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PL9:Chelsea vs ARSENAL [Arsenal マッチリポート]

Chelsea 2−2 ARSENAL
2023年10月21日(土)Premier League, Stamford Bridge

Goal
 (15)Palmer(pk)
 (48)Mudryk
 (77)41Rice
 (84)19Trossard(←7Saka)
 

22Raya

 4White  2Saliba  6Gabriel  35Zinchenko

20Jorginho

8Ødegaard     41Rice 

 7Saka               11Martinelli

9Jesus



(46)35Zinchenko>>>18Tomiyasu
(68)20Jorginho>>>10Smith Rowe
(68)9Jesus>>>14Nketiah
(78)8Ødegaard >>>29Havertz
(78)11Martinelli>>>19Trossard

Substitutes
 31Hein
 15Kiwior
 5Thomas
 24Nelson


Arsenal 1.jpg不運な形からのPKと偶然の産物の様なゴールで
2点リードされた状況から
終盤意地を観せて
何とか追いつきました。

先発は中盤の構成は
アンカーに20ジョルジーニョを置き
インサイドハーフに8ウーデゴールと
41ライスが並ぶ
前節のシティ戦と同じメンバーが組まれた一方で
ハムストリングの怪我で
前節のシティ戦を欠場した7サカが復帰して
左サイドで先発し、
右に11マルティネッリ、
1トップに9ジェズスが入る
4−3−3が組まれました。

試合は雨足が強く
ピッチの状態が悪かった為なのか
些細なミスが多く
試合開始からピンチを迎えてしまいました。

チアゴ・シウバのロングフィードを受けたスターリングに
深い位置にまで侵入された所から
折り返されてしまった50秒過ぎの場面、
そこからの折り返しは6ガブリエウがカットしましたが
そのこぼれ球を収めた35ジンチェンコが
11マルティネッリに出したパスを
カイセドにカットされてしまいました。
そのカイセドからのパスを受けたギャラガーのシュートは
4ホワイトがブロックし、
そのこぼれ球を受けたフェルナンデスのシュートも
枠をとらえず救われましたが
ペナルティ内で出すパスとしては
35ジンチェンコのパスは
あまりにも軽率なパスだったと思います。

サリバからのパスを受けた41ライスが
ダイレクトで戻そうとしたパスが
パーマーがカットされてしまった1分過ぎの場面、
幸いそのままボールを持ち込んできた
パーマーからスターリングへのパスが逸れた為に
このショートカウンターは完結せずに救われましたが
何でもないダイレクトパスがヒットしなかった
41ライスのパスも不注意だったと思います。

そして不運な形からPKを献上してしまいました。

10分過ぎ、左サイドから入れられた
スターリングのクロスを
ムドリクにヘッドで合わされたボールが
競っていた2サリバの手に当たってしまい
VARの結果ハンドが取られてPK献上。

15分、そのPKをパーマーに決められたしまい失点。

その後も中々ペースを掴めませんでしたが
何度かチャンスはありました。

19分過ぎ、35ジンチェンコからのスルーパスで
左サイドを抜け出した41ライスが
右脚のアウトサイドで中に折り返しましたが
ゴール前に入ってきた9ジェズスには合わず。
ゴールに向かって入ってきた9ジェズスはまだしも
7サカはもっと早く反応して
ファーサイドに走り込んできていたら
フリーで飛び込めたと思いますので
反応できなかったのは残念でしたし
タイミング的には41ライスの2タッチ目の時に
右足のインフロントに引っ掛けて
ファーサイドを狙っても面白かったと思います。

25分過ぎ、7サカからのパスを受けて
裏に抜け出した4ホワイトが送った
グラウンダーのクロスを
ペナルティ内で受けた9ジェズスが
反転してシュートを撃ちましたが
チアゴ・シウバにブロックされてしまい
ゴールを奪う事は出来ず。

その後も流れを掴む事が出来ないまま
チェルシーに何度かゴールに迫られてしまいました。

ドリブルで切り込んできたギャラガーからの
ラストパスを受けたパーマーに
左脚を振り抜かれてしまった29分過ぎの場面、
そのシュートは幸い僅かにポストの外側で救われましたが
上手くタイミングを合わされて
6ガブリエウの股を抜かれてしまった
技術レベルが高いシュートだったと思います。

パーマーからのパスを受けたスターリングが
35ジンチェンコをかわして
ドリブルで切り込まれた所からの
ラストパスを受けたグストにシュートを撃たれてしまった
43分過ぎの場面、
そのシュートは枠を捕らえずに救われましたが
絶好調の今シーズンのスターリングを抑えるには
35ジンチェンコには重荷だったのは
間違いない場面だったと思います。

