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PL3:Liverpool vs ARSENAL [Arsenal マッチリポート]

Liverpool 3−1 ARSENAL
2020年9月28日(月)Premier League, Anfield

Goal
 (25)9Lacazette
 (28)Mane
 (34)Robertson
 (88)Jota
 

1Leno

16Holding 23D.Luiz 3Tierney

 2Bellerín  25Elneny  34Xhaka 15Maitland-Niles

  12Willian       14Aubameyang

9Lacazette


(60)34Xhaka>>>8Ceballos
(68)12Willian>>>19Pépé 
(73)9Lacazette>>>30Nketiah


Substitutes
 13Rúnarsson
 6Gabriel
 31Kolasinac
 7Saka 


Arsenal 1.jpg奇しくも昨シーズンと同じく
敵地で行われたPL第3節のリバプール戦は
スコアも同じく3−1で敗れてしまいましたが
その試合の印象は
昨シーズンとは大きく異なるものでした。

先発は怪我で大事を取っていた
3ティアニーが左CBに戻り
16ホールディングと23D.ルイスと3バックを組み
WBは右に2ベジェリン、
左に15メイトランド=ナイルズが入りました。
CMFは8セバージョスではなく
25エルネニーが起用され34ジャカと組み
前線は12ウィリアン、9ラカゼット、14オーバメヤンが入る
3−4−2−1が組まれました。

この試合のリバプールは
試合開始から終了まで
全く息をつく暇がないほど、
全開でプレーし続けていた印象で
やはり昨シーズン終盤での対戦や
コミュニティー・シールドでの対戦とは異なり
本気のリバプールは別格のチームでした。

これまでの2戦も勿論十分に強敵でしたが
この試合は更に上をいく様な
プレースピードが印象的でした。

確かに今シーズンのアーセナルも
パススピードが上がり全体的なテンポも
上がってきていますが
この試合のリバプールは
更に上を行く様な速く鋭いパスと
その鋭いパスを正確に収める技術、
そしてそれをテンポ良く繋いでいくビジョンに優れ
それらをピッチの上の全ての選手が
連動的に動いている中で繰り出しており
現状としてはそのリバプールと
同じテンポでプレーするレベルに到達するのには
まだ時間がかかりそうです。

その様な状況でも勝機を見い出す為に
アルテタ監督が掲げたプランは
明確だったと思います。

その超攻撃的なリバプールを
正面から受け止め、
リバプールのハイプレスを掻い潜ったら
間髪入れずに一気にゴールに迫る。
先制点はこのプランが実った形だったと思います。

ゴールキックからのリスタートを
23D.ルイスが下がってきた15メイトランド=ナイルズに当てて
左サイドの3ティアニーに繋ぐ。
そのティアニーからライン側を下がってきた
14オーバメヤンに当てて
中の34ジャカに繋ぐ。
その34ジャカから前線の9ラカゼットにパスを送った所で
リバプールのハイプレスを掻い潜る事に成功し
その9ラカゼットがダイレクトで
左サイドのスペースに送ったパスで
15メイトランド=ナイルズが抜け出しました。

結果的にはその15メイトランド=ナイルズからクロスを
ロバートソンがクリアーミスしたボールが
9ラカゼットの所に落ちてきて
それを押し込んだラッキーなゴールでしたが
ゴールを奪うまでの道筋は
プラン通りだったと思います。

勿論、左サイドを抜け出した
15メイトランド=ナイルズは
人数が揃っているゴール前に
シンプルにクロスを送るのではなく
遅れて走り込んできた14オーバメヤンに
シュートを撃たせる様に仕掛けるべきだったと思います。
その為には途中でスピード緩めずに
更にもう一歩深い位置まで侵入する事で
DFラインをもう一歩下げさせて
その下がったラインの前に出来たスペースに
走り込んできた14オーバメヤンに向けて折り返せば
更に完璧な仕掛けになっていたと思います。

まぁ、15メイトランド=ナイルズを左WBで起用するのは
サイドの支配力を上げる為であり
この試合で守備面に関しては
良い働きをしていたと思いますが
決して攻撃面でのプラスアルファを
求めている訳ではないと思います。
それでももう少し攻撃面でのセンスがあれば
もっと恐ろしい選手になれると思いますので残念です。

このラッキーばゴールで先制する事に成功しましたが
その直後によろしくない対応で
ゴールを奪われてしまったのは残念でした。

縦パスを受けたケイタに対して
23D.ルイスが前に出て対応した所に
背後から34ジャカも挟み込む様に加わった所が
全てだったのかもしれません。

最初に対応した23D.ルイスとしては
体をぶつける様に対応した後に
ボールとケイタの間に体を入れて
ケイタからボールを引き離そうとしたと思います。
実際ボールはケイタから離れており
後は23D.ルイスがサイドで準備していた3ティアニーに
ボールを送るだけで終わっていたはずだったと思います。
しかしそこで34ジャカがケイタを背後から引っ張った事で
ケイタと絡んでいた3D.ルイスも
一緒に引っ張られて体勢を崩してしまい
結果的にルーズボールになってしまったそのボールは
フィルミーノに収められてしまいました。

