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CC3rd:Brentford vs ARSENAL [Arsenal マッチリポート]

Brentford 0−1 ARSENAL
2023年9月27日(水)Carabao Cup 3rd, Gtech Community Stadium

Goal
 (8)24Nelson(←14Nketiah)
 

1Ramsdale

4White  18Tomiyasu  6Gabriel  15Kiwior

20Jorginho

10Smith Rowe     29Havertz

71Sagoe Jr             24Nelson

14Nketiah



(69)4White>>>35Zinchenko
(69)71Sagoe Jr>>>9Jesus
(82)10Smith Rowe>>>8Ødegaard
(82)24Nelson>>>25Elneny
(87)14Nketiah>>>17Cedric

Substitutes
 31Hein
 76Walters
 73Sweet
 45Cozier-Duberry


Arsenal 1.jpg大幅にターンオーバーして挑んだ
カラバオ杯3回戦のブレントフォード戦は
1点を守り抜き4回戦へ駒を進めました。

先発はGKには1ラムズデールが入りました。
DFラインはCBは6ガブリエウと18冨安が組み
右SBに4ホワイト、
左SBに15キヴィオルが入りました。
中盤はアンカーを20ジョルジーニョが務め
10スミス・ロウと29ハヴァーツが
インサイドハーフに並び
前線はトップに14エンケティア、
左に24ネルソンが入り
そして右にはリザーブの71サゴエJrが
ファーストチーム初起用されました。

この先発メンバーで驚かされたのは
やはり18冨安のCBでの起用だと思います。

元々CBの頭数が足りない事もあり
この試合でも6ガブリエウは起用されましたが
そのパートナーは普通に考えれば
2サリバが欠場していた昨シーズン終盤に
コンビを組んでいた15キヴィオルか
シーズン序盤にCBで起用されていた
4ホワイトが有力視されていましたので
同じメンバーでも
右から4ホワイト&15キヴィオル&6ガブリエウ&18冨安か
18冨安&4ホワイト&6ガブリエウ&15キヴィオル
と言う並びが予想されました。

この様な予想に反して
これまで緊急時以外では
CBで起用されてこなかった18冨安を
カラバオ杯とは言え
CBで起用してきたと言う事は
12ティンバーが長期離脱してしまった事で
CBの頭数が足りなくなっている現状を鑑みて
18冨安がCBで起用可能かどうかを
テストしたのかもしれません。

勿論、日本人としては
先日の日本代表ドイツ戦でのパフォーマンスを観るまでもなく
CBとしての18冨安の技量は分かっていますが
実際2サリバや6ガブリエウ、そして4ホワイトの代役として
同レベルのパフォーマンスを実戦で観せる事が出来るかどうか
証明する必要があったのかもしれません。

試合はボールは持っていても
試合を支配する様な展開にはなりませんでしたが
その理由としては
大幅にメンバーを代えて挑んだ事もあると思いますが
最も大きな原因は偽SBシステムを使わなかった所と
バックラインから丁寧に繋ぐ事に拘らずに
1ラムズデールが前線に向けてロングボールを蹴る場面が
非常に多かった所だと思います。

その様な状況の中で相手のミスから
早々にゴールを奪う事が出来たのは
良かったと思います。

8分、ヨルゲンセンからのピノックへの
バックパスが逸れた所を
14エンケティアがカットし
その14エンケティアからの
ラストパスを受けた24ネルソンが
冷静に決めて先制ゴール!!

その後は両チーム共に
決定機を作る事に苦しんでしまい
両チーム共にゴールに迫ったのは
この場面位だったと思います。

19分過ぎ、アーセナルのゴール前に
ルーズに蹴り込まれたボールに対して
4ホワイトのクリアーが小さく
そのルーズボールを拾ったヤネルトに
ペナルティの中から左脚を振り抜かれてしまいました。
幸いそのシュートは素早く反応した18冨安がブロックして
ゴールを死守しましたが
4ホワイトがしっかりとクリアー出来なかった様に
中途半端な対応だったと思います。

30分過ぎ、4ホワイトからのパスを受けた10スミス・ロウが
その前を向いてドリブルで切り込んで行き
一度20ジョルジーニョにボールを預けた後の
リターンパスを受けて一気にペナルティ内に侵入し、
そのままピノックとコリンズをかわして行き
左脚を振り抜きました。
そのシュートはフレッケンのファインセーブに阻まれ
惜しくもゴールを奪う事は出来ませんでしたが
この場面の様に
ボールを持った時の10スミス・ロウの良い所は
前を向いて仕掛ける意識が強い所であり
ボールと共に動きながら仕掛ける
質と精度の高さだと思います。

33分過ぎ、ノアゴーアが送った
左サイドからのクロスが
ゴール前に走り込んできたウィッサに
ダイレクトで合わされてしまいました。
幸い枠を捉えずに救われましたが
エムベウモのマークに付いていた
18冨安の背後に出来ていたスペースを
誰もケアしておらず
そこに走り込んできたウィッサに
誰も付いていなかったと言う
非常に危険な場面だったと思います。

