SSブログ

PL2:ARSENAL vs Chelsea [Arsenal マッチリポート]

ARSENAL 0−2 Chelsea
2021年8月22日(日)Premier League, Emirates Stadium

Goal
 (15)Lukaku
 (34)James
 

1Leno

17Cédric 16Holding  22Marí  3Tierney

23Lokonga  34Xhaka 

19Pépé    10Smith Rowe    7Saka

35Martinelli


(61)7Saka>>>14Aubameyang
(67)3Tierney>>>20Tavares
(79)35Martinelli>>>26Balogun


Substitutes
 32Ramsdale
 21Chambers
 31Kolasinac
 15Maitland-Niles
 25Elneny
 24Nelson


Arsenal 1.jpg完敗です。

2試合連続ノーゴールで
ホーム開幕戦を落としてしまいました。

前節ブレントフォード戦での
大量離脱の原因が
新型コロナウイルスの感染の為だった事で
検査が陰性化した14オーバメヤン以外の
9ラカゼット、12ウィリアン、13ルナルソンは
引き続き欠場し、
更に検査で陽性になった4ホワイトが
離脱する事となりました。
同時に怪我で離脱している5トーマス、
6ガブリエウ、30エンケティアも引き続き欠場し
先日獲得した8ウーデゴールは
労働許可証が間に合わずに起用出来ませんので
かなり苦しい布陣で挑む事になりました。

先発はGKに1レノが入り
DFラインは右SBに17セドリック、
左SBに3ティアニー、
CBに16ホールディングと22マリが入りました。
中盤は34ジャカと23ロコンガが起用され
2列目の右に19ペペ、左に7サカ、
トップ下に10スミス・ロウが入り
1トップを35マルティネッリが務める
4−2−3−1が組まれました。

確かにCBに6ガブリエウがいたら、
そして中盤に5トーマスがいたら
違う結果になっていたかもしれませんが
それを差し引いても攻守に良い所を観せる事が出来ずに
まさに完敗だったと思います。

まず守備面に関して最も問題だったのは
ルカクを抑える事が出来なかった所だと思います。

この夏にチェルシーに復帰したルカクは
左利きと言う事もあり
中央からアーセナル陣内の
やや左側でプレーする傾向がある為に
22マリとマッチアップする事が多かったのですが
そのフィジカル的な強さに対して
22マリは全く歯が立ちませんでした。

勿論、単純なフィジカル的な強さだけに限らず
体の使い方や巧みなポストワークのスキル等どれも俊逸で
ルカクの所に入れられる楔のパスが確実に収まる事で
チェルシーの攻撃は非常に機能的になっていたと思います。

よってそのルカクの所で殆ど何も出来ずに
抑える事が出来なかった事が
チェルシーに自由に攻撃させてしまった
一因になっていたと思います。

実際、先制点もルカクのポストプレーから始まりました。

15分、コヴァチッチからの縦パスを受けたルカクからの
リターンを受けたコヴァチッチから
左サイドを上がってきたジェームズに繋げられ
そこから入れられた鋭いクロスを
ゴール前でルカクに合わせられてしまい失点。

最初にコヴァチッチからの縦パスを受けた時のルカクに対して
背後から22マリが対応しましたが
全く揺らぐ事なく綺麗に収められてしまい
この失点の起点になってしまいました。
更にその後ゴール前に向かって動き出したルカクに対して
22マリはその侵入を防ぐ事が出来ないどころか
その圧力に負けて地べたに転がされてしまう程
「赤子の手を捻るように」勝負になっていませんでした。

勿論、左サイドを上がってきていたジェームズに対して
誰もマークに付いていなかったと言うのも問題だと思います。
3ティアニーがマウントに付いて中に絞らされていましたが
本来ならばマウントには34ジャカが付き、
3ティアーはジェームズを
ケアしなければならなかったのかもしれません。
しかしそうするとDFラインの前のエリアを
23ロコンガ一人でカバーしなければなりませんので
それは現実的ではないかもしれません。

そう考えますとそもそも
コヴァチッチがルカクに縦パスを入れる前から
既にジェームズはフリーの状態でしたので
本当ならば7サカが戻って来て
ケアしなければならなかった様に感じます。

