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PL2:Crystal Palace vs ARSENAL [Arsenal マッチリポート]

Crystal Palace 0−1 ARSENAL
2023年8月21日(月)Premier League, Selhurst Park

Goal
 (54)8Ødegaard(pk)
 
Sent off
 (68)18Tomiyasu

1Ramsdale

5Thomas  4White  2Saliba  18Tomiyasu

41Rice

8Ødegaard     29Havertz

 7Saka              11Martinelli

14Nketiah



(70)11Martinelli>>>6Gabriel
(79)14Nketiah>>>20Jorginho
(89)8Ødegaard>>>35Zinchenko
(89)7Saka>>>15Kiwior

Substitutes
 22Raya
 21Vieira
 10Smith Rowe
 24Nelson
 19Trossard


Arsenal 1.jpgクリスタル・パレスとのPL第2節は
数的不利の状況をなんとか凌ぎ切り
開幕2連勝を飾りました。

先発は開幕戦で右膝前十字靭帯損傷の怪我で
長期離脱が決まった12ティンバーに代わり
18冨安が左SBに入った以外は
開幕戦と同じメンバーが組まれました。

この試合も偽SBの5トーマスを右SBで起用する
システムで挑みましたが
前節よりもよりフレキシブルに機能する様になった事もあり
アーセナルが早々に流れを掴み
圧倒的にボールを支配する形で始まりました。

7サカが送った浮き球パスを
14エンケティアがヘッドで落とし
そのこぼれ球を収めた29ハヴァーツが
ラストパスを送った1分過ぎの場面
そのパスを逆サイドで受けた11マルティネッリが
カットインした所から右脚を振り抜きましたが
ブロックされてしまいゴールを奪う事は出来ず。

4ホワイトが柔らかいタッチの浮き球のパスを
右サイドの裏に向けて送った10分過ぎの場面、
そのパスを受けた7サカは
ダイレクトで折り返しましたが
そのパスを受けた14エンケティアは収めましたが
シュートを撃つ前にブロックされてしまい
ゴールを奪う事は出来ず。

自陣でボールを奪い返した7サカから
14エンケティアに繋げられた13分過ぎのカウンターの場面、
そのボールを持ち込んだ
14エンケティアからのラストパスを受けた7サカが
右脚を振り抜きましたが
このシュートもブロックされてしまいゴールを奪う事は出来ず。

そして決定機を生み出す事に成功しました。

28分過ぎ、右サイドで
5トーマスと7サカと29ハヴァーツが
シュラップを取り囲んでボールを奪い返した所から
7サカがラストパスを送りました。
そのパスを受けた14エンケティアは
鋭く反転してアンデルセンをかわして前を向き
そのままグエイとてアンデルセンの間を切り込んで行った所から
左足で流し込む様にシュートを撃ちましたが
そのシュートはポストを叩き
惜しくもゴールを奪う事は出来ず。

確かにグエイのプレッシャーを受けていたとは言え
完全に前を向けていましたので
決めなければならない場面だったと思います。
その一方で7サカのパスを受け
鋭く反転してCBの二人の間を切り込んで行った
14エンケティアの仕掛けは鋭く素晴らしかったと思います。

35分過ぎ、右サイドから7サカ〜8ウーデゴール〜
41ライスと繋いだ所から送られたスルーパスで
裏に抜け出した14エンケティアが
前に出てきたジョンストンの頭を越す様に
チップキックを放ちました。
残念ながらそのシュートは枠を超えてしまい
ゴールを奪う事は出来ませんでしたが
流れる様にパスが繋げられた所から
14エンケティアの動きに合わせて送られた
41ライスのラストパスまでは
完璧な仕掛けだったと思います。

一方で14エンケティアのチップキックは
アイデアとしては良かったと思いますが
前に出てきたジョンストンとの距離が近かった事と
ジョンストンのブロックの姿勢が
腰が高く股間が大きく空いていた事を考えますと
股間を抜いた方が得点を奪う確率は高かったと思います。

