチームの試合の中で
最も低いポゼッション率の様な
勝利の為になりふり構わない戦い方を
シティはしてきたと思います。

しかしそこで疑問になるのが
なぜシウバを偽左SBで起用したのか?です。
普通に考えればMFのシウバを偽左SBに使うのは
中盤を支配してボールの保持率を上げる為と
考えるのが普通だと思いますが
実際、特に前半は前記の様に
シティの支配率は上がらず、
反対に後半途中にマフレズに代えてアカンジを投入して
シウバを左SBから右サイドアタッカーの位置に移してからの方が
前線からのプレスが鋭くなり
支配率は上がった様に観えました。

もしかしたらこの様な深読みは絵空事で
単純にアーセナルに比べて
試合のインターバルが1日短い事を考慮して
前半はスローペースで入り
終盤にラッシュするプランだけだったのかも知れませんね。

どちらにせよアーセナルが
完全にボールを支配していた時間が長かっただけに
ミスだけは避けなければならなかったと思いますが
そのミスから失点してしまったのは
残念でした。

24分、エデルソンが蹴ったロングフィードを
12サリバに競り勝ったハーランドが
前方に流したボールに対して
グリーリッシュと競り合いながら戻ってきた18冨安が
1ラムズデールに向けてバックパスを送りましたが
そのバックパスを狙っていたデ・ブライネに奪われてしまい
前に出てきた1ラムズデールを頭を越す浮き球のシュートを
ダイレクトで決められてしまい失点。

デ・ブライネがあの位置にまで走り込んで来ていたとは
18冨安は予測出来ていなかったのかも知れませんが
それでも犯してはならないミスを犯してしまったと思います。

その一方で下がりながら収めたボールを
一度1ラムズデールに戻すと言うのは
アーセナルの決まり事の一つでもありますので
デ・ブライネの動き方を観ると
最初から狙っていたのは間違いないと思います。

それだけにあの位置に向かって走り込んで行った
デ・ブライネの姿は
6ガブリエウは観えていたはずですので
いち早くケア出来なかったのか?
もしくはバックパスではなく外に出す様に
的確なコーチングが出来なかったのか?
その辺りも含めてミスが重なった失点だったと思います。

そして後半が進むにつれて
高い位置からプレッシャーをかけ始めた
シティのプレスに引っ掛かってしまい
そこからのショートカウンターを受けて失点してしまいました。

72分、デ・ブライネへ送ったシウバの股抜きのパスを
35ジンチェンコがカットしましたが
そのこぼれ球を収めた6ガブリエウが送った
34ジャカへのパスがシウバにカットされてしまい
そのシウバからハーランド〜ギュンドアン〜
グリーリッシュと繋げられたボールを
グリーリッシュに決められてしまい失点。

6ガブリエウのパスは完全に不用意だったと思います。
スペースのない所を通すパスとしては
明らかに緩すぎたと思いますし
そのパスはシウバに完全に読まれていました。
そして仮にそのパスが34ジャカに通ったとしても
そのパスに反応したロドリが34ジャカの背後に迫っていましたので
どちらにせよ潰されていたと思います。
その事からもパスを通そうとした6ガブリエウの判断は誤っており
前方に大きく蹴り出すか、
バックパスを選択するべきだったと思います。

そして3失点目は完全に崩されてしまいました。

82分、ギュンドアンからのスルーパスで
ハーフスペースを抜け出したデ・ブライネ からの折り返しを
ハーランドに決められてしまい失点。

2ラインの間でギュンドアンにフリーで前を向かれてしまった時点で
勝負があったのかも知れません。
本来ならば20ジョルジーニョがカバーするエリアだと思いますが
6ガブリエウが左サイドに開いていた関係で
中央にいたハーランドをマークしなければならなかった
20ジョルジーニョはDFラインに吸収されていた為に
DFラインの前のエリアに
大きなスペースが生まれてしまいました。
仮に12サリバが左寄りに立ち位置を移し
ハーランドをマークしていたら
20ジョルジーニョはDFラインの前のエリアに
留まり続ける事が出来たかも知れませんが
そのスペースを見逃さなかったギュンドアンに
うまく使われてしまった時点で
その後に起こる仕掛けを防ぐ事を
難しくしてしまったと思います。

一方でアーセナルにも
チャンスがなかった訳ではありませんでした。

35ジンチェンコが送ったクロスを
14エンケティアがヘッドで合わせた21分過ぎの場面、
そのヘッドはジャストミートせずに
枠を捉える事が出来ませんでしたが
シウバのマークをかわして
アケの背後でフリーの状態を上手く作りましたので
決めなければならなかったと思います。

