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2019/20シーズン〜〜総括〜〜 [Arsenal F.C.]

2019/20シーズン〜〜総括〜〜

Arsenal 1.jpg


今回は2019/20シーズンを私見的に振り返ってみたいと思います。

エメリ体制2シーズン目に入った今シーズンは
戦術的に大きな変更がなされた事が
チームに混乱をもたらしてしまい
シーズン途中でエメリ監督は
解任されてしまいました。

そしてその後の後任人事も混乱は続き、
実際11月9日のレスター戦での敗戦で
完全に求心力を失ったエメリ前監督を
即座に解任する事が出来ずに
11月29日まで指揮させてしまったのは
非常に大きなミスであり
その後も暫定監督に就いたリュングベリに対しても
全くサポートしない状況で指揮させた事も
大きな問題だったと思います。

結局12月22日にアルテタ監督が
正式に就任するまでの約6週間の間、
実質的に指揮官が不在だった影響は大きく
この失った6週間は
今シーズンのアーセナルにとって
非常に大きな損失になってしまったと言う事は
言うまでもないと思います。

では、まず今シーズ指揮した3人の指揮官に付いて
データーを振り返ってみたいと思います。


エメリ監督      2019年 8月 9日〜11月29日 最終順位 8位
リュングベリ暫定監督 2019年11月29日〜12月21日 最終順位11位
アルテタ監督     2019年12月22日〜       最終順位 8位

〜〜PL成績〜〜
エメリ   13試合 4勝6分け3敗 勝ち点18 得点18 失点19  ー1  8位
リュングベリ 5試合 1勝2分け2敗 勝ち点 5 得点 6 失点 8  ー2 15位
アルテタ  20試合 9勝6分け5敗 勝ち点33 得点32 失点21 +11  6位

〜〜PLホーム成績〜〜 
エメリ    7試合 3勝4分け0敗 勝ち点13 得点13 失点10  +3  4位
リュングベリ 2試合 0勝0分け2敗 勝ち点 0 得点 1 失点 5  ー4 18位
アルテタ  10試合 7勝2分け1敗 勝ち点23 得点22 失点 9 +13  3位

〜〜PLアウェイ成績〜〜
エメリ    6試合 1勝2分け3敗 勝ち点 5 得点 5 失点 9 −4 15位
リュングベリ 3試合 1勝2分け0敗 勝ち点 5 得点 5 失点 3 +2  4位
アルテタ  10試合 2勝4分け4敗 勝ち点10 得点10 失点12 ー2 10位

〜〜PL1試合平均勝ち点〜〜
エメリ    総計1.38点  ホーム1.85点  アウェイ0.83点
リュングベリ 総計1.00点  ホーム0.00点  アウェイ1.67点
アルテタ   総計1.50点  ホーム2.30点  アウェイ1.00点

〜〜PL1試合平均得点〜〜
エメリ    総計1.38点  ホーム1.85点  アウェイ0.83点
リュングベリ 総計1.20点  ホーム0.50点  アウェイ1.67点
アルテタ   総計1.60点  ホーム2.20点  アウェイ1.00点

〜〜PL1試合平均失点〜〜
エメリ    総計1.46点  ホーム1.43点  アウェイ1.50点
リュングベリ 総計1.60点  ホーム2.50点  アウェイ1.00点
アルテタ   総計1.05点  ホーム0.90点  アウェイ1.20点

〜〜PLシュート数〜〜
エメリ    総数162本  1試合平均数12.5本
リュングベリ 総数 50本  1試合平均数10.0本
アルテタ   総数194本  1試合平均数 9.7本

〜〜PL枠内シュート数〜〜
エメリ    総数58本  1試合平均数4.5本
リュングベリ 総数18本  1試合平均数3.6本
アルテタ   総数75本  1試合平均数3.8本

〜〜PL被シュート数〜〜
エメリ    総数218本  1試合平均数16.8本
リュングベリ 総数 69本  1試合平均数13.8本
アルテタ   総数266本  1試合平均数13.3本

〜〜PL被枠内シュート数〜〜
エメリ    総数81本  1試合平均数6.2本
リュングベリ 総数28本  1試合平均数5.6本
アルテタ   総数96本  1試合平均数4.8本


まずシーズン前半指揮したエメリ前監督の期間を
数字から読み解きますと
残念ながら攻守の両面で劣化していた事が分かります。

エメリ監督が解任されるまでのPL13試合において
今シーズンは18得点しか奪えず
反対に失点は19点も与えてしまい
1試合平均にしますと
1.38得点、1.46失点と言う数字でした。

