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PL8:ARSENAL vs Aston Villa [Arsenal マッチリポート]

ARSENAL 0−3 Aston Villa
2020年11月8日(日)Premier League, Emirates Stadium

Goal
 (25)7Saka(og)
 (72)Watkins
 (75)Watkins


1Leno

16Holding  6Gabriel  3Tierney

2Bellerín  18T. Partey 25Elneny  7Saka

  12Willian     14Aubameyang

9Lacazette


(46)15Maitland-Niles>>>8Ceballos
(65)12Willian>>>19Pépé
(65)34Xhaka>>>30Nketiah


Substitutes
 13Rúnarsson
 23D.Luiz
 15Maitland-Niles
 34Xhaka


Arsenal 1.jpg完敗です。

先発は前節のユナイテッド戦と
同じ布陣を組んできましたが
そのユナイテッド戦とは異なり
守備網が完全に崩されてしまいました。

アーセナルに限らず一般的にも3バックは
サイドのCBとWBの間にスペースが生まれやすく
そのスペースに生じる選手間のギャップを
いかにして上手く埋める事が出来るかと言う
問題があると思いますが
結果的にはそこを上手く突かれてしまいました。
特に16ホールディングと2ベジェリンが守る右サイドを
グリーリッシュやバークリーに何度となく崩されてしまい
最後まで対応出来なかったのは残念でした。

アストン・ヴィラのプランは
明確で的確だったと思います。
まず2ベジェリンの裏のスペースで
グリーリッシュやバークリーがパスを受ける事で
右CBの16ホールディングを釣り出す事が
一つのポイントになっていたと思います。

その様な状況の中で16ホールディングは
完全に後手に回ってしまう場面が多かったと思います。
特にグリーリッシュに対しては
スピードでも敏捷性でも劣る為なのか
16ホールディングから積極的に仕掛ける事が出来ずに
グリーリッシュの動きを待つ受け身の対応が多く
それが後手に回る結果を招いた様に観えました。
結局、ボールを奪う事が出来ないだけではなく
独力での仕掛けやコンビネーションに
揺さぶられて止める事も出来ず、
そこに生じた隙から
崩される場面が何度もあったと思います。

開始45秒過ぎ、2ベジェリンの裏のスペースで
パスを受けたグリーリッシュに対して
開いてきて対応した16ホールディングが簡単にかわされてしまい
そこからの折り返しをマックギンに豪快に決められてしまいました。
幸いバークリーの立ち位置が
1レノの視界を遮る位置にいた事がVARで判明し
オフサイドで救われましたが
完璧にそして簡単に右サイドを崩されてしまいました。

25分、右サイドでパスを受けたバークリーが
グリーリッシュ、ターゲットと
細かなパス回しで隙を伺い、
最後はバークリーの裏へのパスで飛び出した
ターゲットの折り返しを
ファーサイドに飛び込んできたトレゼゲの前で
カットしようとした7サカの伸ばした脚にボールが当たり
そのままゴールに吸い込まれてオウンゴール。

この場面は16ホールディング、2ベジェリン、12ウィリアンと
3対3で対応しながらも
誰一人としてボールを奪いに行く様な動作を観せずに
相手の動きを待っている様な対応をしていたのには
やはり疑問が残ります。
単純に手も脚も出せかったのか?
それともかわされるリスクを考えて
不用意に飛び込まない様に
事前に指示があったのかは分かりませんが
ただ崩されるのを待っている様にしか観えませんでした。

55分過ぎ、右サイドでパスを受けたグリーリッシュから
ライン側を追い越してきたバークリーに繋がり
そのままペナルティに向かって走り込んできて
リターンパスを受けたグリーリッシュに
シュートを撃たれてしまいました。
幸いゴールは奪われませんでしたが
この場面でもグリーリッシュへ対応する為に
16ホールディングは前に釣り出されてしまい、
その上、スピードに劣る16ホールディングは
ゴールに向かって走り込んできた
グリーリッシュに付いて行く事が出来ずに
完全にフリーの状況のまま
ペナルティへの侵入を許してしまったのは
問題だと思います。