その後もクリスタル・パレスゴールに迫りました。

41分過ぎ、7サカが14エンケティアに送った
パスのこぼれ球を収めた8ウーデゴールが
ペナルティの外側から左脚を振り抜きましたが
このシュートはジョンストンのファインセーブに阻まれ
ゴールを奪う事は出来ず。

42分過ぎ、7サカが倒されて得たFKを
7サカが素早くリスタートして送ったパスで
右サイドの裏に抜け出した5トーマスが中に折り返し、
その折り返しに対してファーサイドで11マルティネッリが
ダイレクトボレーで右脚を振り抜きました。
そのシュートは残念ながら枠を捉える事が出来ませんでしたが
ボールを完璧に捉えた良いシュートだったと思います。

一方で前半の間で危険な場面は
この場面位だったと思います。

34分過ぎ、29ハヴァーツの中途半端な浮き球のバックパスを受けた2サリバが
トラップして収め様としたその隙を
アイェウに突かれてボールを奪われてしまい
そのままドリブルでゴールに向かわれてしまいました。
幸い追走して行った2サリバの完璧なタイミングで仕掛けた
スライディングタックルで
ボールを奪い返しましたが
一瞬緩みが出てしまった危険な場面だったと思います。

圧倒的にボールを支配しながらも
やはりこの試合でもクリスタル・パレスゴール前での
精度が足りずに
前半の間ではゴールを奪う事が出来ませんでしたが
後半に入って早々にPKの獲得に成功しました。

50分過ぎ、7サカが倒されて得たFKを
11マルティネッリが裏のスペースに向けて
素早くリスタートしたパスで
14エンケティアが抜け出した所で
前に飛び出してきたジョンストンと交錯してPK獲得

54分、そのPKを8ウーデゴールが冷静に決めて
先制ゴール!!

しかしここでトラブルに見舞わられてしまいました。

58分過ぎ、左サイドでスローインを得た場面で
最初は29ハヴァーツがボールを持っていましたが
その後ボールを渡された18冨安のスローインが遅いとして
遅延行為が取られてイエローカードが提示されてしまいました。

確かに元々18冨安はスローインの時に
ボールを入れるのが遅い方ですが
この場面で18冨安がイエローを受けるのは
不憫すぎると思います。
実際、後方の状況を確認した後に
前方の状況を確認してからボールを入れるまでの
一連の動きは普通の動作だと思います。

もっと言うのならば、遅延行為として
イエローカードを提示するのならば18冨安ではなく
29ハヴァーツの方でなければならないと思います。

ボールを持っていた選手が
スローインする選手にボールを渡す行為は
実際良くある行為ですが
ボールを拾った11マルティネッリから
最初にボールを渡された29ハヴァーツは
一度ボールを頭の上にまで持っていって振りかぶった後に
18冨安にボールを渡していますので
これは遅延行為に当てはまると思います。

29ハヴァーツが振りかぶらずに
そのまま18冨安にボールを渡したのならば
元々最後列の選手がスローインを入れる事が決まっていた為に
ボールを渡したと言う
明確な理由を提示する事が出来ますが
一度スローイング動作に入った後に
それを辞めてまで18冨安にボールを渡さなければならないと言う
明確な理由を提示する事は実際難しいと思います。

今シーズンから遅延行為が
イエローカードの対象になりましたが
この様な状況の時にどの様な行為が遅延行為に当たると言う
基準を明確にしていない所が
そもそも最大の問題だと思います。

例えば、『ボールがタッチラインに出た時には
10秒とか15秒以内にボールを入れなければならない』とか、
『スローインする選手は
ラインの外に出たボールを最初に触った選手か
その選手からボールを渡された選手に限り
更に他の選手にボールを渡した時には遅延行為とする』とか、
誰もが納得する基準を提示していないのが
そもそも問題だと思います。

実際VAR用に審判がいる訳ですので
時間を使い過ぎているかどうかは
その審判にタイマーを持たせて計測させて
オーバーしたら無線で主審に連絡すれば良いだけですので
何か新しい技術も必要はありません。