昨シーズンのアーセナルは73得点51失点で
1試合平均にしますと
1.92得点、1.34失点だった事を考えますと
1試合平均0.54得点減り、0.12失点増えています。

もう少し掘り下げてみますとシュート数に関しては
昨シーズンの
1試合平均の総シュート数が12.3本、
1試合平均の枠内シュート数が4.5本に対して
今シーズンの
1試合平均の総シュート数が12.5本
1試合平均の枠内シュート数が4.5本と
殆ど差がなかった事を考えますと
昨シーズンに比べて決定力が落ちていたのか
もしくは決定機を演出する回数が減っていたと
言えるのかもしれません。

一方で被シュート数に関しては
昨シーズンの
1試合平均の総被シュート数が13.1本
1試合平均の被枠内シュート数が3.8本に対して
今シーズンの
1試合平均の総被シュート数が16.8本
1試合平均の被枠内シュート数が6.2本と
大きく増加している事が分かり
試合で受ける印象通り
守備組織は崩壊していたと言えるかもしれません。

結局、昨シーズン指摘した
チャンスメイク数の減少と守備力の低下に対して
今シーズンエメリ前監督は攻撃面に関しては
「キック・アンド・ラッシュ」の様な
前線にダイレクトにロングボールを送る戦術を導入しましたが
試合を観ている印象通り
数字の上でも全く機能していなかったと言え、
守備面に関してもこれといった打開策が
提示されていなかったと思います。

勿論、エメリ前監督はシーズン途中で解任されていますので
それまでの対戦相手に恵まれていなかったのかもしれませんが
結論としては今シーズンの前半のアーセナルは
昨シーズンよりも確実に劣化していたと言えると思います。

そのエメリ前監督が解任されて
リュングベリが暫定的に5試合指揮をとりましたが
フロント陣から殆どサポートされていない状況もあり
大きな変化をもたらす事が出来ないまま
アーセナルの変革は
12月22日にアルテタ監督が正式に就任するまで
待たなければなりませんでした。

そのアルテタ監督が就任してからは
戦術的にもメンタル的にも
アーセナルは大きく変わったと思います。

まず戦術的にはバックラインからしっかりと繋いで
ビルドアップするポゼッションスタイルへ回帰しました。
元々の現在のスカッドのメンバーは
ボスの時代のメンバーが多く残った構成ですので
ショートパスを丁寧に繋ぎながら
ゲームを作っていく形に対しては
すぐに順応し始めたと思います。

そこにボールホルダーに対して
周囲の選手の動き方がより徹底させる様になった事で
ピッチの中に規律的な流れが生まれ、
それと共に、例えば左CMFの34ジャカが
DFラインにまで下がって
バックラインでのボール回しに参加する様な
ポジションに縛られる事なく
複数の役割を選手に課すと言う
シティ時代に培ったと思われる独自のカラーも
少しづつチームに織り込まれた事で
チームにリズムが生まれ
テンポの良い攻撃が少しずつ戻って来た様に感じます。

そして全ての選手に求めた
チームの為に献身的に戦う姿勢を
選手達が応える様になった事で
守備に関しても全ての選手が全ての局面で
連動してプレスを仕掛ける様になった所は
大きな変化だと思います。

そしてアルテタ監督は実際試合に起用する選手も
献身的にファイトする選手を優先して起用した事で
チームの中に健全な競争意識が芽生え
これまで「なぁなぁ」だった
チーム内の雰囲気が一新されると共に
同時に共通意識にが備わった事で
チームは一体化したと思います。

エメリ前監督時代から180°方向転換したチームは
最初は中々結果が出ませんでしたが
時間が経つにつれチームは固まりだし
徐々に結果も付いてきたと思います。

最終的にPL8位に終わってしまいましたが
アルテタ監督が就任してからのPL1試合平均勝ち点は
1.38から1.50へ上昇し
ホームでは1.85から2.30へ
アウェイでも0.83から1.00へ
勝ち点を伸ばしています。

そして1試合平均の得点数と失点数に関しても
得点数は1.38点から1.60点と増え
失点数は1.46点から1.05点と減っています。

特に失点に関してはエメリ戦監督時代と
基本的に同じメンバー構成にも関わらず
減らす事が出来た所は大きな意味があると思います。
そしてトップ4に返り咲く為の一つの目安となる
「1試合平均1失点以下」に
近づいた事は来シーズンに向けて
大きな弾みになると思います。