そしてそのフィルミーノからパスを受けたサラーが
左サイドから3ティアニーを引き剥がしながら
ペナルティ内に侵入し、
そこから放たれた強烈な左脚のシュートは
1レノがセーブしましたがそのこぼれ球を
マネに押し込まれてしまい同点。

安易に腕を引っ張ってしまう34ジャカの癖が
思わぬ方向に被害をもたらしてしまったのは残念です。
結果論としては23D.ルイス一人で対応していたら
問題なく防げた可能性が高かったかもしれません。

その一方で本来の持ち場を離れていた23D.ルイスが
その後速やかに戻ってきていたら
3ティアニーを振り切って侵入してきたサラーに
シュートを撃たれる前にブロック出来ていたかも知れません。
本当にちょっとでも対応を誤り、
そして集中力を切らしてしまえば
リバプールの攻撃を止める事が出来ない
典型的な場面だったと思います。

そして逆転ゴールも集中力の切れ目を作ってしまった為の
失点だったと思います。

この場面は左サイドから入れられた
アレクサンダー・アーノルドのクロスを
一番ファーサイドに走り込んできた
ロバートソンに押し込まれて失点。

ファーサイド寄りにいたマネが
中に向かって移動したその背後に出来たスペースに
ロバートソンが走り込んでくる
リバプールの得意の形でしたが
ファーサイドをケアしていた2ベジェリンは
元々ファーサイドにいたマネに付いていましたので
中に向かって移動していったマネと共に
中に移動した為に
その背後に走り込んできたロバートソンに対しては
誰もケア出来ていませんでした。

ロバートソンをケアする為には
12ウィリアンが戻ってくるしか方法はなかったと思いますが
前線の12ウィリアンがロバートソンと共に
自陣のゴール前まで戻ってくる為には
予めこのパターンを読んでなければ出来なかったと思います。
とは言えこの様な仕掛けは
リバプールの得意な形でしたので
もう少し危機感を持っていなければならなかったのかも知れません。

一方でアーセナルにも同点にするチャンスはありました。

58分過ぎ、自陣の下がった位置から
12ウィリアンが送ったロングスルーパスで
抜け出した9ラカゼットが
アリソンと1対1になりましたが
チップキックは浮き切らずにアリソンに防がれて失敗。

62分過ぎ、8セバージョスのスルーパスで
抜け出した9ラカゼットが
再びアリソンと1対1になりましたが
今度は一度かわして放ったシュートも
読み切られてしまいゴールは奪えませんでした。

決めきれなかった9ラカゼットは残念でしたが
1対1になっても全く動じる事がなく
どの様に仕掛けてくるのか
予め分かっていたかの様な対応をした
アリソンを褒めるべきでしょう。

とは言え、ゴールこそ決めきれませんでしたが
DFラインの裏に豪快に飛び出した
9ラカゼットは非常に鋭かったと思いますし、
その動きに合わせたスルーパスも完璧だったと思います。
そして非常に強固と言われている
リバプールのDFラインに出来たわずかな隙を見逃さずに
見事に突いた良い仕掛けだったと思います。

この様にアーセナルの得点源である
14オーバメヤンに対するマークが
きつくなればなる程
9ラカゼットに対しては隙が生まれますので
これからももっとゴールに向かって行って欲しいと思います。
そして9ラカゼットがもっとゴールを向かう様になれば
9ラカゼットをケアしなければならなくなりますので
自ずと14オーバメヤンに対しても隙が出来てくると思いますので
これからのアーセナルの攻撃陣は
今まで以上に脅威を与えるユニットになるかも知れません。

この試合で起用したメンバーの中で
いくつか気になる選択がありましたが
その一つがCMFです。

34ジャカと共に先発で起用されたのは
8セバージョスではなく25エルネニーでした。
これは8セバージョスよりも25エルネニーの方が
地味な仕事をコツコツと出来るタイプという事もあり
守備に追われる場面が多いと予想されるこの試合では
その25エルネニーを先発で起用したのは
十分納得が出来ますが
その一方で後半途中に8セバージョスに代わって退いたのが
アルテタ監督が就任してから
常に重用されていた34ジャカだったのは
少なからず驚きました。

フラム戦でも34ジャカは途中交代しましたが
この時は試合中の怪我のケアの為でしたが
今回は完全に戦術的な理由で
25エルネニーではなく34ジャカを下げた様に観えました。

確かに34ジャカを起用する最大の利点は
正確なロングパスだと思います。
実際、深い位置まで攻め込まれる事が予想される
この試合の様な展開では
1本のロングパスでゴールに迫る事が出来ますので
そう言う意味では34ジャカは必要な人材だったと思います。
その一方で非常にテンポが速いこの試合の様な展開は
34ジャカはそれほど得意としていない印象で、
実際、激しいプレスに曝されると
前が向けなくなる問題が34ジャカにはあり、
34ジャカの所でテンポダウンする場面や
バックパスを選択してしまう場面が散見されます。
よってバックラインからより早いテンポで的確に繋いで
リバプールの激しいプレスを掻い潜る上で
34ジャカが本当に適しているかどうかはには疑問を感じます。

