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2021/22シーズン〜〜サイドアタッカー・トップ下総括〜〜 [Arsenal F.C.]

2021/22シーズンを振り返って〜〜サイドアタッカー・トップ下〜〜

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今回はサイドアタッカー・トップ下について
2021/22シーズンを振り返ってみたいと思います。

シーズン当初はこれまで通り
4−2−3−1のシステムを主に使っていましたが
シーズン途中から4−3−3に移行した事で
トップ下を担っていた8ウーデゴールは
右インサイドハーフにポジションを移しました。

そして右サイドアタッカーは7サカが担い
左サイドアタッカーは10スミス・ロウと
35マルティネッリの二人で
出場機会を分け合う形が軸でしたが
反対に昨シーズン終盤に爆発した19ペペは
再び以前の状態に戻ってしまい
残念ながら今シーズンもその期待に応える様な働きを
観せる事は出来ませんでした。

今シーズンもストライカー陣が得点力不足に陥った一方で
このポジションを担っていた7サカ、8ウーデゴール、
10スミス・ロウ、35マルティネッリの4人は
アーセナルがPLで奪った61ゴールの半分以上の
34ゴールを奪った様に
実質的に攻撃陣を引っ張った存在だったと思います。


〜〜7ブカヨ・サカ(20歳)〜〜


PL 36試合先発+2試合途中出場:11ゴール7アシスト
FA杯 1試合先発
カラバオ杯 3試合先発+1試合途中出場:1ゴール


今シーズンの7サカはエースと呼ぶに相応しい存在に
成長を遂げたと思います。

スタートこそはユーロ2020決勝のPK失敗の影響や
フィジカルコンディションの低下などに苦しみ
本来のキレを失っていましたが
コンディションが戻ってきてからは
まさにアンストッパブルな存在になっていたと思います。

特に相手と対峙した時のボールの置き方が
非常に良くなったと思います。
マーカーと対峙した時には
少し半身に構えて左足側の
相手が脚を伸ばせば届きそうで
ギリギリ届かない様な位置にボールを置き
仮に相手が脚を伸ばしてボールを取りに来たら
素早くボールを動かしてかわして
相手と入れ替わる様に一気に突破し、
反対に様子を見て仕掛けて来ない時は
そのまま引き連れながらカットインした所から
左脚でゴールを狙う事も出来る様になりました。

この様に独力でチャンスメイクする事も
ゴールを狙う事も出来る様になった7サカは
PLで11ゴール7アシスト挙げた様に
名実ともにエースと呼ぶに相応しい存在だったと思います。

一方で昨シーズンからしっかりとした休暇がないまま
今シーズンに突入した7サカは
シーズン終盤にコンディションを崩し始めてしまいました。
しかしCL出場権を賭けた
重要な試合が続いていた事もあり
休む事が殆ど出来ずに
かなり危うい状態でプレーし続けていたのは
非常に心配でした。

幸い大きな怪我をせずに
シーズン終わらす事が出来ましたが
一歩間違えれば長期離脱する様な
怪我を負っていた可能性もあったと思います。

現在のアーセナルにとって7サカは
代えの効かない重要な存在になっていますので
来シーズンは定期的に休ませる事が出来る様な
しっかりとしたバックアップ体制の確立が
重要だと思います。


〜〜8マルティン・ウーデゴール(23歳)〜〜


PL 32試合先発+4試合途中出場:7ゴール4アシスト
FA杯 1試合先発
カラバオ杯 3試合先発:1アシスト


シーズン序盤こそは
中々ペースを掴む事が出来ずに苦労していましたが
シーズンが進むにつれて徐々に存在感を強めていって
トップ下のポジションを完全に掴みました。

その後システムが4−2−3−1から
4−3−3に変更された事により
トップ下から右インサイドハーフへ
ポジションを移しましたが
それにより更に存在感を発揮する様になったと思います。