もっと言えばこの様な場面での遅延行為に対しては
イエローカードではなく
相手ボールにする罰則の方が
明らかに有効だと思います。

例えば後半アディショナルタイム等で
どうしても時間を潰したい時には
イエローカードを受ける覚悟で
遅延行為をする事もあると思いますが
仮に遅延行為をする事で
マイボールが相手ボールになってしまうのならば
この様な状況での遅延行為は
誰もしなくなると思います。

これでイエローカードを提示した後の
抗議でワチャワチャする無駄な時間がなくなるのは勿論の事、
相手チームはスローインから
カウンターを仕掛けるチャンスを得ますので
間髪入れずにリスタートする事になれば
更に無駄な時間を減らす事が出来ます。

無駄な時間を減らしたいと言う方針は賛成ですが
この様にちょっと考えれば誰でも思い付く様な対応策を
本当に思い付いていないと言うのならば
どこかの国の総理大臣や内閣と同様に
あまりにも低レベルだと言わざる得ないと思います。

しかし18冨安の不運はこれだけに留まらず
更なる不運に襲われてしまいました。

68分、アイェウを倒したとして
18冨安が2枚目のイエローカードを受けて
退場処分を受けてしまいました。

ここで問題なのはこの場面で本当にファールがあったのか?
と言う問題です。

アンデルセンからのフィードが
18冨安とアイェウの頭を越した為に
入れ替わられる様に前に出ようとしたアイェウに対して
18冨安がシャッツを引っ張って倒した
と言う判定だと思われます。

実際、駆け抜け様と前傾姿勢だったアイェウが
上体が戻り両膝を着く格好で止まりましたので
通常ならば後方から引っ張られなければ
この様な体勢にはならないと思われます。

一方でこの時に18冨安が
アイェウとコンタクトしていたのは左手だけで
しかもアイェウの右の骨盤辺りにありました。

仮に18冨安の左手がアイェウの肩辺りにあれば
そこを掴んで後ろに引っ張る事は出来ると思いますが
右の骨盤辺りを掴んで引っ張ったとしても
アイェウの体は時計回りに回転する事はあっても
後ろに引っ張られる様な格好にはならないはずです。

唯一その位置でシャツを引っ張った時には
アイェウは後ろに引っ張られる様な格好になる可能性がありますが
この時のアイェウのシャツは1mmも伸びていませんので
アイェウのシャツが全く伸びない
特注のシャツでない限りシャツを引っ張った形跡もありません。

よってこの場面では18冨安はファールを犯しておらず
何もされていないのに勝手に倒れた
アイェウのダイブを主審は見逃したと言えると思います。

この過ちをFAが真摯に受け止めて
撤回される事を望みます。

とは言え、アーセナルの対しては
他のチームに対する判定基準とは
全く異なる判定基準が運用されているのは
誰もが知る所ですので
その判定基準に則れば
今回の一件も撤回される事はないかもしれません。

CKの時にGKが相手選手に抱え込まれて
身動き取れない状況にされても
それはファールではなく
オフサイドのチェックをしているはずのVARで
チェックするのを忘れる等
ゴールに直結する場面でもスルーですので
今回もきっと何もなかった様に
スルーされるはずです。

どうやら今シーズンも常に12人の相手と
戦わなければならなくなりそうですので
本当に勝利を掴み取りたければ
3−0、4−0、5−0は勿論の事
場合によっては10−0位の大差を付けて
邪魔をしても無駄だと言う事を
分からせなければならないかもしれませんね。

この18冨安の退場を受けて
数的不利になったアーセナルは
1点を守り切る事に全勢力を費やす事になりました。

まずアルテタ監督は
11マルティネッリに代えて6ガブリエウを投入して
4ホワイト&2サリバ&6ガブリエウの3人に3CBを組ませ、
偽SBの5トーマスは右SBの位置に留めさせ
そして7サカを左SBの位置に移した5バックに変更しました。

しかし5人がフラットに並ぶDFラインの前に並べた
8ウーデゴール&41ライス&29ハヴァーツの3センターが
ボールをキープする事が出来なかった為に
ズルズルと下がってしまうばかりで
クリスタル・パレスの攻撃を跳ね返すのが
やっとの状況でした。