後半は更にペースを掴む事が出来ずに
ブレントフォードに攻め込まれる場面が多くなり
決定的なピンチを迎えてしまいました。

64分過ぎ、左サイドからのロングスローのこぼれ球を
ペナルティの中で収めたウィッサに
右脚を振り抜かれてしまいました。

その際どいシュートは
1ラムズデールのスーパーセーブで防いで
ゴールを死守しましたが
1ラムズデールが触っていなければ
ポストの内側を叩いて決められていたかもしれない
非常に危険な場面だったと思います。

一方で後半の間でブレントフォードに迫ったのは
この場面位だったと思います。

69分過ぎ、35ジンチェンコが送った
左サイドのスペースへのパスで抜け出した
29ハヴァーツからの折り返しを
24ネルソンがダイレクトで合わせましたが
ポストの外側を叩き惜しくもゴールを奪う事は出来ず。

35ジンチェンコのパスで29ハヴァーツが
裏に抜け出した所までは完璧だったと思いますが
ゴール正面の位置には
14エンケティアがフリーでいましたので
ファーサイドから走り込んできた24ネルソンではなく
ゴール前の14エンケティアに折り返した方が
確実性は上がっていたか様に感じます。

同時に仮に24ネルソンを狙ったのならば
もっと鋭く速い折り返しを送ってあげた方が
24ネルソンは合わせやすかったと思いますが
この場面でも29ハヴァーツのパスは
なぜか緩いパスを送っていました。

この様に未だに他の選手たちに比べて
プレースピードが遅く鈍く、
完全に別のリズムでプレーしている29ハヴァーツが
今後本当に適応するのかどうか心配です。

その後はブレントフォードに
ゴールに迫られる場面が続きました。

35ジンチェンコから
20ジョルジーニョへのパスが逸れたボールを
ウィッサが落とし
ヤネルトに左脚を振り抜かれてしまった
70分過ぎの場面、
幸いそのシュートは枠を捉えずに救われましたが
またミスから危険な場面を作られてしまいました。

バックラインからのフィードに対して
ウィッサが落としたボールをオネカに
右脚を振り抜かれてしまった76分過ぎの場面、
このシュートも1ラムズデールのファインセーブで
ゴールを死守。

オネカが送った柔らかいタッチのパスを
前線に上がってきていたコリンズがヘッドで競り
そのこぼれ球をイエンセンが折り返したボールを
ヨリゲンセンにヘッドで押し込まれてしまった
77分過ぎの場面、
幸いヘッドで競ったコリンズの所がオフサイドで
ゴールは認められず。

左サイドからゴドスが入れたクロスが
ファーサイドにまで流れてきた83分過ぎの場面、
そのボールを収めたルイス・ポッターに
左脚を振り抜かれてしまいましたが
このシュートも15キヴィオルの
身を挺したブロックでゴールを死守。

アーセナルゴールに迫られる場面が何度かありましたが
最後まで集中して守り切り
試合はこのまま0−1で勝利。

ウエスト・ハムとの4回戦に駒を進めました。

まずCBとして先発した18冨安は
CBとしても十分に機能する事を
しっかりと証明したと思います。

スピードやクイックネスに優れる
相手アタッカーに対しても
全く引けを取る事はなくしっかりと対応し
デュエルの局面でも強度不足を感じる場面はなかったと思います。
同時に前に出て行く判断や
カバーリングする判断の誤りもなく
19分過ぎの場面の様なビッグブロックを観せて
チームを救う場面もあった様に
ディフェンス面に関しては
2サリバや6ガブリエウや4ホワイトに比べても
大きな差は感じなかったと思います。

一方で唯一物足りなかったのが
パスの面だと思います。
ロングフィードなりビルドアップのショートパスなり
上記の3人に比べると無難なものが多く
周囲とのタイミングが合わずに
手詰まりになる場面やミスパスになる場面もありましたので
この辺りが改善されれば
CBとしても出場機会が巡ってくる様に感じます。

とは言え、CBのバックアッパーのライバルに当たる
15キヴィオルも左SBで先発した後に
後半途中から右CBに移り
しっかりとアピールしていたと思います。
その15キヴィオルも左利きですが
右脚も遜色なくボールを扱える事が出来、
しかも左脚から放たれるロングフィードの精度は
非常に高いと思いますので
18冨安にはない良さを持っていると思います。

とにかく、35ジンチェンコ以外の5人がCBでプレー出来、
4ホワイトは右SBと、15キヴィオルは左SBと、
そして18冨安が両SBと兼務出来る事で
明らかに頭数が足りていないDF陣の現状を
何とか乗り切って欲しいと思います。

そして右インサイドハーフで先発した10スミス・ロウも
彼らしさを出す場面があって
良かったと思いますが
果たして10スミス・ロウは
インサイドハーフのポジションに
適しているのかどうか
疑問に感じるところもありました。

10スミス・ロウのストロングポイントは
ボールを持った状態でドリブルで仕掛ける
ラン・ウィズ・ザ・ボールや
スペースのない所でのコンビネーション、
そしてスペースを見付ける的確なビジョンと
そこに最適なタイミングで飛び込む
タイミング感覚だと思います。