その様な状況を観てアルテタ監督は
後半頭から35ジンチェンコに代えて
18冨安を左SBに投入してきました。

勿論、35ジンチェンコが良い様にあしらわれていた
スターリングへの対策として
18冨安を投入したのは間違いないと思いますが
同時にこの試合では左インサイドハーフの41ライスが
頻回に下がってきて
アンカーの20ジョルジーニョと
ダブルボランチの様に並ぶ場面が多かった為に
偽SBとして中盤の底でゲームメイクする事が
最大の特徴である35ジンチェンコのその特徴を
活かす場面があまりありませんでしたので
35ジンチェンコをピッチに残さなければならない
理由は殆どなかったと思います。

実際、左SBに入った18冨安は
スターリングを完全に封印していたと言って良い
パフォーマンスを観せていましたので
アルテタ監督の狙いは的中していたと思います。

とは言え、41ライスが頻回に下がってきた事が
前半の流れを悪くして
テンポアップ出来なくしていた一因にも
なっていたと思います。

解説でも触れていましたが
ビルドアップの段階で
41ライスが下がってきてしまうと
中盤の底と前線とを繋ぐ役割をする選手が
右サイドの8ウーデゴールと
下がってくる9ジェズスに限られてしまい
左サイドには繋ぐ選手がいなくなってしまう為に
スムーズにビルドアップする事が
出来なくなっていたと思います。

その為、チェルシーのブロックが築かれる前に
相手のアタッキングエリアに入る事も出来なくなり
ただ後ろでボールを持っている時間が長くなるだけで
本当の意味でボールを持って
攻撃を仕掛ける時間を作るのに
苦労していたと思います。

元々、中盤の広い範囲をカバーする事が出来る機動力が
41ライスのストロングポイントの一つではありますので
中盤の底まで下がってきてボールに絡む事を
好んでするのも仕方がないかもしれませんが
後半からはアルテタ監督から指示があったのか
ボールが右サイドにある時は
中盤の底のラインにまで下がってくる事はあっても
ボールが左サイドに回ってきた時には
41ライスは前に出る様になり
それによりボールの流れは大分良くなったと思います。

とは言え、前に出ずにライン側に開くだけの場面もまだ多く
バックラインからのボールの逃げ所としては
良い位置だと思いますが
ビルドアップの観点から観ると
あまり効果的なポジショニングとは言えませんので
まだもう少し修正は必要だと思います。

この様に後半は少し修正されて
全体的に前に出れる様になり始めた矢先に
不運な形から失点してしまいました。

48分、ギャラガーからのパスを受けて
右サイドを侵入してきたムドリクが送ったクロスが
そのままゴールに吸い込まれてしまい失点。

上背のない22ラヤは相手のアタッカーよりも
より早く良いポジションを取り
より良い状態でジャンプする事で
ゴール前の制空権を保っている関係で
クロスが入れられた時には
ゴールより少し前目のポシションを
取りがちのGKだと思います。

その事もありこの場面でも
前目のポジションを取っていた22ラヤを見たムドリクが
直接狙った可能性は否定出来ませんが
どちらにせよ以前も書きましたが
山なりの軌道のクロスに対して
ステップバックしながらジャンプして
対応しなければならない状況が
上背のない22ラヤの唯一の
そして最大の弱点だと思いますので
結果としてはこの様なボールに対して
処理しきれないリスクがある22ラヤは
自分の背後を意識したポジショニングを取るなり
何らかの対応が必要だと思います。

2−0にリードされてしまいましたが
勢いを取り戻したアーセナルは
徐々にチェルシーゴールに迫り出しました。

41ライスからパスを受けた11マルティネッリが
カットインした所から右脚を振り抜いた52分過ぎの場面、
そのシュートはチアゴ・シウバにブロックされてしまい
枠を捉える事は出来ませんでしたが
この仕掛けに至るまでのデュエルの局面では圧倒し
その後の右から左への展開に対して
チェルシーの守備陣が後手に回った様に
アーセナルの攻撃陣のテンポが上がってきた印象を受ける
仕掛けだったと思います。

11マルティネッリが蹴った左CKのこぼれ球を
20ジョルジーニョがダイレクトで右脚を振り抜いた
55分過ぎの場面、
そのシュートはブロックされてしまい、
そのこぼれ球を最終的に18冨安が右脚を振り抜きましたが
そのシュートもカイセドに当たり枠を捉えられず。