35マルティネッリからのパスを受けた20ジョルジーニョから
ダイレクトパスで34ジャカ〜8ウーデゴールへと繋ぎ
その8ウーデゴールからのラストパスを7サカが受けた
28分過ぎの場面、
そのパスを受けた7サカはシュートを選択せずに
中に折り返そうとしましたが
その折り返しはブロックされてしまい
シュートに繋げる事は出来ませんでした。

シティのブロックを完璧に切り崩した場面でしたので
アケのスライディングが目に入ったのかも知れませんが
シュートを狙うべきシチュエーションだったと思います。

34ジャカが前方に蹴り出したボールを
14エンケティアが粘って繋ぎ
そのボールを11マルティネッリ〜7サカ〜8ウーデゴールへと
右サイドに向かって展開していきました。
そしてその8ウーデゴールからのスルーパスで裏に抜け出した
18冨安からゴール前を横切る様な鋭いクロスが送られた
65分過ぎの場面、
触れば1点と言う場面でしたが
ゴール前に飛び込んできた14エンケティアは
後一歩届かず。

右サイドから7サカが送ったクロスに対して
14エンケティアがヘッドで合わした88分過ぎの場面、
このヘッドも残念ながら枠を捉える事は出来ず。
アカンジとウォーカーの間で
14エンケティアのマークの受け渡しミスが生じた為に
完全にフリーになっていましたので
この場面も決めなければならなかったと思います。

この様に何度か決定機を作る事は出来ていましたが
最終的に決めきれなかったの残念でした。

結局、奪ったゴールは7サカのPKだけでした。

38分過ぎ、裏に向かって走り出した
14エンケティに合わせる様に
34ジャカからDFラインの頭を越す
浮き球のラストパスが送られました。
そのラストパスを受けた14エンケティアが
ダイレクトでゴールを狙いましたが
そのシュートはアケにクリアーされてしまいゴールはならず。
しかしシュートを放った後の14エンケティアに
エデルソンが交錯した所がファールとなりPK獲得!!

42分、そのPKを7サカが冷静に決めゴール!!

まぁ、この場面でPKを与えたのならば
この場面もPKだった様に感じます。

78分過ぎ、34ジャカからの縦パスを受けた35ジンチェンコが
ダイレクトで叩いたボールを19トロサールが受け
ペナルティ内に切り込んで行った所で
ウォーカーと交錯しました。

19トロサールはウォーカーをかわそうと
左足のアウトサイドでボールを前に持ち出そうとした所で
それをカットしようと右脚を伸ばして迫ってきたウォーカーが
ボールを触る事なく19トロサールと接触しました。

確かに19トロサールは貰いに行った様な動きはありましたが
あのスピードで前に抜けようとしている19トロサールが
ウォーカーと接触せずにかわして前に抜け出すのは
普通に考えればほぼ不可能であり
イーブンな状態での交錯ではなく
完全に19トロサールが
ボールをコントロールしている状況での交錯ですので
ボールを触る事が出来ていなかったウォーカーのチャージは
19トロサールのプレーを妨げていたと言え、
明らかにファールだったと思いますが
まぁ、アーセナルの対しては
通常とは異なる判断基準でジャッジされている様ですので
14エンケティアとエデルソンの場面で
PKを獲得出来ただけでも
ラッキーだったのかも知れませんね、、、。

試合は最後まで追加点を奪う事が出来ずに
1−3で敗戦。

消化試合数に差がありますが
遂に勝ち点で並ばれてしまい
得失点差で暫定ですが首位の座を明け渡してしまいました。

結局、簡単にPL優勝する事は難しいと言う事を
痛感させられた試合だったと思います。

戦略を練りすぎて裏目に出る事もありますが
この試合でのグアルディオラ監督が選んだ戦術は
やはり一枚上手だったと言わざる得ないかも知れません。

通常とは異なるボールを明け渡すスタイルで試合を始め
後半からは徐々に前からプレッシャーを掛け始める。
ボールを持ってゲームをコントロールしていたはずなのに
結果からすればシティのプラン通りに
試合は展開しただけだったのかも知れません。

そして決めるべき時に決める個の力。
特に全力でスプリントした状態で
前に出てきた1ラムズデールの頭を
フワリと越す浮き球のシュートを決めた
デ・ブライネの先制点は
決して簡単なシュートではないと思いますが
いとも簡単に決められてしまいました。