そして同じ様な過ちから再び失点してしまいました。

34分、アロンソのパスを受けたハヴァーツからの
リターンパスでアロンソに右サイドを抜け出され、
そこから中に送られたパスをルカクがスルーして
その背後でマウントが受けた所から
左サイドから入ってきていたジェームズにラストパスが送られ、
そのジェームズに右脚を振り抜かれ失点。

ここでも終始ジェームズの事を誰も観ていませんでした。

DFラインの並び的には22マリがルカクを見て
3ティアニーがマウントを見ている形に
この場面でもなっていましたが
ワイドの位置にいたジェームズには
誰も付いていませんでした。

実際、アロンソからルカクに向けてパスが出された時点で
ルカクを16ホールディングが見て
マウントを22マリが見て
3ティアニーがジェームズを見る様に
左に向けて速やかに
スライドするべきだったのかもしれませんが
ジェームズの存在を完全に忘れている様に
誰一人として気にする事なく
フリーの状態でペナルティへの侵入を許し
プレッシャーを受ける事なく
シュートを撃たれてしまったら
失点しても当然だと思います。

そもそも一体誰がジェームズをマークする役割を
担っていたのか疑問に感じます。

まず3−4−2ー1のチェルシーに対して
4−2−3−1のアーセナルが
どの様に守るべきだったのでしょうか?

両SBの3ティアニーと17セドリックが
それぞれWBのジェームズとアロンソを見て
2シャドーのハヴァーツとマウントを
CMFの23ロコンガと34ジャカが見る形ですと
ジョルジーニョとコヴァチッチの2人を
10スミス・ロウ一人で見る必要があり
尚且つ2人のCMFが2シャドーを見ていると
自ずとDFラインに吸収されてフラットになり
DFラインの前のスペースに
大きな穴を空けてしまうかもしれませんので
良い様には感じません。

そうしますと両SBの3ティアニーと17セドリックが
2シャドーのハヴァーツとマウントを見て
WBのジェームズとアロンソは
7サカと19ペペが見る形が
現実的な様に感じます。
確かにこの形ですと7サカと19ペペは
頻回に深い位置まで戻ってくる必要がありますので
重心がかなり低い陣形になってしまい
攻撃力はかなり削がれてしまう事になるかもしれませんが
この2つの失点シーンでは
3ティアニーがマウントを見ていた事を考えますと
元々のプランはこの形だったのではないかと推測されます。

そうなりますとジェームズを見なければならなかったのは
7サカであり
7サカがジェームズをフリーにさせてしまったミスによる
失点と言う事が出来るかもしれません。

まぁ、トゥヘル監督の事ですから
その様なマーカーのズレが生じたのは偶然ではなく
その様な状況が生み出される様に
上手く仕向けられたのかもしれません。

どちらにせよこの試合での守備陣も
ボールにばかり目が行き
広い視野で相手の動きを認識出来ない所は
プレシーズンからずっと指摘されている通りだと思います。

その7サカは良くなかったと思います。
確かに要所要所で仕掛けのコンビネーションを観せる等、
らしいプレーを観せていたと思いますが
全体的にプレースピードと判断が遅く
特にチェルシーの選手に比べますと
インテンシティーに大きな差があった様に感じます。
まだフィジカル的に仕上がっていない為に
動けていないだけかもしれませんが
傍から見たると集中しきれていない様に観えてしまいます。
勿論、ユーロ2020決勝の出来事がありましたので
メンタル的にまだ十分に回復していないかもしれませんが
あえて厳しい事を言わせてもらうのならば
その様な厳しい状況を乗り越えてこそ一流の選手であり
乗り越える為には自ら結果を出して
乗り越えるしかないと思います。