一方でミスから危険な場面を作ってしまいました。

56分過ぎ、バックラインでボールを回している時に
6ガブリエウからのパスを受けた22ラヤが
41ライスに出したパスを
パーマーにカットされてしまいました。
幸いそのパーマーに対して22ラヤは
上手く距離を詰めた事で
シュートをブロックする事に成功しましたが
6ガブリエウサイドからそのままボールを追って
寄せてきていたパーマーは
6ガブリエウへのパスコースを消しながら
41ライスへのパスコースを残す様に接近して
41ライスへパスを出させる様に
明らかに誘っていたと思いますので
その誘いに乗って41ライスへパスを出してしまった
22ラヤは軽率だったと思います。

仮にここで3点目を奪われていたら
この試合は完全に終わっていたと思いますので
ある意味この試合の
ターニングポイントの一つだったと思います。

更に危険なカウンターを受ける場面もありました。

66分過ぎ、アーセナルの右CKからの流れで
パーマーが前方に大きく蹴り出したボールを
スターリングに収められてしまい
そのスターリングからのスルーパスで
抜け出してきたジャクソンに
22ラヤと1対1の状況を作られてしまいました。
その状況に対して素早く前に出た22ラヤは
ジャクソンが動くのをしっかりと見極めて距離を詰めて行き
素早くボールを奪い取る事に成功しましたが
非常に危険な場面でした。

自らのミスパスを犯した場面も
このカウンターの場面も
気が付いた時には22ラヤの間合いに誘い込まれている様な
距離の詰め方は俊逸で
しかも不用意に飛び込む事なく
相手の動きを完全に見極めて
相手が動き出したタイミングで一気にボールを奪いに行く
駆け引きは素晴らしかったと思います。

その後はハイテンポの一進一退の展開が続きましたが
今度は相手のミスからスーパーゴールが生まれました。

77分、コルウィルからのバックパスを受けた
サンチェスがフェルナンデスに出したパスが逸れた所を
素早く反応した41ライスが
ダイレクトで右脚を振り抜きゴール!!

サンチェスがゴールを空けて
ビルドアップに参加していた事もあり
ゴールがガラ空きだった事を見逃さずに
30m強以上の距離からのロングレンジのシュートを
正確に叩き込んだ41ライスの技術の高さを観せた
スーパーゴールだったと思います。

このゴールでさらに勢いづいたアーセナルは
この試合でも途中出場した選手が
ゴールを奪いました。

84分、29ハヴァーツからのパスを受けた
7サカが送ったクロスを
ファーサイドに走り込んできた19トロサールが
右脚のアウトサイドで合わせてゴール!!

シティ戦では怪我で前半のみで退いた
19トロサールに代わって
後半頭から投入された11マルティネッリが
決勝ゴールを奪い、
この試合では11マルティネッリに代わって
終盤投入された19トロサールが
試合を振り出しに戻す
同点ゴールを奪う。

アルテタ監督の采配が的中したと言えばそうですが
11マルティネッリが出てきても
19トロサールが出てきても
どちらも結果を出す活躍を観せた様に
長い間問題だった選手層の問題は
確実に改善してきていると言えると思います。

終盤もチェルシーゴールに迫る場面はありました。

85分過ぎ、4ホワイトが送った
裏のスペースへのフィードに対して
走り込んできた14エンケティアが
チアゴ・シウバと競り合いながら
強引に脚を伸ばして
ダイレクトシュートを放ちました。

残念ながらそのシュートは
枠を捕らえられませんでしたが
ここまでのチアゴ・シウバに抑えられていた
14エンケティアがそのチアゴ・シウバに競り勝って
シュートに繋げる事が出来た意義は
大きかったと思います。

その後もアグレッシブにゴールを目指しましたが
両チーム共にゴールを奪う事が出来ずに
2−2でドロー。

前半は完全にチェルシーの試合でしたが
後半は何とか持ち直して
最終的にドローに持ち込む事が出来ましたが
この後半の様なプレーを
前半から出来ていたら
違う結果になっていた可能性があったと思います。

現状としては41ライスが
インサイドハーフで起用された時の振る舞い方には
まだまだ修正が必要だと思います。

元々20ジョルジーニョには
機動力や強度が足りないと言う問題がありますので
インサイドハーフに入った41ライスが
守備時にはアンカーの20ジョルジーニョと
ダブルボランチの形を形成する事で
20ジョルジーニョが不足している
機動力や強度を補填する意図があるのだと思いますので
仮にアンカーに5トーマスを起用した時には
また異なる状況になる可能性はありますが
どちらにせよ41ライスをインサイドハーフで起用する事で
中盤の強度は確実に上がっていると思います。

その一方で前記の様に頻回に下がってきて
ビルドアップの起点として振る舞い出すと
チームの重心が下がりすぎてしまい
かえってビルドアップのスムーズさを欠き
テンポアップ出来ない状況になるのは問題だと思います。