元々トップ下でプレーしていた時も
3列目の位置まで下がってきて
組み立ての段階から関与する場面が多く観られましたが
インサイドハーフに移った事でそれが明確になり
組み立ての段階からボールに触り
そこからパスを捌きながら一緒に上がっていき
2ラインの間で決定的なパスを供給すると共に
チャンスがあればゴールも狙うと言う
中盤との繋ぎ役からチャンスメイク、
場合によってフィニッシュの局面までの
多くのタスクを担っていました。

守備面に関しても決してもフィジカル的には恵まれてはいませんが
元々激しくそして執拗にプレスを仕掛け続ける事で
ハイプレスの重要な役割を担っていましたので
インサイドハーフに移っても
殆ど不足感を感じる事はなかったと思います。

とは言え、PL7ゴールは合格点だと思いますが
アシストが4つと言うのは物足りなさを感じます。
勿論、今シーズンはストライカー陣に
決定力不足と言う問題がありましたので
チャンスメイカーとしては
アシストを稼ぎづらい状況だったと思います。
しかし1試合におけるKey Pass数は
チームトップの2.1本送っており
シーズンが進むにつれて
相手の裏をかく様なトリッキーなパスで
決定機を演出する等、
周囲の選手との連携が深まり
プレービジョンの共有も出来て来ていましたので
来シーズンは10以上のアシスト数を期待したいと思います。


〜〜10エミール・スミス・ロウ(21歳)〜〜


PL 21試合先発+12試合途中出場:10ゴール2アシスト
カラバオ杯 3試合先発+1試合途中出場:1ゴール


昨シーズン後半に一気にブレイクした10スミス・ロウは
今シーズンは背番号『10』を背負い
フィニッシャーと言う
新たな能力が開花したシーズンになったと思います。

今シーズンの10スミス・ロウは
本職のトップ下よりも左サイドアタッカーの位置で
起用される試合が多くなりました。

それは8ウーデゴールと共存させる目的が
一番だったと思いますが
同時に切れ味鋭い
ラン・ウィズ・ザ・ボールのプレーをを活かす為には
スペースのあるサイドでプレーさせた方が
活きるという選択だったのかもしれません。

しかしサイドで起用されても
ウイングの選手の様に
ワイドの位置から仕掛ける事に固執する事はなく
そこから中に入った位置でプレーをする場面が多かった事が
結果的にゴール数の増加に繋がったのかもしれません。

10スミス・ロウのゴールの多くは
ペナルティ内に出来たスペースに
タイミング良く入ってきて決めると言う
パターンが多かった様に
相手のブロックに出来たギャップを
的確に見つけ出すビジョンと
そこに走り込むタイミング感覚が
今シーズンは際立っていたと思います。

同時にシュートも変に力む事なく
インパクトにだけ集中した様な
自然体で撃てる様になった事で
枠を捉える確率が上がった事も
ゴール数の増加に繋がったと思います。

一方で本来のプレースタイルを考えますと
アシストが2つのみと言うのは少ない様に感じます。

勿論、トップ下ではなくサイドで起用される様なり
そのサイドでも仕掛けの起点として振る舞っても
自ら仕掛けてクロスやラストパスを送る役割を
直接担っていた訳ではありませんので
その役割の変化が大きく影響したと思われますが
それでも元々の能力を考えれば
もう少しアシストする場面が増えても良い様に感じます。

来シーズンに向けて重要になってくるのは
継続性だと思われます。

今シーズンのPLではシーズン前半に8ゴールを奪ったのに対して
シーズン後半は2ゴールしか奪う事が出来ませんでした。
その事もあるのかシーズン後半は
左サイドのポジションを分け合っていた35マルティネッリが
先発で起用される試合が増えており
今シーズンはやや尻窄みという印象でした。

来シーズンは試合数が増えると共に
W杯の影響でイレギュラーで
タイトなスケジュールが組まれていますので
35マルティネッリとポジションを分け合える事自体は
チームにとっては悪い事ではありませんが
そのW杯メンバーに選ばれる為には
シーズン前半にしっかりと結果を出さなければなりませんので
35マルティネッリを上回る活躍を
観せる必要性があると思います。