それだけに擁護される意見の中に身を委ね過ぎずに
批判や差別を黙らせる様なガムシャラに頑張る姿を観せて
何事にも屈しない強さを証明して欲しかったとと思います。

それ以外でもこの試合の攻撃陣は全体的に単調で
一つ一つの精度に欠けていた為に
中々効果的な仕掛けを観せられなかったと思います。

その様な状況の中でも印象的なプレーを観せていたのが
23ロコンガでした。

センターサークルのやや右側から
左サイドを駆け上がってきた3ティアニーへ
サイドチェンジのパスを送った9分過ぎの場面、
自陣の深い位置から左サイドのスペースへ
ロングレンジのパスを送った79分過ぎの場面、
前者はその3ティアニーの足下にピタリと合わせ、
後者はボールがゴールラインを割る前に
全速力で駆け上がった20タヴァレスが追い付く完璧なパスで
そこからの折り返しはシュートには繋がりませんでしたが
23ロコンガからの一本のパスで
左サイドを完全に崩してしまう程、効果的なパスを送っていました。

まぁ、63分過ぎの速攻の場面では
駆け上がる14オーバメヤンに向けて
ロングスルーパスを送りましたが
そのロングスルーパスが若干強すぎた為に
前に出てきたメンディにクリアーされてしまい
このビッグチャンスを活かせなかったのは残念でしたが
劣勢のこの試合の中でクオリティの高いプレーを観せ
スタンドを沸かせたのは23ロコンガだったと思います。

仮にこの場面でゴールに繋がる仕事をしていたら
5トーマスが帰ってきた後もCMFの一角のポジションは
そのまま23ロコンガの物になっていたかもしれませんでした。

そして10スミス・ロウも出来る事はしていたと思います。

この試合での10スミス・ロウは
中央に留まってプレーする場面が多く
やはり中でプレーしてこそ
相手に脅威を与える事が出来る存在になれるのだと思います。

そしてゴールに向かうプレーも確実に増えており
アスピリクエタにブロックされてしまいましたが
17セドリックの折り返しを
1タッチ目でクリステンセンとアスピリクエタの間に割って入り
右脚で押し込もうとした68分過ぎの場面は
非常に迫力がありました。

今後8ウーデゴールが合流してきますが
10スミス・ロウを中央でプレーさせないのは
少なからず勿体ない様に感じてしまいます。

この試合では1トップで起用された
35マルティネッリも惜しいチャンスが
なかった訳ではありませんでした。

42分過ぎ、7サカからのスルーパスで
DFラインの裏に抜け出しましたが
戻ってきたリュディガーにカットされてしまい
シュートにまで持って行けず。
確かに7サカからのスルーパスが若干緩かった為に
反転して受けてボールを前に持ち出さなければなりませんでしたが
そのタッチでボールが流れてしまったのは残念でした。

7サカは前記の様にキレが戻っておらず、
19ぺぺも昨シーズンの終盤の活躍が
嘘だった様に沈黙していました。

一方で後半途中から入った14オーバメヤンは
ここ最近の試合の中では
非常にアグレッシブな姿勢を示していたと思います。
まだまだ十分ではありませんが
自らのプレースピードとキレのなさを自覚し
改善に取り組み始めたのならば
もしかしたら奇跡の復活があるかもしれません。

反対に26バロガンはこの試合でも
フィジカル強度の差を痛烈に感じさせられたと思います。
プレー云々の前にシニアのチームの
インテンシティーや当たりの強さに
まだ適応出来ていない印象は否めず
フィジカル的な強度を上げる為にも
シーズン通して出場機会が得られる様なクラブに
ローン移籍に出るのも良いのかもしれません。

昨シーズンはダブルを達成しましたが
現状としてはチェルシーとの間に出来た大きな差を
見せ付けられる試合になってしまいました。

元々テクニカルでクオリティの高いアタッカーを
揃えてるチェルシーですが
ルカクが加わった事で
そのアタッカー陣の力が繋ぎ合わされて
最大限の力を発揮出来る様になった様に感じます。

そういう意味では攻撃陣の力が一つに繋がる事がなく
まとまりに欠けているのが今のアーセナルの攻撃陣であり
8ウーデゴールがルカクの様に
一つにつなぎ合わせる事が出来るのか?
そして2試合連続ノーゴールの状況を打開する為に
より決定力のあるストライカーの獲得は
必要ではないのか?
時間は少なくなりましたが
まだまだ解決しなければならない問題は山積みです。

とにかくこのままならば
次のシティ戦も苦戦する事は必須であり
開幕3連敗の危機に瀕していると思います。


C'mon Arsenal !!



nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。