同時に下がってきてビルドアップの段階に
41ライスが頻回に顔を出すと
35ジンチェンコが中に入って行くスペースも消されてしまい
偽SBとして振る舞う35ジンチェンコは
浮いた存在になってしまいますので
ビルドアップの段階は35ジンチェンコに任せて
41ライス自身はもっと積極的に前に出て
中盤の底と前線との繋ぎ役に徹する
必要性があると思います。

反対に41ライスが下がる事を基本とするならば
偽SBとしての35ジンチェンコの存在意義が薄くなりますので
ディフェンス面を考慮して
左SBには18冨安の起用を考慮するべきだと思いますし、
3ティアニーの様なサイドの高い位置にまで攻め込む
攻撃的なSBの起用を考えるべきの様に感じます。

その18冨安は前半手を焼いていたスターリングを封印した様に
エースキラーとして圧巻のパフォーマンスを観せたと思います。
そしてシティ戦で結果を出した事で
メンタル的に余裕が生まれたのか
中に入ってからのプレーにも積極性が出ており
同時にインナーラップして
相手のハーフスペースの嫌な所にも
積極的に顔を出せる様になってきたと思いますので
ボールに絡む場面が増えたのは良いと思います。
とは言え、ポジショニングをあともう少し修正していたら
もっとボールに絡む場面が増え
更に決定的な仕事が出来そうな場面はまだあると思いますので
今後の更なる成長を期待したいと思います。

最後はGK問題です。

アルテタ監督が目指すスタイルでは
バックラインでボールを持つ時は
GKはペナルティの外側にまで出てきて
DFラインの近くでプレーする事を
GKに求めており
実際22ラヤはボールを持っている時には
左サイドに大きく開く6ガブリエウに代わって
左CBの様な位置で
バックラインのボール回しに参加してくる場面が
何度かありました。

その一方でCLランス戦では18冨安へのパスがカットされ
それが失点に繋がり、
シティ戦ではパスを出そうとした所で
果敢に迫ってきたアルバレスにそのパスがブロックされてしまい
危うくゴールを奪われかけました。
そしてこの試合では誘っていたパーマーの誘いに気が付かずに
41ライスに出したパスがペナルティ内でカットされてしまい
失点仕掛けると言う失態を演じてしまいました。

勿論、「たまたま」が続いたと言う可能性もありますが
3試合連続続いてしまいますと
22ラヤもアルテタ監督が求める
11人目のフィールドプレーヤーとしては
実力不足ではないかと言う疑念が上がってきても
おかしくないと思われます。

実際、48分のムドリクのクロスが
そのままゴールに吸い込まれた場面では
仮に1ラムズデールならば防いでいたかもしれませんし、
反対に56分過ぎのパスをカットされた後に
パーマーに対する対応や
66分過ぎのカウンターから
ジャクソンと1対1になった場面での対応など
普通に考えれば絶対的に不利の状況でも
しっかりとゴールを守り切った対応は
流石と言わざる得ない部分もありますので
22ラヤをどの様に評価するかは
非常に意見が分かれると思います。

とは言え、アルテタ監督の目指すスタイルでは
GKが11人目のフィールドプレーヤーとして振る舞う事が
求められていますので
今後も22ラヤがファーストチョイスとして
起用されて行くと思われますが
その22ラヤが11人目のフィールドプレーヤーとして
実力不足と言うのならば
ポジションを奪還する為のチャンスを
1ラムズデールにも与えて欲しいと強く思います。

次はアウェイでのCLセビージャ戦です。

前節のランス戦を落としてしまっている関係で
このセビージャ戦は負けられない試合になってしまいましたので
これまで同様にターンオーバーは数人のみで
ほぼベストメンバーを組んでくると思われますが
ここ2試合サブ組が結果を出している様に
モチベーションが高いサブ組をもっと信頼して
起用しても良い様にかんじます。


C'mon Arsenal !!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

2サリバ       PL:0G1A
4ホワイト      PL:1G0A
7サカ        PL:4G3A CL:1G2A CS:0G1A
8ウーデゴール    PL:3G1A CL:1G0A
9ジェズス      PL:1G0A CL:2G0A
11マルティネッリ   PL:1G2A
14エンケティア    PL:2G0A CC:0G1A
19トロサール     PL:2G0A CL:1G1A CS:1G0A
21ヴィエイラ     PL:0G2A
24ネルソン      PL:0G0A CL:0G1A CC:1G0A
29ハヴァーツ     PL:1G1A
41ライス       PL:2G0A


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