この状況に対してアルテタ監督は
14エンケティアに代えて
20ジョルジーニョを投入して
8ウーデゴール&20ジョルジーニョ&41ライスの
3センターへ変更してきました。

しかしこの布陣でもクリスタル・パレスの攻撃を
跳ね返すのがやっとの状況が変わらなかった為に
7サカと8ウーデゴールを下げて
35ジンチェンコと15キヴィオルを投入して
2サリバ&6ガブリエウ&15キヴィオルの3CBに
右SBに4ホワイト、左SBに35ジンチェンコを加えた5バック、
そして5トーマス&20ジョルジーニョ&41ライスの
3センターというブロックに変更されました。

この交代で言うなれば本職のSBの選手が
両SBに入った事で下がって守り続ける状況から
マイボールになった時には
その35ジンチェンコと4ホワイトが
積極的に高い位置にまで出て行く様になり
これによりワイドの位置に
ボールの預ける事が出来るポイントが作られた事で
ボールを保持する事が出来る時間を
増やす事に成功しましたので
最後のこの交代は非常に効いていたと思います。

18冨安が退場処分を受けてからの約30分、
本来ならば長い30分だったと思いますが
その長い30分を長いと感じさせない様な
集中力を観せて最後まで1点を守り切り
0−1で開幕2連勝を飾りました。

数的不利の状況に貶められた30分は別として
それまでの時間帯は
5トーマスを偽SBにするシステムは
前節よりもより機能的になっていたと思います。

前節では5トーマスが
41ライスと並ぶ様な位置に入ってきて
ダブルボランチを組む従来型の偽SBシステムのパターンと
5トーマスが中に入ってくると
41ライスが前に出て29ハヴァーツがトップ下に移る
中盤をダイヤモンド型にするパターンを
時間帯によって使い分けていましたが
この試合ではもっと多くのパターンを
フレキシブに使っていた所は印象的でした。

・5トーマスと41ライスがダブルボランチを組む
 最もシンプルな形、
・アンカーに41ライスを残して
 5トーマスがそのまま前に出て行く形
・5トーマスが中に入ってくると
 41ライスが前に出て行く形、
・5トーマスが4ホワイトと2サリバの間に落ちて行くと
 4ホワイトが外に開いて行き
 そのまま右SBの様にライン側を上がって行く形
・5トーマスが中に入らず本来の4−3−3の
 右SBとしてライン側を上がって行く形等

流れの中で非常にフレキシブルに動いていたと思います。

クリスタル・パレスの守備を観ると
中に入ってくる5トーマスと41ライスに
エドゥアールとエゼが付く形を想定していた様に観えましたが
この様にその時その時で目まぐるしく形が変わる3列目の状況に
付いて行けていなかったと思います。

昨シーズンの35ジンチェンコを偽SBとするシステムでは
その35ジンチェンコが自由に動いても
アンカーを務めていた5トーマスや
DFラインの他の選手は基本的には自分の持ち場を
維持していたと思いますが
今シーズンはそこから一歩前に踏み出して
攻撃的な選手達が自由にポジションを変えながら
連動的に動いて仕掛けていた様に
後ろ半分の守備陣の選手達も
自由にポジションを変えながら連動的に動く事で
フィールドプレーヤーの10人全てが
自由にポジションを変えながら連動的に動いて
試合を支配するチームの確立を
アルテタ監督は目指している様に感じます。

とは言え、ここまでの2戦でPKでの1ゴールを含めた
3ゴールしか奪えていませんので
チームとしての機能性は
昨シーズンよりは劣っていると思います。

今後、35ジンチェンコや9ジェズスが
怪我から復帰して合流してきた時に
最終的にどの様な形になるのかはまだ分かりませんが
ただ言える事は昨シーズンは
全く歯が立たなかった王者シティを倒す為に
アルテタ監督は選手の補強するだけではなく
チームをより進化させようとしている事だけは
確かだと思います。


C'mon Arsenal !!


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2サリバ       PL:0G1A
7サカ        PL:1G0A CS:0G1A
8ウーデゴール    PL:1G0A
11マルティネッリ   PL:0G1A
14エンケティア    PL:1G0A
19トロサール     CS:1G0A


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