そして75分の3失点目のカウンターの場面では
マルティネスからのスローイングを受けた
グリーリッシュに自陣からドリブルでの独走を許し
そこからのパスを受けたワトキンスに
決められてしまい失点。

ドリブルで突き進んできたグリーリッシュに対して
ボールを持っていない2ベジェリンが
なかなか追いつく事が出来なかったのは
かなりショックな場面でした。

まぁ、ゴール自体はオフサイドトラップ崩れも
原因の一つだったと思いますが
16ホールディングだけの問題ではなく
2ベジェリンもそのスピードに付いて行けなかった様に
結局、この日のグリーリッシュに対しては
そもそも1対1の状況で対応する事自体が
間違いだったと言えるかもしれません。

そう考えますと少なくとも
後半頭からシステムを変更するべきだったと思います。

18トーマスの怪我があった為に
後半頭からその18トーマスに代えて
8セバージョスを投入しましたが
仮に18トーマスの怪我がなければ
7サカもしくは12ウィリアンを下げて
代わりに8セバージョスを投入して
中盤を3枚にする4−3−3に変更するべきだった様に
個人的には思います。

バックラインを4枚にする事で
16ホールディングと2ベジェリンの間あった
スペースをとにかく消し、
その上で25エルネニーを3センターの右に置いて
1対1では押さえ込む事が出来なかった
グリーリッシュに対して
2ベジェリン+25エルネニー、
16ホールディング+2ベジェリン、
16ホールディング+25エルネニーという様に
常に2対1で対応出来る様にして
とにかくグリーリッシュを
無力化しなければならなかったと思います。

この様に25エルネニーを右サイドに張り付かせる為には
中盤が2枚のままでは
中盤のバランスが崩れてしまいますので
中盤を2枚から3枚に変える必要が出てきますが
18トーマスが怪我の為に退く必要がありましたので
後半頭から2枚代えて中盤を3枚にする事は
実際は難しかったのかもしれません。
しかしそれでも8セバージョスと共に
34ジャカを同時に投入してでも
3センターにするべきだったと
個人的には思っています。

言うなれば全くなす術がなく崩された様な守備陣でしたが
個々の選手の動きのキレや運動量に大きな差があった事からも
コンディションに問題があっただけかもしれません。
しかし、木曜日に戦ったELの試合は
ホームでの試合であり、
尚且つ1レノと12ウィリアン以外は
先発メンバーは入れ替わっていましたので
コンディションの問題は言い訳には出来ないと思います。

そしてその守備陣にも増して
大きな問題を抱えているのが
攻撃陣です。

勿論、得点するチャンスが全くなかった訳ではありません。

12分過ぎ、左サイドから持ち込んだ14オーバメヤンからの折り返しを
12ウィリアンがダイレクトで合わせましたが
枠を大きく外してしまいました。
走り込んできて、なおかつ難しいバウンドになっていましたが
ゴール前で完全にフリーの状態だっただけに
少なくとも枠に飛ばさなければならなかったと思います。

40分過ぎ、3ティアニーのピンポイントクロスに対して
ファーに走り込んできた9ラカゼットが
ヘッドで合わせましたが枠を捉えられませんでした。
これも完全にフリーの状態でしたので
少なくとも枠には飛ばさなければならなかったと思います。

60分過ぎ、右CKからの流れから
6ガブリエウが左サイドから送った
グラウンダーのクロスを
16ホールディングが左脚で
ダイレクトで合わせましたが
惜しくも枠外で決めきれませんでした。

60分過ぎの場面はCKからのスクランブルの場面で
CB同士が作ったチャンスでしたので
決めきれなかったのは仕方がなかったかもしれませんが
それ以外の2つのチャンスを決められなければ
やはり試合に勝つ事は出来ないでしょう。

後半途中から12ウィリアンに代わって入った
19ぺぺから放たれる左脚のショットやクロスは
多少攻撃陣を刺激していましたが
基本的に現在のアーセナルの攻撃陣が
チャンスを生み出せるのは
サイドからのクロスだけになっていると思います。

特に3ティアニーからは1試合に1〜2度は
決定的なピンポイントクロスが送られますので
以前も話しました様に優秀なヘッダーがいれば
もっと楽にゴールを奪う事が
出来る様になるかもしれませんが
現在のアーセナルには高確率で
ヘッドで決める事が出来るストライカーがいません。

