SSブログ

PL25:ARSENAL vs Manchester City [Arsenal マッチリポート]

ARSENAL 0−1 Manchester City
2021年2月21日(日)Premier League, Emirates Stadium

Goal 
 (2)Sterling
 

1Leno

2Bellerín  16Holding  22Marí  3Tierney

25Elneny  34Xhaka

19Pépé    11Ødegaard    7Saka

14Aubameyang


(73)19Pépé>>>9Lacazette
(73)11Ødegaard>>>32Smith Rowe
(82)16Holding>>>23D.Luiz
(86)25Elneny>>>8Ceballos


Substitutes
 33Ryan
 17Soares
 6Gabriel
 12Willian
 35Martinelli


Arsenal 1.jpg公式戦17連勝中の
絶好調シティを止める事が出来ませんでしたが
その差は少しづつ減ってきているのは
間違いないと思います。

先発はここ2戦のメンバーから
少し変更が加えられました。
まず左SBには怪我から復帰してきた
3ティアニーが起用され
CMFには8セバージョスに代わり
25エルネニーが入りました。
2列目はここまで右に入っていた
7サカが左に入り
右には19ペペが起用されました。

この変更が戦術的な変更なのか
それともコンディション的な問題による変更なのかは
はっきりとは分かりませんが
少なくとも7サカを左サイドで起用してきたのは
戦術的な理由だと思われます。

今シーズンのシティの中で
最も厄介な存在と言われているのが
右SBに入っているカンセロだと思います。

グアルディオラのチームのSBは
サイドを守りサイドを駆け上がって
攻撃に幅をもたらす存在ではなく
中に絞った位置でプレーして
中盤に厚みをもたらす役割を担うのは
今更言うまでもありませんが
今シーズンのカンセロは
その役割を更にもう一歩進めた様な存在に感じます。

今シーズンのカンセロは言うなればアンカーに並んで
4−3−3の弱点である
アンカーの脇のスペースを埋める役割は勿論の事、
インサイドハーフの様に
攻撃の組み立てに積極的に絡むだけに留まらず
この試合で言えばデ・ブライネやギュンドアンが担う様な
2ラインの間まで積極的に上がってきて
アタッキングエリアでのプレーにも積極的に絡み、
もっと言えば当たり前の様に
最前線にまで顔を出す場面もあり
SBにも関わらず「フリーマン」と表現される様な存在です。
しかもそれがポジショナルプレーの概念の中で
完璧に成立している存在になっている為に
相手にとっては捕まえ所がない
非常に厄介な存在になっています。

これに対してアルテタ監督は
7サカを左サイドのワイドな位置ではなく
ハーフスペースのレーンの位置に配置して
中に絞ってプレーしてくるカンセロに対応させる
役割を与えていました。
基本的にワイドな位置でプレーする事を好む19ペペではなく
ハーフスペースの位置でも柔軟にプレー出来る
7サカを左サイドで起用した理由がここにあると思われます。

反対に攻撃面においても
7サカが絞った位置のハーフスペースでのプレーは
重要なポイントになっていたと思います。

元々4−3−3が基本システムであるシティにとって
アンカーの両脇のスペースが
一番ギャップが生まれやすいエリアであり
そのエリアでボールを受ける7サカに対して
そのギャップを埋める様にカンセロが中に絞って
対応してくる場面が多く観られます。
反対にカンセロが中に絞ってくる為に
左サイドには3ティアニーが侵入してくる事が出来る
スペースが生み出される事になり
実際何度となく3ティアニーは
そのスペースに侵入してきて仕掛ける事が出来ていました。

反対にその3ティアニーにカンセロが対応しようと
ワイドな位置に戻ると
7サカに自由なスペースが生まれますので
シティの厄介な存在であるカンセロに対して
反対にアルテタ監督は厄介な状況を生み出す事に
成功していたと思います。

17分過ぎ、16ホールディングのサイドチェンジのパスの
ルーズボールを収めた7サカが送ったスルーパスで
裏に抜け出した3ティアニーの折り返しに対して
7サカが右脚を振り抜きました。

この場面ではルーズボールを受けた7サカに
カンセロが付いていた事で
ワイドの位置にいた3ティアニーは
フリーで裏に侵入する事が出来ました。
そしてその3ティアニーを追って
カンセロがワイドの位置に戻った事で
今度は7サカがフリーになる事が出来、
シュートを撃つ事が出来ていました。

残念ながらそのシュートは
オフサイドポジションにいた14オーバメヤンに当たってしまい
ゴールは奪えませんでしたが
そのカンセロの所を見事に崩した場面だったと思います。

38分過ぎ、11ウーデゴールからのサイドチェンジのパスが
カットされたこぼれ球を34ジャカ〜7サカと繋ぎ
その7サカから送られたパスを受けた3ティアニーが
左サイドから鋭いクロスが送られましたが
そのクロスはクリアーされてしまいました。

ニアサイドに14オーバメヤンが走り込んでいただけに
3ティアニーからのクロスがもっとGKよりのコースだったら
際どい場面になっていたかもしれませんでしたが
この場面もハーフスペースで
フリーの状態でボールを手にした
7サカが起点となった仕掛けでした。