一方で1試合平均の得点数も1.60と増えたとは言え
それでも38試合換算では約61得点にしかならず
トップ4争いをするにはまだまだ足りません。

もう少し数字を掘り下げますと、
1試合平均の総被シュート数は
16.8本から13.3本へ減っており
1試合平均の被枠内シュート数も
6.2本から4.8本と減っている様に
シュートを撃たれる様な
守備陣が崩される場面が減った言え、
エメリ戦監督時代に比べて
守備組織的に改善して来ていると思います。

一方で1試合平均の総シュート数は
12.5本から9.7本へ減っており
1試合平均の枠内シュート数も
4.5本から3.8本へ減っていますので
得点数は増えていますが
実際はシュートを撃つ事が出来る様な状況は
増えていないと言えます。

確かに冬の移籍期間では
22マリと17ソアレスと言う
DFラインの選手を補強しましたが
攻撃陣に関しては30エンケティアを
戻しただけで終わった所からも
まずアルテタ監督が改善に取り組んだのは
脆弱な守備組織の改善に対してであり
攻撃面に対しては
まだ手が回っていないのかもしれません。

実際、PL再開後では守備の脆弱さを改善させる為に
4バックから3バックへ変更した
3−4−3システムに変えた様に
多かれ少なかれ攻撃面を犠牲にして
守備面の改善に努め様とした事が分かると思います。

しかし攻撃面を改善する為には
このままの3−4−3システムでは
限界があるかもしれませんので
来シーズンはシステムを
就任当初に使用していた4−2−3−1や
PL再開後に使用していた4−3−3に
変更するかもしれません。

勿論、4−2−3−1に変更するのならば
10エジルの去就が不透明な今、
攻撃の全権を握る様な
新たな攻撃的MFが必要になるでしょうし
4−3−3に変更するならば
中盤の強化が必須だと思います。

よって、今シーズン守備面を改善させた様に
攻撃面も組織的に構築する事で
改善していくのかもしれませんが
同時にアルテタ監督が求めているレベルの選手の
補強が必要になると思われます。

因みに来シーズンのトップ4復帰を目指す上で
今シーズンのトップ4のクラブと比較しますと
まだまだ大きな差が存在していると思います。


〜PLシーズン成績〜
リバプール  32勝 3分け 3敗 勝ち点99 得点 85 失点33 +52 1位
シティ    26勝 3分け 9敗 勝ち点81 得点102 失点35 +67 2位
ユナイテッド 18勝12分け 8敗 勝ち点66 得点 66 失点36 +30 3位
チェルシー  20勝 6分け12敗 勝ち点66 得点 69 失点54 +15 4位
アーセナル  14勝14分け10敗 勝ち点56 得点 56 失点48  +8 8位

〜PLホーム〜
リバプール  18勝 1分け 0敗 勝ち点55 得点52 失点16 +36 1位
シティ    15勝 2分け 2敗 勝ち点81 得点57 失点13 +44 2位
ユナイテッド 10勝 7分け 2敗 勝ち点37 得点40 失点17 +23 4位
チェルシー  11勝 3分け 5敗 勝ち点36 得点30 失点16 +14 6位
アーセナル  10勝 6分け 3敗 勝ち点36 得点36 失点24 +12 7位

〜PLアウェイ〜
リバプール  14勝 2分け 3敗 勝ち点44 得点33 失点17 +16  1位
シティ    11勝 1分け 7敗 勝ち点34 得点45 失点22 +23  2位
ユナイテッド  8勝 5分け 6敗 勝ち点29 得点26 失点19  +7  5位
チェルシー   9勝 3分け 7敗 勝ち点30 得点39 失点38  +1  4位
アーセナル   4勝 8分け 7敗 勝ち点36 得点20 失点24  ー4 10位

〜PLシーズン前半〜
リバプール  18勝 1分け 0敗 勝ち点55 得点47 失点14 +33  1位
シティ    12勝 2分け 5敗 勝ち点39 得点52 失点23 +29  3位
ユナイテッド  7勝 7分け 5敗 勝ち点28 得点30 失点23  +7  8位
チェルシー  12勝 2分け 7敗 勝ち点32 得点33 失点27  +6  4位
アーセナル   5勝 9分け 5敗 勝ち点24 得点25 失点28  ー3 11位

〜PLシーズン後半〜
リバプール  14勝 2分け 3敗 勝ち点44 得点38 失点19 +19 1位
シティ    14勝 1分け 4敗 勝ち点43 得点10 失点12 +38 2位
ユナイテッド 11勝 5分け 3敗 勝ち点38 得点36 失点13 +23 3位
チェルシー  10勝 4分け 5敗 勝ち点34 得点36 失点27  +9 4位
アーセナル   9勝 5分け 5敗 勝ち点32 得点31 失点20 +11 5位