一方のアーセナルは決めるべき決定機を決め切る
個の力を発揮出来ませんでした。

3つの決定機のうち、14エンケティアが一つでも決めていたら
違う展開になっていたかも知れません。

普段は攻撃をリードする8ウーデゴールも
試合開始直後の2つの突拍子もないパスが表していた様に
この様なビッグゲームの時には気負いすぎてしまうのか
力み過ぎてしまい
普段の力を発揮出来ない所は問題だと思います。

同時に11マルティネッリが調子を落としているのも
非常に心配です。
コンディション的に落ちているのかも知れませんが
9ジェズスの離脱の影響をモロに受けているのかもしれません。

右サイドの7サカにとっての8ウーデゴールの様な存在は
11マルティネッリにとっては34ジャカではなく
9ジェズスだったと思います。
9ジェズスが頻回に左サイドに開いてくる事で孤立する事なく
反対に2人のコンビネーションをチラつかせる事で
11マルティネッリの個の突破がより活きていた様に感じます。
しかし現在の11マルティネッリの近くには
サポートする選手が少ない様に観えますので
もしかしたらそれが
11マルティネッリが勢いを失っている一因かもしれません。

そう言う意味ではここ最近の11マルティネッリよりも
19トロサールの方が可能性を感じるのは
19トロサールの方が一人でも切り込んで行けるだけの
押しの強さがあるからの様に感じます。

とは言え、右の7サカ、左の11マルティネッリと
両翼が揃ってこそだと思いますので
そう言う意味でも9ジェズスの復帰が待たれます。

一方で筋肉系のトラブルで欠場した5トーマスの代わって
先発した20ジョルジーニョは非常に良かったと思います。
確かに5トーマスに比べて
中盤の底にもたらすフィジカル的な強度は
明らかに足りないと思いますが
それを補うだけの人とボールの動きを読む洞察力、
的確にスペースを埋めるバランス感覚、
プレッシャーを受けてもパスを引き出せるキープ力と
そこから的確に展開する展開力、
そして攻撃にスイッチを入れる鋭い縦パスと
チャンスに直結するダイレクトパス等
全て期待した以上のプレーを観せ
5トーマスの穴を全く感じる事はなかったと思います。

フィジカル的な強度とプレースピード不足に
不安を感じる意見もありましたが
テンポ良くパスを繋いで展開するアーセナルのスタイルは
チェルシー時代のスタイルよりも
20ジョルジーニョには合っている様にも観えましたので
これからも期待して良いと思います。

これで長い間チームの懸念材料だった
5トーマスのバックアップ問題は
完全になくなったと言えるだけではなく
そのままポジション争いに発展する可能性もありますので
20ジョルジーニョの獲得は正解だったと思います。

この敗戦でPL優勝争いは
振り出しに戻ってしまっただけではなく
追い上げたきたシティには勢いがあり
反対に足踏みしているアーセナルは
勢いを失いつつあると思います。

何はともあれ失った勢いを取り戻す為には
試合に勝つしかありません。
今のアーセナルにはシティの様な柔軟な戦い方も
選手を入れ替える余裕もないかもしれません。

その様な状況だとしても
自分達を信じ
自分達の闘い方を貫いて
今の逆境を正面から突破して欲しいと思います。


C'mon Arsenal !!


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3ティアニー     PL:0G0A EL:1G1A 
4ホワイト      PL:0G2A 
5トーマス      PL:2G0A
6ガブリエウ     PL:2G0A
7サカ        PL:8G8A EL:1G0A 
8ウーデゴール    PL:8G5A 
9ジェズス      PL:5G5A EL:0G1A 
11マルティネッリ   PL:7G2A FA:0G1A
12サリバ       PL:2G1A
14エンケティア    PL:4G0A EL:2G1A CC:1G0A FA:2G0A
16ホールディング   PL:0G0A EL:1G0A 
18冨安        PL:0G1A EL:0G1A 
19トロサール     PL:1G0A
21ヴィエイラ     PL:1G1A EL:1G1A FA:0G2A
24ネルソン      PL:2G1A EL:0G0A CC:0G1A 
25エルネニー     PL:0G0A FA:1G0A 
27マルキーニョス   PL:0G0A EL:1G1A 
34ジャカ       PL:3G5A EL:1G0A  
35ジンチェンコ    PL:0G1A


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