一方で3−4−3のシステム上、
中央よりも人数の配分が多い
サイドからの攻撃に偏ってしまうのも
ある程度致し方ないと思いますが
反対に中盤の2人と前線の間に
距離が出来てしまう場面が多い為に
中央から崩せないのも問題だと思います。

本当ならばその中盤の2人が上がってくる間、
前線でタメを作る事が出来れば
状況が変わってくるのかもしれませんが
9ラカゼットに楔のパスが入っても
しっかりと収まらない為にそこでタメが出来ず、
そしてそこからの次の攻撃に繋がるパスが出せていない所も
問題だと思います。

とは言え、スカッドのメンバーは決まっており
3ティアニーのピンポイントクロスを
的確に決められる優秀なヘッダーが急に現れる事もなければ
優秀なポストワーカーが急に現れる事もありませんので
現在のメンバーの中で解決策を考えなければなりません。

サイドからの仕掛けが多い現状を考えますと
ゴール前でのポジショニング、
動き出しのタイミング獲りの上手さが重要になると思いますが
3人のストライカーの中でその様な動きが
最も優れているのは14オーバメヤンだと思います。

アーセナルに加入してからは
サイドで起用される事が多かった為に
その様な状況に遭遇する事は減りましたが
ドルトムント時代では
クロスやラストパスをワンタッチで合わせる様な形で
多くのゴールを奪っていた事が思い出されます。
勿論、14オーバメヤンもヘッドは得意ではありませんが
それ以外の形でゴールを狙える機会は
十分に増えると思います。

更に言えば仕掛けのクオリティーが低下している
現在のアーセナルの攻撃陣の状況を考えれば
少ないチャンスを
確実に決める事が出来るかどうかが
非常に重要になっており
言うまでもなく最も決定力があるのが
14オーバメヤンだと思いますので
個人的には14オーバメヤンを中央に戻す事を
期待しています。

一方でトップにボールが収まらない為に
中央からの仕掛けが不十分な問題に関しては
9ラカゼットにしても、
14オーバメヤンにしても、30エンケティアにしても
相手DFのプレッシャーを背中で受けながら
ボールを収め、タメを作り、
攻撃に繋がるパスを展開させる様なプレーは
それ程得意ではありませんので
仮に14オーバメヤンを中央に移動させても
根本的な解決策にはならない様に感じます。

そう言う意味では攻撃面の事だけを考えますと
3−4−3システムでは限界なのかもしれませんので
システムの変更が必要なのかもしれません。

特に中盤と前線の繋ぎ役が必要な事を考えますと
トップ下のある4−2−3−1か
中盤を3枚にする4−3−3への変更を
考える時期なのかもしれません。

この試合で守備面の弱点を露呈してしまいましたが
それよりも4節のシェフィールド・ユナイテッド戦以降
PLでは4節連続で流れからゴールを奪えていない
攻撃陣の方が心配です。

勿論、この夏は守備面の安定性を得る事を
優先した補強を行いましたので
以前から続いているシュートチャンスの減少や
攻撃面のクリエイティビティーの低下に関しては
それ程大きな上積みが得られていないのも
ある程度は許容しなければならないのかもしれませんが
実際問題として冬の移籍期間まで
スカッドのメンバーが変わる事はありませんので
この状況を踏まえてアルテタ監督が
システムや戦術をどの様に変えてくるのかを
注目していきたいと思います。


C'mon Arsenal !!


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2ベジェリン     PL:0G2A EL:0G1A
6ガブリエウ     PL:1G0A EL:0G1A
7サカ        PL:1G0A EL:0G1A CS:0G1A 
8セバージョス    PL:0G1A
9ラカゼット     PL:3G0A
12ウィリアン     PL:0G2A
14オーバメヤン    PL:2G1A CS:1G0A EL:1G0A
19ペペ        PL:1G0A EL:2G2A
23D.ルイス      PL:0G0A EL:1G0A
28ウィロック     PL:0G0A EL:2G1A
30エンケティア    PL:1G0A CC:1G0A EL:1G0A


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