〜〜PL1試合平均得点〜〜
リバプール  総計2.24点  ホーム2.74点  アウェイ1.74点
シティ    総計2.68点  ホーム3.00点  アウェイ2.37点
ユナイテッド 総計1.74点  ホーム2.11点  アウェイ1.37点
チェルシー  総計1.82点  ホーム1.58点  アウェイ2.05点
アーセナル  総計1.47点  ホーム1.89点  アウェイ1.05点
アルテタ監督 総計1.60点  ホーム2.20点  アウェイ1.00点

〜〜PL1試合平均失点〜〜
リバプール  総計0.87点  ホーム0.84点  アウェイ0.89点
シティ    総計0.92点  ホーム0.68点  アウェイ1.16点
ユナイテッド 総計0.95点  ホーム0.89点  アウェイ1.00点
チェルシー  総計1.42点  ホーム0.84点  アウェイ2.00点
アーセナル  総計1.26点  ホーム1.26点  アウェイ1.26点
アルテタ監督 総計1.05点  ホーム0.90点  アウェイ1.20点

〜〜PLシュート数〜〜
リバプール  総数591本  1試合平均数15.6本
シティ    総数745本  1試合平均数19.6本
ユナイテッド 総数544本  1試合平均数14.3本
チェルシー  総数625本  1試合平均数16.4本
アーセナル  総数467本  1試合平均数12.3本
アルテタ監督 総数194本  1試合平均数 9.7本

〜〜PL枠内シュート数〜〜
リバプール  総数231本  1試合平均数6.1本
シティ    総数266本  1試合平均数7.0本
ユナイテッド 総数216本  1試合平均数5.7本
チェルシー  総数223本  1試合平均数5.9本
アーセナル  総数170本  1試合平均数4.5本
アルテタ監督 総数 75本  1試合平均数3.8本

〜〜PL Big chances created〜〜
リバプール  総数 88回  1試合平均数2.3回 1得点平均数1.04回
シティ    総数108回  1試合平均数2.8回 1得点平均数1.06回
ユナイテッド 総数 55回  1試合平均数1.4回 1得点平均数0.83回
チェルシー  総数 74回  1試合平均数1.9回 1得点平均数1.07回
アーセナル  総数 72回  1試合平均数1.9回 1得点平均数1.29回


先程も書きました様にアルテタ監督就任後の
1試合平均の失点数に関しては
1.05点と改善しており
1点以下のリバプール、シティ、ユナイテッドに迫っていますが
得点数に関しては大きな差があります。

今シーズン102得点挙げ
1試合平均2.68点奪ったシティと比べて
アルテタ監督就任後の1試合平均得点数は
1.6点とまだ1点以上差があります
そして1試合平均のシュート数では
シティの19.6本に対して9.7本と
約10本も差があり
1試合平均の枠内シュート数も
シティの7本に対して3.8本と
3本以上も差があります。

このシーズン終盤では
リバプール、シティ、チェルシーに対して
勝利を挙げる事に成功しましたが
これらの試合で取った戦術は
堅守速攻と言って差し支えない戦術だったと思います。
確かに今のアーセナルがこれらのクラブに勝利する為には
この戦い方しかなかったのかも知れませんが
同じ様な戦い方が来シーズンも通用するかどうかは
別な話だと思います。

そう言う意味では一般的に言われている様に
確かにアーセナルの守備陣の強化は
必要なポイントだと思いますが
数字の上では攻撃面の差を埋める事が出来るかどうかが
もしかしたらトップ4に返り咲く
ポイントになるのかも知れません。

そしてここ最近盛んに聞こえてくる
ウィリアンやコウチーニョの獲得の噂には
この様な理由があるのかも知れません。


今シーズンは非常に苦しく難しいシーズンでしたが
アルテタ監督が就任以後チームは持ち直し
最終的にFA杯優勝とELの出場権を獲得する所まで
引き戻す事に成功しました。

そして来シーズンは更に上を目指すシーズンになると思います。

アーセナルがアーセナルである為の
次のステップに向けてアルテタ監督が
この夏にどの様な選手を補強して
どの様なチームを築くのか注目されます。
そして今シーズン守備組織の改善に努めた様に
来シーズンは攻撃面をどの様な形に
仕上げてくる事が出来るかどうかが
大きなポイントになると思われます。

今シーズンの非常に困難な状況を乗り越えたアルテタ監督ならば
どれだけ困難な状況でも必ずやり遂げてくれると思います。
そしてまず最初のステップとして
来シーズンはトップ4への返り咲きが
現実的な目標になると思いますが
アルテタ監督のチームならば
その目標を軽くクリアーしてくれると信じています!!


C'mon Arsenal !!


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