その為には時々顔を出すナイーブな印象を払拭して
勝負に固執する強いメンタリティーを
全面に出せる様になる事が望まれます。

そのメンタル面が強くなれれば
今シーズン以上の活躍が見込まれ
W杯メンバーに滑り込む事も決して夢ではないと思います。


〜〜35ガブリエウ・マルティネッリ(20歳)〜〜


PL 21試合先発+8試合途中出場:6ゴール6アシスト
FA杯 1試合先発
カラバオ杯 4試合先発+2試合途中出場


ブラジル代表メンバーとして優勝した
東京オリンピックの影響で
合流が遅れた事もあり
序盤こそは出場機会は限定的でしたが
11月末からの約1ヶ月間で
4ゴール2アシストと結果を出した事で
シーズン後半は10スミス・ロウを押し退けて
先発で起用される試合が増えました。

今シーズンの35マルティネッリは
シーズンが進むにつれて
ストライカー色よりもサイドアタッカー色が
濃くなった印象を受けます。

これまでも自らサイドから仕掛ける場面はありましたが
今シーズン後半はその傾向が強くなり
特にドリブルで仕掛けてポケットに入り込み
そこからマイナス方向へ折り返すプレーで
何度となくチャンスを生み出していたと思います。

一方でワイドな位置でボールを受ける場面が多かった事で
以前よりもゴール前に顔を出す頻度は
少なくなった印象を受けます。
それは年明け以降奪ったゴール数が2つだけだったのに対して
アシストは4つ挙げていた事からも
今シーズンはチャンスメイカーとしての色合いが
強かったといえるかもしれません。

来シーズンに向けてこのままサイドアタッカー色を強めていくのか
それとも再びストライカー色を強めて
ウイングストライカーとして
成長していくのかはまだ分かりませんが
DFラインの裏に飛び出すセンスに優れる35マルティネッリにとって
スルーパスを送るセンスに優れる21ヴィエイラの加入は
ゴールスコアラーに回帰する切っ掛けになる様に
個人的には感じていますので
来シーズンは再びストライカー色を強め
二桁ゴールを奪ってくれる事を期待したいと思います。


〜〜19ニコラ・ぺぺ(27歳)〜〜


PL 5試合先発+15試合途中出場:1ゴール2アシスト
カラバオ杯 3試合先発:2ゴール4アシスト


昨シーズン終盤に爆発した19ペペは
その勢いのまま今シーズンも爆発してくれる事が期待されましたが
結局今シーズンも期待を裏切る結果になりました。

PLで先発で起用されたのはシーズン序盤の5試合のみで
その後は途中出場でしか起用されず
ごく稀にインパクトのあるプレーを観せる場面もありましたが
基本的には低調なパフォーマンスに終始していたと思います。

勿論、短い時間では本領を発揮出来ない部分もあったのかもしれませんが
7サカからポジションを奪う為には
どの様な状況でも誰もが納得する様な活躍が必要であり
それを示す事が出来なければ
常にベンチスタートでも言い訳は出来ないと思います。

実際シーズン前半10ゴール奪って
左サイドのポジションを完全に掌握したと思われた
10スミス・ロウから
約1ヶ月の間に4ゴール2アシストを奪って
ポジションを奪い取った35マルティネッリの様な気迫が
19ペペにあったのかと言われれば
残念ながらその様な気迫を感じる事は出来ませんでした。

よってPLへの適応云々の前に
ポジション争いに完全に敗れたと考えるべきであり
現状の19ペペが7サカからポジションを奪うのは
今後も難しいかもしれません。

そういう意味ではそろそろ19ペペにあった
リーグやクラブを探す時期かもしれません。


C'mon Arsenal !!


(年齢は2022年6/30時点)


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