一方の25エルネニーは献身性と共に
狭いスペースでもパスを受て
ダイレクトでパスを捌く事を恐れませんので
今回の交代が意味する所は
リバプールの激しいプレスを掻い潜る上では
34ジャカよりも25エルネニーの方が適していると
アルテタ監督は判断したのかも知れません。

そう言う意味では代わって入った8セバージョスは
相手にプレスに曝されても怯まずに
かわして前に出ようとするタイプであり
その個の力でプレスに来た選手をかわすプレー1つで
リバプールのハイプレスを掻い潜る事も
期待出来ます。
勿論、そのプレスに引っ掛かって
ショートカウンターを受けるリスクもありますが
実際、8セバージョスが入ってからの方が
アーセナルの前に出ようとする推進力は
確実に上がった様に観えましたので
この交代は非常に有効だったと思います。

そしてもう一つ気になったのが
12ウィリアンに代わって投入されたのが
19ぺぺだった所です。

投入された19ぺぺは
何度かスピードに乗ったドリブルを仕掛ける場面はありましたが
そのドリブルが最も効果を挙げられるのは
アタッキングエリアに入ってからであり
反対に低い位置ではそれ程効果を挙げるのは
難しい様に感じます。
よってこの試合の様な守勢に回る場面が多く
プレーの起点が低い位置になる試合では
持ち味を出し難い19ペペを投入する事が
本当に適していたかどうかは疑問を感じます。

確かに19ペペが爆発するかどうかは
今後シーズンを進めていく上で
大きなポイントになるのは分かりますが
個人的には昨シーズン左SBで起用され
今シーズンも左WBで起用されている7サカの方が
仮にプレーの起点が低い位置になったとしても
そこからどの様にボールを前に進めれば良いか、
どの様にすればゴールに結びつける事が出来るかという事を
それらのポジションでプレーした経験から
理解出来ていると思いますので
7サカを投入して欲しかったと思います。

そしてもしかしたらこの試合の行方を
大きく左右した重大なポイントだったのが
開始早々に起こった3ティアニーに対する
マネの肘打ちの場面だったかもしれません。

確かにマネとしてはボールをキープする為に
迫ってきた3ティアニーの体を
押し返すつもりだったのだと思いますが
腕が高く上がっていた為に
そのまま肘が顔面に入り、
そして元々押し返そうとしていましたので
ただぶつかっただけではなく
肘を押し出す様に顔面をヒットしていましたので
普通に考えれば1発レッドを受けても
言い訳が出来ないプレーだと思います。

勿論、故意かどうかと言う情状酌量の部分はありますが
この場面が試合開始数分の時点で起こった為に
残りの時間数的不利な状況を作るジャッジを
主審は避けたのではないか?
仮に後半30分の時点で同じファールが起きたとしても
同じくイエローだけで済ますのかどうか?
と言う疑問が残ります。

タラレバですが、
仮にこの場面でマネが退場していたら
1点目を押し込む事も出来なかったでしょうし、
2点目もマネをマークしていた2ベジェリンが
ロバートソンの事をケア出来たかもしれません。
そしてマネに代わって投入されたジョタは
そもそも投入されていなかったかもしれませんので
3点目も生まれる事がなかったと思います。

とは言え、タラレバの話をしても仕方がありません。
実際、3つの失点に限らず
何度か完璧に崩されてしまったのには事実であり
多少のミスも含めてその完璧な仕掛けを
防ぐ事が出来なかったのには変わりがないと思います。

しかしこの試合では
以前の様にリバプールのハイプレスに前に進めず
同時にリバプールの猛攻を
ただゴール前に引きこもって
跳ね返す事しか出来なかった様な状況ではなく
同じ様に守備を固めていてもただ跳ね返すのではなく
ボールを奪還した後はしっかりとボールを繋いで組み立て
実際、強固と言われているリバプールDFを
完璧に崩す事も出来ていましたので
大筋プラン通りの試合をする事は出来ていたと思います。

言うなればチーム力としては
まだまだ大きな差があるリバプールとの差を
的確なプランを遂行する事で
かなり縮める事が出来ていたと思います。

まだPL制覇への挑戦権を得るレベルには
達していないかもしれませんが
チャンピオンクラブに脅威を与える事が出来る
チームには成長してきたと思います。


C'mon Arsenal !!


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6ガブリエウ     PL:1G0A
7サカ        PL:0G0A CS:0G1A 
8セバージョス    PL:0G1A
9ラカゼット     PL:3G0A
12ウィリアン     PL:0G2A
14オーバメヤン    PL:1G1A CS:1G0A
30エンケティア    PL:1G0A CC:1G0A


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