実際30分過ぎの場面では
パスを受けた10スミス・ロウは
トップスピードのまま切り込んで行き、
そして20ジョルジーニョとのコンビネーションで
トップスピードのままペナルティ内に入って行き、
ブロックに来たピノックとコリンズの逆を突いて
出来たスペースに飛び込んで行きシュートを撃つと言う
10スミス・ロウのストロングポイントの全てが詰まった
仕掛けを観せてくれました。

元々10スミス・ロウは攻撃的MFに分類され
決定的なラストパスを送って
ゴールを演出するパッサー寄りの選手だったと思いますが
ファーストチームに定着してからは
シュートチャンスを演出するプレーよりも
自らが動く事でチャンスを作り
自らがフィニッシュの局面に
顔を出す事で存在感を発揮する
アタッカーもしくはフィニッシャー色が
強くなっている様に感じます。

それに伴ってなのか
アタッキングエリアに入る前に
ボールを持って自らゲームメイクする意識はあまり感じず
無難にパスを回す場面が多い様に
ゲームメイカーとして
ボールに絡む場面が減っている様に観えます。

例えば8ウーデゴールは
中盤でボールを持った所から
そのまま持ち上がるなり
パスで展開するなり
深い位置からボールと絡みながら共に移動して
アタッキングエリアに入って行きますが
最近の10スミス・ロウは
中盤でボールを受けても
そのボールを他の選手に託して自分は止まってしまう事が多く
その後アタッキングエリアに入ってから
ボールに絡み出す様な違いがある様に感じます。

この様な違いを考えますと
ゲームメイクからチャンスメイク
そしてフィニッシュの局面までの
全ての役割を担う
インサイドハーフよりも
前線で自由に動き回る様な
3トップの一角で起用した方が
10スミス・ロウの持ち味が活きる様に感じますし
仮にインサイドハーフで起用するならば
逆サイドのインサイドハーフには
ゲームメイクからチャンスメイクまでの役割を
しっかりと担う事の出来る選手を起用して
10スミス・ロウはフリーマンの様に
縛りがない状況でプレーさせた方が
活きる様に感じます。

よって以前の様な10スミス・ロウは
8ウーデゴールから
ポジションを奪わなければならない関係性から
異なる役割を担って共存する関係に
変わってきたと思いますので
10スミス・ロウをインサイドハーフで起用するならば
29ハヴァーツや21ヴィエイラと
左インサイドハーフのポジションを
争わなければならないと思われます。

最後にゴールマウスを守った
1ラムズデールはチームを救う
スーパーセーブを観せるなど
流石の所を観せたと思います。

一方で前記の様にバックラインから
丁寧にパスを繋いでビルドアップするだけではなく
この試合では前線に向けて
シンプルにロングキックを蹴る場面が非常に多かったのは
気になります。

試合後アルテタ監督は
「ダイレクトにプレーし過ぎた事で難しくなった」と
コメントしていましたので
元々アルテタ監督の指示があった訳ではなく
1ラムズデールの判断で行っていた可能性があります。

もっと深読みするのならば
今回の正GKの交代劇の理由は
22ラヤの方が足元の技術レベルが高い為に
バックラインから丁寧にパスを繋ぐ
アルテタ監督の戦術には
22ラヤの方が適している為と考えるのが
一般的だと思いますので
昨シーズンまでその戦術に則って
バックラインから丁寧に繋いできた自分のプレーが
信頼出来ないのならば
ロングキックを蹴った方が、、、、と
1ラムズデールは反抗している様にも、、、。

仮に本当に1ラムズデールが
バックラインから丁寧に繋いでビルドアップすると言う
アルテタ監督の基本戦術を反故にする様に
ロングキックを蹴っていたのならば
アルテタ監督との関係性は
急速に悪くなっている可能性がありますので
非常に心配です。

実際、来夏のユーロ2024にイングランド代表の
正GKとしての出場を目指している
1ラムズデールにとっては
この時期の第2GKへの降格を受け入れるのは
なかなか難しいと思いますので
巷で噂されている様に
この冬に出場機会を求めてアーセナルを離れる可能性は
否定出来ないと思います。

ローテーションを敢行して挑んだ
カラバオ杯ブレントフォード戦は
勝利を挙げたとは言え
試合内容的には十分ではなかったと思います。

その上、怪我人が続出している現状を考えますと
週末のPLボーンマス戦も
ベストメンバーが組めない状況になる可能性が
高くなっていますので
この夏に改善に努めていた
選手層の問題に対する真価が
問われる試合になるかもしれません。


C'mon Arsenal !!


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2サリバ       PL:0G1A
9ジェズス      PL:1G0A CL:1G0A
7サカ        PL:3G2A CL:1G1A CS:0G1A
8ウーデゴール    PL:2G0A CL:1G0A
11マルティネッリ   PL:0G2A
14エンケティア    PL:2G0A CC:0G1A
19トロサール     PL:1G0A CL:1G1A CS:1G0A
21ヴィエイラ     PL:0G2A
24ネルソン      PL:0G0A CL:0G1A CC:1G0A
41ライス       PL:1G0A


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