前半は特にこの7サカと3ティアニーの所が
アーセナルのストロングポイントになっていたと思いますが
後半に入りカンセロ、マフレズ、フェルナンジーニョが
7サカと3ティアニーのマークの受け渡しを
しっかりとする様になってからは
その左サイドも厳しい状態になってしまったのは残念でした。

とは言え、全体的に観てもこれまでのシティ戦に比べて
より拮抗する場面は増えたと思います。

昨シーズンの勝利したFA杯準決勝では
基本的にアーセナルは守備のブロックを築いて守って
少ないチャンスをゴールに繋げて勝利した様に
あくまでも本来のスタイルではない
リアクションフットボールで掴み取った
勝利だったと思います。

今シーズンの第5節のシティ戦は
1−0で敗れはしましたが
自らアクションを起こしてシティの守備網を崩し
シティゴールに迫る場面を作る事が出来ていましたので
大分真っ向勝負する事が出来る様になっていたと思います。

そしてこの試合はシティのレベルにまではいっていないにせよ
アーセナルもポジショナルプレーの理論の上でプレーする事が
大分出来る様になってきた印象で
ある時間帯では良く言われる様に
チェスの駒を動かす様に
人とボールが連動的に動くせめぎ合いは
観ていて楽しかったです。

とは言え、後半になるとこれまでの様に
守備のブロックを築いてシティの攻撃を凌ぐ様な
リアクションフットボールを
しなければならない時間帯もありましたので
まだまだ改善しなければならない部分があるのも
事実だと思います。

現状のアーセナルはそのポジショナルプレーの理論が
チームの根底の部分にしっかりと浸透し始めた事で
そのポジショナルプレーの目的である
3つの優位性の内の「量的優位性」「位置的優位性」を
シティを相手にしても得る事が出来る様になった事で
スムーズにボールを前に進める様になってきていましたが
「質的優位性」に関しては
余り作る事が出来ていなかったと思います。

これは元々のタレント力にも問題があるのかもしれませんが
「量的」「位置的」な優位性を得ても
最終的に局面を打開する様な「質的」な部分が
シティに比べて足りないと感じる部分がやはりあり
シティのレベルに追いつく為には
個々の選手のクオリティの部分の向上も
絶対条件になるのかもしれません。

それでも同じ土俵の上で戦える様になってきましたので
チームとしての成長を感じました。

結局、試合開始早々の失点が勝敗を決してしまいました。

2分、ルベン・ディアスのサイドチェンジのパスを
左サイドで受けたマフレズが折り返したボールを
スターリングにヘッドで合わされてしまい失点。

マークの受け渡しの失敗?で
スターリングをフリーにしてしまったのは
大きなミスだったと思います。
元々は2ベジェリンがマークをしていましたが
マフレズがクロスを入れる瞬間、
スターリングが16ホールディオングの背後に移動した為に
2ベジェリンはマークを離してしまいましたが
一方の16ホールディングは
2ベジェリンからマークを受け渡された事に気が付かずに
スターリングをフリーにしてしまいました。

もしもマークの受け渡しを的確に行い
最初から16ホールディングが競り合いに行っていたら
高さに勝る16ホールディングならば
しっかりとクリアー出来ていたと思われただけに
非常に残念な失点でした。

その後も何度かあった危険な場面は
最後まで集中して守りきりましたが
反対に決定機は作る事も出来ず
このまま0−1で終演。

勝ち点3とは言わなくても
勝ち点1でも奪いたかった試合でしたが
今まで蒔いてきた種が
遂に芽吹き始めたと感じる試合でしたので
この道を突き進んで行けば
シーズン終盤に向けて
まだまだ挽回出来ると思います。

自らを信じてこの道を突き進んで行って欲しいと思います。


C'mon Arsenal !!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

2ベジェリン     PL:1G2A EL:0G1A
3ティアニー     PL:1G1A EL:0G0A FA:0G1A
6ガブリエウ     PL:2G0A 
7サカ        PL:5G2A EL:1G1A CS:0G1A 
8セバージョス    PL:0G2A EL:0G0A
9ラカゼット     PL:8G2A EL:1G0A CC:1G0A FA:0G1A
12ウィリアン     PL:0G3A EL:0G0A
14オーバメヤン    PL:8G1A EL:1G0A FA:1G0A CS:1G0A
15M=ナイルズ    PL:0G0A EL:0G1A 
16ホールディング   PL:0G1A EL:0G0A
17ソアレス      PL:0G1A EL:0G1A
18トーマス      PL:0G1A EL:0G0A
19ペペ        PL:4G0A EL:3G3A
22マリ        PL:0G0A EL:1G0A
23D.ルイス      PL:0G0A EL:1G0A
25エルネニー     PL:0G0A EL:1G0A
24ネルソン      PL:0G0A EL:1G1A
28ウィロック     PL:0G0A EL:3G3A
30エンケティア    PL:1G1A EL:3G0A CC:1G0A
32スミス・ロウ    PL:0G4A EL:1G2A FA:1G0A
34ジャカ       PL:1G2A EL:0G0A
35マルティネッリ   PL:0G0A EL:0G0A CC:0G1A
38バロガン      PL:0G0A EL:2G1A


nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。